救急医学系救急集中治療医学分野

● 内科系、外科系に関わらず、 全身を診られる医師の育成 に力を入れており、医師であれ
ば誰もが行わなければならないプライマリーケアの修練場所としては最適。
● 東京都内に板橋病院・日本大学病院(お茶の水)の 2 つの救命救急センターを擁している。
● 災害医療(DMAT)にも積極的に参画している。
● AHA(アメリカ心臓協会)公認の救急心血管治療・心肺蘇生法トレーニングサイトを開設
している。
● シミュレーショントレーニングによる、高度な救急医療教育システムを有している。
(板橋病院の特徴)
● 年間 2000 例を超える 3 次重症救急患者(外傷、熱傷、急性腹症、急性心筋梗塞、脳卒中、
急性中毒、重症肺炎、重症敗血症、心肺停止症例)を扱う大規模救命救急センター。
● 世界トップクラスの高度な集中治療部門(30 床:ICU、HCU、CCU、SCU、BCU)を擁し、
重症患者の集中治療に実績をあげている。
●「スーパー総合周産期センター」と、
「こども救命センター」の東京都指定施設であり、重症・
重篤な妊産婦・産褥婦や小児の診療を何時でも行える体制を整えている。
(日本大学病院の特徴)
● 救命救急センターにおいては年間約 700 例の 3 次救急重症患者に加えて、約 1200 例の
2 次救急患者の診療も取り扱っている。
● 重症症例の初期診療や集中治療はもちろんのこと、ERでのあらゆる症例の対応を身につけ
ることができる。
1) 教室の概要紹介
「救急医療」は、初期臨床研修の基本科目の一つに設定されており、救急医療の重要性が広く認識さ
れています。このような認識に伴い、過去わずか 3 年の間に、全国で 50 以上の救命救急センターが新
設され、多くの病院で新たに「救急科」が診療科として設けら
れてきております。医療崩壊が叫ばれる昨今、わが国の救急医
の需要は高まる一方です。
日本大学救急医学教室(日本大学医学部救急医学系救急集中
治療医学分野)は 1992 年に設立された教室であり、都内 2 カ
所の大規模な救命救急センターを擁しています。
板橋病院救命救急センターの年間 3 次救急患者数は 2000 例
を超え、東京都内でもトップクラスの取り扱い患者数を誇って
おります。重症外傷、脳卒中、急性冠症候群(急性心筋梗塞)、
急性腹症、急性中毒、重症熱傷、心肺停止、急性心不全、急性
図1:救命救急センター内の手術室
呼吸不全などの重症患者に対する初期治療・手術・集中治療管
理(呼吸・循環管理、感染制御、栄養管理、血液浄化療法など)
を得意分野としています。これらの初期診療と超急性期の集中
治療を通じて、医師であれば誰もが行わなければならない救急
処置法を確実に修得し、
“全身を診ることができる医師”の育
成に力を入れております。
緊急手術や各種血管内カテーテル手術・治療などは、救命
救急センター内に併設してある血管撮影室・手術室(図 1 お
よび 2)で積極的に行っています。集中治療室(図 3)とし
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図 2:手術風景
救急医学系救急集中治療医学分野
救急医学系救急集中治療医学分野
救急医学系救急集中治療医学分野
て ICU、HCU、BCU(burn care unit) 以 外 に、CCU(coronary
care unit)
、SCU(stroke care unit)を擁する救命救急セン
ターは少数であり、一般集中治療とともに急性冠疾患、脳卒中
などの診療修練ができるのも当救命救急センターの大きな特徴
です。特に重症の妊産婦や小児の救急診療に対しても力を入れ
ており、東京都より都内4カ所しかない「スーパー総合周産期
センター」と、都内4カ所しかない「こども救命センター」の
両センターの指定を受けている都内唯一の施設です。産科、小
児科との協力体制の下、これからの将来を担う母子の救命に日
夜努力をしております。
図 3:集中治療室
お茶の水にある日本大学病院救命救急センターは昭和 53 年に当院の前身である駿河台日本大学病院
において東京都内で 6 番目の 3 次救急施設として救急医療センターを開設しました。平成 3 年に救命
救急センターに移行し、千代田区で唯一の救命救急センターとしてこれまでの約 40 年間に 3 万人余り
の重症患者さんを収容し治療した実績があります。急性冠症候群・心不全・急性大動脈解離・肺塞栓
症などの重症心血管緊急症、急性肝不全・急性呼吸不全・急性腎不全といった重症疾患で臓器不全の
ため集中治療が必要な疾患、外傷による各種臓器損傷、脳出血などの中枢神経系疾患、重症急性膵炎・
消化管穿孔などの急性腹症、急性大動脈解離、重症敗血症等幅広い重症疾患を他科と連携しながら診
療しています。また、2 次救急の初期診療も施行しており、ER での救急疾患の軽症から重症までのあ
らゆる症例に対応しています。
日常のスケジュール
●9 時〜 前日の対応症例の検討会、その後病棟回診 (平日、土曜日)
●17 時(平日)、14 時(土曜日)〜 夕回診 その後当直体制
●月曜日朝 医局会、勉強会
●月曜日昼 説明会
●月曜日午後、木曜日午後 全体の症例検討会及び部長・科長回診
●その他勉強会、セミナー、カンファレンス等随時
当教室でできること
●●多種多様な疾患を診療できる。
●小児、妊産婦の重症患者を経験できる。
●各疾患 ・ 病態のプライマリーケアできる。
●限られた時間 ・ 資源の中で適切に診療する技術が身につく。
●自らの手で“命を救った”という実感が得られる。
●様々な救急診療技術及び集中治療技術(心肺蘇生法、外傷初期診療、電気的除細動、気管挿管、気
管切開術、人工呼吸器管理、中心静脈カテーテル留置、観血的動脈内圧測定、経皮的心肺補助装置、
胸腔 ・ 腹腔ドレナージ、血液浄化法、カテーテルインターベンション、緊急手術、輸液管理、栄養
管理等)を身につけられる。
●救急医学 ・ 集中治療医学に関する研究を行い、学会発表や論文執筆ができる
●『医学博士』の学位取得ができる
●救急科専門医、集中治療専門医が取得できる。
●災害医療(DMAT)に参画できる。
●種々の研修コース(アメリカ心臓教会(AHA)の種々の心肺蘇生法、救急心血管治療に関する資格、
日本救急医学会 ICLS 研修コース [ 内科認定医、麻酔科専門医、救急科専門医、循環器科専門医な
どの専門医資格を取得するために必要 ]、JATEC、JPTEC 等)を主催し、自施設内で修了資格取得及
びインストラクター経験ができる。
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卒後 2 年間の初期臨床研修修了後、3 年次より救急医療および集中治療の後期研修に入ります。当科
の後期臨床研修では、初期臨床研修医修了後に 3 年間で救急科専門医、5 年間で集中治療専門医の取得
を目指します。救急科専門医取得時までには、プライマリーケアに必要な救急処置を学ぶことができ
ます。
また、同時に『医学博士』の学位取得を目指します。大学院に入学した場合には、初期臨床研修修
了から 4 年間で、また大学院によらない場合は 6 年間で学位取得を目指します。
短期間(1 ~ 2 年間)の救急・集中治療研修も可能です。これまでも本学卒業生に限らず、数多くの施
設からの医師の受け入れ実績があり、医師の経験年数や個人のニーズに応じた短期研修プログラムで
救急・集中治療研修を行うことが可能です。
初期臨床研修2年間
後期臨床研修開始(日本救急医学会、日本集中治療医学会に入会)
救急医学系大学院4年間
(横断型医学専門教育プログラム)
後期研修医(専修医)3年間
病院での臨床勤務を行いながら、学位を取得
医学博士・救急科専門医
救急科専門医
救急科専門医取得後の研修プログラム
集中治療専門医、その他の専門医・認定医資格取得
日本救急医学会指導医
図4:心肺蘇生法講習会風景
図5:板橋病院災害研修コース風景
(日本救急医学会認定 ICLS 研修コース)
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救急医学系救急集中治療医学分野
2) 後期研修プログラム(教育システム)と専門医、指導医の資格取得(図5)
救急医学系救急集中治療医学分野
3) 指導体制
木下 浩作
教授
日本救急医学会指導医、救急科専門医、集中治療専門医、
外傷専門医脳神経外科専門医、脳卒中専門医
日本救急医学会指導医、救急科専門医、集中治療専門医、
麻酔科専門医、麻酔科指導医
桜井 淳
准教授
小豆畑 丈夫
診療准教授
救急科専門医、外科専門医、日本外科学会指導医、
消化器外科専門・指導医、消化器病専門医、消化器癌外科治療認定医、
H. Pylori(ピロリ)菌感染症認定医
齋藤 豪
助手
日本救急医学会指導医、救急科専門医
雅楽川 聡
助手
日本救急医学会指導医、救急科専門医
古川 誠
助教
日本救急医学会指導医、救急科専門医、集中治療専門医、外傷専門医
山口 順子
助教
救急科専門医
千葉 宣孝
助教
日本救急医学会指導医、救急科専門医、集中治療専門医、
日本内科学会認定内科医、循環器専門医、認定内科医
野田 彰浩
助教
日本救急医学会指導医、救急科専門医、集中治療専門医、認定内科医
富永 善照
助手
救急科専門医、総合内科専門医、循環器専門医
杉田 篤紀
助手
救急科専門医、外科専門医
小松 智英
助教
救急科専門医
桑名 司
助手
救急科専門医、集中治療専門医、感染症専門医、抗菌化学療法指導医
澤田 奈実
助手
小児科専門医
堀 智志
助手
救急科専門医
4) ホームページ
当施設に関する情報や研修プログラムの詳しい内容は、下記ホームページをご覧ください。
http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/eccm/index.html
問い合わせ先
医局長:山口 順子 (やまぐち じゅんこ)
日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター
〒 173−8610 東京都板橋区大谷口上町 30−1
TEL :03−3972−8111(内線 2800)
FAX:03−5964−8037
E-mail:[email protected]
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