「マングローブ植樹によるハロン湾の環境保全活動」

H25.10.12 環境人材育成プラグラム合同発表会
マングローブ植樹によるハロン湾の
環境保全活動
北宅チーム
(大迫、岡田、髙田、中野、久林)
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活動の背景
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活動の背景̶マングローブとは何か̶
熱帯・亜熱帯地方の海岸や河口の潮間帯に生育する植物群の総称
潮の満ち引きで水位が変動
(1日のうちで陸上 or 海中)
・海水中で生育できる
特徴
※塩水を濾過して真水に変える機能をもつ
・根から酸素を吸収する
・胎生種子(芽)植物
※泥湿地は極端な酸素不足(還元状態)
※母樹についたまま新しい植物体ができる
主な役割
1. 薪・木炭・建築材・染料
2. 飼料・調味料・薬・生活道具
3. 津波等自然災害時の防波堤
4. 生態系保全
5. 地形・環境保全
北宅 善昭「海水で生育するマングローブ植物の生態と現状」
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活動の背景̶ベトナムの現状̶
40万ha
(1943年)
マングローブ減少
15万ha
(2006年)
※ベトナム総面積: 3300万ha
主な原因
1. ベトナム戦争での枯葉剤
2. 農地やエビ養殖池の乱開発
3. 薪炭材料としての乱伐
4. 公共事業(道路・港湾等の開発)
5. 観光開発
北宅 善昭
「海水で生育するマングローブ植物の生態と現状」
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活動の位置付け
※ハロン湾とは…
⇒ベトナム北部のトンキン湾北西部に位置し、1994年に国連教
育科学文化機関(UNESCO)から自然遺産として世界遺産の指
定を受けた世界有数の景勝地
• ベトナム・クアンニン省にあるハロン湾
⇒近年の環境悪化により世界遺産の指定取り消しの可能性が高まっており、
その対策が急務になっている。
⇒地球環境センター(GEC)とOPUは、ハロン湾において住民・観光業者・行政の
共同参画による資源循環システムを構築し、住民の生活並びに湾内の
環境改善を目的としたプロジェクトを2009年10月から開始。
環境啓発キャンペーン(マングローブ植樹など)の実施
ハロン湾
ハノイ
タイ
ベトナム
カンボジア
ホーチミン
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活動目的
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活動目的∼環境保全∼
環境保全
ハロン湾におけるマングローブ林の保全および再生を目指す
エビ養殖池への転換
製炭材のための伐採
農用地への転換
環境破壊に伴う
マングローブ林の減少・破壊
現地の人々とともにマングローブ林植樹
マングローブ林の保全・再生
活動目的∼環境調査∼
環境調査
過去に植樹した場所における植物の成長や生存率調査
海水の塩分濃度
潮の
生存率
満ち引き UP
土壌
植物の種類
過去に植樹した場所の視察
今後の植樹に関する知見を得る
活動目的∼環境教育∼
環境教育
植樹活動を通じて、現地の人々の意識改革を行う
事前
マングローブ
事後
アンケート
植樹活動
アンケート
環境保全の必要性について考える場を与える
自発的な環境活動の促進
活動目的∼国際交流∼
国際交流
植樹活動を通じて、日越の交流を図る
VIETNAM
JAPAN
大学生・先生
ハロン湾管理局
ユースユニオン
大学生
先生
現地の方々と植樹の場を共有
日越の交流・親睦を深める
http://www.genkinet-hitachinaka.jp/genkiSNS/?m=pc&a=page_o_free_page&c_free_page_id=153
方法
(事前準備・植樹方法)
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方法(事前準備)
・ホテル・車の手配、スケジュールの調整
・アンケートの作成
・物品購入
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方法(スケジュール)
午前
7月12日 出国
午後
ハノイ到着
13日 大学で地下足袋の引き取り
ハロンへ移動
14日 現地視察、事前準備
ユースユニオンと打ち合わせ
15日 植樹
昼食交流会、アンケート
16日 植樹状況視察、植えなおし
地下足袋の片づけ
17日 ハロン湾視察
ハノイへ移動
18日 ハノイ視察
ハノイの大学生と交流
19日 帰国
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方法(マングローブ植樹活動地)
↑植樹対象地
↑植樹対象地
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方法(前日準備)
• マングローブを植樹する場所に運ぶ
• マングローブが成長しやすいように、肥料を苗木に埋め込む。
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方法(前日打ち合わせ)
・ 現地植樹参加者との顔合わせ
・ MERC(Mangrove Ecosystem Research Center)のDr.Tanによる、
マングローブの種類や植え方についての説明
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方法(植樹方法)
植樹当日
①植樹に適切な場所を選ぶ
②土を包むビニール袋を取り、
取ったものはまとめる
③穴を掘り、苗を設置する
④潮が満ちても大丈夫なよう、
しっかりと埋める
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方法(植樹方法)
植樹後
植えた後の様子。実際に根付くのはこのうち、5割程度だそうです。
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方法(植樹方法)
次の日
植樹の次の日、前日の植え残しを植えるとともに、
昨年植えたマングローブの視察に行った。
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結果・まとめ
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植樹
•4樹種、1500本のマングローブを植樹した。
•植樹には40名が参加した。
<ベトナム>
Youth Union 2名
ハロン湾管理局 8名
Quang Ninh大学 23名
マングローブ生態系研究センター 1名
<日本>
北宅教授、大阪府立大学大学院生 5名
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アンケート結果
•アンケート回答者内訳(事前)
●回答者数34名●男17名、女17名
30-39歳
4人
その他
1人
不明
1人
ハロン湾管理局
8人
19歳以下
9人
20-29歳
20人
YUスタッフ
2人
大学生
23人
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アンケート結果
•アンケート回答者内訳(事後)
●回答者数22名●男9名、女13名
30-39歳
1人
YUスタッフ
1人
19歳以下
9人
20-29歳
14人
大学生
21人
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参加者の環境意識(事前アンケート)
•なぜマングローブ植樹に参加したか?
3
日本人が参加するから
ハロン湾の環境保全を手伝うため
33
5
ハロン湾の無人島に行くため
友人、家族、知人が植樹に参加するため
0
15
マングローブを植えるため
0
10
20
30
-「ハロン湾の環境保全を手伝うため」を参加者ほぼ全員が選択
している
-「周囲の人が参加するから」が0である
→ハロン湾の環境保全への意識が高いと考えられる。
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参加者の環境意識(事前アンケート)
•マングローブ植樹活動に参加するのは何回目か?
2012年度
2013年度
3回以上
7人
初めて
18人
2回目
19人
3回以上
8人
2回目
7人
初めて
19人
20人程度が「初めて」
→イベントは、現地の方の環境活動参加のきっかけとなる。
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参加者の意識変化
•マングローブの植樹は簡単か?(大学生のみを比較)
事前
難しい
1人
非常に難しい
1人
事後
簡単
2人
難しい
1人
非常に難しい
1人
簡単
7人
簡単でない
19人
簡単でない
13人
→マングローブ植樹は想像より簡単だと感じた人がいる
反面、簡単ではないと思う人の割合が高かった。
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参加者の環境意識(事後アンケート)
•マングローブ植樹を経験した後に環境に配慮した生
活を過ごそうと思いますか?
または、すでに環境に配慮した生活を実践してきた?
思わない
0人
実践中
10人
思う
11人
-参加者の半数はすでに環境に配慮し
て生活していた。
-新たに環境に配慮して生活しようと
する人が11人いた。
→マングローブ植樹を通して、
環境への意識を高めることができた。
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まとめ
 現地の人々と植樹活動、並びにアンケート調査を実施。
 目的の達成度
・マングローブの植樹により、ハロン湾におけるマングローブ林の保全
および再生をする。(環境保全)
→樹種ごとに場所を考え、合計1500本のマングローブを植樹した。
・マングローブの植樹活動を通して、住民の意識改革を行う。(環境教育)
→既に参加者の環境意識は非常に高かった。
→マングローブ植樹を通して、環境に配慮した生活に関する意識を
変化させることができた。
→今回のイベントが現地の方が環境活動に参加するきっかけとなった。
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ご清聴ありがとうございました
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