戦後 70 年 ・市民と戦争 ・まきこまれた子どもたち ・戦争とメディア ・戦後の復興 ・憲法を考えてみませんか ・平和ってどんなこと 多摩市立図書館 冊子の見方 『資料のタイトル』 (著者名や編集者名、出版者名、分類番号) 特におすすめしたい資料にはあらすじをつけています。 戦争を経験していない世代が多数を占め、その 記憶が薄れつつある今だからこそ、戦争や平和に ついて考えてみませんか。 この冊子では「戦後 70 年」にちなんだ 6 つのテ ーマを設定し、多摩市立図書館の所蔵資料をご紹 介しています。 また、市内の各図書館では 8 月に「戦後 70 年」 の企画展示を行います。そちらもぜひご覧くださ い。 ~市民と戦争~ 『私の軍隊記録』 (峰岸松三著、峰岸松三、K ウ 281 ミ) 唐木田在住の故峰岸松三さん(多摩市文化財保護審議会 委員、エフエム多摩放送株式会社社長などを歴任)が、昭 和 17 年の徴兵検査から、兵役、終戦による復員までの様 子を詳細に記録したものです。戦争経験者の貴重な体験談 として後世に語り継がれるべき内容です。 『街から子どもがやってきた 戦時下の多摩と 学童疎開』(パルテノン多摩歴史ミュージアム編、 パルテノン多摩、K ウ 372.106) 昭和 19 年に東京都山中国民学校(現在の品川区立山中小 学校)から多摩村と稲城村に集団学童疎開してきた様子を 分かりやすく説明した企画展示の図録です。多摩村では、 貝取の大福寺と和田の高蔵院で、子どもたちが暮らしてい ました。 こちらの資料もあります 『落合の軍隊記録』 (峰岸松三著、峰岸松三、K ウ 210.75) 『少女が見た戦中・戦後』 (臼井アキ子著、郁朊社、K ウ 210.75) 『被爆六十年証言集 原爆 あの日、あの時』 (多摩市原爆被害者の会(多摩やまばと会)編、 多摩市原爆被害者の会、K ウ 210.75) 『時の形見に』 (椎塚光子著、椎塚光子、K ウ 914.6) ~まきこまれた子どもたち~ 『さがしています』(アーサー・ビナード作、 岡倉禎志写真、童心社、21) 1945 年 8 月 6 日、広島に原爆が投下されました。それを 体験した「もの」たちは、さがしています。たいせつな人 を…。広島平和記念資料館に収蔵されている時計、弁当箱、 ワンピースなど、原爆投下により焼かれた「もの」たちは カタリベとなり、原爆の被害にあった持ち主たちの暮らし や言葉を伝えます。 『ちいちゃんのかげおくり』 (あまんきみこ作、上野紀子絵、あかね書房、E ア) 「かげおくり」という遊びがあります。ちいちゃんは、 病弱なお父さんの出征の前日に教えてもらい家族でやっ てみたのでした。ある日空襲があり、ちいちゃんは家族と はぐれ、何日か近くの防空壕で家族を待つことになります。 するとちいちゃんに明るい光が差しました・・・戦争のむ ごさと悲惨さを、少女を通して伝えます。 こちらの資料もあります 『チロヌップのきつね』 (たかはしひろゆき文・絵、金の星社、E キ) 『おこりじぞう』 (山口勇子さく、四国五郎え、新日本出版社、 91.T シ) 『猫は生きている』 (早乙女勝元作、田島征三絵、理論社、91 サ) 『アジア・太平洋戦争(ポプラディア情報館)』 (森武麿監修、ポプラ社、21) 『ぼくの見た戦争 2003 年イラク』 (高橋邦典写真・文、ポプラ社、31) ~戦争とメディア~ 『太平洋戦争と新聞』 (前坂俊之著、講談社、070.21) 戦時中、新聞は政府や軍部に対しどんな論陣を張り、い かに報道したのでしょうか。日本が戦争の泥沼へとのめり こむにつれ、新聞は法令や厳しい検閲に自由を奪われると ともに、戦争遂行へと自らの主張を転換していきます。権 力のチェック機能と同時に情報操作機能を併せ持つ新聞 の、戦争における役割を検証しています。 『八月十五日の神話』 (佐藤卓己著、筑摩書房、361.453) 日本では玉音放送のあった八月十五日が「終戦記念日」 とされていますが、なぜポツダム宣言を受諾した八月十四 日や、降伏文書に調印した九月二日といった「世界標準」 が終戦の日となっていないのでしょうか。写真・新聞・ラ ジオ・歴史教科書など、さまざまなメディアを通じて「終 戦」の記憶が戦後どのように構築され変容し、「八月十五 日=終戦」となったかを分析しています。 こちらの資料もあります 『戦争のグラフィズム』 (多川精一著、平凡社、070.21) 『メディアは戦争にどうかかわってきたか』 (木下和寛著、朝日新聞社、070.2) 『ブラック・プロパガンダ』 (山本武利著、岩波書店、391.3) 『プロパガンダ・ラジオ』 (渡辺考著、筑摩書房、699.69) 『そして、メディアは日本を戦争に導いた』 (半藤一利・保阪正康著、東洋経済新報社、070.21) 『少国民戦争文化史』 (山中恒著、辺境社、990) ~戦後の復興~ 『高度成長 昭和が燃えたもう一つの戦争』 (保阪正康著、朝日出版、210.76) 昭和 6 年の満州事変から 20 年の敗戦まで日本は 15 年も の間「戦争中」でした。敗戦、終戦と知ったとき、多くの 人々はホッとしたことでしょう。お米をお腹いっぱい食べ たい。戦争のない社会を築きたい。そんな思いが原動力と なり高度成長を成し遂げました。 本書は政治面から高度成長期の日本を描いていますが、 政治家、官僚、経営者から庶民まで、平和を得た日本人の 復興から高度成長までの物語です。 『日本経済読本 第 19 版』 (金森久雄・大守隆編、東洋経済新報社、332.107) 日本経済のあり様を時系列に解説した本書は刊行から 19 版を重ね、最近では福島原発事故、エネルギー政策の見 直しから、国際金融市場の動向など今日的な問題まで網羅 した、日本経済史のエッセンスを詰め込んだ良書。学生の 方に是非読んでもらいたい 1 冊です。 こちらの資料もあります 『図説戦後史』 (正村公宏著、筑摩書房、210.76) 『経済大国に明日はないか 戦後五十年との対話』 (吉田春樹著、中央公論社、332.1) 『高度成長 日本を変えた 6000 日』 (吉川洋著、読売新聞社、332.107) 『日本経済図説 第 4 版』 (宮崎勇ほか著、岩波書店、332.107) 『食と農の戦後史』 (岸康彦著、日本経済新聞社、612.1) ~憲法を考えてみませんか~ 『日本国憲法を口語訳してみたら』 (塚田薫著、幻冬舎、323.14) 若い人たちに合わせた読みやすい文章で、憲法の内容は どのようなものなのかを原文と照らし合わせながら紹介 しています。また、それだけではなく、「憲法はどのよう に出来たのか?」「憲法 9 条はそんなに重要なのか?」と いった疑問にもわかりやすく解説している一冊です。 『政府の憲法解釈』 (阪田雅裕著、有斐社、323.14) 政府は日本国憲法をいったいどのような解釈をしてい るのでしょうか。本書は国会会議で行われた答弁書を交え ながらわかりやすく解説しています。現在、問題になって いる自衛隊の存在意義や集団的自衛権について、深い意見 を述べているのではなく、政府がどのような考えで討論し ているのかを中立的な立場で説明しています。 こちらの資料もあります 『憲法の条件 戦後 70 年から考える』 (大澤真幸・木村草太著、NHK 出版、323.14) 『はじめての憲法教室』 (水島朝穂著、集英社、323.14) 『中高生のための憲法教室』 (伊藤真著、岩波書店、323.14) 『日本国憲法を生んだ密室の九日間』 (鈴木昭典著、創元社、323.14) 『世界の「平和憲法」新たな挑戦』 (笹本潤著、大月書店、323.01) 『賛成・反対を言う前の集団的自衛権入門』 (香田洋二著、幻冬舎、392.107) ~平和ってどんなこと~ 『1945 年のクリスマス』 (ベアテ・シロタ・ゴードン著、柏書房、282 コ) 本書からは、 「平和でないと、文化も芸術も育たないし、 基本的人権も守られない」と考えているベアテさんの熱い 思いが伝わってきます。 1946 年日本国憲法の草稿作りが始まり、ベアテさんは 「人権に関する委員会」に任命され、女性の権利を書くこ とになります。5 歳から 10 年間日本で暮した彼女は生活者 の立場で草稿を作り上げました。 『ゴマメの歯ぎしり』 (早乙女勝元著、河出書房新社、910.268 サ) 著者は子ども時代、戦争を体験しました。戦争を讃える 学校教育。兵隊になるのを待ち遠しく思う子ども達。次々 と徴兵されていく近所の若者。徴兵された大人の代わりに 駆り出された勤労奉仕。そして東京大空襲。 過酷な現実の中で考えた事、感じた事が平和を説き続け る作者の原点になっています こちらの資料もあります 『欲シガリマセン欲しがります』 (井上ひさし編、新潮社、210.75) 『戦争と平和愛のメッセージ』 (美輪明宏著、岩波書店、319.8) 『戦争中の暮しの記録』 (暮しの手帖編、暮しの手帖社、210.75) 『平和が生きるとき』 (沢地久枝 ほか著、かもがわ出版、319.8) 『平和をつくった世界の 20 人』 (ケン・ベラー、ヘザー・チェイス著、 岩波書店、280) 『暮らしの中の太平洋戦争』 (山中恒著、岩波書店、210.75) 『戦後 70 年』 発行年月 平成 27 年 8 月 編集・発行 多摩市立図書館 〒206-0033 多摩市落合 2 丁目 29 TEL (042)-373-7955
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