B01 Research Abstracts on Spatial Information Science CSIS DAYS 2015 サイバーフォレスト：自然地からのライブ音による全球感覚 1 斎藤馨 1，中村和彦 2，小林博樹 2，藤原章雄 3 東京大学大学院新領域創成科学研究科，2 東京大学空間情報科学研究センター, 3 東京大学富士癒しの森研究所 Email: <[email protected]> Web: <http://www.cyberforest.jp/> (1) 動機：遠隔にあって訪問が困難な原生的な「自然地」の映像や音声も空間情報である．人々は各自の情報端末で各様に時々刻々と変化する空間情報を把握し状況判断している．その空間情報に，人の身の丈に設置したマイクからリアルタイムに配信する「ライブ音」を加えることで，広域を直感的に空間把握ができると考え，その実証研究が「サイバーフォレスト」である． (2) アプローチ：遠隔自然地の音を，リアルタイムにインターネットで配信し，同時に録音アーカイブを公開し，そのコメントを SNS で共有し，それらコメントをライブ音と配信地点に関する空間情報として活用する「サイバーフォレスト・ライブモニタリングシステム（図 1）」を開発し，全国 8 カ所に設置(図 2)し，継続的な運用を進め，多地点ライブモニタリングにより，人は空間を拡張でき，ひいては「全球感覚」を持つきざしとしての観察を継続している． (3) きざし：・Audio Census：鳥類学者が複数の遠隔森林のライブ音聞き取り，その生態の季節変動経年変化調査を 2010 年より継続中である．・Soundmap： 2006 年から開始されている芸術系プロジェクトで，インターネットのライブ音を Open-mic と呼び，Google Maps 上に配置する Soundmap に，我が国のライブ音源を 2015 年より提供参加している．http://locusonus.org/soundmap/051/ (4) 謝辞： JSPS 科研費 (23601003, 26282203) 及び SCOPE(142103015)による成果である． (5) 参考文献： K. Saito, K. Nakamura, M. Ueta, R. Kurosawa, A. Fujiwara, H. H. Kobayashi, M. Nakayama, A. Toko, K. Nagahama (2015) Utilising the Cyberforest live sound system with social media to remotely conduct woodland bird censuses in Central Japan (DOI: 10.1007/s13280-015-0708-y), In printing. 図 2：サイバーフォレスト・ライブ音配信８地点図 1: 自然地からのライブ音配信と録音アーカイブ公開及び SNS 共有の概念図 - 20 -