第27回 専門医を目指す消化器外科セミナー 第27回 専門医を目指す

第27回
専門医を目指す消化器外科セミナー
消化器外科医を目指す専攻医、初期研修医の先生方を対象として
消化器外科の基本を学んで頂くことを目的としたセミナーを行い
ます。異なる施設で研修する同世代の外科医との交流や情報交換
の場として活用して下さい。
日 時 2015年8月28日(金)19:30~21:30
会 場 AP大阪駅前
〒530-0001 大阪市北区梅田1丁目12番12号
東京建物梅田ビル地下1F(旧渡辺リクルートビル)
06-6343-5109
会 費 ¥500-
事務局: 大阪府吹田市山田丘2-2
大阪大学大学院医学系研究科 外科学講座 消化器外科
06-6879-3251
共催:専門医を目指す消化器外科セミナー
テルモ株式会社
プログラム
製品紹介(19:20~19:30)
テルモ株式会社
◎開会の挨拶 大阪大学消化器外科 教授 土岐祐一郎 先生
1.講義(総論)(19:30~20:00) 司会:兵庫県立西宮病院 外科 吉岡慎一 先生
『手術の基本手技』
大阪大学大学院 消化器外科 講師 山﨑 誠 先生
『手術は非常に複雑で、器用でなければ上手になれない。』などという言葉をよく耳にする。
しかし実際は、手術は極めて単純な作業の組み合わせであり、どんな手術も基本の動作
(切る、剥がす、結ぶ、縫う)の繰り返しによって成り立っている。その昔、オーベンと
いわれる先輩医師が自動車教習所の鬼教官のようにこの基本動作を口うるさく指導していた
時代もあった。しかし、最近では優しいオーベンと優秀なエネルギーデバイスによって、
一つ一つの基本動作の意味を考えないままに手術を完結させてしまう危険性がある。
そこで本セミナーでは、手術の基本動作の考え方やコツ、術者(助手)としての心構えについて
私の独断と偏見で解説する。本セミナーで専攻医の皆さんがプロの外科医として活躍していく
一助となれば幸いである。
2. 講義(各論) (20:00~20:30)司会:大阪大学消化器外科 原口直紹 先生
『クローン病を見逃すな!-腹部救急診療におけるPitfall-』
大阪大学大学院医学系研究科 炎症性腸疾患治療学寄附講座 教授 水島恒和 先生
一般の腹部救急診療において、急性虫垂炎はもっとも頻繁に遭遇する
疾患の一つです。急性虫垂炎の典型的な症状は腹膜刺激症状を伴う右下
腹部痛であり、典型的な症状があれば画像などで虫垂の腫大や炎症が
はっきりしなくても緊急手術となることはまれではありません。しかし
腹膜刺激症状を伴う右下腹部痛を来す疾患は急性虫垂炎だけではありま
せん。 クローン病は潰瘍性大腸炎とともに難病法で難病指定されて
おり、日本では比較的まれな疾患であると考えられてきました。しかし、
最近は本邦の患者数も増加し、クローン病患者数は約4万人と欧米に
近づき日常診療で遭遇する疾患になってきています。クローン病は若年
者に発症することが多く、口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管の
どの部位にも炎症や潰瘍を来すのが特徴です。特に終末回腸から回盲部
が好発部位で、非連続性の病変を発症します。一般的には、腹痛や下痢
血便、体重減少などの症状で受診し、内視鏡検査などで確定診断にいた
るケースが多いものの、時として急性腹症として救急外来を受診する
ケースも少なくありません。実際、先生方が臨床の現場でしばしば遭遇
する腹膜刺激症状を伴う右下腹部痛は、クローン病の典型症状の一つ
でもあります。クローン病患者さんは診断後も長期にわたって治療が
必要となるため、初回手術時の診断や術式選択は患者さんのQuality of
Life(QOL)にとって非常に重要です。今回の講義では、急性虫垂炎の
疑いで緊急手術を行う際に、クローン病を見逃さないためのポイントと
もしクローン病を見つけた際の対応についてお話しします。術中の検索
で正しくクローン病を診断することによって、患者さんの将来のQOL向上
が期待できます。みなさんの腹部救急診療の一助として頂ければ幸いです。
3.症例検討会(20:40~21:30) 司会:大阪大学消化器外科 和田 浩志 先生
症例コメンテーター:大阪警察病院
外科
益澤 徹 先生
症例コメンテーター:りんくう総合医療センター
外科 大久保恵太 先生
症例1:『低位前方切除の縫合不全の1例」
地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院 外科 高市 翔平 先生
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症例は47歳男性。貧血を主訴に当院受診し、大腸内視鏡
検査(CS)にて直腸S状部に進行大腸癌を確認した。既
往歴として、高血圧、糖尿病、ACSに対するOPCAB施行歴
あり。バイアスピリン、プラビックスを内服中であった。
直腸S状部癌に腹腔鏡補助下低位前方切除術を施行、DST
(CDH29mm)にて吻合した。最終診断は、RS、2型、tub2、
pT3N0M0、pStageⅡであった。術直後から術翌日
(POD1)にかけて肛門出血を認め、経肛門ドレーンを抜
去してCS施行した。縫合線はintact、活動性出血なし。
POD3、吻合部前面ドレーンより便汁様排液を認め縫合不
全と判断した。POD5、再CS、吻合部後壁に10mm程度の離
開部を確認した。
緊急手術も含めて対処を検討し、選択した治療法にて経
過良好となった。
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症例2: 『維持透析患者において術後補助化学療法が奏功した胆嚢原発悪性腫瘍の一例』
関西労災病院 外科
石田 智 先生
50歳代女性。外来透析治療中の近医にて施行した
腹部超音波検査にて肝腫瘤を指摘され当院当科紹
介受診。腹部造影CTにて胆嚢底部に造影される腫
瘤と、胆嚢床にリング状の造影を認める腫瘤を認
めた。FDG-PETにて遠隔転移の所見はなく、審査
腹腔鏡検査にて洗浄細胞診陰性と播種病変のない
ことを確認した。以上より胆嚢癌
cT3,HinfB,N0,M0,H0,P0,CY0,cStageⅢA(UICC TNM
分類)と診断し、胆嚢摘出術ならびに肝S4a/5切
除術を施行した。病理組織における免疫染色にて
CK7(+), CK20(+), chromograninA(+),
synaptophysin(+), CD56(+)、Ki-67 labe標識率
は約25%であった。またソマトスタチンレセプ
ターは陽性であった。術後3ヶ月目において、多
発肝転移再発を認めたため、術後補助化学療法を
施行した。術後6ヶ月経過現在において肝転移巣
の縮小を認めている。
◎閉会の挨拶 大阪大学消化器外科 教授 森
正樹 先生
【交通アクセス】
~AP大阪駅前~
■ 〒530-0001
大阪市北区梅田1丁目12番12号
東京建物梅田ビル地下2F
(旧渡辺リクルートビル)
■ 06-6343-5109
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JR東西線「北新地駅」 東改札口より徒歩約3分
地下鉄御堂筋線「梅田駅」 南改札より徒歩約2分
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