第 8 章 TWE-Lite(トワイライト)の 利 用

第8章
TWE-Lite(トワイライト)の
利 用
第 7 章までは,温度センサの信号をマイコンに取り込み処理する方法,無線
モジュールでデータ通信する方法,温度データをパソコン(Excel)で利用する
方法といった,計測制御の基本と流れを解説しました.8 章からは,無線機能と
32bit マイコンを備えた TWE-Lite モジュールを扱い,機器の小型化と超低消費
電力化の有効性と実用例を解説します.
本章では,TWE-Lite の基本知識を説明します.TWE-Lite にアプリ(プログ
ラム)を書き込み,目的の機能に特化した無線モジュールを利用すれば,従来で
は複数のモジュールで構成されていたシステムを小型化できます.システムの小
型化は,消費電力や形状の問題を改善し,設備費用の軽減にも効果があります.
TWE-Lite
・無線
・32ビットマイコン
・超低消費電力
・アプリ
TWE-Lite は
1円玉より軽くて,
しかも高性能なんだ.
9-8
1
第
データ通信の確認
章
2
第
図 9-21 は,TWE-Lite を用いた無線計測のようすです.この例における計測時の時刻と温度
章
は,時刻 5:42:24 で温度 12.6
〔℃〕
です.
第
3
ToCoStick
章
時刻 5:42:24
温度 12.6〔℃〕
4
第
パソコン
章
温度センサ
(LM35DZ)
5
第
章
AC アダプタ
6
第
制御基板 2
章
TWE-Lite
DIP
図 9-21 TWE-Lite を用いた無線計測
7
第
図 9-22 は,計測プログラム
(展開 1)
.xlsm でデータを受信し,グラフ表示させたようすです.
章
計測データは,時刻 5:42:24 で 12.6
〔℃〕
が入力されています.
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
第
8
℃
章
第
9
12.6℃
章
10
章
9-8 データ通信の確認
第
無線モジュールを
TWE-Lite に変えても
問題ないなぁー
255
第 10 章 無線タグアプリ
(Samp_Monitor)の利用
TWE-Zero アプリには,超低消費電力を追求した無線タグアプリ(Samp_
Monitor)が用意されています.この無線タグアプリは,TWE-Lite に必要な電
力を可能な限り節約して動作させます.そのため,身の回りに捨てられているわ
ずかなエネルギー(蛍光灯の光エネルギーや圧力エネルギー)でも,TWE-Lite
の動作が可能になります.このようなわずかな電力で機器が動作すれば,センサ
機器の設置で課題となる電池交換や蓄電池のメンテナンスが不要になります.
本章では,蛍光灯の光で発電して動作するセンサ子機を製作し,無線温度管理
システムを構築します.温度管理には Excel VBA を利用し,複数のセンサ子機
からのデータを一括管理します.
捨てられている
エネルギーは
いっぱいあるなぁー
靴が光るから
夜でも安全だなー
計測プログラム(展開2)
第
1
10-9
章
2
第
3 台の子機データを親機で一括管理するには,子機の ID 番号や MAC アドレスを利用した受
章
信データ処理が必要です.受信データの中で必要な情報を抜き出す処理ができれば,あらゆる
データの取り扱いが可能になります.
3
第
⑴ 計測プログラム
(展開 2)
.xlsm の概要
図 10-20 は,
計測プログラム
(展開 2)
.xlsm です.出力 COM 番号は,
デバイスマネージャやター
章
ミナルソフト(TeraTarm)で表示された番号を入力します.シリアル通信設定は,ToCoStick
第
制御:無し)に合わせます.
章
4
の設定値(ボー・レート:115200bps,データ:8bit,パリティ:無し,ストップ:1bit,フロー
5
第
章
更新マーク
第
6
ToCoStick に合わせる
章
出力 COM 番号
7
第
章
8
第
章
1 階の温度
2 階の温度
9
第
3 階の温度
章
第
章
10
図 10-20 計測プログラム
(展開 2).xlsm
10-9 計測プログラム(展開2)
279