第 27 回 ISO/TC 4 ロンドン総会報告

第 27 回 ISO/TC 4 ロンドン総会報告
第 27 回 ISO/TC 4 会議日本代表
遠山 史雄(日本精工株式会社)
2015 年 5 月 18 日から 5 月 22 日の 5 日間にわたり,ISO/TC 4(転がり軸受専門委員会)の本
会議,6 つの SC(分科委員会)会議,8 つの WG(作業グループ)会議及び 1 つの諮問グルー
プ会議がイギリスのロンドンにて行われた。以下にその概要を報告する。
 会議日程と主な議題
ロンドン総会の日程を表 1 に,各会議の主な議題を表 2 に示す。
表 1 ロンドン総会日程
日付
時間
会議室 507
会議室 G1
会議室 512
会議室 513
② SC 8/WG 7
午前
① SC 4/WG 4
18 日
(月)
(GPS の転がり軸
受への適用検討)
午後
(ハイブリッド軸受の
定格荷重)
③ SC 8/WG 8
(球面滑り軸受の定格
荷重)
19 日
(火)
午前
⑤ SC 8
午後
(定格荷重及び寿命)
④ TC 4/WG 18
午前
⑥ SC 5/WG 2
(用語)
(セラミック製円筒こ
ろ)
20 日
(水)
午後
⑦ SC 11
⑧ TC 4/WG 20
(リニア軸受)
(転がり軸受の損傷及
び故障)
⑨ SC 4
⑩ SC 5/WG 1
⑪ SC 12/WG 1
(針状ころ軸受-取付
(セラミック球
寸法及び公差)
の強度試験)
⑫ SC 12
⑬ SC 5
⑭ SC 7
(玉軸受)
(針状,円筒及び自動
(球面滑り軸
調心ころ軸受)
受)
(公差,公差の定
午前
21 日
(木)
含む))
午後
9AM
22 日
(金)
義及び記号(GPS を
~10AM
10AM
~午後
⑮ TC 4/AG 1
(TC 4 諮問グルー
プ 1)
⑯ TC 4 本会議
表 2 主な議題
会議名
① SC 4/WG 4
(GPS の転がり軸
受への適用検討)
主な議題
・
TC 213(製品の寸法,幾何特性仕様及び評価)における作業の進捗状況
・
取組中の案件の進捗状況
ISO 492(ラジアル軸受-製品の幾何特性仕様(GPS)及び公差値)寸法範囲
拡大及び日本からの指摘事項
ISO 1132-1,-2(公差-第 1 部:用語及び定義,-第 2 部:検証の原則及び方
法)の GPS に準拠した改正
② SC 8/WG 7
(ハイブリッド軸
受の定格荷重)
・
フラッグノートの六角形記号
・
今後の WG 4 の活動
・
その他
・
ISO/CD 20056-1(セラミック転動体を用いたハイブリッド軸受の定格荷重-
第 1 部:動定格荷重)に対する意見票の審議
・
ハイブリッド軸受の静定格荷重の基準面圧に関する審議
③ SC 8/WG 8
(球面滑り軸受の
定格荷重)
・
球面滑り軸受の定格荷重に関する中国のプレゼンテーション
・
ISO/WD 20015(球面滑り軸受-静定格荷重及び動定格荷重)に対する意見票
④ TC 4/WG 18
・
ISO/WD 5593(用語)第 4 版に対する意見票の審議
・
WG 業務進捗報告
の審議
(用語)
⑤ SC 8
WG 7(ハイブリッド軸受の定格荷重)
(定格荷重及び寿
WG 8(球面滑り軸受の定格荷重)
命)
⑥ SC 5/WG 2
・
ISO 76(静定格荷重)定期見直し投票結果及び意見票の審議
・
ISO 15312(熱定格回転速度)定期見直し投票結果及び意見票の審議
・
ISO/WD 12297-2(円筒ころ-第 2 部:セラミック製ころ-主要寸法,製品の
(セラミック製円
幾何特性仕様(GPS)及び寸法公差)第 3 版に対する意見票の審議
筒ころ)
⑦ SC 11
・
(リニア軸受)
ISO 13012-1(スリーブ形リニア玉軸受用附属品-第 1 部:系列 1 及び 3 の主
要寸法及び公差)及び-2(-第 2 部:系列 5 の主要寸法及び公差)への GPS
適用のための WG 設置の投票結果に関する審議
・
“プロファイルレールガイドの使用に関連した安全基準(仮)”のドイツ提
案の説明
⑧ TC 4/WG 20
・
ISO/CD 15243(損傷及び故障-用語,特性及び原因)に対する意見票の審議
・
ISO/TC 4 規格への GPS 導入業務(ISO 492 寸法範囲拡大,今後の活動他)の
(転がり軸受の損
傷及び故障)
⑨ SC 4
(公差,公差の定
義及び記号(GPS を
含む))
審議
・
SC 4 で進行中の規格改正の状況
ISO 464(止め輪付きラジアル軸受-寸法及び公差)他
会議名
⑩ SC 5/WG 1
主な議題
・
(針状ころ軸受-
取付寸法及び公
差)第 2 版に対する意見票の審議
・
差)
⑪ SC 12/WG 1
ISO/WD 1206(針状ころ軸受,寸法系列 48,49 及び 69-主要寸法及び公
ISO/DIS 3245(内輪なしシェル形針状ころ軸受-主要寸法及び公差)第 3 版
に対する意見票の審議
・
(セラミック球の
ISO/WD 19843(セラミック球-強度測定方法-切欠き球試験)に対する意見
票の審議
強度試験)
⑫ SC 12
(玉軸受)
⑬ SC 5
・
幹事国報告
・
SC 12/WG 1(セラミック玉の強度試験)の報告
・
今後の業務
・
幹事国報告
・
WG 業務進捗報告
WG 1(針状ころ軸受-取付寸法及び公差)
(針状,円筒及び
自動調心ころ軸
受)
⑭ SC 7
WG 2(セラミック製円筒ころ)
・
SC 5 で進行中の規格改正の状況
・
定期見直し
・
GPS 導入のための今後の業務
・
ISO 12240-1(ラジアル球面滑り軸受),ISO 12240-2(アンギュラコンタクト
(球面滑り軸受)
ラ ジ ア ル 球 面 滑 り 軸 受 ) , ISO 12240-3 ( ス ラ ス ト 球 面 滑 り 軸 受 ) 及 び
ISO 12240-4(ロッドエンド)の定期見直し投票結果及び意見票に対する審議
⑮ TC 4/AG 1
・
TC 4 ビジネスプラン案の紹介
(TC 4 諮問グルー
・
解散予定の WG の確認
プ 1)
・
AG 1 における代表出席者の提案
⑯ TC 4 本会議
・
TC 4 幹事国報告
・
リエゾンレポート(他の TC との連携報告)
・
WG 及び SC の業務報告
・
TC 4 の業務進捗
・
2014 年定期見直し規格
・
案件のフォローアップ
・
今後の業務
 出席者
今回の総会には 12 か国,65 名の参加があった。前回の上海会議は 10 の会議が行われたが,
今回は 16 会議に増え,参加も前回の 11 か国,61 名に比べ若干多かった。アジアからは日本と
中国の 2 か国が参加した。
各会議の出席国及び人数を表 3 に示す。
表 3 会議別・国別出席者人数
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
SC 4 SC 8 SC 8
SC 5
SC 5 SC 12
WG 18 SC 8
SC 11 WG 20 SC 4
SC 12 SC 5
WG 4 WG 7 WG 8
WG 2
WG 1 WG 1
国名
⑭
⑮
⑯
SC 7 AG 1 TC 4
スウェーデン
2
2
1
2
2
0
1
0
2
0
1
1
1
1
2
3
ベルギー
1
0
0
0
0
1
0
1
1
0
0
1
0
0
1
1
イギリス
2
0
0
2
0
0
0
3
3
0
0
1
1
1
2
2
アメリカ
1
0
0
1
2
1
2
0
2
1
0
0
2
0
1
2
ドイツ
5
4
4
3
6
4
3
2
0
2
1
1
3
3
2
6
フランス
2
2
0
0
3
2
1
2
0
3
0
0
3
0
2
2
オーストリア
2
2
2
1
2
3
1
1
1
0
2
2
1
0
1
2
デンマーク
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
オランダ
0
1
1
0
1
0
0
0
0
0
1
1
0
0
0
1
ロシア
2
2
2
2
2
2
0
2
2
2
0
2
2
0
4
4
中国
5
2
4
3
4
5
4
4
4
2
2
3
3
2
2
5
日本
5
5
3
4
6
6
5
5
2
3
7
7
3
3
4
12
合計
27
20
17
18
29
24
17
20
17
13
14
19
19
10
21
41
 会議の概要
今回の会議は,ロンドンの西にある英国規格協会(BSI)にて,5 日間に渡り行われた。日本
は各会議の責任者を決め,事前に説明用の資料を準備するなどして,積極的に審議に参加した。
各会議の概要を以下に記載する。
①
SC 4/WG 4(GPS の転がり軸受への適用検討)
・ SC 4/WG 4 のコンビーナである Mr. Ebbe Östebo(スウェーデン,SKF)による開会宣言と出
席者の点呼の後,事前に送付されていた議題内容が採択され,前回会議である 2014 年 11 月
のベルリン会議の議事録と決定事項が確認された。
・ TC 213(製品の寸法,幾何特性仕様及び評価)における作業の進捗状況が Mr. Ernst Ammon
(ドイツ,Schaeffler)及び Mr. Hans Wiesner(オーストリア,SKF)から報告された。主な
項目は次の通り。
 フラッグノートの六角形記号の使用
 面取りの取扱い
 ISO 582(面取寸法-最大値)の改正
・ 取組中の案件に関して,以下の報告と審議があった。
 ISO 492(ラジアル軸受-製品の幾何特性仕様(GPS)及び寸法公差)の寸法範囲拡大に
ついて(Mr. Karl Bywalez (ドイツ,Schaeffler))
 ISO 492 の,表 8~11 の脚注 a についての日本からの指摘事項(室谷 (日本,JTEKT))
 ISO 199(スラスト軸受-製品の幾何特性仕様(GPS)及び寸法公差)の,複式軸受の中
央軌道盤の軌道部の厚さ不同 Si を適切に表記できないという問題点(Mr. Hans
Wiesner)
 ISO 1132-1(公差-第 1 部:用語及び定義)の GPS に準拠した改正
 ISO 1132-2(公差-第 2 部:検証の原則及び方法)の測定の不確かさを考慮した改正
・ 今後の SC 4/WG 4 の活動について長い審議があり,SC 4/WG 4 の解散の議決を行うよう SC
4 に要請することを決定した。
SC 4/WG 4 ロンドン会議での決定事項を以下に示す。
[SC 4/WG 4 ロンドン会議決定事項要約]
 SC 4/WG 4 決定事項 34(London 1:2015):フラッグノートの六角形記号
ISO/DIS 129-1にフラッグノートの六角形記号を追加する事を,TC 4の全委員及びエキス
パートから,TC 10(製品技術文書情報)の各国メンバーに働きかけるよう,SC 4/WG 4
からTC 4の議長に要請する。
 SC 4/WG 4 決定事項 35(London 2:2015):複式スラスト玉軸受の厚さ不同Si
ISO 199の図3の,複式スラスト玉軸受の軌道部の厚さ不同Siを適切に表すためのGPS記
号をTC 213から受領する。
また複式スラスト円筒ころ軸受についても中央軌道盤の軌道部の厚さ不同Siを導入する。
 SC 4/WG 4 決定事項 36(London-3:2015):ISO 492の寸法範囲拡大
ドイツのエキスパートからのISO 492寸法範囲拡大の新業務項目提案を受け付けるが,本
件は寸法範囲の拡大であってGPS案件ではないため,SC 4/WG 4ではこれ以上審議せず,
SC 4に上程する。
 SC 4/WG 4 決定事項 37(London 4:2015):ISO 492の表8~11の脚注
ISO 492 の表 8~11 の脚注 a を「これらの許容差は,直径系列 7,8 及び 9 に限り適用す
る。」と訂正し,正誤表を発行する。
 SC 4/WG 4 決定事項 38(London 5:2015):ISO 492の他の表
将来の改正に際し,決定事項 37 と同様に,ISO 492 の他の表の脚注の不具合改正につい
て検討する。
 SC 4/WG 4 決定事項 39(London 6:2015):Siの記述についての確認
決定事項 35 の,ISO 199 について新業務項目提案を提出する前に,Mr. Hans Wiesner(オ
ーストリア,SKF)が複式軸受の中央軌道盤の軌道部の厚さ不同 Si の記述に適した記号
の確認を TC 213 に行う。
 SC 4/WG 4 決定事項 40(London 7:2015):ISO 1132-1
以下の手順で,ISO 1132-1 を改正することを SC 4 に提案する。
-ISO 492 と ISO 199 の GPS に関する記述と図を ISO 1132-1 に転記する。
-ISO 1132-1 の現在の定義を「参考」として載せる。
-改正後に ISO 492 規格内の記述と図を削除し,ISO 1132-1 の附属書(規定)に置き換
える。
 SC 4/WG 4 決定事項 41(London 8:2015):ISO 1132-2
ISO 1132-2 について,各国が推薦する計測のエキスパートにより「測定の不確かさ」を
検証し,その結果を検討するための会議を設定するようドイツ(DIN)に依頼すること
を,SC 4 に申し入れる。
 SC 4/WG 4 決定事項 42(London 9:2015):決定事項34の補足
決定事項 34 を補助するため,ISO/DIS 129-1 の該当するページを回付する。
 SC 4/WG 4 決定事項 43(London 10:2015):SC 4/WG 4の解散
ISO 582 の改正を除き業務が完了したため,SC 4/WG 4 解散の議決を行うよう SC 4 に要
請する。その際,TC 213 とのリエゾンは有益なため継続を強く推奨する。また,高度な
GPS 関連事項のサポートを行う TC 4 直下の諮問グループの設置を,TC 4 に申し入れる
よう,SC 4 に提案する。
②
SC 8/WG 7(ハイブリッド軸受の定格荷重)
・ SC 8/WG 7 のコンビーナである Mr. Martin Correns(ドイツ,Schaeffler)が会議の議長に選
ばれ,出席者の自己紹介で会議が始まり,以下の内容について審議を行った。
・ ISO/CD 20056-1(ハイブリッド軸受の動定格荷重)に対する投票結果及び各国意見について,
報告及び審議が行われた。技術的に大きな問題となるような議論はなく,次回ドラフトは
DIS となる予定である。
・ ハイブリッド軸受の静定格荷重の計算に用いる基準面圧の値には以下の 2 つの提案があり,
合意が得られていなかった。
項目
オプション 1
オプション 2
基準面圧値
鋼製軸受と同一の値
鋼製軸受より高い値
静定格荷重値
鋼製軸受より低い値
鋼製軸受とほぼ同等の値
安全係数値
鋼製軸受と同一の値
鋼製軸受より高い値
そのため,上位組織である SC 8 にて事前の投票が実施された。投票はロンドン会議直前に
締め切られ,結果はオプション 1 支持が 4 か国,オプション 2 支持が 7 か国であった。更に
会議の場でも審議が行われたが,結果としてオプション 2 の採用が決定した。
③
SC 8/WG 8(球面滑り軸受の定格荷重)
・ SC 8/WG 8 のコンビーナである Mr. Alfred Weidinger(ドイツ,SKF)が会議の議長に選ばれ,
出席者の自己紹介で会議が始まり,以下の内容について審議を行った。
・ 中国が球面滑り軸受の定格荷重計算式を導き出すための基礎理論及び係数値に関するプレゼ
ンテーションを実施した。この中の基礎理論の部分について,規格とは別に技術報告書にま
とめてはどうかとの意見があり,SC 8 に諮ることとした。
・ ISO/WD 20015(球面滑り軸受の定格荷重)に対する投票結果及び各国意見について,報告
及び審議が行われた。
この規格素案で規定されている「定格荷重」には,転がり軸受の定格荷重と異なり,定格寿
命や基準面圧値等の明確な基準が設けられていない。そのため「定格荷重」の文言を用いず,
「許容荷重」等に変更するよう日本から意見を出した。これに対し,将来的に何らかの基準
を設けた際に,この規格の用語及び記載された内容がそのまま使用できるように,「定格荷
重」の文言をそのまま残した方が良いという委員意見があり,日本として合意した。
今後は審議結果を反映した素案を SC 8/WG 8 メンバーに回付し,問題なければ CD として
SC 8 から回付することとした。
④
TC 4/WG 18(用語)
・ TC 4/WG 18 のコンビーナである Mr. Magnus Olofsson(スウェーデン,SKF)が会議の開催
を宣言し,出席者の自己紹介で会議が始まった。
・ ISO/WD 5593(用語)第 4 版に対する意見票の審議を行った。主な内容を次に示す。
 日本が以前提案した連結用語(例えば (rolling) bearing with interchangeable subunit)につ
いて,用語の連結したものは削除すべきとの意見が中国からあったが,以前に検討済
みで,すでに含めると決定したものは,削除しないことになった。
 用語と定義が同じ文面のようなものがあり,定義について見直した。
 その他,日本からの意見はほぼ受け入れられた。
 用語は 1~7 節まであるが,2 節までの意見に対する審議を終了した。
TC 4/WG 18 ロンドン会議での決定事項を以下に示す。
[TC 4/WG 18 ロンドン会議決定事項要約]
 TC 4/WG 18決定事項 London 1:2015:文書の回付
WD 5593 第 4 版の第 2 節までを修正したもの,及び意見票に今回会議での結論を記入し,
第 3 節以降への意見に事務局見解を記入したものを回付する。
 TC 4/WG 18決定事項 London 2:2015:今後の予定
今回審議できなかった第 3 節以降に対する意見に関しては,2015 年 9 月に Web 会議
(最長 1.5 時間/回)にて審議する。
 TC 4/WG 18決定事項 London 3:2015:決定事項2の補足
事務局は夏季の休暇前に詳細のスケジュールを回付する。
 TC 4/WG 18決定事項 London 4:2015:WD作成目標
2015 年 10 月までに WD 第 5 版の作成を終えることを目標とする。
 TC 4/WG 18決定事項 London 5:2015:製作納期の延長
規格開発トラックの延長を申請する。これにより,発行期限は 2017 年 5 月になる。
⑤
SC 8(定格荷重及び寿命)
・ SC 8 の議長である Mr. Martin Correns(ドイツ,Schaeffler)が会議の議長に選ばれ,出席者
の自己紹介で会議が始まり,以下の内容について報告及び審議を行った。
・ SC 8/WG 7(ハイブリッド軸受の定格荷重)から,ハイブリッド軸受の静定格荷重の計算に
用いる基準面圧に,鋼製軸受より高い値(オプション 2)を採用することで合意した旨の報
告があった。
・ SC 8/WG 8(球面滑り軸受の定格荷重)から,現在開発中の ISO 20015(球面滑り軸受の定
格荷重)内に規定されている計算式の基礎理論を,規格とは別に技術報告書としてまとめる
ことが提案され,承認された。作業は SC 8/WG 8 で行い,中国のエキスパートがプロジェ
クトリーダに任命された。
(ISO/TC 4/SC 8 決議 155 (3 London:2015))
・ ISO 76(静定格荷重)の定期見直し投票結果及び意見票の審議を行い,当該規格の追補を発
行することが決定した。
(ISO/TC 4/SC 8 決議 157 (5 London:2015))
・ ISO 15312(熱定格回転速度)の定期見直し投票結果及び意見票の審議を行い,日本意見を
反映した“軽微な修正”を行うことが決定した。
(ISO/TC 4/SC 8 決議 158 (6 London:2015))
SC 8 ロンドン会議の決議を以下に示す。
[TC 4/SC 8 ロンドン会議決議]
 SC 8 決議 153(1 London:2015):議題
議題案を承認する。
 SC 8 決議 154(2 London:2015):決議の草案作成者
以下の 2 名を決議録草案作成者に任命する。
Mr. Martin Correns(ドイツ,Schaeffler)
Mr. Hans-J Kornprobst(ドイツ,DIN)
 SC 8 決議 155(3 London:2015):ISO 20015を補足する技術報告書
開発中の規格 ISO 20015 を補足して,球面滑り軸受の静及び動定格荷重の計算方法の背
景を説明する技術報告書を準備する。このプロジェクトは,Mr. Yang Xianqi(中国,
Huangshan Univ.)をプロジェクトリーダとして,SC 8/WG 8 にて行う。
 SC 8 決議 156(4 London:2015):WGの解散
以下の WG を解散する。
・WG 2(リニア軸受の静定格荷重及び動定格荷重)
・WG 3(熱基準速度)
・WG 4(静定格荷重の計算方法)
・WG 5(複合荷重下における修正定格寿命の計算方法)
・WG 6(ISO 281 の補足説明資料)
 SC 8 決議 157(5 London:2015):ISO 76:2006の定期見直し
Mr. Martin Correns(ドイツ,Schaeffler)をプロジェクトリーダとして,24 か月の規格開
発トラックで,ISO 76:2006“転がり軸受‐静定格荷重”の追補を準備する。ISO 76 の適
用範囲は変更しない。追補には以下の項目を含める。
‐ÖNORM M 6320(静定格荷重に関するオーストリアの国家規格)の素案に基づき,
係数f0,X0及びY0のグラフを,附属書(参考)に記載する。
-ISO/TR 10657(ISO 76の補足説明資料)に記載されている「係数f0の計算式」を,規
格の本文で引用する。
-現行のISO 76で規定されている係数f0の表は,規格の本文に残す。ただし,「係数f0
の計算式の使用が優先される」という文章を入れる。
 SC 8 決議 158(6 London:2015):ISO 15312:2003の定期見直し
国際幹事は,提出された誤記に対するコメント及び式(11)の修正を考慮した,ISO 15312
の軽微な修正の素案を準備する。SC 8 にて修正素案を確認後,FDIS 投票として回付さ
れる。
 SC 8 決議 159(7 London:2015):ISO/TR 1281-1:2008
ISO/TR 1281-1 の式(32)を訂正するために正誤票を発行する。
 SC 8 決議 160(8 London:2015):ISO/TR 1281-2:2008
ISO/TR 1281-2 の図 15 及び 16 の軸タイトルを訂正するために正誤票を発行する。
 SC 8 決議 161(9 London:2015):次回会議
次回会議の時期と場所は,次回の ISO/TC 4 本会議に合わせる。
 SC 8 決議 162(10 London:2015):決議の承認
決議 1~9 London:2015 を承認する。
⑥
SC 5/WG 2(セラミック製円筒ころ)
・ コンビーナの Mr. Gerwin Preisinger(オーストリア,SKF)による開会宣言と出席者の点呼の
後,事前に送付されていた議題内容が採択された。
・ ISO/WD 19748( セ ラ ミ ッ ク 製 円 筒 こ ろ - 寸 法 及 び 公 差 ) 第 2 版 に 対 す る 意 見 票 及 び
ISO/WD 12297-2(円筒ころ-第 2 部:セラミック製ころ-主要寸法,製品の幾何特性仕様
(GPS)及び寸法公差)第 3 版に対する意見票の審議が行われた。
・ 各国意見の内,誤記や表現上の指摘についてはおおむね確認されたが,技術的な指摘,GPS
に関する規定・図示方法,公差の規定などについては更に継続して調査を行うことになった。
・ 今 後 の 活 動 と し て , ISO 12297:2012 ( 鋼 製 円 筒 こ ろ - 主 要 寸 法 と 公 差 ) は 規 格 番 号 を
ISO 12297-1 に変更し,GPS を適用した改正を行う。
注:規格番号は,ISO/WD 19748 → ISO/WD 12297-2(鋼製円筒ころ規格に関連付け)と変わった。
SC 5/WG 2 ロンドン会議での決定事項を以下に示す。
[SC 5/WG 2 ロンドン会議決定事項要約]
 SC 5/WG 2 決定事項(London 1:2015):GPS導入に関する要求
TC 4規格に一貫性を持たせるために,GPSを導入するすべてのSCに明確な指針を与える
よう,SC 5/WG 2からTC 4に要求する。
 SC 5/WG 2 決定事項(London 2:2015):表面粗さに関する調査
ころの表面粗さ及び表面性状パラメータの適切な規定方法について調査する。また,こ
ろの真円度評価方法の記載の必要性について調査する。
⑦
SC 11(リニア軸受)
・ 議題の承認後,幹事国報告として SC 11 の構成,議長及び国際幹事の紹介,前回の上海会議
後の進捗状況が報告された。
・ ISO 13012-1 及び-2(スリーブ形リニア玉軸受用附属品)に GPS を適用した改正を行う新
WG の設置投票結果について審議した。日本からも,考えられる改正内容について,プレゼ
ンテーション資料を用いて発表した。審議の結果,新しく SC 11/WG 2 を設置し,改正作業
が行われることになった。
・ その他の業務として,“プロファイルレールガイドの使用に関連した安全基準(仮)”を新
業務項目提案としたいとの申し出がドイツからあり,事前説明が行われた。
SC 11 ロンドン会議の決議を以下に示す。
[SC 11 ロンドン会議決議要約]
 SC 11 決議 109(1 London 2015):ISO 13012-1及び-2の改正
定期見直し投票の結果に基づき,ISO 13012の第1部及び第2部の改正作業を開始すること
が確認された。
 SC 11 決議 110(2 London 2015):新WGの設置
会議において意見聴収の結果,オーストリアがWGにエキスパートを指名することにな
り,決議109に示された改正のためのWGの設置への2回目の投票は,改正に参加するエ
キスパート名を提出するに足るPメンバー数になったことが確認された。
 SC 11 決議 111(3 London 2015):新WGのプロジェクトリーダ等
Mr. Henryk Velde(ドイツ,SKF)をSC 11/WG 2のプロジェクトリーダ兼コンビーナと
する。国際幹事は,ISO 13012の第1部及び第2部を改正するためのSC 11/WG 2に,エキ
スパートを募集する。
 SC 11 決議 112(4 London 2015):新業務項目提案
DIN 637 規格を基にした素案“プロファイルレールガイドの使用に関連した安全基準
(仮)”を,新業務項目提案として提出することを DIN に推奨する。
 SC 11 決議 113(5 London 2015):次回会議
次回会議の時期は通信によって決める。
⑧
TC 4/WG 20(転がり軸受の損傷及び故障)
・ コンビーナの Mr. Walter Verhaert(ベルギー,TC 4 議長)による開会宣言と出席者の点呼の
後,事前に送付されていた議題内容が採択された。
・ ISO/CD 15243 に対して提出された各国からの意見票に基づき,内容のチェックと審議が行
われた。主な内容を以下に示す。
 附属書のマトリックス表及びフローチャートについて,フランスから,「内容には異存が
無いが 2 ページに分けてでも利用者が見やすいように書き直すべき」との意見があった。
これらの表は規格の構成上,2 ページにまたがると非常に見づらくなるため 1 ページ以内
に無理にまとめた経緯があり 2 ページに分割するのは困難だが,過去から表の編集に参画
しているイギリス Mr. David Carnell(イギリス,Mechconsult)が改良案を作成することに
なった。
 日本から提起した箇条 3 と箇条 A.4 の用語集の内容の不一致については,整合を取って箇
条 A.4 に必要な用語を追加することになった。
 日本から,箇条 A.4 の用語で「バニッシングが塑性変形の一現象であるとの説明があるが,
それであれば,箇条 5.5 の塑性変形の項にバニッシングを追加し写真も載せるべき」との
意見を出したが,コンビーナの意見は,過去に各国間で調整した結果,現在の記述に落ち
着いた経緯から,CD 案での大幅な箇条の編成や記述変更は避けたいので,箇条 A.4 の
「塑性変形の一現象」の記述の方を変更したいとのことであった。日本としては,そもそ
もバニッシングが塑性変形に属するという分類に疑問があるため,コンビーナ意見に合意
した。
 CD 案に掲載の写真の一部が不鮮明であるとの指摘が多数の国からあった。これに対して,
事務局の Ms. Nadiège Ludivion(フランス,UNM)から,各国から提供された元画像の解
像度が悪いので,十分な解像度の写真を劣化の無いデータ形式で送るよう各国に要請があ
った。
・ CD 案の投票で,他の各国は DIS への移行に賛成または条件付賛成,日本のみ反対であった
が,コンビーナより,本日の結果を全て反映することを前提に,再度 CD 案を発行すること
なく DIS に移行したいと申入れがあり,日本として了承した。
・ 今後,CD 案改正内容を確認し,イラスト,写真及び文書の更新を経て ISO/DIS 15243 を
2015 年 10 月までに発行する必要がある。そのため状況に応じ,対面会議ではなく通信によ
る連絡や Web 会議を活用して進めることにした。
⑨
SC 4(公差,公差の定義及び記号(GPS を含む))
・ 議題の承認後,幹事国報告として SC 4 の構成,議長及び国際幹事の紹介,前回の上海会議
後の進捗状況が報告された。
・ TC 213 とのリエゾン報告,及び SC 4/WG 4 の活動報告があった。SC 4/WG 4 は ISO 582 改
正を除いて当初の目的を達成したので解散し,新たに GPS 普及のために TC 4 直下の諮問グ
ループを設置することを TC 4 に申し入れることが提案された。
・ ISO 464(止め輪付きラジアル軸受-寸法及び公差)改正において,FDIS 投票に対して提出
された各国意見に基づき審議を行い,誤記等の編集上の意見は全て採用されたが,規格を根
本から見直すような技術的内容の意見は,審議が FDIS の段階まで進んでいることを理由に
却下された。
・ ドイツからの ISO 492(ラジアル軸受-製品の幾何特性仕様(GPS)及び寸法公差)の寸法範
囲拡大提案は,まず ISO 15(ラジアル軸受-主要寸法,一般計画)の寸法範囲拡大を TC 4
で審議し,その方向性に応じて ISO 492 及び ISO 5753-1(内部すきま-第 1 部:ラジアル軸
受用ラジアル内部すきま)の寸法範囲拡大を SC 4 で審議することになった。
・ また,ISO 1224-1 及び-2(計器用精密軸受-主要寸法,公差及び特性-第 1 部:ミリ系列及
び-第 2 部:インチ系列))については,GPS を導入した改正に参画するか,「確認」で投
票した各国の意志を確認し,その結果に基づき次回 SC 4 会議で方針を決めることになった。
・ ISO 1132-1 及び-2 その他については,SC 4/WG 4 での決定事項を確認,承認した。
SC 4 ロンドン会議の決議を以下に示す。
[SC 4 ロンドン会議決議要約]
 SC 4 決議 150(1 London 2015):FDISの運用ルール
FDISの運用ルールについてISO中央事務局に再確認する。SC 4としては,FDISを省略す
るかどうかは状況に応じた対応としたい。
 SC 4 決議 151(2 London 2015):SC 4/WG 4の解散
SC 4/WG 4の決議に基づき,SC 4/WG 4の解散を決定し,ISO中央事務局に正式に伝達す
る。
 SC 4 決議 152(3 London 2015):諮問グループ
SC 4/WG 4の決議に基づき,高度なGPS案件のアドバイスのための諮問グループ(AG)
をTC 4直下に新設することを,TC 4に申し入れる(GPSトレーニングは除外)。
 SC 4 決議 153(4 London 2015):業務範囲の変更
上記に伴い,SC 4 の業務範囲から GPS に関する箇所を諮問グループ(SC 4 決議 152)
に移管する。
 SC 4 決議 154(5 London 2015):ファイルの閲覧
SC 4/WG 4 解散に伴い,過去の関連ファイルを閲覧できなくなる問題について,ISO 中
央事務局と解決するよう TC 4 に依頼する。
 SC 4 決議 155(6 London 2015):ISO 582
「TC 213 での面取り規格改正の結果が出次第,ISO 582 の面取り表記を改正する」との
方針を維持する。
 SC 4 決議 156(7 London 2015):ISO 464
ISO 464 に関し,ISO 中央事務局に FDIS を送付する前に各国意見を反映した版を回付す
る。
 SC 4 決議 157(8 London 2015):ISO 15の寸法範囲拡大
ISO 15 の,直径 5000mm までの大きなサイズの軸受への寸法範囲拡大を TC 4 に要求す
る。
 SC 4 決議 158(9 London 2015):ISO 5753-1の寸法範囲拡大
ISO 15 の寸法範囲拡大を実施する際は,同じく ISO 5753-1 の寸法範囲拡大にも着手す
る。
 SC 4 決議 159(10 London 2015):ISO 492の寸法範囲拡大
ISO 15 の寸法範囲拡大を実施する際は,同じく ISO 492 の寸法範囲拡大にも着手する。
 SC 4 決議 160(11 London 2015):ISO 1224-1及び-2へのGPS導入
ISO 1224-1 及び-2 について,「確認」で投票した各国の GPS を導入した改正に参画する
かの意志を確認し,その結果に基づき次回 SC 4 会議で方針を決定する。
 SC 4 決議 161(12 London 2015):ISO 1132-1の改正
ISO 492 と ISO 199 の GPS に関する記述と図を ISO 1132-1 に転記する。本件は,新業務
項目提案を発行し,新しい WG を立ち上げる。
 SC 4 決議 162(13 London 2015):ISO 1132-2の改正
ISO 1132-2 への測定の不確かさを含めた GPS 導入を検討する。本件は,新業務項目提案
を発行し,新しい WG を立ち上げる。
 SC 4 決議 163(14 London 2015):複式スラスト軸受のSi
ISO 199 の複式スラスト軸受の Si に関する SC 4/WG 4 の決定事項を確認。
⑩
SC 5/WG 1(針状ころ軸受-取付寸法及び公差)
・ コンビーナの Mr. Ronald Abarquez(アメリカ,JTEKT)が開会を宣言し,出席者の自己紹介
の後,次の 2 件の審議を行った。
(1) ISO/WD 1206(針状ころ軸受,寸法系列 48,49 及び 69-主要寸法及び公差)第 2 版に
対する意見票の審議
各国から ISO 15 に規定されていない寸法で本規格に含めたい寸法をまとめ,どの寸法
を規定に含めるべきか審議を行った。日本から提案した内輪幅が外輪幅より広いものは
含めず,その他の提案された追加寸法がどのくらいの製造業者で作られているかを調査
し,次回会議にて規格に載せるものを決めることになった。
(2) ISO/DIS 3245(内輪なしシェル形針状ころ軸受-主要寸法及び公差)第 3 版に対する意
見票の審議
主に GPS を考慮した規格の表現方法について審議した。日本からは,主に表現上の提
案を行った。技術コメントに関する合意ができたこと,及び作成納期が迫っていること
から,FDIS を省略して規格発行することが合意された。ただし,発行前に確認のため
エキスパートに回付する。
⑪
SC 12/WG 1(セラミック球の強度試験)
・ WD 19843 及びコメント表について審議が行われた。主な審議結果として,適用範囲に,
“セラミック球の強度の測定には,切欠き強度試験以外の方法もある”という旨を記載する
ことが合意された。
・ 審議を反映した WD は,今後 WGC(Working Group Consultation)にて意見を募集する事と
なった。
・ コンビーナから,現在,ラウンドロビン試験の準備が進められている旨の報告があった。ラ
ウンドロビン試験は約 1 年を要する見込みであり,その結果はコンビーナからエキスパート
へ報告することとなった。
・ ISO/WD 19843 の規格名称を,“Rolling bearings – Ceramic bearing balls – Determination of
the strength – Notched ball test”から“Rolling bearings – Determination of the strength of
ceramic balls – Notched ball test”に変更することが合意された。
⑫
SC 12(玉軸受)
・ SC 12 議長の伊藤正夫氏(日本,NSK)が会議の開催を宣言し,出席者の自己紹介が行われ
会議が始まった。
・ 幹事国報告及びリエゾン報告を国際幹事が行ない,SC 12/WG 1 の進捗報告をコンビーナが
行った。SC 12/WG 1 の報告及び今後の業務について提案があり,それらを審議した結果を
含め,次の決議を行った。
SC 12 ロンドン会議の決議を以下に示す。
[SC 12 ロンドン会議決議要約]
 SC 12 決議 8 (London 1:2015):ISO/WD 19843の規格名変更
規格名称を“Rolling bearings-Ceramic bearings balls-Determination of the strength-Notched
ball test”から“Rolling bearings-Ceramic bearing balls-Determination of strength by notched
ball test”に変更する。
 SC 12 決議 9 (London 2:2015):セラミック球の表面特性の調査
RaをRa maxに変更した場合,及びRaをRpkとRvkとで表すように変更した場合について,
比較調査する。メンバーは意見と提案を報告すること。
 SC 12 決議 10 (London 3:2015):鋼球の表面特性の調査
RaとRa maxとの比較調査を行う。メンバーは意見と提案を報告する。
 SC 12 決議 11 (London 4:2015):セラミック製転動体についてのSC 5との共同作業
セラミック製転動体に共通する作業を同様の手順で行えるように,SC 12国際幹事が
SC 5/WG 2に連絡することを求める。これは,ISO 3290-2の次回改正の準備になる。
 SC 12 決議 12 (London 5:2015):ISO 20515(Rolling bearings — Radial bearings, retaining
slots — Dimensions and tolerances)の改正
大径サイズの規定範囲を広げた次の版を提案することを,オーストリア及び/又はドイツ
に求める。
 SC 12 決議 13 (London 6:2015):ISO 20516(Rolling bearings — Aligning thrust ball bearings
and aligning seat washers — Boundary dimensions)の改正
ISO 199に,調心座スラスト玉軸受(調心座金付きを含む)の公差を含めるように,SC 4
に対して要求する。
 SC 12 決議 14 (London 7:2015):次回会議
次回のISO/TC 4本会議の週に開催する。必要があれば,それより早い時期に開催する。
⑬
SC 5(針状,円筒及び自動調心ころ軸受)
・ SC 5 の議長である Mr. Jean-Georges Schmitt(フランス,Consult)が会議の議長に選ば
れ,出席者の自己紹介で会議が始まった。
・ 幹事国報告
SC 5 の構成や進捗が報告され,SC 5/WG 1 のコンビーナとして,Mr. Ronald Abarquez
(アメリカ,JTEKT)を 3 年間の期限で再任することを決議した。
(SC 5 決議 151 (London 1:2015))
・ WG 業務進捗報告

SC 5/WG 1(針状ころ軸受-取付寸法及び公差)
SC 5/WG 1 は ISO 3245(プロジェクトリーダ Mr. Ronald Abarquez)及び ISO 1206
(プロジェクトリーダ Mr. Jean-Georges Schmitt)の改正を担当している。
上海会議以降,SC 5/WG 1 は ISO/DIS 3245 第 2 版及び ISO/WD 1206 に対する各国
意見の審議のため,2014 年 3 月ウィーン及び 2014 年 11 月ベルリンの 2 回の会議
を開催した。今後の活動としては,ISO 3245 の発行と,ISO/DIS 1206 の投票であ
る。

SC 5/WG 2(セラミック製円筒ころ)
SC 5/WG 2 はセラミック製円筒ころの主要寸法と公差の規格制定を担当するため,
2014 年 9 月に設置された。
2014 年 11 月のベルリンの第 1 回会議の後,Web 会議にて GPS の導入について審
議を行い,今回の SC 5/WG 2 ロンドン会議にて意見票の審議を行った。さらに追
加の業務として,ISO 12297:2012(鋼製円筒ころ-主要寸法と公差)の GPS を導
入した改正を開始する。
・ SC 5 で進行中の規格改正の状況
各規格の改正状況の確認を行なった。SC 5/WG 1 が意見票を検討し,見解の一致を見
たことを確認したため,ISO/DIS 3245 第 3 版に関して,FDIS 段階を省略して規格発行
に進めることを決定した。
(SC 5 決議 152 (London 2:2015))
・ 定期見直し

ドイツからコンビーナ及びプロジェクトリーダを迎え,SC 5/WG 3(針状ころ及び
トラックローラへの GPS 適用)を設置し,ISO 3096(針状ころ-寸法及び公差)
及び ISO 7063(針状ころ軸受,トラックローラ-主要寸法及び公差)の GPS 適用
した改正を行う。規格開発トラックは 48 か月とする。2015 年 7 月末までにコンビ
ーナ及びプロジェクトリーダを選出することをドイツに求める。WG 設置後に,
新 WG のエキスパートを募集することを SC 5 の国際幹事に求める。
(SC 5 決議 153 (London 3:2015))
・ GPS 導入のための今後の業務

ISO 12297 の改正について
適用範囲の修正を行わず,以下のように番号及び規格名を変更する。
ISO 12297-1,転がり軸受-円筒ころ-第 1 部:鋼製ころ-主要寸法,製品の幾何
特性仕様(GPS)及び寸法公差
改正作業は SC 5/WG 2 が担当し,規格開発トラックは 48 か月とする。
(SC 5 決議 154 (London 4:2015))

ISO 3030(ラジアル保持器付き針状ころ-主要寸法及び公差)及び ISO 3031(ス
ラスト保持器付針状ころ及びスラストワッシャ-主要寸法及び公差)について
2016 年 4 月に定期見直しする。この規格に GPS を適用するという SC 5 決議 139
を確認した。定期見直し投票結果で改正意見が多数であれば,SC 5/WG 1 が担当
し,規格の改正を行う。
(SC 5 決議 155 (London 5:2015))
SC 5 ロンドン会議の決議を以下に示す。
[SC 5 ロンドン会議決議要約]
 SC 5 決議 151:SC 5/WG 1のコンビーナ
‐ Mr. Ronald Abarquez(アメリカ,JTEKT)をISO/TC 4/SC 5/WG 1のコンビーナとし
て3年間の期限で再任する。
 SC 5 決議 152:ISO 3245の改正
‐ ISO/DIS 3245の第3版が100%承認された事を確認した。
‐ SC 5/WG 1が技術コメントを検討し一致を見出したことを確認した。
‐ ISO/DIS 3245の第3版に関して,規格発行に進める。
 SC 5 決議 153:ISO 3096及びISO 7063の改正
‐ 定期見直し結果を確認した。
‐ GPSを適用することを確認した。
‐ ドイツからコンビーナ及びプロジェクトリーダとしてのエキスパートを迎え,
ISO/TC 4/SC 5/WG 3“ニードル及びトラックローラ‐GPS”の新WGを設置すること
を決定した。
‐ ISO 3096及びISO 7063の適用範囲は変更しない。
‐ 規格開発トラックは48か月とする。
‐ 2015年7月末までにコンビーナ及びプロジェクトリーダを指名することがドイツに要
求される。
‐ SC 5/WG 3設置後に,SC 5の国際幹事がエキスパート募集をすることを求める。
 SC 5 決議 154:ISO 12297の改正
‐SC 5/WG 2の要求を確認した。
‐ ISO 12297は,適用範囲の修正を行わず,以下の規格番号及び規格名称に変更する。
ISO 12297-1 転がり軸受‐円筒ころ‐第1部:鋼製ころ‐呼び寸法,製品の幾何
特性(GPS)及び寸法公差
‐ 規格開発トラックは48か月とする。
‐ この改正をSC 5/WG 2に割り当てる。
 SC 5 決議 155:ISO 3030及びISO 3031の改正
‐2016年4月に定期見直しを行う。
‐ 投票結果で改正が多数の場合,規格の改正を,ISO/TC 4/SC 5/WG 1に割り当てる。
⑭
SC 7(球面滑り軸受)
・ SC 7 の議長である Mr. Alfred Weidinger(ドイツ,SKF)が会議の議長に選ばれ,出席者の自
己紹介で会議が始まった。
・ ISO 12240-1(ラジアル球面滑り軸受)に関して,寸法系列“W”の記載寸法追加が提案さ
れた。これは欧州メーカのカタログに記載されており,中国でも実績があるとの事である。
審議の結果,中国が国家規格ドラフトを議長及び幹事に,後日送付することになった。
・ ISO 12240-1 に関して,中国から,寸法系列“F”の追記が提案された。この寸法系列は日本
の主要メーカのカタログに記載されており,ISO 規格化は日本メーカにも有利に働くと考え
られるため,日本として基本的に賛成を表明した。ただし,中国提案値と日本のカタログ値
が一致しているのは軸受の内径,外径及び幅寸法のみであり,面取,軌道球径及び許容角は
異なっているため,内径,外径及び幅寸法のみを規定することを提案した。またドイツから
は外径寸法が異なるという発言もあり,本件については更に各社寸法の調査を進めることと
した。
・ ISO 12240-2(アンギュラコンタクトラジアル球面滑り軸受)では,規定されている寸法系
列が“A”だけであるため,“A”は不要として削除が提案された。これについては,規格
化されていない各メーカオリジナルの寸法系列がある可能性がある,との議長判断により
却下された。
SC 7 ロンドン会議の決議を以下に示す。
[SC 7 ロンドン会議決議]
 SC 7 決議 141(1 London:2015):議題
議題案を承認する。
 SC 7 決議 142(2 London:2015):決議案作成委員
以下の 4 名を決議案作成委員に任命する。
Mr. Alfred Weidinger(ドイツ,SKF)
Mr. Tony Wager(イギリス,SKF)
Mr. Martin Correns(ドイツ,Schaeffler)
Mr. Hans-J Kornprobst(ドイツ,DIN)
 SC 7 決議 143(3 London:2015):ISO 12240-1の定期見直し
ISO 12240-1 の改正を,関連する GPS 規格の完成を待って実施する。従って今回の当該
規格の定期見直し結果は「確認」とする。改正時には,今回の定期見直しで提案された
意見及び 2008 年の定期見直しで提案された意見を考慮する。
 SC 7 決議 144(4 London:2015):ISO 12240-2の定期見直し
ISO 12240-2 の改正を,関連する GPS 規格の完成を待って実施する。従って今回の当該
規格の定期見直し結果は「確認」とする。改正時には,今回の定期見直しで提案された
意見及び 2008 年の定期見直しで提案された意見を考慮する。
 SC 7 決議 145(5 London:2015):ISO 12240-3の定期見直し
ISO 12240-3 の改正を,関連する GPS 規格の完成を待って実施する。従って今回の当該
規格の定期見直し結果は「確認」とする。改正時には,今回の定期見直しで提案された
意見及び 2008 年の定期見直しで提案された意見を考慮する。
 SC 7 決議 146(6 London:2015):ISO 12240-4の定期見直し
ISO 12240-4 の改正を,関連する GPS 規格の完成を待って実施する。従って今回の当該
規格の定期見直し結果は「確認」とする。改正時には,今回の定期見直しで提案された
意見及び 2008 年の定期見直しで提案された意見を考慮する。
 SC 7 決議 147(7 London:2015):SC 7/WG 1の解散
以下の WG を解散する。
SC 7/WG 1 “油圧・空圧シリンダ用ロッドエンド”
 SC 7 決議 148(8 London:2015):次回会議
次回会議の時期と場所を,次回の ISO/TC 4 本会議に合わせる。
 SC 7 決議 149(9 London:2015):決議の承認
決議 1~8 London:2015 を承認する。
⑮
TC 4/AG 1(TC 4 諮問グループ 1)
・ 開会宣言と出席者の点呼の後,事前に送付されていた議題が承認され,AG 1 の前身である
CAG 会議及び AG 1 第 1 回会議の議事録概要が確認された。
・ TC 4 ビジネスプラン案の概要がコンビーナより紹介され,内容については投票にかけて審
議することとした。
・ TC 4 において解散の提案が予定されている WG について確認をおこなった。また,
SC 4/WG 4 の解散に伴い,TC 4 直下に GPS 普及のための諮問グループ設置の提案がされる
ことが報告された。
・ AG 1 における代表出席者について,TC 4 全体の調整を図り易くするため,AG 1 会議への
参加者をより限定するべきであるとの意見がコンビーナより出され,TC 4 へ提案する。
・ ロンドン会議前週に開催を予定していたが中止となった GPS トレーニングは,2 年後の
TC 4 本会議に合わせて開催を計画する。
・ TC 4 のリエゾンの状況が紹介され,TC 4 本会議にてリエゾンの必要性について確認するこ
ととした。
TC 4/AG 1 ロンドン会議での決定事項を以下に示す。
[TC 4/AG 1 ロンドン会議決定事項要約]
 TC 4/AG 1決定事項1(London 1:2015):AG 1における代表出席者
AG 1 会議は,TC 4 議長,TC 4 国際幹事,SC 議長又はその代理人及び P メンバーから
の代表者 1 名のみの出席者によって構成されるべきであることを,TC 4 に提案する。
⑯
TC 4 本会議
TC 4 議長の開会の挨拶に続いて,英国規格協会の Mr. Dan Palmer が参加者に対しての謝辞が
述べられた。
参加者の自己紹介,議題の承認,決議録作成委員の任命などの後,以下の各報告が行われた。
その概要及び決議について以下に示す。
・ 幹事国報告
 SC 11 の議長が Mr. Ulrich Mayr(アメリカ,Schaeffler)から Mr. Miles Riley(アメリカ,
NSK)に交代した。
 SC 12 の議長が三木清史氏(日本,JBIA)から伊藤正夫氏(日本,NSK)に交代した。
 会議中に要求があり,TC 4 国際幹事は最新の技術評議会(TMB)の決議を TC 4 メン
バーに回付することが決定した。
・ 他の TC との連携報告(リエゾンレポート)
国際幹事からリエゾンに関する報告が行われ,以下の決議をおこなった。
 リエゾンの見直し及びリストの作成
 CEN/TC 256/SC 2(鉄道分野/鉄道車両製品)で開発している規格についての確認
 TC 39(工作機械)とのリエゾンの必要性の調査
(TC 4 決議 773,774 及び 775 参照)
・ WG,SC 及び AG の業務報告

TC 4/AG 1(諮問グループ 1)
TC 4/AG 1 の会議出席者について審議を行い,出席者は TC 4 議長,国際幹事,各 SC
の議長及びロシアと中国からは各 1 名の代表者とすることが決定した。
TC 4 のビジネスプランについては,TC 4 議長がまとめ,各 SC の議長及び国際幹事
に回付し意見を求めることになった。
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SC 4/WG 4(GPS の転がり軸受への適用検討)
SC 4/WG 4 コンビーナから SC 4/WG 4 の業務内容の報告があり,SC 4/WG 4 の解散及
び解散に伴う文書閲覧の処置について,決議が行われた。
(TC 4 決議 776 及び 777 参照)

TC 4/WG 15(ライブラリリファレンス辞書)
TC 4/WG 15 事務局からの報告で,ISO 21107(電子媒体の検索構造-属性用語で識別
された特性及び性能基準)の改正に伴い,TS 23768-1(パーツライブラリ-第一部:転
がり軸受リファレンス辞書)の改正が必要であることが確認された。
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TC 4/WG 18(用語)
TC 4/WG 18 コンビーナから ISO 5593 改正についての進捗報告があった。多言語での
規格の必要性などの審議があり,TC 4 議長から ISO 中央事務局へ ISO 5593 の多言語
化を要求することが決まった。
(TC 4 決議 778 及び 779 参照)
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TC 4/WG 20(損傷及び故障-用語,特性及び原因)
TC 4/WG 20 コンビーナから ISO 15243(損傷及び故障-用語,特性及び原因)改正に
ついて,今回のロンドン会議で,CD に対する意見の審議を終え,DIS 段階に進めるこ
とが報告された。
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TC 4/WG 21(振動の測定方法)
TC 4/WG 21 事務局から ISO 15242-1 及び-2(振動の測定方法-第 1 部:基本及び第 2
部:円筒形状の内外径を持つラジアル玉軸受)改正について DIS 投票が 2015 年 7 月に
終了するので,その後 Web 会議を行う予定であることが報告された。
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SC 4(公差,公差の定義及び記号(GPS を含む))
SC 4 議長からの報告があり以下の内容が確認された。
-ISO 582(面取寸法-最大値)の GPS を適用した改正については,TC 213(製品
の寸法,幾何特性仕様及び評価)での軸受の面取りに適用できる規格の制定を待
っている状態である。
-FDIS 464(止め輪付きラジアル軸受-寸法及び公差)は承認され,投票時に提出
された意見について今回のロンドン会議で審議された。
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SC 5(針状,円筒及び自動調心ころ軸受)
SC 5 議長が業務報告を行った。GPS を適用した ISO 1206(針状ころ軸受,寸法系列
48,49 及び 69-主要寸法及び公差)及び ISO 3245(内輪なしシェル形針状ころ軸受-
主要寸法及び公差)の改正が SC 5/WG 1 にて行われている。
SC 5 ロンドン会議の決議を受け,議長の再任について決議が行われた。
(TC 4 決議 780 参照)
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SC 6(インサート軸受)
SC 6 国際幹事から,業務について ISO 9628(インサート軸受及び偏心固定輪-主要
寸法及び公差)の定期見直しなどの報告があった。
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SC 7(球面滑り軸受)
SC 7 議長から,現在進行している業務は無いとの報告があった。
出席者から,リエゾンパートナーである TC 123/SC 6(平軸受/用語及び共通事項)か
らの情報が無いとの発言があったため,各 SC はリエゾンパートナーと連絡し,リエゾ
ンからの必要な文書は回付することにした。
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SC 8(定格荷重及び寿命)
SC 8 議長が業務報告を行った。SC 8 にある,SC 8/WG 2~6 は業務終了のため解散し
た。現在,5 つの業務及び 1 つの予備業務が行われている。
SC 8 ロンドン会議の決議を受け,議長の再任について決議が行われた。
(TC 4 決議 781 参照)

SC 9(円すいころ軸受)
SC 9 国際幹事から,今回は会議を行わなかったとの報告があった。前回の上海会議以
降,ISO 10317:2008 Amd 1 が 2013 年に発行された。

SC 11(リニア軸受)
SC 11 国際幹事から,SC 11 ロンドン会議で審議された ISO 13012-1 及び-2 の改正に
ついて,報告が行われた。
出席者から,SC 11 は ISO/TC 39(工作機械)とのリエゾンが必要であるとの発言が
あり,SC 11 と SC 8 が ISO/TC 39 とのリエゾンの必要性について調査することが決議
された。
(TC 4 決議 775 参照)
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SC 12(玉軸受)
SC 12 議長から業務報告が行われ,SC 12 ロンドン会議では開発中の規格タイトルの
変更など,7 つの決議を行ったとの報告があった。
・ TC 4 の業務進捗
TC 4 議長から案件の進捗についての報告があった。
・ 定期見直し規格
以下の定期見直し結果の確認を行った。
ISO 113(プランマブロック軸受箱-主要寸法):確認
ISO 15242-3 及び-4(振動の測定方法-第 3 部:円筒形状の内外径を持つラジアル自動調
心ころ軸受及び円すいころ軸受及び-第 4 部:円筒形状の内外径を持つラジ
アル円筒ころ軸受):改正
ISO TS 23768-1(パーツライブラリ-第一部:転がり軸受リファレンス辞書):確認
・ 案件のフォローアップ
GPS 適用に関する諮問グループについて審議し決議を行った。
(TC 4 決議 782 参照)
・ 今後の業務
オーストリアからグリースノイズ試験の規格化の提案説明があった。本件について決議を
行った。
(TC 4 決議 783 参照)
・ 次の会議予定
以下の会議が予定にあがった。
2015 年 12 月:ウィーン会議
2016 年 5 月:パリ会議
2016 年 11 月:ベルリン会議
2017 年 5 月:ワシントン DC 総会
次回の TC 4 総会について決議を行った。
(TC 4 決議 784 参照)
・ 決議の承認
TC 4 決議 773~784 は承認された。
・ 閉会
議長より,ホスト国及び参加者に対して感謝の言葉があり,会議を閉会した。
TC 4 ロンドン会議の決議を以下に示す。
[TC 4 ロンドン会議決議要約]

TC 4 決議 773(London 1:2015):リエゾンの見直し及びリストの作成
TC 4 及びその下にある全ての委員会のリエゾンリストを作成し回付する。TC 4,各
SC 及び WG は,確立しているリエゾンを見直し,その結果を TC 4 国際幹事に報告す
る。

TC 4 決議 774(London 2:2015):CEN(欧州標準化委員会)とのリエゾン
CEN/TC 256/SC 2(鉄道分野/鉄道車両製品)にて開発している規格について確認す
ることを TC 4 議長に求める。

TC 4 決議 775(London 3:2015):TC 39 とのリエゾン
SC 8,SC 11 及び TC 4 に,TC 39(工作機械)とのリエゾンの必要性を調べることを
求める。

TC 4 決議 776(London 4:2015):SC 4/WG 4 の解散
SC 4/WG 4 は解散し,その旨を,ISO/CS に連絡する。

TC 4 決議 777(London 5:2015):SC 4/WG 4 アーカイブ
(決議 776 の解散決議で閲覧できなくなる)全ての SC 4/WG 4 文書を TC 4 メンバー
が入手できるようにすることを,ISO/CS に求める。

TC 4 決議 778(London 6:2015):規格開発トラックの変更
TC 4/WG 18 で作業中である ISO 5593 改正の規格開発トラックを,12 か月延長する。
(これにより,発行期限は 2017 年 5 月になる。)

TC 4 決議 779(London 7:2015):多言語規格
ISO 5593 は多言語規格が必要であることを,書面にて ISO/CS に対して主張するよう,
TC 4 議長に求める。

TC 4 決議 780(London 8:2015):議長の再任
Mr. Jean-Georges Schmitt(フランス,Consult)を SC 5 議長として再任する。(期間 3
年間)

TC 4 決議 781(London 9:2015):議長の再任
Mr. Martin Correns(ドイツ,Schaeffler)を SC 8 議長として再任する。(期間 3 年
間)

TC 4 決議 782(London 10:2015):GPS 諮問グループの設置
GPS 関連のハイレベルなアドバイスを SC に行う諮問グループを,TC 4 直下に設ける。
なお,このグループは GPS トレーニングを行わない。
Mr. Hans Wiesner(オーストリア,SKF)をそのコンビーナに任命する。

TC 4 決議 783(London 11:2015):グリース試験方法
オーストリアのグリースノイズ試験に関するプレゼンテーション及び追加の文書を回
付する。これに関する NP 投票を行う。

TC 4 決議 784(London 12:2015):次回 TC 4 総会
次回の TC 4 総会は,2017 年 5 月にアメリカのワシントン DC にて行う。
 あとがき
イギリスでの TC 4 総会の開催は,1979 年のロンドン会議以来,3 度目の開催である。
会場の BSI は,ヒースロー空港とロンドン中心部のほぼ中間であるチズウィック地区に位置
し,空港へもロンドン中心部へも地下鉄で 1 時間圏内と便利な立地にある。
BSI のあるチズウィックタワーのセキュリティは非常に厳密で,受付にて会議室への入場カー
ドを受け取った登録者でないとその会議室に出入り出来ないシステムになっている。
滞在中の気候は,4 月中旬頃の日本に近く,朝晩は薄いコートがあった方がよい位の気温であ
った。雨が降っていたと思うと晴れになったり,風の強い日があったりと天候が変わりやすか
ったが,おおむね過ごしやすく,日本からの参加者も健康面において支障なく会議に参加する
ことが出来た。
会議は,TC 4 本会議を含め,16 の会議が開催され,3 つの会議室で同時に会議が行われる日
もあった。日本の参加者は積極的に審議に関わり,合意へ向けての議論に貢献し,TC 4 におけ
る日本の存在感を示す事ができたものと思われる。今回の会議においては,SC 4/WG 4(転が
り軸受への GPS 適用検討)を解散し,代わって TC 4 直下に AG 2 が設置され,このグループで
GPS の TC 4 への横断的な適用を諮問していく事が決議された。また,SC 11 においても
SC 11/WG 2 が設置され,GPS を適用したリニア軸受規格の改正検討が開始されることとなった。
日本が幹事国を務める SC 12 会議では,関連規格について他の SC との調整を行う事などが決
議された。SC 12 幹事国として国際幹事が直下の SC 12/WG 1 で行う WD の審議のためコンビ
ーナのサポートなどの会議運営を行い,規格開発推進に貢献していた。
イギリスのホスト国としての会議運営については,TC 4 のイギリスのメンバー及び BSI のス
タッフが主体となって対応をされていた。
4 日目の夜に,ロンドン中心部ウェストミンスターにある Institution of Mechanical Engineers
(IMechE,英国機械学会)の建物において歓迎行事が行われた。建物は有名なビッグベンの近く
にあり,外部も内部も古色蒼然としていた。会場には軸受関連書籍を含めた機械工学関係の図
書資料が収められており,産業革命及びその後のイギリスの機械産業が世界の発展に貢献して
いることに対して,BSI と ImechE のスタッフが誇りを持っている事が感じられた。
最後に,事前に周到な準備を行いご出席された日本からの参加者各位に深く感謝するととも
に,今回の会議のための準備をしていただいた日本ベアリング工業会事務局の皆様,そして,
今回の会議へのご理解とご支援をいただいた工業会の関係者の皆様にお礼申し上げる。
会議会場
英国規格協会(BSI)
TC 4 本会議風景