電子納品要領に基づく発注図等作成セミナー (一財)沖縄県建設技術センター 電子納品全般について 1.CALS/ECとは 2.電子納品について 3.電子成果品について 4.電子納品要領・基準の改定 1 1.CALS/EC(キャルス/イーシー)とは ◆公共事業のCALS/ECとは、「各種書類、図面、 写真」等を「電子化」し、関係者間及び事業 プロセス間で情報を交換・共有・連携でき る環境を創出する取組み。 ◆従来「紙」資料でやりとりしていた情報を 「電子化」した資料でやりとりする環境を創 り出す、取組み 2 CALS/ECのイメージ図 ネットワーク上で 情報を利活用 出典:「公共事業受発注者のためのCALS/ECガイドブック」 3 2.電子納品とは 公共事業の電子納品とは、調査・設計・工事など、 各共通仕様書に規定される資料をそれぞれの業務段階 の成果物として電子データで納品すること (単に電子データであればよいのではない) 電子データは電子納品要領(案)等の基準に基づいて 作成・整理されたものでなければいけない データ形式、フォルダ構成が統一したルールで作成されて初めて、 データを有効に利活用できる。 4 2-1 電子納品の目的は 【目的】 公共事業の各事業段階で利用している資料 を電子化し、共有・利活用することで、以下 に示す効果を実現すること 【効果】 1. 事業執行の効率化 2. 品質の向上 3. ペーパーレス・省スペース 5 2-2 電子納品を行なう際に ◆認識して欲しい事 「電子納品」自体が目的ではない! 納品されたデータが次の段階で有効活用できるかが重要! 次の業務段階で効率的に利用するためには、統一した ルールの基に資料を作成することが、重要! 6 2-3 電子納品の流れ 電子データの 受渡し 発注準備 土木工事の場合、発注者は受注者 へ発注図、特記仕様書を提供。 DRAWINGS DRAWINGS.XML 着手時の 打合せ チェックシート を基に受発注者 間で協議を行う。 業務履行 工事施工 成果品作成 日々の業務遂行・打合わ せ・情報交換(電子的に文 書を作成) 要領・基 準類に準 拠した形 で電子成 果品を作 成。 検査・納品 保管・管理 電子成果品を受領。 ・電子媒体 ・電子媒体納品書 ・確認登録証(電子データ) ・確認結果書(電子データ) DRAW03.DTD 工事番号:00000000000000 枚数/全 体枚数 工事名称:○○○○○○○○○○○工 C0PL0010.P21 C0PF0020.P21 C0SS0030.P21 発注者に よる電子 成果品確 認。 発 注 者 欄 事 平成00年00月 受 注 者 欄 発注者:沖縄県○○○○ ○○○事務所 ウイルスチェックに関する情報 請負者:△△株式会社 ウイルス対策ソフト名:○○○○ ウイルス定義:0000年00月00日版 チェック年月日:0000年00月00日 フォーマット形式:ISO9660(Level1) … SPEC SPEC01.PDF SPEC02.PDF 技術セン ターで電 子成果品 の確認 … 特記仕様書にセンターでの確認を記載 → 登録証の受理 7 2-4 事前協議【重 要】 ◆ 電子納品を円滑に行うためには、工事(業務)着手時に、 受発注者間で事前協議を行うことが“重要” 【主な協議内容】 (1)発注者提供資料の内容確認 (2)施工中の情報交換(ファイル形式等) (3)電子成果品の対象書類(経歴書等個人情報は不要) 図面データ、事前協議チェックシートは必須。 (4)検査の方法(写真のPC確認等を事前協議) (5)電子納品に関する手引き(案)(土木工事編)P6~8掲載 の沖縄県土木建築部県独自運用表に留意すること。 ① 納品間近の協議・指示等は、対応困難な場合がある ② 検査・納品を全て電子データで行うことは困難 8 2-5 電子納品のルール 電子納品に関するルールを定めたもの (1)要領・基準 電子成果品の作成方法について、形式や仕様等を定めたもの 例 → 工事完成図書の電子納品要領(案)・CAD製図基準案)等 (2)ガイドライン 電子納品の運用について、手順や手段等を示したもの 例 → 電子納品運用ガイドライン(案)【土木工事編】等 (3)手引き 独自の仕様や運用について、地方整備局や地方自治体が定めたもの 例 → 電子納品に関する手引き(案)等 ※ 基本は国交省作成の(1)(2) 補足的な内容を沖縄県の手引き(3)で記載 9 3.電子成果品について ◆電子媒体(メディア)はCD,DVDのみ ・1枚に収まらない場合は複数枚可 ◆追記書込は不可の設定とする 工事番号:00000000000000 枚数/全体枚数 ・クローズ処理(受注者にて行う) 工事名称:○○○○○○○○○○○工事 平成20年10月 発注者欄 受注者欄 発注者:沖縄県施設建築課 請負者:△△株式会社 ウイルスチェックに関する情報 ウイルス対策ソフト名:○○○○○○○○ ウイルス定義:0000年00月00日版 チェック年月日:0000年00月00日 フォーマット形式:ISO9660(Level1) ◆ファイルフォーマットは、 ISO9660(レベル1)を原則とする ・ファイル名は8文字+3文字拡張子 ・使える文字は半角英数大文字とアンダーバー”_” のみ ※ファイル名等の規定を守るよう指導 ◆署名は、メディアに傷を付ける恐れの ない物(油性マジック等)により行う。 ※管理技術者のサイン(発注者欄) ◆発注者提出は(正)のみ1部 ・技術センターの確認登録証も併せて受け取る ※部数は発注者へ確認、受注者へ連絡 10 3-1 電子成果品とする対象書類 何でもかんでも電子納品しない ・ 紙資料は、原則として電子納品しない。ただし、必要に応じて受発注者協議で決定する。 「効率化」又は「利活用」に該当するものが対象 鑑データと添付資料データを一式として格納 ・ 会計検査の資料、維持管理で必要な資料 ・ 必要な資料が省略されていないか確認する必要がある。 11 3-2 電子成果品(業務)の構成 INDEX_D.XML INDE_D03.DTD 電子媒体ルート 業務管理ファイル(XML、DTD) REPORT ORG REPORT(報告書フォルダ) 報告書管理ファイル(XML、DTD)・報告書(PDF) REPORT/ORG(報告書オリジナルフォルダ) 報告書(オリジナル) DRAWING PHOTO PIC DRA SURVEY BORING DRAWING(図面フォルダ) 図面管理ファイル(XML、DTD) ・図面(SXF(P21)) PHOTO(写真フォルダ) 写真管理ファイル(XML、DTD) PHOTO/PIC(写真フォルダ) 写真(JPEG) PHOTO/DRA(参考図フォルダ) 参考図(JPEG or TIFF) SURVEY(測量データフォルダ) 測量情報管理ファイル(XML、DTD) *サブフォルダは、測量成果電子納品要領(案)により細かく 規定されている。 BORING(地質データフォルダ) 地質情報管理ファイル(XML、DTD) *サブフォルダは、地質・土質調査成果電子納品要領(案)に より細かく規定されている。 12 3-3 電子成果品(工事)の構成 INDEX_C.XML INDE_C03.DTD DRAWINGS SPEC MEET ORG PLAN ORG DRAWINGF OTHRS PHOTO PIC DRA OTHRS ORGnnn 電子媒体ルート 工事管理ファイル(XML、DTD) DRAWINGS(発注図面フォルダ) 発注図面管理ファイル(XML、DTD) ・発注図面(SXF(P21)) DRAWINGS/SPEC(特記仕様書オリジナルフォルダ) 特記仕様書(オリジナル) MEET(打合せ簿フォルダ) 打合せ簿管理ファイル(XML、DTD) MEET/ORG(打合せ簿オリジナルフォルダ) 打合せ簿(オリジナル) PLAN(施工計画書フォルダ) 施工計画書管理ファイル(XML、DTD) PLAN/ORG(施工計画書オリジナルフォルダ) 施工計画書(オリジナル) DRAWINGF(完成図面フォルダ) 完成図面管理ファイル(XML、DTD) ・完成図面(SXF(P21)) DRAWINGF/OTHRS(完成図オリジナルフォルダ) 完成図(オリジナル) PHOTO(写真フォルダ) 写真管理ファイル(XML、DTD) PHOTO/PIC(写真フォルダ) 写真(JPEG) PHOTO/DRA(参考図フォルダ) 参考図(JPEG or TIFF) OTHRS(その他フォルダ) その他管理ファイル(XML、DTD) OTHRS/ORGnnn(その他オリジナルフォルダ) その他(オリジナル) 13 3-4 管理ファイル(XML)とは IEでXMLを開いた様子 ◆管理ファイルとは、成果品内に格納されて いる各データを検索・参照・再利用する際 に必要な情報を記載したファイル ◆工事や業務の基礎情報を記載 ◆電子納品の情報を検索、閲覧するために 必要なファイル 検索・参照 ※ 電子納品はPCをみる ことを 前提につくられている。 保管管理システム等 14 3-5 管理ファイルの内容 【記載されている主な内容】 ◆業務・工事の情報(名称・履行箇所・施工位置) 成果品一覧 ◆電子データの情報 報告書のインデックスの情報 (図面名・工事写真・設計/調査データ等) 成果品一覧 図面目録 概要書 写真添書 インデックス こうした情報が管理ファイルにまとめられている 15 3-6 電子納品をみてみよう 管理ファイル(XMLファイル)を実行 各フォルダの他、電子目録である、 管理ファイルが格納されている。 16 3-7 管理ファイル(XMLファイル)を開くと 情報がわかり にくい 17 3-8 ビューアとは 成果品CDの中身をそのまま見てもわかりにくい XMLを開いても何を書いてあるか見づらい ファイル名はすべて英数字 • ビューアという見る専用のソフトがある! ※種類はいろいろ、作成支援ソフトに付属していたり、 フリーソフトや建設技術センターHPでダウンロード可 実は、XMLファイルはビューアを使用するために作 成されたファイル。連携して初めて役割を果たす。 18 3-9 ビューアで(XMLファイル)を開くと XMLファイルをビューア にドラッグすると 19 3-10 ビューアソフトはどこから ソフト会社のビューアを購入 ソフト会社のビューアを購入 (一財)沖縄県建設技術センター ホームページ 電子納品 http://www.okinawa-ctc.or.jp/denshi/ 20 3-11 図面ファイル【DRAWINGS・DRAWINGF】 ◆CAD製図基準(案)及びCAD製図基準に関する運用ガイドライン(案)に 則って作成し、準拠しているかを確認する。 ◆データ形式:SXF(P21)だけとする ・事前協議により、工事施工中のやりとりのCAD形式は決定 ◆データ確認については、OCF検定認証ビューアソフト、CADソフト にて正常に閲覧・印刷ができることを確認。 ◆ファイル名・レイヤー名には命名規則がある ◆使用する「CADソフト」の指定は無いが、OCF検定に合格したソフトを 使用することが望ましい (CADソフトが電子納品基準に対応しているかを検定している) ・JWCADやHoCADなどのフリーソフトは電子納品未対応 [参考] オープンCADフォーマット協議会HPアドレス 【 http://www.ocf.or.jp/index.shtml 】 OCF検定認証ソフトウェアの一覧があります。 21 3-12 完成検査の留意点 事前協議時に、使用する機器・電子資料・ 紙書類について受発注者で確認しておく 写真については検査官が指摘する写真を即 閲覧できるよう、整理する必要がある。 電子納品成果物は、(一財)沖縄県建設技術 センターでの確認登録を受けたものである こと。(確認登録証があるかチェック) 確認登録は検査に間合わない場合も必須 22 3-13 発注者が準備すること【重 要】 【 発注図フォルダ(DRAWINGS)の作成 】 DRAWINGS 特記仕様書等(SPEC) XML DRAWINGS.XML DTD P21 P21 P21 P21 P21 SPEC 特記仕様書等 SPEC01.○○○~SPECnn.○○○ DRAW03.DTD COPL0010.P21~COPLnnn0.P21 発注範囲の色塗、引き出し線等は、 C-SPCレイヤを作成し、同レイヤに 記述する。 鏡システムでPDF化して格納 23 3-14 発注図専用レイヤについて【重 要】 ◆沖縄県土木建築部では、発注図面(P21のCADデータ)に発注者が 発注範囲(工区割り線・旗揚げ・色塗り)等を明示する 「発注図専用レイヤ(C-SPC)」を設けている。 ◆受注者は、完成図面の作成にあたって、C-SPCレイヤから完成 図面の作成に必要な情報を「CAD製図基準(案)」に基づき、該当 するレイヤに振分けた後、C-SPCレイヤを削除(竣工図に無し)する。 【電子納品に関する手引き(案)H.27.7より】 C-SPC D-STR D-BGD-LWCN D-BGD D-TTL ・ ・ ・ ※ 責任主体は、該当するレイヤを 修正した場合にのみ変更する。 C-SPC以外のレイヤを編集して いなければ、「D」設計のまま。 【責任主体】 ・S → 測量 ・D → 設計 ・C → 施工 ・M → 維持管理 24 4.電子納品要領・基準の改定 ①平成27年度改定 準用する国土交通省の要領・基準 →最新の要領・基準に改定 沖縄県の独自運用 →「電子納品に関する手引き(案)」改定等 (土木)手引き(案)の改定 (営繕)手引き(案)を新規制定 ②適用日 平成 27 年 7 月 1 日以降予算執行伺いを決裁する電子 納品対象業務・工事から適用 25 4-1 要領・基準リスト(土木①) (旧) 制定・改定年月 (新) 制定・改定年月 土木設計業務等の電子納品要領(案) H20.5 H20.5 国土交通省 工事完成図書の電子納品要領(案) H20.5 H22.9 工委 国土交通省 CAD製図基準(案) H20.5 H20.5 工委 国土交通省 地質・土質調査成果電子納品要領(案) H20.12 H20.12 工委 国土交通省 デジタル写真管理情報基準(案) H20.5 H22.9 委 国土交通省 測量成果電子納品要領(案) H20.12 H20.12 委 国土交通省 土木設計業務等の電子納品要領(案)電気通信設備編 H16.6 H22.9 工 国土交通省 工事完成図書の電子納品要領(案)電気通信設備編 H16.6 H22.9 工委 国土交通省 CAD製図基準(案)電気通信設備編 H16.6 H22.9 委 国土交通省 土木設計業務等の電子納品要領(案)機械設備工事編 H18.3 H24.12 工 国土交通省 工事完成図書の電子納品要領(案)機械設備工事編 H18.3 H24.12 工委 国土交通省 CAD製図基準(案)機械設備工事編 H18.3 H24.12 種別 制定 委 国土交通省 工 要領・基準等 26 4-2 要領・基準リスト(土木②) (旧) 制定・改定年月 (新) 制定・改定年月 電子納品運用ガイドライン(案)【業務編】 H21.6 H21.6 国土交通省 電子納品運用ガイドライン(案)【土木工事編】 H21.6 H22.9 委 国土交通省 電子納品運用ガイドライン(案)【測量編】 H21.6 H21.6 委 国土交通省 電子納品運用ガイドライン(案)【地質・土質調査編】 H22.8 H22.8 工委 国土交通省 CAD製図基準に関する運用ガイドライン(案) H21.6 H21.6 工 国土交通省 電子納品運用ガイドライン(案)電気通信設備編 H16.5 H16.5 委 国土交通省 電子納品運用ガイドライン(案)機械設備工事編〔業務編〕 H18.3 H23.3 工 国土交通省 電子納品運用ガイドライン(案)機械設備工事編〔工事編〕 H18.3 H23.3 工委 国土交通省 CAD製図基準に関する運用ガイドライン(案)〔機械設備工事編〕 H18.3 H23.3 工委 沖縄県土木建築部 電子納品に関する手引き(案) H23.4 H27.7 沖縄県土木建築部 事前協議チェックシート(工事) - H27.7 沖縄県土木建築部 事前協議チェックシート(業務) - H27.7 種別 制定 委 国土交通省 工 要領・基準等 27 4-3 要領・基準リスト(営繕) 種別 制定 委 国土交通省 工 国土交通省 (旧) 制定・改定年月 (新) 制定・改定年月 建築設計業務等電子納品要領 H14.11 H24.4 営繕工事電子納品要領 H14.11 統 H24.4 要領・基準等 合 H14.11 - 官庁営繕事業に係る電子納品運用ガイドライン【営繕工事編】(平 成24年版) 官庁営繕事業に係る電子納品運用ガイドライン【営繕業務編】(平 成24年版) - H27.3 - H27.3 沖縄県土木建築部 電子納品に関する手引き(案) (営繕業務・営繕工事編) - H27.7 工委 沖縄県土木建築部 電子納品運用ガイドライン(案)[営繕事業編] H16.4 委 沖縄県土木建築部 H16.4 工 沖縄県土木建築部 現場における電子納品に関する事前協議ガイドライン [建築設計等業務編] 現場における電子納品に関する事前協議ガイドライン(案) [営繕工事編] 工 沖縄県土木建築部 建築及び設備工事に係る工事写真電子納品要領(案) H16.4 廃止 (国土省版準用) 廃止 (国土省版準用) 廃止 (国土省版準用) 廃止 (国土省版準用) 沖縄県土木建築部 事前協議チェックシート H16.4 H27.7 工委 国土交通省 工 国土交通省 委 国土交通省 工委 建築CAD図面作成要領(案) H16.4 28 4-4 要領・基準はどこから 沖縄県土木建築部の公開資料 適用要領(案)の案内 独自運用の解説等 技術・建設業課ホームページ CALS/EC、電子納品 http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/doboku/gijiken/l 29
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