パワー・ハラスメント問題 パワハラから自己防衛するには ~言い方にも工夫し意思疎通~ 実際にパワハラが起きてしまえば、問題解決は非常に難しく、相手が加害者として裁かれたとしても 互いに何も得るものはありません。ですから、パワハラを受けないように自己防衛することも大切なこ とです。被害を受けないようなコミュニケーションのコツを、いくつか挙げてみましょう。 上司は自分のことをわかってくれているはず、と勝手に思い込んでいたり、こんなことを言ったら笑 われる、迷惑をかけられないと、ひとりで悩むケースもあります。自分のことをキチンと伝えて、上司 に状況を理解してもらうことも大切です。 不当なことがあっても我慢ばかりしていたり、言い分があっても黙っていると「何を考えているのか 分からない奴」としてパワハラを受けてしまうことがあります。そのときの言い方として注意したいの は、相手を非難するのではなく、自分のことを話すことが大切です。人は誰でも「あなたが間違ってい る」「あなたのせいで…」といわれると、気分のいいものではありません。まして、部下から言われた らメンツが保てません。 「あなたが間違っているという You(あなた)メッセージではなく、「私のことが誤解されているよ うに思うのですが…」というⅠ(私)メッセージで伝えると相手も受け入れやすいものです。 上司にまめに報告することも大切です。誰でも自分が不安になったり、イライラしたりすると誰かに あたってしまいます。期限までに間に合わない、うまくいかないなど問題が起きそうならすぐ相談する ことです。ギリギリになってからの報告では上司も打つ手がなく、パニックになって怒り出します。上 司を不安にさせないようにすることが大切です。 逆に、必要以上に自己主張するとパワハラを受けてしまいかねません。自分勝手な行動を繰り返した り、権利ばかり主張したりして周囲から浮いた存在になってしまいます。自分だけが特別な存在だとい う意識も周囲からの反発を招きます。 不適切な行動や声の出し方、態度など相手に不快な思いをさせるようなことをしたり、ルールやマナ ーを守らないと上司からしかられるばかりでなく、仲間からも排除されてしまいます。 また、ミスをしたらまず謝りましょう。謝ることは責任を持って仕事をしているということの現れで、 言い訳ばかりしていると責任を回避していると受け取られます。まず謝って、その後ゆっくり原因や今 後の対策を伝えるのがコツです。 上司がパワハラをしないようにコントロールすることも、部下の重要なスキルの一つと思って、いろ いろ試してみてはいかがでしょうか。 (株)クオレ・シー・キューブ 岡田 康子(2008) p08
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