ソフトウェア・ディファインド・ストレージ(SDS)の 基礎と技術動向 ストレージネットワーキング・インダストリ・アソシエーション日本支部 教育委員会 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 1 資料利用に関する注意事項 本プレゼンテーションに含まれる資料は、SNIAもし くはSNIA日本支部に著作権があります。 会員企業は、以下の条件でこの資料をプレゼンテー ション及び文書の中で利用できます。 スライドを利用する場合は、変更せずに複製しなければ なりません。 本資料を含む文書では、使用した資料の提供元がSNIA 日本支部であることを明示しなければなりません。 このプレゼンテーションは、 SNIA日本支部・教育委 員会のプロジェクトによるものです。 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 2 目次 SDS登場の背景 SDSの概要と構成要素 コントロールプレーン リソース抽象化 ポリシーベース自動化 セルフポータルとマルチテナンシー プログラマブル対応 データプレーン 代表的な実装アプローチ SDSの動向 コモディティサーバによるSDSの牽引 実装例:Ceph © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 3 SDS登場の背景 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 4 IT業界の推移 – ロードマップ 分析(Analytics) - BI IT業界のロードマップ 予測分析 - 非構造化データ ダッシュボードによる可視化から、ビッグデータを使用した予測エンジンへ クラウド化 (Cloudization) オンプレミス > プライベート・クラウド > パブリック・クラウド データセンターからクラウド対応インフラへ。アプリケーションのパブリッククラウドへの段階的移行 自動化 (Automation) アプリケーションSLAの自動維持 自律型管理 仮想化 (Virtualization) リソース・プール、 プロビジョン、最適化、監視 さまざまな業務サービスを最適配置するためのリソース入れ替え 統合 (Integration / Consolidation) 物理インフラ/ブレードの統合 コスト、可用性、性能、スケーラビリティ、相互運用性、管理容易性、およびセキュリティ 標準化 (Standardization) 標準的なITインフラ - 経済的なハードウェア/システムソフトウェア サーバ、ストレージ、ネットワークデバイス、システムソフトウェア (OS、ミドル、およびデータ管理SW) © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 5 仮想化: ITインフラへの影響 サーバ投資(WW) 複数VMによるI/O混合効果 資産、電力/冷却コストは低下。一方、管理コストは上昇 CPU/メモリ共有の物理サーバのボトルネック問題 Time 仮想化: TCO削減 仮想サーバの普及 Cost over 3 years 995 仮想化以前のサーバ 78 仮想化(VZ)サーバ Provisioning Downtime Disaster Recovery DC Real Estate Power & Cooling Network 2011年の全サーバの50% 、2016年には85%まで 増加 Virtualized Servers Penetration 90% 80% 70% 60% 50% SAN Hardware 40% 30% VZ SW & Support 20% 10% 0% 2011 2012 2013 2014 2015 2016 TCO削減に大きな効果を発揮、一方で管理面での課題も… © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 6 ワークロード: インフラ・アーキテクチャの鍵 1000 K トランザクション 処理 OLTP 電子商取引 IOPS* (*遅延-1) 100 K (RAID - 1、5、6) データ ウェアハウジング 10K BI(ビジネス・ (RAID - 0、3) インテリジェンス) OLAP 科学技術計算 1K HPC 画像処理 100 TP HPC オーディオ Web 2.0 ビデオ ワークロードにはコスト・可用性・パフォーマンスが最適化されたインフラが必要 10 1 5 10 *必要な応答時間に関するIOPS(ms)=(チャネル数*遅延-1) 出典:IMEX Research - Cloud Infrastructure Report 50 ©2009-12 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 100 500 MB/秒 7 次世代ワークロードの急激な増加にともない、 データに関する高い要求は続く 性能 次世代クラウド・アプリ 2016 サービス ・レベルなし 従来のアプリ 48M 2016 141M 700% 2012 70% 6M 2012 83M HDFS / オブジェクト・ストレージ ブロック/ファイル・ストレージ そのうち(eventually)の一貫性 トランザクション・レベルの一貫性 データ損失の容認 データ損失はほとんど容認されない SWベースの弾力性 HWベースの弾力性 オブジェクト HDFS KVS 容量 ブロック 高サービス ・レベル ファイル 出典: IDC, Gartner, AWS Workload Estimates* © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 8 分析: 膨大なデータがもたらす新たなビジネスの創出 OLTP RDBMS IOP(遅延-1) RDBMS データウェアハウス /BI 分析 SQL ビッグデータ トランザクションデータ 社会的相互作用 センサデータ UQL 相互作用データ ストリーミング データ MB/秒 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 9 ビジネスへのアラインがITの役割変化を促進 IT能力だけを提供する「仮想化データセンタ」から、ビジネス に直結するサービスを提供する「ITaaS」へ ITaaS(IT as a Service)の構成要素 SaaS (Software as a Service) PaaS (Platform as a Service) IaaS(Infrastructure as a Service) 場合によっては、STaaS (Storage as a Service)も ITaaSの実現にあたって、適切なIT能力の提供にはアプリ ケーションSLAポリシーに基づいた自動化が求められる。そ のためにSoftware Defined Data Center(SDDC)の概念が 登場した © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 10 Software Defined Data Center(SDDC): ITaaSにおけるワークロード・SLA最適化の実現 • 同時利用者数: 50名 • サービス稼働率: 99.9%以上 • 応答時間: 3秒以内 • バッチ処理時間: 4時間以内 私の業務に 最適なリソースは? アプリケーション ア プ リ ケ ー シ ョ ン S L A Salesfoce.com Google Apps Office 365 など ミドルウェア・ツール Windows Azure Force.com Google App Engine など オペレーティング システム Windows, Linuxなど ハイパーバイザ/ ハードウェア アプリケーション SaaS Software as a Service エンドユーザー PaaS ミドルウェア・ツール Platform as a Service アプリケーション開発者 IaaS Infrastructure as a Service アプリSLAに基づくポリシーベースの 仮想マシン システムアーキテクト IT能力の提供をSDDCで実現 (コンピュート・ネットワーク・ストレージ) アプリケーションSLAが、可用性・パフォーマンス・コスト・セキュリティ・管理性など 他の要件に適合するリソースを決定する © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 11 Software Defined Data Center(SDDC) 物理HWから「抽象化」によって「プール化」された仮想リソースの利用 が、単一の制御ポイントからソフトウエア定義で「自動化」されている、 サービス指向のITインフラ 人による管理を諦め、代わりにソフトウェア自動化を信頼することで解決 パイロットは自分が操縦するボーイング747の6000万の部品を把握しているか? 自動車事故の94%はヒューマンエラーが原因… 仮想マシン中心の管理パラダイム コンピュート,ネットワーク,ストレージの3つのレイヤから構成 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 12 SDDC:モバイル&クラウド時代のIT © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 13 SDSの概要と構成要素 コントロールプレーンとデータプレーン © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 14 Software Defined Storage(SDS) コンピュート~ストレージ間の運用モデルを提供 アプリケーションごとに、特定要件に合致するポリシーとワークロード アウェアネス(認識可能)なサービスレベルに基づくプロビジョニング ブロック、ファイル、オブジェクトなどのアクセスタイプ レプリケーション、スナップショットなどのデータサービス要件 バックアップ要件 他のSDx(Software Defined X)やオーケストレーション連携可能なイ ンターフェース © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 15 RAID – 最初のSDS(1988年) 可用性重視 RAID-1 JBOD ホ ス ト デ ィ ス ク ・ コ ン ト ロ ー ラ ホ ス ト Source: 1988, Anil Vasudeva “ A case for Disk Arrays” Presented at conference, Santa Clara CA. Aug 1988 R A I D ソ フ ト ウ ェ ア デ ィ ス ク ・ コ ン ト ロ ー ラ コスト重視 RAID-5 パフォーマンス重視 RAID-3 とはいえ、これだけでは現在のSDSの要件は満たせない… © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 16 SDSの必須要件 自動化 ストレージの運用を自動化し、運用の複雑性やコストを低減できる 標準化されたインタフェース ストレージの管理や活用に関わる操作を標準的なAPIで操作できる 仮想化されたデータパス ブロック,ファイル,オブジェクトといった多様なインタフェースをサ ポートできる 拡張性 可用性やパフォーマンスに影響無く、柔軟にストレージインフラを拡 張できる © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 17 SDSの全体像 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 18 SDSの全体像 標準化されたインターフェース 自動化 物理リソース抽象化による 柔軟な拡張性 仮想化された データパス © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 19 コントロールプレーン 完全にソフトウェアによって実装され、一元化された制御ポイ ントを提供 コントロールプレーンに求められる要件 1. リソースプールの抽象化 サービスレベルに基づくリソースプール化を実現 2. ポリシーベースの自動化 アプリケーションと連携した自律的な運用を実現 3. セルフポータルとマルチテナンシー 共有インフラを複数利用者がセキュアに利用する仕組みを実現 4. オープンでプログラム可能なインターフェース 外部とのスムーズな連携を実現 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 20 コントロールプレーン ユーザポータル SDx、運用プロセスとのオーケストレーション 仮想管理センター ハイパーバイザ サードパーティー 製品 OpenStack REST API REST API REST API REST API Northbound API(プログラマブルAPI) コントロールプレーン • ポリシーベース自動化エンジン • マルチテナンシー ブロック ストレージ 低レイテンシ 要件 高スループット 要件 非性能 容量重視要件 GOLD プール SILVER プール BRONZE プール スケールアウト NASストレージ ハイエンド ストレージ データサービス 要件定義 抽象化された プール定義 Southbound API SMI-S, ネイティブAPI… ミッドレンジ ストレージ © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. コモディティ サーバ ファイル ストレージ オブジェクト ストレージ データ プレーン 21 SDSの要件①: リソースプールの抽象化 筐体1 筐体2 筐体3 筐体4 筐体5 SSD FC SSD FC SSD FC SAS FC SAS FC SATA SATA SATA SATA SATA サイロ状態のプール 筐体1 筐体2 筐体3 筐体4 筐体5 デバイスごと(サイロ)で管理さ れているストレージリソースを、 特性ごとに横串で管理 ユーザはアプリケーションSLA に合致する特性のリソースプー ルを選択すれば良い その際、ユーザは必要とするリ ソースがどのストレージにある のかを意識する必要はない 管理をストレージハードウェアか ら切り離すことで、柔軟なプール 形成と拡張性が得られる プラチナ (¥¥¥) ゴールド(¥¥) ブロンズ(¥) アーカイブ (¥) ストレージハードウェアから抽象化され 特性ごとに構成されたプール © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 22 SDSの要件②: ポリシーベースの自動化 ハイパーバイザ SDSコントロールプレーン SDSデータプレーン 仮想マシンまたはアプリケー ションから認識可能なポリ シーを使用してストレージ性 能を自律的に維持管理 ポリシーは仮想マシンまた はアプリケーションのデプロ イ時に選択 ポリシーはストレージのケイ パビリティ(ストレージが有す る能力)に基に作成される © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 23 アプリケーションドリブンのデータサービス ストレージポリシー VM VM VM VM VM VM • 容量 • パフォーマンス • 可用性 • • • • • • © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. キャッシュ特性 レプリケーション スナップショット バックアップ 重複排除 暗号化 24 SDSの要件③: セルフポータルとマルチテナンシー ストレージ管理者を介在するこ となく、ユーザから必要なプロ ビジョニングが可能な仕組み を提供 ユーザごとにカスタマイズされ たポータルを提供 セキュリティと分離 調整可能なIOPS スループット、レイテンシー バックアップ管理の委譲 サービスカタログ SLA契約に基づく性能上限 (IOPS、スループット、レイテ ンシ) バックアップ作業の委譲 共有インフラでユーザ固有の サービス環境を提供するため に、ユーザ間でセキュアに隔 離されている © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 25 SDSの要件④: プログラマブル対応 インフラ & アプリSWベンダーの付加価値 SDSエコシステム RESTful API RESTful API Northbound API(オープンで統一されたAPI) コントロールプレーン データプレーン ブロック ストレージ スケールアウト NAS ストレージ ハイエンド ストレージ ファイル ストレージ ミッドレンジ ストレージ オブジェクト ストレージ オープン ストレージ Northbound APIを介し て、アプリケーションから のストレージ構成および 設定変更を可能にする アプリケーション-コント ロールプレーン間は、一 般的にHTTP/RESTfulな APIをサポート APIをオープンにすること で付加価値の高いエコシ ステム形成を促進 運用管理システムとの 連携 オーケストレーション ツールとの連携 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 26 データプレーン 専らデータ格納と転送処理を行うレイヤーとしてハードウェア によって構成される データプレーンの実装は現時点ではベンダごとにアプローチ が異なる 1. 既存ストレージを活用するタイプ ネイティブのブロック、ファイルアクセス系が主 抽象化のレベルは各社によって異なる 既存ストレージベンダの製品に多く見られる 2. コモディティサーバを活用するタイプ オブジェクトアクセス、またはオブジェクトストレージをベースとし たブロック、ファイルアクセス系が主 ストレージ機能はソフトウェアで実装 新興ストレージSWベンダ、オープンソース系製品に多く見られる © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 27 データプレーン ユーザポータル SDx、運用プロセスとのオーケストレーション 仮想管理センター ハイパーバイザ サードパーティー 製品 OpenStack REST API REST API REST API REST API Northbound API(プログラマブルAPI) コントロールプレーン • ポリシーベース自動化エンジン • マルチテナンシー ブロック ストレージ 低レイテンシ 要件 高スループット 要件 非性能 容量重視要件 GOLD プール SILVER プール BRONZE プール スケールアウト NASストレージ ハイエンド ストレージ データサービス 要件定義 抽象化された プール定義 Southbound API SMI-S, ネイティブAPI… ミッドレンジ ストレージ © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. コモディティ サーバ ファイル ストレージ オブジェクト ストレージ データ プレーン 28 既存ストレージ活用型 ストレージ仮想化エンジンによる抽象化 多様なストレージを容易に SDS化可能 既存ストレージのボリュー ムを仮想化エンジンに認識 させることで利用可能 仮想化されたデータパス Northbound API 共通API ストレージ仮想化エンジン API Southbound API コントロール プレーン A社ブロック ストレージ B社ブロック ストレージ データプレーン C社ブロック ストレージ 既存ストレージ環境の変更 と計画停止が必要 イン・バンド管理のため、仮 想化エンジン配下へのつな ぎ替えが発生 ストレージ固有の機能、特徴 を活用しずらい 製品例 NetApp FlexArray IBM SVC EMC VPLEX © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 29 既存ストレージ活用型 アウト・オブ・バンド管理による抽象化 既存のブロックアクセス データ パス データ パス データ パス 既存の ファイル アクセス データ パス Northbound API 共通API データレプリケーション 自動階層化管理(Tiering) API ネイティブ API API コントロール プレーン APIやプールはアウト・オ ブ・バンドで抽象化されるの で、導入インパクトゼロ ネイティブストレージ機能の 活用が可能 API Southbound API 既存インフラに変更を加える ことなくSDS化可能 A社 ブロック ストレージ 業界標準API SMI-S, OpenStack Cinder… C社 ブロック ストレージ D社 ブロック ストレージ データプレーン ネイティブ API B社 ファイル ストレージ 機種対応拡張は課題 South-bound APIの開発 が必要 SMI-SやOpenStack Cinderの活用も… 製品例 EMC ViPR © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 30 コモディティサーバ活用型 低コストでの実現が可能 汎用(X86)サーバを使い、 専用ストレージHWは不要 仮想化されたデータパス ブロック、ファイル、オブジェクト… Northbound API 共通API SDS レイヤー (ソフトウェア) SDS レイヤー (ソフトウェア) SDS レイヤー (ソフトウェア) OS OS OS コモディティ サーバ コモディティ サーバ コモディティ サーバ API コントロール プレーン データプレーン ストレージ機能をソフトウェ アで実現 アクセスタイプ レプリケーション、スナップ ショット データ保護コード 管理の簡素化は課題 HWマネジメント OSを含むパッチ適用 ソフトウェアアップデート 製品例 Ceph VMware vSAN 他多数 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 31 SDSの動向 コモディティ化が牽引するソフトウエア中心のITインフラ © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 32 コモディティサーバによるSDSの牽引 非構造化データの急激な増加 企業データよりもウェブ系データ(写真、動画、アクセスログ…)の伸 びが圧倒的に高い スケールアウトに対応し、より安価なストレージ要求に対する高まり x86ベースのサーバの普及 専用ストレージに比較して、容易に入手可能で低価格 インターネット企業、研究機関によるテクノロジ内製化の促進 ソフトウェアによるスケールアウト型ITインフラを独自開発 分散ファイルシステムなど、ベースとなるストレージ技術の誕生 オープンソースコミュニティ活動の活発化と新興ソフトウェア ベンダの参入 ストレージHWを持たない、非ストレージベンダの参入が容易に © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 33 Cephの概要 オープンソース UCSCの研究プロジェクトに端を発する分散ファイルシステム 2014年にCephの商用ベンダーであるInktankをRedHatが買収 ベンダフリー 汎用性のあるコモディティサーバで構築可能 一般的なLinux OSベースで動作 フォールトトレラント 高いスケールアウト性能 最小3ノードからPB(ペタバイト)クラスまでの拡張に対応 マルチアクセス対応 ブロックデバイス REST(Amazon S3/Swift 互換) POSIXファイルシステム リモートレプリケーション(RADOSGWのみ) © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 34 Cephのモデル © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 35 CephとOpenStackのインテグレーション OpenStack OpenStackダッシュボード Keystone Swift Glance Cinder Nova 認証サービス オブジェクトアクセス イメージ管理 ブロックアクセス コンピュートサービス libvirt QEMU/KVM RADOSGW (REST API GW) RBD オブジェクトストレージ ブロックデバイス クローン スナップ ショット 仮想マシン イメージ ボリューム Ceph RADOSクラスタ (オブジェクトストア) Ephemeral 揮発性ディスク OpenStackと高い親和性を持ち、Software Defined Storageとして機能 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 36 まとめ 今後、ITが求められる役割の移行に伴って、ビジネスやアプ リケーションにアラインしたITインフラの実現にSoftware Defined Storage(SDS)は重要な要素となる ハードウェア、API標準化がサーバ、ネットワークほど進んで いない現状では、SDSの解釈、実装は各社各様であり、導 入には既存環境を含めた検討が必要である 今後、CPUやサーバフラッシュ等のさらなる高性能化によっ て、コモディティサーバベースのSDSが主要な位置づけを占 めると考えられる © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 37 このチュートリアルに関するご意見は以下にご連絡く ださい : SNIA日本支部 教育委員会 [email protected] SNIA-J推薦図書 : ■ 「よくわかるストレージネットワーキング」 喜連川優編 : オーム社 ■SNIAストレージネットワーキング用語集 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 38 ソフトウェア・ディファインド・ストレージ(SDS)の 基礎と技術動向 ストレージネットワーキング・インダストリ・アソシエーション日本支部 教育委員会 © 2014 Storage Networking Industry Association. All Rights Reserved. 39
© Copyright 2024 ExpyDoc