2020年代の光赤外天文学 巨大ブラックホールと活動銀河核 松岡良樹(国立天文台) on behalf of 「巨大ブラックホールと活動銀河核」サイエンス検討班 「巨大ブラックホールと活動銀河核」班 ✴ 秋山 正幸(東北大学) ✴ 今西 昌俊(国立天文台ハワイ観測所) ✴ 大須賀 健(国立天文台理論部) ✴ 鮫島 寛明(京都産業大学) ✴ 長尾 透(編集委員;愛媛大学) ✴ 松岡 健太(京都大学) ✴ 松岡 良樹(班長;国立天文台) ✴ 三澤 透(信州大学) ✴ 諸隈 智貴(東京大学) 3.4 巨大ブラックホールと活動銀河核 3.4.1 今後の方向性 「巨大ブラックホールの誕生と進化、活動銀河核の正体と発現・消失、 それら全てが銀河宇宙の中で果たした役割を統一的に理解する。」 そのために3つの柱(疑問)を中心として研究を進める。 3.4.2 活動銀河核の諸構造 (活動銀河核とは何か?) 巨大ブラックホールの質量; 電離ガスの構造; 分子・塵遮蔽体(トーラ ス)の構造; ジェットの起源と性質 3.4.3 母銀河との関わり (銀河宇宙で果たした役割とは?) 星形成活動との相互関係; 銀河バルジとの質量相関(MBH - σstar関係) の形成と進化; 星間空間の力学構造; 塵に埋もれた巨大ブラックホール 成長の現場 3.4.4 巨大ブラックホールの宇宙論的進化 (その成り立ちは?) 巨大ブラックホールの誕生; ゼロ金属量クエーサー; 中間質量ブラック ホールの存在と性質; BH質量・エディントン比関数の進化; 光度時間 変動を伴うブラックホール活動 Selected topics 3.4.2 活動銀河核の諸構造:巨大ブラックホールの精密質量測定と、電離ガスの物理 (30m級望遠鏡 TMT, 広視野撮像・分光探査 HSC + PFS, 分光モニタ観測 TAO, Kyoto 3.8m, 高感度偏光分光) 3.4.3 母銀河との関わり:母銀河との共進化、塵に覆われた進化の現場 ( スペース中間・遠赤外線装置 SPICA, 30m級望遠鏡 TMT) 3.4.4 巨大ブラックホールの宇宙論的進化:巨大BHの誕生と宇宙論的進化 (広視野撮像・分光探査 HSC + PFS, 30m級望遠鏡 TMT, スペース広視野近赤外線装置 WISH, WFIRST) 3.4.2 活動銀河核の諸構造: 巨大ブラックホールの精密質量測定と、電離ガスの物理 巨大ブラックホールの力学的質量測定 速度分解反響マッピング Bentz+09 現在の10m望遠鏡で力学的BH質量測定が可能な活動銀河NGC 4151。RM的BH質量と力学的BH質量は矛盾しない(e.g., Onken et al. 2014, ApJ, 791, 37)。 circular Kepler free-fall inflow constant accelerated outflow ✶ 4m級望遠鏡による分光モニタ観測 ✶ 30m級望遠鏡による質量測定の精密化、 → 電離ガス領域 (BLR)の物理・正体の理解 また近傍AGNに対する力学的なBH質量測 定が初めて可能となる。 → f 因子の較正 → f 因子の較正 → 遠方でのsingle-epoch法の信頼性向上 ✶ 8m級望遠鏡による広視野撮像・分光探査 → BH質量測定の精密化 特にSWIMS-MOSを持つTAO, 面分光装置を 持つKyoto 3.8mなどの大学望遠鏡が魅力的 ✶ 30m級望遠鏡による偏光分光観測 3.4.3 母銀河との関わり: 母銀河との共進化、塵に覆われた進化の現場 MBH - σstar関係の形成と進化 母銀河の星形成と活動銀河核の関係性 あかり Schramm+13 Herschel Matsuoka+15 → 次世代スペース赤外線衛星による広視野+高感度探査 AGN → 8m級望遠鏡の撮像・分光探査による 多様な活動銀河核の発見 → 30m級望遠鏡による追観測 塵に覆われた進化の現場 → スペース中間赤外線観測により、 宇宙の星形成最盛期で塵に覆われた 進化の現場を探る。 Imanishi+07 3.4.4 巨大ブラックホールの宇宙論的進化: 巨大ブラックホールの誕生と宇宙論的進化 初期宇宙の巨大ブラックホール探査 地上8m広視野装置 + 地上30m級望遠鏡による分光追観測 スペース近赤外線広視野装置 巨大ブラックホールの宇宙論的進化 Nobuta+12 Ueda+14 ハード X 線選択 ソフト X 線選択 eROSITA all-sky survey : 2016-2020 ATHENA : 2028- → X線・可視・赤外線などで選択 された活動銀河核候補の広視野分 光探査、それらのBH質量・成長率 (エディントン比)の定量化 必要な観測とデータのまとめ TMT/IRIS TAO, Kyoto 3.8m HSC, PFS TMT/IRIS TAO, Kyoto 3.8m TMT/MICHI ALMA TMT/IRIS, MICHI SGMAP CTA SPICA TMT/IRIS HSC, PFS TMT/IRIS SPICA WISH, WFIRST TMT/IRIS HSC, PFS TMT/IRIS HSC, PFS TAO, Kyoto 3.8m HSC, TMT ULTIMATE, TMT LSST TMT/IRIS
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