2015 年 吉德 五月人形商戦

(吉德の五月人形商戦 プレスリリース)
2015 年 吉德 五月人形商戦
「兜飾り」が中心
「鎧」も復権
「本物志向」「渋い色」「迫力」「ほどよいサイズ」
【目次】
◆五月人形は男児の“お守り”。商戦は 3 月中旬過ぎから
◆五月人形の歴史…
現在の節句飾りの原形は江戸時代後期
◆平成 26 年の「長男」出生数は約 24 万 5 千人。市場規模 360 億円
◆吉德五月人形のテーマは“守りたい伝統”“語り継ぎたい物語”
◆「兜飾り」中心の商戦も、迫る「鎧飾り」の人気
◆好まれるのは「本物志向」「渋い色」「迫力」「ほどよいサイズ」
◆吉德の五月人形 品揃えと平均価格帯
◆五月人形の選び方・買い方のポイント
◆吉德これくしょんから「五月飾り展」開催のお知らせ
◆五月人形は男児の“お守り”。商戦は 3 月中旬過ぎから
「鎧」「兜」に代表される五月人形。それはまた、古来、男子の誕生を祝い「健や
かに育ってほしい」「強く立派な男子になってほしい」との親の願いが託されたわが
子にとっての大切な“お守り”的存在です。
例年、五月人形の商戦は雛人形商戦とは違い大きなピークというものはありませ
んが、一般的な商戦はお彼岸の中日の前後、3 月中旬過ぎから始まります。昨年は 4
月 1 日からの消費税率引上げを前にしていたため、雛人形商戦途中の 2 月中旬から
始まっていましたが、今年の商戦は例年のペースで進むものと思われます。
◆五月人形の歴史…現在の節句飾りの原形は江戸時代後期
ゆかしい日本の行事「端午の節句」。
「端午」とは、月初めの午(うま)の日という意味で、古代中国では物忌みの月
とされる旧暦五月の初めの午の日に邪気を祓うさまざまな行事が行われました。こ
の風習が奈良時代以前に日本に伝わったのが、端午の節句の起源とされています。
平安時代にはこの日、宮廷で破邪の意味から勇壮な武事が催されましたが、やがて
武家でもこの日を祝うようになり、さらに町の子どもたちも勇ましい遊びを楽しむ
ようになりました。
江戸時代になると五月五日は幕府の重要な式日の一つになり、大名や旗本はこの
日を祝して江戸城に伺候しました。また、将軍に男子が生まれると城内に数多くの
幟旗などを立てて祝うようになり、この頃から端午の節句は男子の誕生の祝いと密
接に結びつくようになりました。とくに武家ではこれを祝って、破邪の意味ととも
に武士の精神的象徴である鎧兜や幟旗などを飾りました。まもなく庶民もそれを模
して、大きな作り物の兜や紙の幟旗などを屋外に立て並べるようになりました。江
戸時代後期になると、これらは小型化して屋内に飾られるようになり、魔除けの赤
い布を敷いた上にミニチュアの幟や槍を立てた枠を置き、その前に勇ましい人形や
鎧兜などを並べる座敷飾りが普及しました。これが現在の五月飾りの原形です。
(吉德資料室
http://www.yoshitoku.co.jp/user_data/a_collect.php
)
◆平成 26 年の「長男」出生数は約 24 万 5 千人。市場規模 360 億円
ことしの端午の節句。その対象となるのは平成 26 年から 27 年にかけて誕生した
「長男」です。
直近データとして参考になるのは平成 25 年(2013 年)生まれの男児約 52 万 7 千人
(527,657 人)の内の長男約 24 万 6 千人(246,045 人)の数字です。それから勘案す
ると昨年出生した「長男」はおおよそ 24 万 5 千人前後と推計されます。
なお、市場規模は雛人形市場の 90%、約 360 億円(吉德調べ)と見ています。
(参考:2014 年 9 月・厚生労働省発表「人口動態調査・2013 年出産順位データ」)
◆吉德五月人形のテーマは“守りたい伝統”“語り継ぎたい物語”
東京最古の人形専門店(創業 江戸時代中期・正徳元年・1711 年)、株式会社吉德
(本社:東京都台東区浅草橋、代表取締役社長:12 世・山田德兵衞、資本金:1 億
円 www.yoshitoku.co.jp)では家族の「絆」となる「五月人形」を豊富に取り揃
え、昨年本社ビルとして新装なった東京・浅草橋本店はじめ全国直営 9 店舗(北海
道・札幌、埼玉県・久喜、東京都・荒川/八王子、千葉県・柏/市原、神奈川県・大
和/横浜、福岡県・小倉)および全国各地の特約店舗を挙げて商戦に臨んでいます。
吉德では、日本の生活文化に自らの歴史を重ね合わせながら、これを未来に語り
継ぎたいと考えています。加えて、時代とともにライフスタイルは変化しても節句
本来の心を忘れず、この伝統をいつまでも守り伝えていくことが吉德の社会的使命
と考えています。
◆「兜飾り」中心の商戦も、迫る「鎧飾り」の人気
商戦はことしも「兜飾り」中心の展開と見ていますが、一方でここ最近は「鎧飾
り」が復権傾向を見せているため、近年の「兜」偏重傾向はやや薄らぐものと思わ
れます。これはひとえに「鎧飾り」も「兜飾り」のサイズを意識して、やや小型の
商品構成を拡張している戦略が反映しています。節句人形にとって「サイズ」は重
要なキーワードです。吉德では商品の前に収納例が一目瞭然となる POP を配置する
などして、購入客の利便性を図っています。
◆好まれるのは「本物志向」「渋い色」「迫力」「ほどよいサイズ」
購入客の目は作りの細部までを慎重に吟味する「こだわり」「本物志向」が浸透し、
すべてにおいて本格的な造りのものに集中する傾向が見られます。色調は質実剛健
をイメージする「渋い色」。そして見た目の「迫力」も大事な選択ポイントとなって
います。
全体的なサイズ傾向では間口は小さく、
「兜」は間口 60cm~70cm、「鎧」では 80cm
以下が売れ筋です。飾って見栄えがよく、収納スペースも確保しやすく、住宅環境
に配慮したサイズが好まれています。
収納スペースということでは兜セットの台が収納箱を兼ねている「収納箱飾り」
が“節句後は一つの箱にしまえて、管理が楽”として支持が集まり、一定の存在感
を示しています。
屏風は兜・鎧ともに高さにもよりますが、高額品では伝統的な三折れの金屏風が
定番となっている一方、この数年では価格帯を問わず全体をより華やかに印象づけ
る縦長の二曲(にきょく)の絵柄タイプが人気を集めています。セットの両脇を固
める弓矢・太刀は精巧なものほど好まれています。
◆吉德の五月人形 品揃えと平均価格帯
吉德本店では「兜」40%・「鎧」30%・「着用兜」10%・「収納飾り」10%・「ケー
ス飾り」10%の品揃えです。
平均価格帯(売れ筋価格帯)については「兜」セットが¥120,000~¥180,000 前
後、「鎧」セットが¥200,000~¥250,000 前後と見ています。
吉徳五月人形の主なラインアップ(価格は税込)
■中核商品の縁起甲冑シリーズ
兜(¥124,200~¥183,600)
鎧(¥183,600~¥237,600)
■吉德とゆかりの深い徳川家の大御所・徳川家康公の鎧を再現した
「徳川大御所飾り」
鎧(¥270,000~¥313,200)
■「江戸甲冑」と呼ばれる和紙小札(こざね)の甲冑シリーズ
小柴鑚穂作
兜(¥172,800~¥324,000)
加藤鞆美作
兜(¥162,000~¥259,200)
加藤義駿作
兜(¥172,800~¥216,000)
広岡永豊作
兜(¥237,600、¥410,400)
大越保広作
兜(¥172,800、¥216,000)
■関東を中心に活躍する名匠の甲冑シリーズ
別所実正作
兜(¥259,200~¥410,400)
別所実正作
鎧 (¥756,000)
平安道齋作
兜(¥216,000、¥464,400)
平安道齋作
鎧(¥432,000)
■京都の名匠が競作する京甲冑シリーズ
平安一水作
兜(¥345,600、¥1,404,000)
平安一水作
鎧(¥756,000)
平安光義作
兜(¥237,600)
粟田口義房作
■鎧高床台飾り
兜(¥302,400、¥388,800)
(¥300,000~¥310,000)
■鎧床飾り
(¥199,800~¥302,400)
■5 歳から 7 歳位までの男児が実際に着用出来る着用鎧飾り
(¥172,800~¥442,800)
■同上
着用兜床飾り
(¥129,600~¥162,000)
■同上
着用兜収納箱飾り
(¥135,000~¥162,000)
■兜床飾り
(¥ 66,960~¥178,200)
■兜収納箱飾り
(¥ 75,600~¥216,000)
■ケース入り兜飾り
(¥ 49,680~¥129,600)
なお、
「兜」「鎧」の主なセットには、櫃(ひつ)に家紋(300 種限定)を付ける
ことが可能です。家紋付けの希望は年々増加の傾向です。
◆五月人形の選び方・買い方のポイント
五月人形は決して安い買い物ではありません。まず予算をはっきり決めて、次に
どの種類のどのタイプにするかを決めます。そして飾る場所を家のどこにするか、
和室か洋室か、念のためそのスペースをあらかじめ測っておくことが大事です。
店頭においての五月人形セット選びの第一のポイントは、セット全体のバランス
です。まずメインになる兜や鎧を決め、それから弓矢・太刀などの付属品、背景と
なる屏風、そして飾り台との全体的なバランスを少し離れたところからチェックし
ます。
五月人形は季節が訪れるたびに心をこめて飾り続けるものです。そのためにも人
形、購入店とも慎重に選ばなくてはなりません。セットのどこにどれほどの価値が
あるのかなど、品物の内容をよく吟味する必要があります。じっくり選ばせてくれ
る店、素材、技法の特長、さらには歴史・風習に至るまで、きちんと説明ができる
経験豊かな販売員がいる店を選ぶのも大切なポイントです。街頭チラシによる大幅
な値引きを謳う店や二重価格表示の店などは当初から信用できない店と認識して
ください。
◆吉德これくしょんから「五月飾り展」開催のお知らせ
「吉德これくしょん」は、人形研究家として知られた吉德 10 世山田德兵衞
(1896-1983)の遺した研究資料を主体とする日本有数の人形玩具のコレクショ
ンです。今年も五月人形シーズンにちなみ、3 月 14 日(土)~5 月 5 日(火)の
間、本社ビル(浅草橋本店)4F の展示室にて吉德これくしょん所蔵品による「五
月飾り展」を開催いたします。本展では、江戸時代から昭和に至る武者人形、甲
冑、陣道具ならびに関連資料を展示いたします。詳細は吉德ホームページ 「吉德
これくしょん」ページにてご確認ください。
以上