4.テラヘルツ波集積回路の実現へ向けたフォトニック結晶デバイスの研究

テラヘルツ波集積回路の実現へ向けたフォトニック結晶デバイスの研究
Photonic-crystal devices towards terahertz-wave integrated circuits
1.はじめに
電波と光波の境界領域のおよそ 0.1 THz から 10 THz
の周波数を有する電磁波であるテラヘルツ波は、21 世
紀に人類に残された未開拓の電磁波として注目されて
いる[1] - [5]。この周波数を光子のエネルギーに換算す
ると、結晶格子の振動や分子間振動、気体の回転など、
固体系や分子系、気体など、様々な物質のエネルギー
冨士田 誠之 (Masayuki FUJITA, Ph. D.)
固有状態に相当するため、それぞれの物質に現われる
大阪大学大学院 基礎工学研究科 准教授
特徴的な吸収スペクトル(指紋スペクトル)を利用し
(Associate Professor, Graduate school of engineering science,
Osaka University)
た物質の分析を行う分光センシングの研究が盛んに行
応用物理学会 電子情報通信学会 レーザー学会 光化学協会 IEEE
われている。また、テラヘルツ波は光と電波の中間領
受賞:応用物理学会講演奨励賞 (2000 年) EMS 賞 (2005 年) 応用物理学
域にあるため、可視光に対しては不透明な物質にも電
会論文奨励賞 (2006 年) 光科学技術振興財団研究奨励賞 (2007 年) レー
波的な透過性を有するとともに、高いエネルギーを有
ザー学会業績賞(論文賞) (2007 年) 大阪大学総長奨励賞 研究部門 (2013
年, 2014 年, 2015 年) 他
する X 線のような物質へのダメージは回避することが
著書: ナノシリコンの最新技術と応用展開(分担) シーエムシー出版 (2010
できる。その一方で、電波と比較すると波長が短いた
年) フォトニックナノ構造の最近の進展(分担) シーエムシー出版 (2011
年) ナノインプリント技術(分担) 電子情報通信学会 (2014 年)
めに回折が小さく、空間分解能が高い非破壊の 3 次元
研究専門分野:光量子エレクトロニクス
イメージングも可能である。さらには、携帯電話や無
線 LAN 等で利用されている GHz 帯のマイクロ波と比
較して、周波数が高いテラヘルツ波の広帯域を活かし
た超高速無線通信の実現が期待されている。このよう
に、様々な応用が期待されているテラヘルツ波である
が、それらの応用システムを構成するには、光源、検
あらまし
近年、電波と光の境界領域の周波数(0.1 -
出器、導波管、レンズといった様々な個別部品が必要
10 THz)を有する電磁波であるテラヘルツ波に関して、
である。しかしながら、これらの部品を組み合わせて
分光センシング、非破壊イメージングや超高速無線通
いくと、システムが大型で煩雑となってしまう。その
信などの応用が注目を集めている。しかし、現状、テ
ため、今後のテラヘルツ波の様々な分野における利活
ラヘルツ波を利用する各種システムのほとんどは、個
用と実用化に向けて、小型集積化が可能な薄膜かつ平
別部品の組み合わせで構成されており、今後、その小
面構造へ低損失にテラヘルツ波を閉じ込め、自在に操
型・集積化が期待される。ここで、マイクロ波帯で実
作するための新たな基盤技術の開発が期待される。
績のある金属配線による集積技術をテラヘルツ帯に適
回路中において配線となり、情報を伝達させる伝送
用する場合には、金属による伝搬損失が深刻な問題と
路は、最も基盤となる受動デバイスである。ここで、
なる。そこで、本研究では、テラヘルツ波を誘電体薄
テラヘルツ帯では、光と電波の中間領域ゆえ、双方の
膜構造へ極低損失で閉じ込め可能なフォトニック結晶
技術の適用が考えられる。しかし、レンズやミラーな
をテラヘルツ波集積回路のプラットホームとして着目
どの光学部品は、空間伝搬用の部品であり、大型かつ
した。本稿では、フォトニック結晶デバイスの最も基
立体構造である。また、電波領域で用いられる中空金
礎となるフォトニックバンドギャップ効果と、集積回
属導波管[6]は、微細な立体構造であるため、複雑な集
路の基盤をなす受動デバイスである伝送路の 0.3 THz
積化には向かない。さらに、マイクロ波集積回路で使
帯における実証結果に関して述べ、その伝搬損失が
われる平面金属線路は、周波数がテラヘルツ帯まで高
0.1 dB/cm 以下と小さく、テラヘルツ波集積回路の実
くなると、金属による損失の影響が大きくなる[7] -
現に向けて有望であることを示す。
[11]という問題がある。ここで、誘電体の微細周期構
1
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造からなるフォトニック結晶、特に、半導体薄膜に 2
子を採用し、厚み方向が多モードにならない条件を考慮
次元周期の孔を形成したフォトニック結晶スラブは、
して、スラブの厚さは 200 μm とした。図 1 に、フォト
平面構造にも関わらず、3 次元的なモードの制御が可
ニック結晶の周期 a に対するフォトニックバンドギャッ
能[12]であるため、低損失なテラヘルツ波の閉じこめ
プの周波数依存性の電磁界シミュレーション計算結果を
が期待でき、テラヘルツ帯の集積プラットホームとし
示す。孔の半径 r = 0.3a とし、電界がスラブ面内に存在
て有望である。
する偏波を想定している。図 1 より、周期を 200 μm か
本稿では、まず、フォトニック結晶の最も基礎とな
ら 280 μm とすることで、
中心周波数 0.30 THz から 0.40
るフォトニックバンドギャップ効果のテラヘルツ帯で
THz、帯域幅 0.07 THz から 0.10 THz のフォトニックバ
の設計と実証結果に関して述べる。次に、0.3 THz 帯
ンドギャップが形成されることがわかった。
におけるテラヘルツ波フォトニック結晶導波路の設計
と、その伝搬損失の評価に関して述べ、通信応用の結
果を紹介する。
2.テラヘルツ帯フォトニックバンドギャップ効果の
実証
フォトニック結晶は、固体結晶と同様に、周期性を
有する誘電体の微細構造である[13]。固体結晶中の電
子の振る舞いが、原子の周期的なポテンシャルエネル
ギーを起源とするエネルギーバンドに従うように、フ
ォトニック結晶中の電磁波は、周期的な誘電率分布の
図1
影響を受け、自由空間中とは異なるフォトニック結晶
フォトニック結晶の周期に対するフォト
ニックバンドギャップ帯の理論解析結果
で決定されるフォトニックバンドに従ったモードで発
生、伝搬する。このようなフォトニック結晶の基本的
かつ最も重要な特長として、電磁波が存在できない状
上記の設計を元に、4 インチの高抵抗シリコン基板
態を与えるフォトニックバンドギャップ効果[12]が挙
を用いて試料の作製を行った。作製には、フォトリソ
げられる。
グラフィー、プラズマエッチングといったマイクロマ
本研究では、特に、半導体薄膜に 2 次元周期の孔を
シンの作製技術を用いた。図 2 に、作製した試料の写
形成したフォトニック結晶スラブに着目した。この構造
真を示す。図 2 に示すように、厚さ 200 μm のシリコ
では、平面構造にも関わらず、3 次元的なモードの制御
ン基板(光波領域のフォトニック結晶の典型的な厚さ
が可能であるため、低損失なテラヘルツ波の閉じこめが
の約 1000 倍)に対して、良好な形状のフォトニック
期待できる[14]。また、成熟した半導体プロセスを用い
結晶スラブが作製可能なことが示された。
ることで、高精度な作製結果も期待できる。まずは、無
作製した試料の透過特性をテラヘルツ波時間領域分
線通信・イメージング応用の進んでいる 0.3 THz 帯で、
光系で測定した結果を図 3 に示す。フォトニック結晶
フォトニック結晶の基礎となる前述のフォトニックバン
面内の代表的な 2 方向(Γ-J 方向、Γ-X 方向)に関し
ドギャップ効果が現われるような設計を行った[15]。こ
て、透過率の低い周波数帯がフォトニックバンドギャ
こで、フォトニックバンドギャップの帯域幅は、誘電体
ップの理論値とよく一致した。また、周期 a が変化す
の屈折率に依存するため、高屈折率材料が望ましい。そ
るにつれて、フォトニックバンドギャップの周波数が、
こで、テラヘルツ帯で高い屈折率を有し、材料吸収の小
理論と実験に対応して変化する結果が観察され、確か
さい高抵抗シリコンを用いることにした。また、対称性
に 0.3 THz 帯のフォトニックバンドギャップ効果が得
の高さからフォトニック結晶の周期構造には円孔三角格
られることが実証できた。
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図2 作製したテラヘルツ帯フォトニック結晶
図3 フォトニックバンドギャップ(PBG)効果の測定結果
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3.極低損失フォトニック結晶テラヘルツ波伝送路
図 4 に示すように、2 次元フォトニック結晶スラブ
の周期構造中へ Γ-J 方向に孔を埋めた構造(線欠陥)
を導入すると、線欠陥の部分にはテラヘルツ波が存在
でき、面内のモードを禁止するフォトニックバンドギ
ャップ効果でテラヘルツ波が線欠陥へ閉じ込められ、
テラヘルツ波の伝送路として働く。加えて、上下方向
は、シリコンと空気の大きな屈折率差に起因する全反
射効果でテラヘルツ波を伝送路中へ強く閉じ込めるこ
とが可能である。
ここで、単位長さあたりの伝搬損失を見積もるため
図4
に、伝搬長が 2 cm, 3 cm, 5 cm, 8 cm, 20 cm, 50 cm と
フォトニック結晶伝送路の概念図
異なる伝送路を、前節と同様にマイクロマシンの作製
技術で作製した。
ミリ波発振器、逓倍器、スペクトラムアナライザ、
テラヘルツ波ミキサ、WR-3 中空導波管で構成される
エレクトロニクスベースの分光システムを用い、作製
した伝送路を伝送路の端に形成したテーパー構造を介
して導波管と接続し、周波数を 0.28 THz から 0.39
THz の範囲で変化させ、透過特性を測定した[16]。こ
こで、導波管同士を直接接続した場合を透過率の基準
とした。
抵抗率 20 kΩcm の基板を用いた際の長さ 2 cm の伝
図5
送路の透過率の測定結果を図 5 に示す。0.313 THz か
フォトニック結晶伝送路の透過スペクトル
ら 0.390 THz までの 77 GHz の範囲で、全体の損失が
4 dB 以下である。特に、伝搬モードが全反射条件を満
たす 0.320 THz から 0.331 THz の周波数では、0.4 dB
以下と損失が非常に小さい。ここで、0.313 THz 以下
では、群速度が小さくなる影響で損失が大幅に増大し
ている。
長さの異なる導波路に関して、同様の透過率の測定
を行い、各周波数に関して伝搬長に対する損失のグラ
フを描き、その傾きから単位長さ辺りの伝搬損失を見
積もった。抵抗率 20 kΩcm のシリコン基板を用いた
際の 0.31 THz から 0.34 THz における伝搬損失の評価
結果を図 6 に示す。0.318 THz から 0.335 THz で伝搬
損失が 0.2 dB/cm 以下であり、その最小値は、0.33 THz
図6
において 0.04 dB/cm であった。
ここで、フォトニック結晶伝送路の伝搬損失は、構
フォトニック結晶伝送路の
伝搬損失の測定結果
造損失と材料損失に分類できるが、全反射条件を満た
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す周波数帯では、理想的には構造損失はフォトニック
以上、述べてきたテラヘルツ波フォトニック結晶伝
バンドギャップ効果により面内の漏れがないため生じ
送路の低損失性の有効性をテラヘルツ波通信で示すた
ない。一方、材料損失としては、フォトニック結晶を
め、長さ 50 cm、28 回曲げを有する試料でギガビット
構成するシリコン中の自由キャリアによる吸収損失が
級のデータ通信実験を行った。その結果、非圧縮ハイ
考えられる。実験的に抵抗率が異なる試料で、前述の
ビジョン映像の伝送に適した 1.5 Gbit/s の通信に成功
方法と同様にして単位長さ当たりの伝搬損失を求める
し、図 8 に示すように、非圧縮ハイビジョン映像のリ
ともに、シリコン中の自由キャリアに関するドルーデ
アルタイム伝送にも成功した[16]。
モデル[17]に基づいてシリコンの抵抗率から複素誘電
率を算出し、有限時間領域差分シミュレーションで各
抵抗率に対する伝搬損失を求めた。
図 7 に、0.33 THz におけるシリコン基板の抵抗率に
対する伝搬損失の関係を示す。抵抗率が上がるほど、
キャリア密度が低下することでシリコンの吸収係数が
減少し、伝搬損失が低下するという結果が得られた。
抵抗率が 20 kΩcm のとき、伝搬損失は 0.04 dB/cm と
なった。この値は、これまでに報告されている平面金
属線路の 0.3 THz 帯における報告値(4 - 25 dB/cm)
よりも 2 桁以上小さい。さらには、著者が知る限りで
図8
は、この値は光波領域におけるフォトニック結晶導波
フォトニック結晶伝送路を用いた
テラヘルツ波通信の様子
路(2 - 100 dB/cm)[18] - [28]も含むあらゆるフォト
ニック結晶伝送路の中で、最小の値である。以上、示
してきた実験値とシミュレーション結果の良い一致は、
4.まとめ
光波領域では生じている加工による構造損失が、テラ
フォトニック結晶スラブにおいて、0.3 THz 帯のフ
ヘルツ波帯のフォトニック結晶伝送路では、無視でき
ォトニックバンドギャップ効果を実証した後、最も基
るほど小さいことを示唆している。
本的な受動デバイスである伝送路を作製した。その結
果、最小伝搬損失 0.04 dB/cm を実現した。さらに、
長さ 50 cm の伝送路で 1.5 Gbit/s のテラヘルツ波通信
にも成功した。極低損失性を有する伝送路を平面内に
半導体加工技術で作製できるため、フォトニック結晶
スラブは、テラヘルツ波集積回路のプラットホームと
して有望だと結論できる。
謝辞
本稿の内容は、大阪大学 永妻忠夫教授、芦田昌明教
授、永井正也准教授、大学院生 石垣司、鶴田一魁、垣
図7
見亮磨、隅倉麻子、矢田将大の諸氏との共同研究の成
シリコンの抵抗率に対するテラヘルツ帯
フォトニック結晶伝送路の伝搬損失
果であり、ここに関係各位に深く感謝する。
5
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この研究は、平成23年度SCAT研究助成の対象と
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です。
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