豊田厚生病院 診療科等のご案内トピックス 小児科№5 熱性けいれん ■どのような病気ですか? 38℃以上の発熱に伴って「発作」をおこす病気で、主に生後 6 ヵ月∼5 歳位の乳幼児にみられます。ほとんどの 発作は自然に 5 分以内におさまります。四肢をつっぱったり、ガクガクしたりする「けいれん性」の発作が多いの ですが、意識がなくて四肢はだらりとするような非けいれん性の発作もあります。ただし、髄膜炎、脳炎のように 熱の原因が脳にある場合や、低血糖、低ナトリウム血症などの明らかな原因疾患がある場合には熱性けいれ んとはいいません。 ■どのような検査がありますか? けいれんをおこした時には、白血球、CRP、血糖、ナトリウム、カルシウムなどの血液検査をします。症状から 脳炎や髄膜炎が疑われる時は頭部 CT、脳波などを行い、必要があれば髄液検査を行います。 熱性けいれんを起こした後に脳波検査が行われることがありますが、その結果は熱性けいれんの再発や将来 てんかんになるかどうかの指標とはならないことがわかっています。 ■治療法は? けいれんが起こったら、明るいところでけいれんの様子(顔つき、唇の色、四肢など)をよく観察しましょう。呼び かけて意識があるかないかを確認すること。口に割り箸などを入れてはいけません。嘔吐がみられたら、窒息 しないように体全体を横向きにすること。必ず時計で時間を測り、5 分以上けいれんが続くときは、救急車を呼 んで下さい。5 分以内におさまった場合でも、一応は医療機関を受診して下さい。 ■再発・予後は? 初回の熱性けいれんを起こした子の中で 1/3 の子がまた繰り返すといわれています。2 回目では 1/2 の子に 再発がみられます。5 歳位まで、何回か繰り返す子もいますが、数分以内の熱性けいれんであれば何回発作 を繰り返しても後に脳障害を残すことはありません。ほとんどは予後良好の病気ですが、数%の子では後にて んかんを発症するといわれています。 たびたび熱性けいれんを起こす場合は、あらかじめけいれん止めの坐薬をもらっておき、発熱時に予防的に使 用する方法があります。また、熱性けいれんを起こしても特殊な場合を除き予防接種を比較的早期から実施で きますので、医師にご相談下さい。 豊田厚生病院小児科 1/1
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