「生き方」も「逝き方」も自分が決める 任意後見と死後事務委任について

「生き方」も「逝き方」も自分が決める
任意後見と死後事務委任について
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札幌市中央区大通西4丁目1番地 道銀ビル
一般社団法人
顧
問
北 日 本 シ ル バ ー ラ イ フ 協会
土
屋
和
彦
こんな「不安」 ありませんか?
1.今は判断能力はある。でも身体が不自由なので自分の財産管理や介護契約などを
信頼できる人にお願いしたい ⇒ 財産管理・事務委任契約
2.将来、認知症などで自分の判断能力が低下した時に備えて、財産管理や身上監護
などは信頼できる人に任せたい ⇒ 任意後見契約
3.自分の財産は、自分の思う人に、思う通りに遺したい、また相続人間で争って
欲しくない ⇒ 公正証書遺言
4.自分の葬儀を頼める人がいない。でも葬儀や納骨などは自分が思う通りに執り行って
欲しいので、費用も含め信頼できる人に任せたい ⇒ 死後事務委任契約
5.高齢者住宅や有料老人ホームへの入居を考えているが、その際に必要な
入居身元保証人をお願いする人がいない ⇒ 身元保証契約
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本日は
2
と
4
についてお話しいたします。
今日のセミナーのポイント
1.成年後見制度って何?
2.任意後見とは・・・
3.死後事務委任契約とは・・・
4.マイ葬応援パックについて
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テーマ
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成年後見制度って何?
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(1)権利擁護という視点
2000年4月、成年後見制度は介護保険制度と同時に導入されました。
●権利擁護を支える3ッの仕組み
①虐待防止事業(高齢者、障害者、児童への虐待防止)
②地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)
③成年後見制度(法定後見、任意後見)
*具体的には・・・
①本人支援(社会的主体としての立場回復のための支援)
②生活支援(福祉、介護サービス等を確保するための支援)
③法的支援(各種契約対応、財産管理等)
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(2)成年後見制度の仕組み(2種類ある)
<法定後見> ・・・
後見型、補佐型、補助型
(判断能力により3分類)
●本人の判断能力が低下した時、本人・配偶者・親族等の「申立て」により
家庭裁判所が「後見人を決定し」、本人を支援していく制度。
●家庭裁判所が後見人を決定するため、本人が信頼する後見人が
選ばれるとは限らない。
<任意後見> ・・・
公正証書により“契約”
●現在は元気だ。しかし将来自分の判断能力が衰えた時には、自分が
信頼する第三者に財産管理などをお願いしたい。
●その第三者と「任意後見契約」を結び、元気な内から準備をしておくこと。
●支援を受ける内容を自分で決め、「契約」に反映させることが可能。
・・・ 「任意後見契約」は徐々に契約件数も増加しており
今後も活発な利用が見込まれています ・・・・
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(3)成年後見制度を支える理念・倫理
①ノーマライゼーション
②自己決定権を尊重
③身上配慮義務
④残存能力の活用
認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が低下したり、
不十分な方々を「法的」に保護支援していくのが成年後見制度です。
後見人は単に「財産管理」するに止まらず、本人の生活を支えて
いくこと(身上配慮義務)が大きな役割とされています。
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テーマ 2
任意後見とは・・
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(1)任意後見契約を活用しよう!!
★★こんな“思い”はありませんか?
今は元気に暮らしているからいいけれど・・・。 でも将来は不安・・・。
もし認知症になった時、自分を支えてくれる人はいるのだろうか?
そんな時、信頼のおける第三者に自分の財産管理などをお願いしたい。
でも、どうしたらいいの??・・・・
★★お悩みは、“任意後見契約”で解決できます!
①信頼のおける第三者を選びましょう。
②将来、万一の時に依頼したい内容(項目)を決めましょう (代理権目録)。
③「公正証書」で“契約”を締結します。
④出来るだけ、“移行型任意後見契約”を結びましょう。
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(2)任意後見の開始から終了までの流れ
①任意後見契約の締結
自分の判断能力が低下した時に依頼する内容を、信頼のおける
任意後見受任者と公正証書により契約。
②任意後見監督人の選任
本人の判断能力に低下がある時、家庭裁判所に任意後見監督人
の選任を申し立てる。
③後見事務開始
任意後見監督人の監督のもと、契約の内容で後見事務を開始。
④後見事務の報告
財産管理の内容など後見人は任意後見監督人に事務報告を行う。
更に任意後見監督人は家裁にその内容を報告する。
⑤任意後見契約の終了
本人の死亡、後見人の死亡、契約の解除、後見人の解任など。
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(3)任意後見人の役割、仕事
①本人の判断能力が不十分になった時の本人の支援。
②任意後見契約だけでは、本人支援が不完全な場合に備え
事務委任契約、見守り契約、遺言書を作成するなど環境を整える
ことも重要な役割。
具体的な業務(主なもの)
①財産(預貯金、有価証券、不動産など)の保存・管理。
②定期的な収入の受領、支出の支払い。
③生活費の送金、生活に必要な物品の購入。
④介護認定の申請・承認・異議申立て。
⑤介護、医療、福祉サービスの利用契約締結。
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(4)移行型任意後見契約って?
●任意後見契約と“事務委任契約(任意代理契約)”を同時に契約し
判断能力がしっかりしている時から、代理人に対し財産管理と
身上監護の事務の一部を継続的に依頼する委任契約です。
●任意後見契約が始まるまでの間、本人を支援して将来に備えるもの。
●任意後見と同様、依頼したい内容(項目)を決めます(代理権目録)。
●元気な内から、任意後見受任者と本人で“信頼関係”が構築され
将来、後見業務がスムースに行われることになる。
①事務委任契約(任意代理契約) + ②任意後見契約 = 移行型任意後見契約
< 2つの契約とも“公正証書”で取り交すのが理想的です >
高齢化社会を迎えている現在、一人一人が自分の将来について考える。
自分の「生き方」を自分が決める。これが「任意後見」なのです!!
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(5)我が国の成年後見制度の現状
●平成24年、成年後見(法定、任意)の利用者は約17万5千人。
うち、任意後見の利用者はわずか1,900人ほど。
●任意後見の契約件数は平成25年度で9,000件を超えた(前年比+7%)。
●2000年に同時施行された介護保険の利用者は約540万人。
●認知症の患者さんが462万人(さらに認知症予備軍が400万人)。
●知的障害の方55万人(うち、在宅生活の方42万人)。
●精神障害のある方320万人(うち、入院されている方32万人)。
[現在の利用者17万5千人] ÷ [後見が必要と思われる方462万人+55万人+320万人] ≒ 2%
“任意後見”の利用者は増えているものの成年後見全体では
まだまだ広がっていないといえます。
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ここで いっぷく
(
“シルバー川柳”
の ご紹介
)の中に、何が入るでしょう?? ・・・
・ 暑いので (
) 入れると テレビつく
・ 粗大ゴミ そう言う妻は (
)
・ 遺産分け (
) 受け取る 人はなし
・ 同時期に (
) をする 孫と爺(ジイ)
・ これ大事 あれも大事で (
・ 万歩計 半分以上は (
・ 耳遠く (
・ つまずいて (
)
)
) も 困り果て
) 見れば 何もなし
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テーマ 3
死後事務委任契約とは
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(1)人生の最終章
「自分の最期」のこと考えてますか?
●事務委任契約(任意代理契約)も任意後見契約も、あなたが生存している間のことです。
あなたがお元気だからこそ、自分の「生き方」を自分自身で前向きに決めていけるのです。
●でも、あなたが亡くなった後、あなたは自分の葬儀など「死後の手続き」を自分ではできません。
①一人暮らしで周りに頼める人がいない。
②家族に葬儀の手配、金銭的負担で迷惑をかけたくない。
③親族はいるが遠方だ、また疎遠で何かと頼みずらい。
④高齢な親族には迷惑をかけられない。
⑤自分の希望する葬儀をしたい、自分自身で準備をしたい。
⑥「立つ鳥跡を濁さず」、自分の死後も責任を持ちたい。
このような時、どうしたらいいのでしょう?
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(2)死後の事務とは・・・・・
●親族、知人・友人などへの連絡
●病院などからの、ご遺体の引取
●死亡届を提出、火葬・埋葬許可証を受領
●葬儀・告別式を執り行う
●火葬、埋葬納骨、永代供養
●医療費・入院費など未払金の精算
●生前の公共料金などの精算と契約解除
●賃貸住宅や老人ホームの明渡しと費用の精算
●住居(部屋)の物品、遺品整理
●年金、健康保険、介護保険など役所への手続き
●以上の事項に要する費用の支払い
など 30以上もの手続きがあると云われています。
誰が行うのでしょうか?
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(3)死後事務委任契約
自分の死後の葬儀や埋葬、遺品整理そして死後に必要となる様々な
事務手続きを第三者に委託するのが「死後事務委任契約」です。
生前に何の準備もしないで亡くなると、周りの方々に迷惑をかけたり
“自分はこうしたい” という願いが叶えられません。
★契約の当事者が 「委任者の死亡によっても委任契約を終了させない旨の合意。
★契約書は 「公正証書」 で作成することをお勧めします。
*契約では、下記のようなことを定めておけます。
・通夜と告別式は〇〇〇寺でお願いした。
・葬儀社は〇〇〇社にしてほしい。
・納骨、埋葬、永代供養はメモリアルパーク○○○でお願いしたい。
・老人ホーム○○の明渡し手続きをお願いしたい。
・家財道具・身の回りの生活用品の処分をお願いしたい。
等〃
など・・・
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(4)死後事務委任と遺言との関係
●遺言の法的効果は強力だが、その効果は主に“財産の分与・処分の方法について”です。
●それ以外の事項は,記載しても法的効果はありません。
●それ以外の事項を“付言事項”と言い、葬儀・埋葬の方法などは“付言事項”に当たります。この
付言を守るかどうかは相続人の意思に委ねられている。
●人が亡くなってから、葬儀・火葬・納骨・供養などは短時間で行うので、故人の意思が十分に
反映することが難しい場合もあります。
●お一人身の方、家族・親族に何かと頼みずらい方などは、是非ご検討ください。
自分の「逝き方」を自分が決める。
これが 「死後事務委任契約」 なのです!!
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テーマ 4
北日本シルバーライフ協会 の
マイ葬応援パック
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(1)マイ葬応援パックとは ・・・
北日本シルバーライフ協会は全国各地の司法書士事務所や行政書士と連携している
全国シルバーライフ保証協会の北海道地区担当の一般社団法人です。
「施設入居応援パック」 「自宅生活応援パック」 「マイ葬応援パック」 など
“オーカスタイル” でご高齢者の皆様を応援しています。
マイ葬応援パックは、
●委任者(お客様)と 「死後事務委任契約」 を公正証書で結びます。
●ご契約にあたり、委任者様と十分に時間をかけ、ご意向・ご希望をお聞きし、また
菩提寺・葬儀社さんを始め関係各所とも打合せを行い、委任者様のお気持ちを
「契約」に反映させます。
---安心のポイント--①北日本シルバーライフ協会との 「生前契約」 とお考えください。
②ご葬儀・納骨・遺品整理などに要するいわゆる「実費」の部分を事前に
お預かりし 「信託会社」 に預託し“より安心・より安全に”保全、管理します。
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ここから「情報」を・・・・・
“身元保証制度(入居・入院)”とは
老人ホームなど高齢者施設に入居するとき、病院など医療機関に
入院する際は、施設や病院側から「身元保証人」を求められます。
施設利用料の保証と、退去を求められた場合や亡くなった時
の身柄引受を保証します。
豊富にお金があっても、身寄りがいない方、頼める人がいない
場合など、そのままでは入居が出来ないことがあります。
また、ほとんど会ったことのない疎遠の親族に保証や身柄の引き
受けを頼むのは難しいものがあります・・。
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“財産管理・生活事務支援”とは
年齢を重ねるとともに、認知症の状態ではないが、徐々に
判断能力や身体能力の低下により、日々の金銭管理や官公庁
との手続き等(介護保険の契約等)に不安を感じる方が多くなります。
そんな時に利用できるのが、別名「生活事務サポート」という
財産管理・生活事務支援です。ご本人の依頼に基づき、契約の
内容を定め、公正証書で契約を行います。後見業務に準拠した
形で財産管理や手続行為の支援を行います。
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“死後事務委任”とは
法定後見人、任意後見人の立場で死亡届を役所へ出すことは
可能です。しかし、「後見業務」は死亡と同時に終了します。
ご家族やご親族がいる方はいいのですが、そうでない場合
亡くなった後の自宅や施設の部屋の整理、葬儀、火葬、納骨、
官公庁の諸々の手続きなどは、信頼できる人と、お元気な内に
「死後事務委任契約」を結んでおくと解決できます。契約の中に
自分の望む葬儀など様々な事項を取り決めておく事ができます。
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“尊厳死宣言とは”
意識のない状態での医療行為の希望を書き記す証書となります。
公正証書で作成することで、延命治療措置や緩和措置について、
自分の希望を医師に提示できます。
“医療行為同意”の問題点
日本の法律では成年後見人等には同意権がないとされています。
親族が緊急時に対応できる場合は親族の同意が可能ですが、
難しい場合は尊厳死宣言の証書とともに終末医療の同意書を
作成する必要があります。
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まとめ
どんどん進化する時代。
情報をたくさん集め、また相談できる 「場所」 も
増やしておきましょう。
私ども、北日本シルバーライフ協会は、提携士業事務所と
ともに、そのような 「場所」 になれればと思っております。
皆様の 「未来を謳歌する新しい生き方」
“オーカスタイル” を提案しています。
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本日はご清聴いただき
ありがとうございました。
札幌市中央区大通西4丁目1番地 道銀ビル
一般社団法人 北日本シルバーライフ協会
電話011-242-0155
011-242-3371
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