第15回 上越信用金庫 中小企業景気動向調査

このふるさとが誇りです。
2015/4~2015/6
上越信用金庫
中小企業景気動向調査
〒942-8666
上越市中央1丁目11番1号
上越市版
TEL 025-543-3184
FAX 025-545-4400
Vol.
15
URL http://www.joetsu-shinkin.jp
2015/7
発行
担当:総合企画部
上越信用金庫では、この程上越地域の中小企業の皆様からご協力をいただき、平成27年4月~6月
期の景気の現状と平成27年7月~9月期の見通しを調査いたしました。
対象業種は、製造業、卸売業、小売業、サービス業、建設業、不動産業の6業種です。
なお、今回は平成27年3月に行った前回調査結果および信金中央金庫が実施している同種の調査結
果による全国平均とを比較して分析しています。
<調査概要>
1.調査時点
2.調査方法
3.依頼先数
4.分析方法
5.分析値
:
:
:
:
平成27年6月1日~6月19日
上越地域の営業店得意先による調査表に基づくアンケート
326社(有効回答数319社・回答率96.76%)【信金中央金庫アンケート分含む】
各質問項目について、「増加」(良い)-「減少」(悪い)
の構成比の差=判断D.I.に基づく分析
D.I.とは、良い割合から悪い割合を差引いた値。
: 各数値は、四捨五入にて表示
<概 況>
~今期は小幅改善するも、来期は2極化の見通し~
平成27年4月~6月期(今期)の業況判断D.I.は、△28.5と前回△30.7より業況が改善する結果とな
りました。また、全国平均においても△8.9(前回△9.8)と僅かながら景況感は改善しました。
平成27年7月~9月期(来期)の業況予想判断D.I.は、△23.2(前回△23.0)となり、今期実績
(△28.5)よりも、来期は僅かながら改善するものの、業種別に見ると景況感が2極化する見通しと
なっています。
また、業種別業況判断D.I.を見ると、建
設業のみ△27.3(前回△21.1)と景況が僅か
に悪化したものの、その他の5業種はすべ
て改善し、特にサービス業では△25.0(前
回△35.4)と大幅な改善となりました。
(図表1)業況判断D.I.と業況予想判断D.I.
0.0%
-1.4%
-4.1%
-10.0%
-5.3%
-18.6%
しかしながら、来期の業況予想判断D.I.
では、サービス業△11.3(当期実績
△25.0)、製造業△13.6(当期実績
△23.7)、建設業△19.5(当期実績
△27.3)の3業種が大幅に改善する見通し
となっている反面、不動産業△50.0(当期
実績△30.0)、小売業△36.8(当期実績
△33.8)、卸売業△48.0(当期実績
△40.0)と不動産業を中心に悪化する見通
しとなっています。
(図表1)
-7.8%
-11.3%
-16.1%
-13.5%
-21.1%
-20.0%
-23.7%
-21.8%
-30.0%
-13.6%
-27.8%
-30.0%
-34.6%
-24.6%
-30.0%
-35.4%
-43.5%
-36.7%
-41.9%
-35.9%
-45.8%
-50.0%
-30.0%
-33.8%
-37.5%
-40.0%
-19.5%
-25.0%
-27.3%
-36.8%
-40.0%
-48.0%
-44.4%
-44.8%
-50.0%
-56.0%
-60.0%
H26.6
1/9
H26.9
H26.12
H27.3
H27.6
来期予想
製造業
サービス業
建設業
不動産業
小売業
卸売業
依
中
依
回
回
~全業種が売上げ増加による収益改善となったが、来期は2極化の見通し~
収益面では、今期の収益判断D.I.が△17.9(前回△30.7)と、前回に比べ改善する結果となり、ま
た、来期の予想収益判断D.I.についても△5.6とさらに収益状況が改善する見通しとなっています。
業種別でもすべての業種で収益が改善し、特に卸売業では△4.0(前回△41.8)と大幅に改善する
こととなり、小売業△14.7(前回△18.8)を除くその他の業種においても、10ポイント以上の収益
改善となっています。
来期7月~9月期の収益予想判断D.Iでは、製造業△5.1(今期実績△13.6)、サービス業3.8(当期
実績△20.0)、建設業2.6(前期実績△26.0)でさらに改善する見通しとなったものの、卸売業
△12.0.(今期実績△4.0)、小売業△17.6(当期実績14.7)、不動産業△50.0(前期実績△20.0)の
3業種では悪化する見通しとなっており、業種間で収益状況が2極化する状況となっています。
~人手は、僅かに不足傾向~
人手過不足判断D.I.は、△14.4(マイナスは人手「不足」超)となり前回の△13.7と僅かに人手不足
感があったものの大きな変化はありませんでしたが、全国平均(△14.3)同様の人手不足感となって
います。
なお、各業種で過不足の変化が見られるものの、卸売業と不動産業については、過不足が解消され
る状態となりました。
~販売価格D.I.、仕入価格D.I.とも僅かに増加~
販売価格判断D.I.は、△5.0(前回△7.0)となり、全国平均が3.9(前回2.4)とプラス指数であるのに
対し、当地域では、3期連続でのマイナス指数(低下している)となりました。
また、仕入れ価格判断D.I.も、26.0(前回23.3)とプラス指数であるものの、前回比プラス2.7Pとな
り、また、販売価格判断D.I.も△5.0(前回△7.0)となり、前回比プラス2.0Pとなりました。
~景況感の改善により資金繰りのタイト感も緩和傾向に~
資金繰り判断D.I.は、景況感の改善に伴い△19.7(前回△24.6)とタ
イト感が緩和されたものの、全国平均△9.7(前回△11.9)と比べると、
依然厳しい状況となっています。
業種別では、サービス業が△16.3(前回△28.0)と資金繰りが大幅に
緩和され、その他の業種についても概ね改善傾向にあり、全体として資
金繰りのタイト感は緩和される状況となりました。
~設備投資は全国平均以上、依然堅調に推移~
設備投資実施企業割合は、25.1となり、前回(22.0)より増加し、全国
平均21.0(前回21.4)と全国平均を上回る投資マインドとなっています。
内訳としては、事務機器32先(前回17先)、車両21先(前回16先)、機
械・設備の新・増設15先(前回14先)等の順となっています。
また、来期(予定)については、設備投資計画企業割合が23.5(前回
23.0)と、依然、積極的な設備投資行動が見込まれます。
~経営上の問題点と重点施策~
経営上の問題点の上位3項目は、「売上の停
滞・減少」、「同業者間の競争の
激化」、「利幅の縮小」となり、前回との変
化は見られませんでした。
また、この上位3項目が約4割を占めてお
り、依然、大きな問題点として取り上げられ
ています。(図表2)
これら経営の問題点を踏まえた、今後の重
点施策については、「経費の節減」16.8%(前
回15.7%)、「販路の拡大」14.4%(前回
15.5%)となるなど、上位3位は前回と同様の
順位となりましたが、「経費削減」が増加し
た反面、「販促の拡大」および「人材の確
保」が減少する状況となりました。
また、その他の項目においても「新事業の
開拓」や「技術力の強化」が増加した一方、
「宣伝・広告の強化」、「教育の強化」、
「教育の訓練」でポイントを減らす結果と
なっています。(図表3)
設備投資実施先(78件)の内訳先
0 数10 20 30 40
32
事務機器
21
車両
15
機械・設備の新・増設
機械・設備の更改
10
事業用土地・建物
8
その他
8
※
(図表2)経営上の問題点(複数回答)
売上の停滞・
減少
17.5%
18.6%
同業者間の
競争の激化
12.5%
61.2%
前回(201503)構成比
60.0%
利幅の縮小
8.8%
12.2%
9.2%
上位3位以外
売上の停滞・
減少
同業者間の
競争の激化
利幅の縮小
前
売
同
利
上
上位3位以外
(図表3)今後の重点施策(上位10項目)
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0% 12.0% 14.0% 16.0% 18.0%
今
16.8%
15.7%
14.4%
15.5%
売
経費の節減
販路の拡大
人材の確保
技術力の強化
宣伝・広告の強化
教育訓練の強化
情報力の強化
新事業の開拓
品揃えの改善
5.1%
4.9%
4.2%
4.9%
3.9%
5.1%
3.4%
3.5%
2.9%
1.9%
2.6%
2.9%
7.7%
8.5%
同
利
上
201506
201503
今
2/9
<製造業>【回答企業59社】
今期の業況判断D.I.は、△23.7(前回△24.6)に僅かに改善しましたが、全国平均では△9.4(前回
△8.6)に悪化しました。来期予想では業況予想判断D.I.△13.6となり、さらに持ち直す見通しとなっ
ています。(図表1)
製造業内の今期の業種別業況判断D.I.は、主要4業種(食料品、木材・木製品、その他金属製品、そ
の他の製造業)のうち、マイナス景況は食料品△38.5(前回△50.0)と木材・木製品△100.0(前回
△100.0)の2業種、その他金属製品0.0(前回△26.7)とその他の製造業0.0(前回40.0)の2業種につい
てはゼロ値まで改善しています。
(空
経
販
人
技
宣
教
また、販売形態別の業況判断D.I.においては、5
形態のうち素材型10.0(前回0.0)、部品加工型
6.7(前回△22.2)、建設関連型△62.5(前回
△87.5)が改善したものの、消費財型△35.3(前
回△10.5)及び機械器具型△42.9(前回△16.7)
の2形態が大きく悪化しました。
また、来期の業況予想判断D.I.は、全形態が常
態または改善する見通しとなっており、今後の業
況の安定化を示唆する状況となっています。(図表
4)
(図表4)販売形態別業況判断の推移予想(製造業)
前期(1-3月)実績
今期(4-6月)実績
20.0%
0.0%
来期(7-9月)予想
13.3%
10.0%
素材
-10.5%
-20.0%
消費財
-35.3%
部品加工
機械機器
-42.9%
-42.9%
製
食
そ
木
-60.0%
-62.5%
-80.0%
品
-17.6%
-16.7%
-22.2%
-40.0%
収益判断D.I.は、△13.6(前回△28.1)から大幅
に改善する結果となり、来期の予想収益判断D.I.
においても△5.1と収益性が大幅に改善する見通し
となっています。
雇用面では、人手過不足判断D.I.が△10.2(前回
△3.5)となり、人手不足感が強まる状況となって
います。
新
10.0%
6.7%
0.0%
情
-62.5%
一
建設関連
そ
-87.5%
-100.0%
素材型
消費財型
建設関連型
部品加工型
機械器具型
<
製
素
<卸売業>【回答企業25社】
今期の業況判断D.I.は、△40.0で前回の△45.8から改善したものの、全国平均△13.0(前回△18.7)
と比べても依然として厳しい状況が続いています。また、来期の業況予想判断D.I.も△48.0と悪化す
る見通しで、不動産業の△50.0と並び6業種中もっとも厳しい業種の一つとなっています。(図表1)
主要業種上位4社抜
卸売業内の今期の業種別業況判断D.I.(上位4業
種)は、機械器具が常態推移し、建築材料△42.9
(前回△0.0)が大幅に悪化する一方で、その他
の卸売業20.0(前回△50.0)や食料・飲料△50.0
(前回△60.0)で大幅に改善するなど、業種間で
景況の方向感が大きく異なる状況となっていま
す。
また、来期の業種別業況予想判断D.I.は、建築
材料△14.3(実績△42.9)が唯一改善を見込むも
のの、食料飲料△66.7(実績△50.0)及びその他の
卸売業△60.0(実績20.0)については、大幅に悪化
する見通しとなりました。(図表5)
(図表5)業種別業況判断の推移予想(卸売業)
前期(1-3月)実績
今期(4-6月)実績
来期(7-9月)予想
40.0%
20.0%
20.0%
その他の卸売
0.0%
0.0%
-14.3%
-20.0%
-42.9%
建築材料
-40.0%
-50.0%
収益判断D.I.は、売上額の増加を主要因に
△4.0(前回△45.8)と大幅に改善し、来期の予
想収益判断D.I.も△12.0と弱含む見通しとなるも
のの、今後も収益改善が見込まれる状況となって
います。
また、雇用面では、人手過不足判断D.I.が0.0
(前回△4.2)となり、人手不足感が解消傾向に
あることが窺えます。
-60.0%
食料飲料
-80.0%
-100.0%
-100.0%
-120.0%
3/9
-60.0%
-50.0%
-60.0%
-100.0%
-66.7%
-100.0%
機械器具
建築材料卸売業
食料・飲料
その他の卸売業
機械器具
部
消
機
建
<小売業>【回答企業68社】
今期の業況判断D.I.は、△33.8(前回△35.9)となり、改善傾向にあるものの全国平均△23.0(前回
△25.6)と比べると依然として厳しい状況が続いています。
また、来期の業況予想判断D.I.は△36.8となり、僅かに悪化する見通しとなっています。(図表1)
小売業内の今期の業種別業況判断D.I.は、上
位7業種のうち、飲食料品のみ業況が改善した
ものの、自動車、燃料、身の回り品、その他の
小売の4業種が悪化し、衣料品、スポーツ用品
の2業種が常態推移する結果となりました。
また、来期の業種別業況予想判断D.I.は、身
の回り品、その他の小売で改善見込みであるも
のの、2業種(衣料品、スポーツ用品)で常態
推移、また、3業種(飲食料品、自動車、燃
料)で悪化する見通しとなっています。
また、小売業は卸売業に比べ業況感に対する
方向感の違いがなく、景況感はすべての業種に
おいて厳しい状況となっています。(図表6)
前期(1-3月)実績
今期(4-6月)実績
来期(7-9月)予想
60.0%
自動車
40.0%
37.5%
20.0%
0.0%
0.0%
飲食料品
0.0%
-15.4%
燃料
-20.0%
医薬品
-40.0%
スポーツ
-25.0%
-33.3%
-33.3%
-41.7%
-50.0%
-60.0%
収益判断D.I.は、△14.7で前回△18.8より改
善する結果となりました。また、来期の予想収
益判断D.I.も△17.6となり、収益性は僅かに悪
化する見通しとなっています。
雇用面では、人手過不足判断D.I.が△17.6(前
回△9.4)となり、大幅に人手不足感が増してお
り、今まで以上に人手不足感が強まる状況と
なっています。
主要業種抜粋
(図表6)業種別業況判断の推移予想(小売業)
-33.3%
-25.0%
-28.6%
-33.3%
その他小売
-42.9%
-42.9%
-50.0%
-50.0%
-57.1%
-60.0%
-60.0%
-80.0%
-80.0%
身のまわり品
-100.0%
その他小売業
飲食料品
織物・衣服・身のまわり品
自動車・自転車
燃料
スポーツ用品・がん具・娯楽用品
医薬品・化粧品
<サービス業>【回答企業80社】
今期の業況判断D.I.は、△25.0(前回△35.4)と改善しましたが、全国平均△4.6と比べても極端に
景況感が悪化した状況ですが、来期の業況予想判断D.I.では△11.3と大幅に改善する見通しとなって
います。(図表1)
サービス業内の今期の業種別業況判断D.I.
(図表7)業種別業況判断の推移予想(サービス業)
は、上位5業種のうち、洗濯・理容100.0(前
前期(1-3月)実績
今期(4-6月)実績
来期(7-9月)予想
回0.0)、旅館業40.0(前回△50.0)、情報
120.0%
サービス業25.0(前回0.0)の3業種について
洗濯・理容
主要業種抜粋
100.0%
100.0%
は大幅に改善し、また、自動車整備業△62.5 100.0%
(前回△57.1)は僅かに悪化、その他サービ
80.0%
ス△34.0(前回△33.9)は常態推移となった
旅館
ものの、サービス業全体の業況は大幅に改善
60.0%
60.0%
する状況となりました。
40.0%
40.0%
また、来期の業種別業況予想判断D.I.で
は、業況の改善等を主要因に旅館業60.0(実
20.0%
25.0%
情報・サービス
績40.0)、その他のサービス業△15.1(実績
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
△34.0)の2業種がさらなる改善を予想して
-15.1%
います。(図表7)
-20.0%
-33.9%
収益判断D.I.は、△20.0(前回△30.5)と
なり、収益性が改善する状況となりました。
さらに来期の予想収益判断D.I.も3.8と大幅
な収益改善が見込める状況となっています。
雇用面では、人手過不足判断D.I.が
△18.8(前回△25.6)となり、人手不足が解消
傾向となったものの、依然、慢性的な人手不
足の状況が継続しています。
-40.0%
-60.0%
その他サービス
-50.0%
-57.1%
-80.0%
-62.5%
-62.5%
自動車整備
その他サービス業
自動車整備および駐車場業
旅館、その他の宿泊所
情報サービス・調査・広告業
洗濯・理容・浴場業
4/9
-34.0%
<建設業>【回答企業77社】
今期の業況判断D.I.は、△27.3(前回△21.1)と悪化しており、全国平均1.2(前回8.3)でプラス景況
感が継続している状況と比べると、景況感は弱含みで推移する状況が続いています。
また、全国平均が2013年9月期よりプラス景況感を継続しているのに対し、当地では、2014年03月よ
りマイナス景況感が続き、来期予想(△19.5)においてもマイナス指数が継続する状況となっていま
す。(図表1)
建設業内の今期の業種別業況判断D.I.は、3
業種中2業種(設備工事業、職別工事業)につ
いて景況感が悪化する状況となりましたが、
来期において、改善する見通しとなっていま
す。
一方、総合工事業については、△19.4(前
回△22.9)と業況が僅かに改善したものの、
来期においては、他の2業種とは反対に△33.3
と悪化する見通しとなっています。(図表8)
(図表8)業種別業況判断の推移予想(建設業)
前期(1-3月)実績
今期(4-6月)実績
来期(7-9月)予想
10.0%
設備
0.0%
5.6%
0.0%
-10.0%
-19.4%
総合
-20.0%
収益判断D.I.は、△26.0(前回△38.2)と大
幅に改善し、さらに来期の予想収益判断D.I.で
は2.6のプラス指数に転じており、収益性が大
きく改善する見通しとなっています。
雇用面では、人手過不足判断D.I.が△16.9
(前回△18.4)となり、2期連続で改善する状
況となっています。
-23.8%
-22.9%
-30.0%
-27.8%
職別
-33.3%
-33.3%
-40.0%
-42.9%
-50.0%
職別工事業
<不動産業>【回答企業10社】
今期の業況判断D.I.は、△30.0(前回
△30.0)と常態推移したものの、全国平均
5.5(前回2.7)と比べても、依然として景況感に
大きなかい離が生じている状況です。
来期の業況予想判断D.I.は△50.0となり,大幅
に悪化する見通しとなっています。(図表1)
不動産内の業種別では、貸家業貸間業が大幅
に悪化したものの、不動産代理業・仲介業は、
△25.0(前回△42.9)と業況は改善、貸事務
所・土地賃貸業は常態推移という状況になりま
した。
来期の業況予想D.I.は、不動産代理業・仲介業
で△50.0と悪化するものの、その他の2業種に
ついては常態推移する見通しとなっています。
(図表9)
総合工事業
設備工事業
(図表9)業種別業況判断の推移予想(不動産
業)
今期(4-6月)実績
来期(7-9月)予想
前期(1-3月)実績
20.0%
土地賃貸業
0.0%
0.0%
0.0%
-20.0%
0.0%
0.0%
-25.0%
不動産代理
業仲介業
-40.0%
-50.0%
-42.9%
-60.0%
-80.0%
-100.0%
-100.0%
-100.0%
貸家業
-120.0%
収益判断D.I.は、△20.0で前回の△30.0より
も改善する結果となりましたが、来期の予想収
益判断D.I.は△50.0となり、大幅に収益が悪化
する見通しとなっています。
雇用面では、人手過不足判断D.I.が0.0(前回
10.0)となり、人手過不足が悪化する状況となり
ました。
5/9
貸事務所・土地賃貸業
貸家業・貸間業
建売業・土地売買業
不動産代理業・仲介業
以 上
特別調査の結果について
~中小企業の賃上げと人材確保への取組みについて~
デフレから脱却し、経済の好循環を達成することを
目的に、賃上げを実施することが政府の成長戦略では
推奨されるところですが、一方でサービス業や建設業
などを中心に人手不足感が高まっています。そこで今
回の特別調査では賃上げと人材確保に対する中小企業
の意識と取組みについて調査することに致しました。
なお、複数回答の設問については、項目合計が100%
を超えることとなりますのでお含みおき下さい。
【問1】賃上げの実施について
~34%が賃上げを実施~
今春の賃上げの有無については、34.2%が「実施し
た」との回答になりました。全国平均で28.0%と比べ
ても非常に高い実施率となっています。賃上げの理由
については、24.0%が「従業員の待遇改善」と回答し
ており、企業の多くが従業員の生活水準の向上を意識
していることが窺えます。また、賃上げを実施しな
かった理由については、「自社の業績」(29.7%)と
「景気見通しの不透明」(22.0%)が他の理由を大きく
離し、上位となりました。直近の業績はもちろんのこ
と将来の不確実性からも賃上げをためらわせる要因と
なったものと考えられます。
問1
<賃上げを実施した>
1.政府の要請
2.自社の業績改善
3.同業他社等の賃上げ
4. 従業員の待遇改善
5. その他
<賃上げを実施せず>
6.実施済み
製造業
卸売業
小売業
賃上げの実施について
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
1.政府の要請
上越市
2.自社の業績改善
全国平
均
3.同業他社等の賃上げ
4. 従業員の待遇改善
5. その他
6.実施済み
7. 景気見通し不透明
8.自社の業績
9.賃上げを検討せず
0.その他
(小数点第2位四社五入表示)
サービス業
建設業
不動産業
総計
全国
45.8%
20.0%
17.6%
37.5%
42.9%
0.0%
34.2%
1.7%
0.0%
0.0%
1.3%
0.0%
0.0%
0.6%
10.2%
8.0%
2.9%
7.5%
5.2%
0.0%
6.4%
0.0%
0.0%
1.5%
1.3%
2.6%
0.0%
1.3%
32.2%
12.0%
11.8%
26.3%
31.2%
0.0%
24.0%
1.7%
0.0%
1.5%
1.3%
3.9%
0.0%
1.9%
54.2%
80.0%
82.4%
62.5%
57.1%
100.0%
65.8%
6.8%
0.0%
5.9%
6.3%
1.3%
25.0%
4.8%
7. 景気見通し不透明
16.9%
24.0%
16.2%
27.5%
26.0%
0.0%
22.0%
8.自社の業績
27.1%
48.0%
39.7%
20.0%
24.7%
75.0%
29.7%
9.賃上げを検討せず
3.4%
8.0%
16.2%
8.8%
2.6%
0.0%
7.7%
0.その他
0.0%
0.0%
4.4%
0.0%
2.6%
0.0%
1.6%
【問2】賃上げを実施する場合の決定過程について
~4割が経営者一人で賃上げを決定~
賃上げの決定過程については、「幹部間で協
議」(43.5%)「代表者の判断」(39.9%)の二つが
大半を占める結果となりました。とりわけ「代
表者の判断」については、全国平均の40.5%と
4割が経営者一人の判断によるものとなってい
ます。
また、図表から上越市と全国平均が概ね同様
の構成割合となっていることから、賃上げ決定
プロセスの考え方が全国的に共通であることが
窺えます。
製造業
39.0%
49.2%
3.4%
8.5%
0.0%
卸売業
48.0%
40.0%
0.0%
8.0%
4.0%
28.0%
1.1%
6.2%
1.9%
17.8%
1.0%
72.0%
6.4%
24.5%
25.2%
13.7%
2.2%
賃上げの決定過程について
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
1.代表者の判断
2.幹部間で協議
3.労働者組合と協議
4.従業員と個別協議
上越市
全国
5.その他
問2
1.代表者の判断
2.幹部間で協議
3.労働者組合と協議
4.従業員と個別協議
5.その他
40.0%
小売業
38.2%
38.2%
0.0%
11.8%
11.8%
6/9
サービス業
36.3%
43.8%
3.8%
12.5%
3.8%
建設業
42.9%
44.2%
1.3%
7.8%
3.9%
不動産業
50.0%
50.0%
0.0%
0.0%
0.0%
上越市
39.9%
43.5%
1.9%
9.9%
4.8%
全国
40.5%
45.3%
2.0%
9.5%
2.7%
【問3】賃上げを実施する条件について
~カギは業況と景気見通しの改善~
賃上げ実施の条件として、最も多かったのは「自
社の業況改善」(79.9%)で、次いで「景気不透明感の
払拭」(45.0%)と続く結果となり、自社業績と景気見
通しの改善が賃上げの重要な条件となっています。
また、「従業員の士気高揚等の必要性」(34.8%)も
高い割合となっており、特に製造業では、他業種と
比べその認識度は高く、54.2%となっています。
賃上げ実施の条件について
0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%100.0%
1.景気不透明感の払拭
2.自社の業況改善
3.同業種の賃金相場の改善
4.同地域の賃金相場の改善
5.取引条件の改善
6.人材獲得の激化
7.従業員の士気高揚等の必…
8.助成金・優遇税制等の拡充
総計
9.最低賃金の上乗せ改定
全国
0.その他
問3
1.景気不透明感の払拭
2.自社の業況改善
3.同業種の賃金相場の改善
4.同地域の賃金相場の改善
5.取引条件の改善
6.人材獲得の激化
7.従業員の士気高揚等の必要性
8.助成金・優遇税制等の拡充
9.最低賃金の上乗せ改定
0.その他
製造業
49.2%
69.5%
16.9%
8.5%
6.8%
16.9%
54.2%
10.2%
5.1%
0.0%
卸売業
52.0%
84.0%
12.0%
4.0%
0.0%
8.0%
24.0%
8.0%
0.0%
0.0%
小売業
【問4】より積極的に正社員を採用するための条件に
ついて
~状況により正社員採用の意思あり~
より積極的な正社員採用については、「積極採
用の意思あり」が91.1%と9割を超え、全国平均
(88.4%)と比べても非常に高い結果となり、何らか
の条件が整えば、正社員を積極的に採用したいと
いう中小企業の動向が読み取れます。
正社員の採用条件として、「自社の業績改善」
(62.0%)がもっとも高く、ついで「景気不透明感の
払拭」(40.3%)、「欠員の発生」(39.9)と続いてお
り、欠員といった従業員側の変化が中小企業の採
用行動に影響を及ぼす要素となっていることが窺
えます。
なお、上越市と全国平均で各項目の構成比を比
較するとほぼ同様の割合となっており、全国的な
共通認識であることがわかります。
問4
積極採用の意思あり
1.景気不透明感の払拭
2.自社の業況改善
3.他社の採用積極化
4.新分野・新事業への進出
5.従業員の高齢化進行
6.欠員の発生
7.雇用助成金・優遇税制等の拡充
8.金融機関の融資面優遇条件拡充
9.その他
0.正社員は採用しない
製造業
98.3%
44.1%
76.3%
1.7%
10.2%
47.5%
42.4%
5.1%
0.0%
1.7%
1.7%
卸売業
88.0%
44.0%
56.0%
0.0%
4.0%
32.0%
36.0%
8.0%
4.0%
0.0%
12.0%
サービス業
42.6%
100.0%
14.7%
1.5%
10.3%
8.8%
26.5%
8.8%
7.4%
0.0%
建設業
50.6%
67.5%
13.0%
9.1%
10.4%
7.8%
36.4%
3.9%
6.5%
0.0%
不動産業
75.0%
75.0%
0.0%
0.0%
0.0%
25.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
総計
全国
45.0%
79.9%
12.8%
5.4%
7.7%
9.6%
34.8%
8.0%
6.7%
0.3%
41.8%
75.2%
13.9%
5.9%
10.1%
9.6%
29.4%
6.8%
6.2%
1.8%
積極的な正社員採用の条件について
0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0%
1.景気不透明感の払拭
2.自社の業況改善
3.他社の採用積極化
4.新分野・新事業への進出
5.従業員の高齢化進行
6.欠員の発生
7.雇用助成金・優遇税制等の拡充
上越市
8.金融機関の融資面優遇条件拡充
小売業
85.3%
33.8%
67.6%
0.0%
10.3%
19.1%
38.2%
7.4%
2.9%
0.0%
14.7%
7/9
35.0%
81.3%
8.8%
3.8%
6.3%
6.3%
31.3%
10.0%
10.0%
1.3%
9.その他
全国
0.正社員は採用しない
サービス業
85.0%
25.0%
56.3%
3.8%
13.8%
30.0%
45.0%
5.0%
1.3%
2.5%
15.0%
建設業
97.4%
57.1%
55.8%
3.9%
7.8%
42.9%
37.7%
6.5%
1.3%
1.3%
2.6%
不動産業
100.0%
50.0%
25.0%
0.0%
75.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
総計
91.1%
40.3%
62.0%
2.2%
10.9%
33.9%
39.9%
6.1%
1.6%
1.3%
8.9%
全国
88.4%
36.3%
57.1%
2.3%
12.2%
27.4%
37.2%
6.3%
1.4%
0.8%
11.6%
【問5】人材の定着を図る対応について
~職場環境の改善を通じて人材の定着を図る~
人材の定着については、「対応が必要」が89.1%
(全国平均84.0%)と「対応なし」10.9%(全国平均
16.0%)を大きく上回りました。
人手不足が続くなか、人材定着のために何らかの
対応の必要性を認識しており、具体的な対応として
「働きやすい職場環境作り」(62.9%)、「給与面の
待遇改善」(52.1%)や「自社業務の魅力向上」
(32.3%)など、事業価値の醸成に注力している様子
が窺えます。
人材定着に必要な対応について
0.0% 10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%
1.給与面の待遇改善
2.福利厚生面の待遇改善
3.働きやすい職場環境づくり
4.自社業務の魅力向上
5.自社知名度の向上(PR…
6.社内研修の充実
7.社内イベントの開催
8.パート・派遣の正規雇用化
上越市
9.その他
全国
0.対応の必要性なし
問5
対応が必要
1.給与面の待遇改善
2.福利厚生面の待遇改善
3.働きやすい職場環境づくり
4.自社業務の魅力向上
5.自社知名度の向上(PR活動)
6.社内研修の充実
7.社内イベントの開催
8.パート・派遣の正規雇用化
9.その他
0.対応の必要性なし
製造業
98.3%
69.5%
32.2%
84.7%
30.5%
6.8%
10.2%
3.4%
1.7%
0.0%
1.7%
卸売業
92.0%
40.0%
12.0%
76.0%
32.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
4.0%
8.0%
小売業
85.3%
48.5%
13.2%
58.8%
39.7%
13.2%
17.6%
8.8%
7.4%
0.0%
14.7%
8/9
サービス業
85.0%
46.3%
22.5%
60.0%
32.5%
0.0%
6.3%
5.0%
5.0%
0.0%
15.0%
建設業
90.9%
53.2%
22.1%
49.4%
28.6%
7.8%
6.5%
1.3%
3.9%
0.0%
9.1%
不動産業
50.0%
25.0%
0.0%
50.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
50.0%
総計
89.1%
52.1%
21.1%
62.9%
32.3%
6.1%
8.9%
4.2%
4.2%
0.3%
10.9%
全国
84.0%
47.2%
23.1%
60.4%
26.3%
7.3%
8.4%
4.2%
3.8%
0.6%
16.0%
参考
業況判断D.I.の推移
201206
201209
201212
201303
201306
201309
201312
201403
201406
201409
201412
201503
201506
0
-0.8
-5
-10
-14.0
-14.3
-15.5
-15
-18.5
-19.2
-20
-16.4
-18.9
-23.3
-25
-25.7
-28.5
-27.5
-30
-30.7
-35
201206
201209
201212
201303
販売価格判断D.I.・仕入価格判断D.I.の推移
201306
201309
201312
201403
201406
40.2
40.8
201409
201412
201503
201506
50
40
35.2
37.8
30
29.9
20
10
13.5
26.0
11.6
9.4
4.2
0.0
-15.8
23.3
26.4
16.4
0
-10
28.0
31.1
-8.9
-12.6
-12.7
3.8
2.0
1.4
-7.9
-7.0
-5.0
分析基準日
<販売価格>
-20
<仕入れ価格>
-30
前年同期比売上額・収益判断D.Iの推移
201206
201209
201212
201303
201306
201309
201312
201403
201406
201409
201412
201503
201506
10.0
5.4
5.0
0.0
-5.0
-1.9
-3.9
-4.2
-3.9
-1.7
-2.6
-5.7
-10.0
-16.8
-15.0
-11.5
-9.3
-9.5
-14.7
-13.7
-17.2
-20.0
-19.7
-19.4
<売上額>(前年同期
比)
<収益額>(前年同期
比)
-35.0
-24.3
-20.2
-25.0
-30.0
-16.7
-23.2
-26.4
-22.3
-24.1
-28.9
-28.8
-40.0
人手過不足判断、資金繰り判断D.I.等の推移
201206
201209
201212
25.3
26.9
201303
201306
201309
201312
201403
201406
201409
201412
201503
201506
40.0
30.0
30.2
20.0
25.1
22.0
17.5
<人手過不足>【過剰 - 不
足】
-5.8
-7.4
-20.0
27.6
21.5
24.4
20.9
0.0
-10.0
29.3
22.6
<資金繰り>【楽 - 苦】
10.0
28.9
-11.3
-12.8
-14.0
-17.0
-17.6
-17.3
-18.9
☆6.201506景気動向レポート(カラーB最終版)ver2.xls
-16.2
-13.4
-13.5
-13.7
-14.4
-19.5
-14.4
-30.0
-16.2
-24.0
-18.5
-20.0
-21.2
-23.6
-26.7
-23.4
-19.7
-24.6