プリズム機関紙 第12号

●三重県いなば園
発行責任者
園長
杉村
晃一
〒514-1252
津市稲葉町 3989 番地
●電
話
(059)-252-1780
●ファックス (059)-252-1374
●ホームページアドレス
http://www.inabaen.com
第12 号
●発行年月日
平成 27年3月
一年を終えて
3 月を迎え、26 年度も終わろうとしています。保護者の方々には、平素よりプリズムの運営に
ご理解ご協力を頂きましてありがとうございました。これからもスタッフ一丸となって楽しいプリ
ズムを作っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。
~プリズムスタッフより~
・児童発達支援管理責任者
辻 知佳子
お子さんの笑顔とお母様方の頑張りに癒され励まされやる気と元気をもらった日々でした。お子
さんが健やかに、その子らしくのびのび育っていっていただけるように、心から願っています。あ
りがとうございました。
・清水 千春
昨年の 11 月より、プリズムで子どもさんたちに関わらせていただいています。保育や福祉の仕
事に携わらせていただく度に、利用者さん方にエネルギーをいただいています。5 ヶ月余りでした
が、とても充実した時間をいただき、ありがとうございました。
・白井 美希
毎日がとても充実していて、あっという間の一年でした。笑顔でプリズムの玄関まで来てくれた
とき、できなかったことができるようになったとき、本当に嬉しい気持ちになりました。子どもた
ちが成長していくそばで仕事をさせてもらえていることに感謝です。ありがとうございました。
【活動の様子①】
秋のおさんぽ
どんぐりにまつぼっくりに…
たくさん採れたよ!
よいしょ!
よいしょ!
高尾様
梅木様
小学 6 年生から中学 3 年生まで 4 年間お世話に
なりました。娘の行動、気持ちに寄り添い見守り、
私達夫婦の所にダウン症の娘として生まれて
来てくれた里菜。
生後二ヶ月での三回の心臓の手術にも耐え、小
手助けして頂いて、本当に安心して過ごせたと思
います。
プリズム卒業となって、いつも明るく出迎えて
学部六年間はほとんど休まず通ってくれました。
くれてたスタッフの皆さんと会えないと思うと
その里菜も中学部入学後すぐに「心が風邪」をひ
寂しい気持ちです…
いてしまい、自宅での療養、三年間は学校生活を
送ることができませんでした。
お薬が良く効いて一日中ウトウト、四ヶ月も夜
通し泣いて眠れなかった日々が嘘のよう。後半の
春から高等部ですが、3 年間で社会に出る準
備、親の私も心の準備をしっかりして娘と共にが
んばりたいと思います。
最後にスタッフの皆さんには感謝の気持ちで
一年半は放課後ディに通わせて頂いてたくさん
いっぱいです。4 年間本当にありがとうございま
のお友達や職員の皆さんとの出会いがありまし
した。
た。少しずつ笑顔が出てきました。
四月からは稲葉特別支援学校の高等部に通い
ます。暖かく見守って頂けたらと思います。里菜
のことを理解して支えて下さった、たくさんの
方々に感謝と心からのお礼を申し上げます。あり
がとうございました。
真柄様
プリズムがスタートした時、小学部の 6 年生で
した。最初の頃は、子どももなかなか落ち着かず
部屋の中をうろうろとしていたみたいですね。成
長過程に合わせ色々なことを学び、スタッフの
方々、お友達との触れ合いが楽しかったことでし
西尾様 「プリズムを振り返って」
ょう。少しは成長したのかな(^^)
個別での勉強、体を動かす運動は、気がむく時、
プリズムに入らせてもらったのは、昨年の 11
月中旬だったので、わずか 4 ヶ月程でしたが、
慣れてきた頃に卒業という事で、とても残念で
す。もっと早く入っていれば良かったです。大き
むかなかった時は、大変だったことと思います。
プリズムを卒業するのはさみしいけれど、いい経
験ができたと思っています。4 年間、どうもあり
がとうございました。
な声が苦手で、最初はイライラしてドアを叩いた
り、トイレの網戸を破ったりと色々やってくれま
したが、見放さず、見ていただいた事はありがた
く思います。
最近では、大好きなトランポリンで発散させて
もらって、イライラも少しずつ減ってきました。
高等部まであればなという気持ちでいっぱいで
す。短い間でしたが、お世話になりました。
ご卒業・ご入学おめでとうございます!
放課後等ディサービスご利用の 梅木さん
高尾さん・西尾さん・真柄さんが 4 月に高等部
に進学されます。これからもお元気で学校生活
を楽しんでくださいね。
児童発達支援のお子様も 10 名、小学 1 年生に
進学されます。おめでとうございます。
【活動の様子②】
クリスマス
みんなの力でステキな
クリスマスツリーが
出来上がりました★
【連載コラム①】
~ことばは「接して触って」身についていく~
言語聴覚士
小島
玉子
ことばは、絵カードで教え込むことはできません。ことばは、生活体験を通して獲得していくも
のだからです。
ここに、子豚を描いたカードがあります。周りの大人が「ぶーぶー」と言います。こどもも、
「ぶ
ーぶー」と真似をします。大人は、子どもは「豚をわかっている」ものと思います。でも、本物の
豚に出会っても、カードの豚と同じとはわかりません。
カードの学習の時は、
『四角』い紙をブーブーと思っていたかもしれません。
『肌色』のことをブ
ーブーと思っていたかもしれません。本物の子豚に出会い、触り、息遣いを聞き、可愛い目を見、
それから隣にいる牛や馬、羊と見比べて、やっと「ぶーぶー」の意味する概念を獲得するのです。
そうやって、概念が確立した後なら、カードや絵本から他の動物のことも知り得るのです。
忙しい現代社会ですが、車でびゅーっと飛ばすのではなく、たまには歩いて、道端の草や虫に触
ってみませんか?
【連載コラム②】
家族支援・家族相談について
臨床心理士 加藤 孝正
ここでは前号(第 11 号)のお話の続きを取り上げます。
S 君は地域のグループホームで暮らしながら、月曜日から金曜日の 5 日間を作業所に通って機械
部品に取り付けるボルトのねじの組立て作業をして日々暮らしていますが、どのようにして身の廻
りや指示された作業が出来るようになったか、幼少期の3歳半ごろから5歳ごろにかけてのお母さ
んとお父さんの彼へのかかわりを中心にお話をします。
3歳ごろの S 君のパニックに、お母さんは悲しい表情をして彼をぎゅっと抱きしめたり、冷蔵庫
など食べものを探してドアを閉めない、俗にほったらかしに対して、いつも鍵をかけて防止してい
ましたが、これでは全然 S 君の成長・発達は考えられないので、日頃、次のことを両親に心がけて
頂きました。
例えば、冷蔵庫のドアを開けようとしたら、彼に“おやつ欲しい?”と出来る限り正面から顔を
合わせながら声かけして、その反応を見ながら、
“○○が欲しいのね”と言語化していく。この年
齢では言語化は2語文で分かり易いこと、ウンとか首を横に振るなど親が返事の仕方を伝えたり、
○○が欲しいのねと言葉を覚える基礎づくりのチャンスにしていきます。このやりとりは急いでも、
余り幾度も確かめたりくどくても、本人は嫌になります。
3歳ごろの S 君レベルでは、上に挙げられたやりとりを基本に、食べることとそれを片付けるこ
と、着ることと脱ぐこと、手を洗うことと拭くこと、トイレに行けることと後始末など、基本的な
生活習慣を急がず丁寧に身につけるように関わりを持って頂いた。それだけでは S 君の楽しみがな
いので、お父さんの休日を利用して、公園へ出かけブランコ乗り、ボール投げ合い・ボール蹴りな
どの運動、一緒に散歩、部屋の中では腕相撲やでんぐり返りなど、体力・気力・運動も行って頂い
た。義務的にプログラムをこなすのでなく、気持ちをのせた関わりを大切にした。
この S 君はこうして1年位するとパニックは殆どみられなくなり、小学校へ入学する頃には顔見
知りになった仲間ができて、彼らと一緒に遊べるほどになった。
今、24 歳の彼の生活史をいろいろ紹介することは、紙面上むずかしいが、その年齢と発達に見
合った課題を丁寧にゆっくり行うことが大切だと分かって頂けると思います。
編集後記
3 月、卒園・卒業のシーズン。出会いと別れの季節ですね。お別れはとてもさみしいけ
れど、その先に新しい素敵な出会いが待っていると思います。皆さま、一年間プリズムを
温かく見守っていただき、ありがとうございました。来年度も、よろしくお願い致します。
最後に、お忙しい中プリズム機関紙に記事を寄せて頂いた保護者の皆さまに
厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
プリズム編集責任者
白井
美希