Granzyme B 陽性上皮細胞間リンパ球の増加は Helicobacter pylori

Granzyme B 陽性上皮細胞間リンパ球の増加は
Helicobacter pylori 関連 lymphocytic gastritis
における胃上皮アポトーシスに寄与する
抄 訳
赤澤 祐子(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 展開医療科学講座 消化器病態制御学)
High Proportion of Granzyme B+ Intraepithelial Lymphocytes Contributes to
Epithelial Apoptosis in Helicobacter pylori-Associated Lymphocytic Gastritis
Song-Hee Han,* Mee Joo* and Kyoung-Mee Kim†
*Department
†Department
of Pathology, Inje University Ilsan Paik Hospital, 2240 Daehwa-dong, Ilsanseo-gu, Goyang-si, Gyeonggi-do, 411-706, South Korea,
of Pathology, Samsung Medical Center, Sungkyunkwan University School of Medicine, Seoul, 135-710, South Korea
要 約
背景:Lymphocytic gastritis(LG)は病理学的に胃上皮細胞 100 個の中に 25 個以上の上皮細胞間リン
パ球(IEL)が存在する状態であり、稀ながら Helicobacter pylori(H. pylori )感染と関連があるとされてい
る。IEL の大部分は CD3+/CD8+ 陽性の細胞傷害性 T 細胞である。著者らは IEL のサブ集団の変化および
細胞傷害性の増強による胃上皮アポトーシスがH. pylori による LGの病態に寄与しているという仮説を立て、
研究を行った。
対象と方法:36 例の H. pylori 関連 LG 患者生検組織中の IEL のサブ集団を解析し、その細胞傷害性分
子の発現を検討した。具体的には LG の IEL において表面抗原 CD3、CD4、CD8 の発現、及び細胞傷害
性顆粒関連蛋白である T-cell-restricted intracellular antigen-1(TIA-1)と granzyme B(GrB)の陽性率
を免疫染色で検討し、H. pylori 関連胃炎(HPG)49 例との違いを検討した。IEL による細胞傷害性顆粒
関連蛋白の発現と胃上皮のアポトーシスの関連を ApoTag detection kit® による TUNEL アッセイを用いて
検討した。
結果:LG 群と HPG 群の間では CD3、CD4、CD8、TIA-1、GrB 陽性 IEL 細胞の分布、および TUNEL
アッセイ陽性率の違いが認められた。CD3 陽性 IEL の中で CD8 陽性細胞、TIA-1 陽性細胞の割合は LG 群
と HPG 群で差がみられなかったものの、GrB 陽性の IEL、つまり活性化された IEL は LG 群で増加しており、
胃上皮アポトーシスの頻度も GrB の陽性 IEL 数と並行して増加していた。一方、HPG 群では LG 群と比較し
て CD4 陽性 IEL の増加と GrB 陽性 IEL の減少がみられたが、重回帰分析では IEL 表面抗原や細胞傷害性顆
粒関連蛋白の発現の中で胃上皮細胞のアポトーシスに寄与する因子は認めなかった。
結論:本研究は H. pylori 関連 LG では HPG と比較して IEL の増加のみならず IEL のサブ集団構成および
細胞傷害性の違いがあることを明らかにした。特に、GrB 陽性 IEL による細胞傷害性の増強が H. pylori 関
連の LG における胃上皮アポトーシスに関与している可能性がある。
キーワード:アポトーシス、細胞傷害性分子、Helicobacter pylori 、上皮細胞間リンパ球、lymphocytic
gastritis
© 2013 John Wiley & Sons Ltd, Helicobacter 18: 290-298
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Granzyme B 陽性上皮細胞間リンパ球の増加は Helicobacter pylori 関連 lymphocytic gastritis における胃上皮アポトーシスに寄与する
対象と方法
表 1. 健常人、HPG、LG における IEL 分布の特徴とアポトーシス頻度を示す。IEL
counts( 数 ) に み ら れ る よ う に LG で は 他 の 群 と 比 較 し て CD3+ IEL、
25 例 の 正 常 胃 粘 膜、49 例 の
CD8+ IEL が増加している。また IEL proportion (比)では IEL 中 GrB
Han et al.
Granzyme B+ Intraepithelial陽性
Lymphocytes
and Epithelial Apoptosis in H. pylori-Associated
Lymphocytic
Gastritis
IEL
が他の群と比較して増加している。一方で
HPG
では CD4 陽性
IEL
Helicobacter pylori(H. pylori)関
の割合が多くなっている。アポトーシスの頻度も LG が他の群より多い。
連胃炎
(HPG)
、36例のH. pylori
Table 1 Clinical and pathological features, IEL
counts, and ApopTag
indices (LG)
関連lymphocytic
gastritis
を対象とした後向き研究を行っ
た。 胃 上 皮 100 個 あたり 25 個
以 上 の 上 皮 細 胞 間 リンパ 球
(IEL)が存在し、H. pylori 菌体
が 確 認 できた 症 例 を H. pylori
関 連 LG とした。49 例 の HPG
患者は、病理学的に慢性胃炎が
あり H. pylori 陽 性 のものとし
た。HPG も LG も 慢 性 胃 炎 を
呈しており、炎症が最も高度で
ある部位より生検を行った。内
視鏡的に胃炎がなく正常な粘膜
で あった 25 例 を 対 照 と し た。
H. pylori の確認は全例免疫染
色で行い、可能であった対照 12
症例においては迅速ウレアーゼ
試験も行った。胃炎の病理学的
評価は改訂シドニー分類に基づ
い て 行 っ た。CD3、CD4、
CD8、TIA-1、GrB の免疫染色
を行い、胃腺窩上皮細胞 100 個
中 の 陽 性 細 胞 数 を 検 討 した。
TUNEL アッセイ陽性率も同様
に 検 討 した。IEL および アポ
トーシス、Ki67 陽性上皮細胞の
分布を検討するために、胃腺窩
上皮を上部 1/3(表面)、中間部
1/3、下部 1/3 の 3 つのセクショ
ンに分割した。
Controls (n = 25)
Age (year) (mean
43.9 (22–56)
(range))
Sex (Male: Female)
15: 10
Biopsy site (Antrum: 16: 9
Body)
Mononuclear cell
infiltration (n (%))
0 (n = 25)
25 (100%)
1 (n = 12)
0 (0%)
2 (n = 54)
0 (0%)
3 (n = 19)
0 (0%)
Neutrophilic
infiltration (n (%))
0 (n = 42)
25 (100%)
1 (n = 27)
0 (0%)
2 (n = 26)
0 (0%)
3 (n = 15)
0 (0%)
Intestinal
metaplasia (n (%))
Absence (n = 91)
25 (100%)
Presence (n = 19)
0 (0%)
Lymphoid follicles (n (%))
Absence (n = 81)
25 (100%)
Presence (n = 29)
0 (0%)
Glandular atrophy (n (%))
Absence (n = 91)
25 (100%)
Presence (n = 19)
0 (0%)
Helicobacter pylori
density (n (%))
0 (n = 25)
25 (100%)
1 (n = 41)
0 (0%)
2 (n = 25)
0 (0%)
3 (n = 19)
0 (0%)
IEL counts (mean
SD (range))
CD3+ IEL
4.9 2.1 (1.5–8.6)
CD8+ IEL
4.3 2 (1–8)
CD4+ IEL
0.4 0.6 (0–2)
TIA-1+ IEL
3.6 1.5 (1–6)
GrB+ IEL
0.04 0.2 (0–1)
IEL proportion (%)
(mean SD
(range))
CD8+ IEL
85.6 9.1 (66.7–94.3)
CD4+ IEL
5.8 9.7 (0–36.4)
TIA-1+ IEL
73.1 9.3 (57.1–90.9)
GrB+ IEL
0.5 2.7 (0–13.3)
ApopTag indices
0.3 0.5 (0–2)
(mean SD
(range))
HPG (n = 49)
LG (n = 36)
41.3 (8–82)
49 (11–78)
29: 20
36: 13
23: 13
21: 15
0 (0%)
3 (6.1%)
33 (67.3%)
13 (26.5%)
0 (0%)
9 (25%)
21 (58.3%)
6 (16.7%)
3 (6.1%)
19 (38.8%)
16 (32.7%)
11 (22.4%)
14 (38.9%)
8 (22.2%)
10 (27.8%)
4 (11.1%)
38 (77.6%)
11 (22.4%)
28 (77.8%)
8 (22.2%)
29 (59.2%)
20 (40.8%)
27 (75%)
9 (25%)
40 (81.6%)
9 (18.4%)
26 (72.2%)
10 (27.8%)
0 (0%)
10 (20.4%)
23 (46.9%)
16 (32.7%)
0 (0%)
31 (86.1%)
2 (5.5%)
3 (8.3%)
8.2 6.3 (1.5–24.7)
6.2 4.9 (1–22)
1 0.9 (0–3)
5.9 4.7 (1–22)
0.4 0.9 (0–4)
49.2 13.9 (29.3–81)
41.3 12.5 (20–72)
2.8 2.3 (0–9)
38.2 11.6 (18–70)
5.1 6.5 (0–27)
79.6 16.1 (33.3–100)
15.9 18.2 (0–66.7)
75.6 16 (33.3–100)
3.4 6.4 (0–22.2)
2.3 0.9 (1–5)
85.3 16.4 (41.2–100)
5.9 4.5 (0–14.4)
78.9 15.5 (40.9–98.5)
10.8 14.3 (0–47.7)
4.9 1.5 (3–9)
IEL, intraepithelial lymphocyte; HPG, H. pylori-associated gastritis; LG, lymphocytic gastritis;
TIA-1, T-cell-restricted intracellular antigen-1; GrB, Granzyme B.
© 2013 John Wiley & Sons Ltd, Helicobacter 18: 290–298
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Figure 2 Comparison of intraepithelial lymphocytes (IEL) subpopulations between the Helicobacter pylori-associated gastritis (HPG) and
lymphocytic gastritis (LG) groups. The proportion of CD4+ IELs or
GrB+ IELs is significantly different between the groups. There is no difference in the proportion of CD8+ IELs or TIA-1+ IELs between the
groups.
結 果
Table 2 The factors correlate to the epithelial apoptosis (Data
expressed
as p values)
表 2. 胃上皮アポトーシスに寄与する因子の検討
( 数値は p 値)
IEL の免疫染色および病理学的特徴
胃上皮細胞 100 個あたりの IEL 数は LG 群の胃
生検組織( 49.2 ± 13.9)では対照群( 4.9 ± 2.1)や
HPG 群( 8.2 ± 6.3)と 比 較 し て 増 加 し て い た
( 表 1)。 LG 群では IEL は前庭部と比較して体部
に IEL が多くみられたが( p < 0.0074)、HPG 群と
対照群ではそのような分布の差はみられなかった。
LG 群では HPG 群と比較して H. pylori の菌量が少
なく( p < 0.001)、LG 群 と HPG 群 両 方 において
IEL 数は H. pylori の菌量および好中球数と負の相
関を示した( p < 0.01)
(表 1)。LG 群では、IEL の
浸潤は腺窩上皮表層より 1/3 の深さまでの比較的
浅い部分に多くみられた。一方で HPG では腺窩上
皮の下部 1/3 に IEL が分布する傾向にあった。
HPG (n = 49)
Age
Sex
Biopsy site
Mononuclear cell infiltration
Neutrophilic infiltration
Intestinal metaplasia
Lymphoid follicles
Glandular atrophy
Helicobacter pylori density
CD3+ IEL counts
CD8+ IEL counts
CD4+ IEL counts
TIA-1+ IEL counts
GrB+ IEL counts
0.289
0.253
0.619
0.407
0.232
0.449
0.406
0.528
0.771
0.006
0.005
0.168
0.006
0.057
LG (n = 36)
0.129
0.768
0.626
0.134
0.072
0.074
0.245
0.382
0.680
0.310
0.925
0.822
0.996
<0.0001
HPG, H. pylori-associated gastritis; LG, lymphocytic gastritis; IEL, intraepithelial lymphocyte; TIA-1, T-cell-restricted intracellular antigen-1;
GrB, granzyme B.
ものも 散 見 された。GrB+ 細 胞 はすべて TIA-1、
the middle or lower third of the foveolar epithelium.
Also,
the Ki-67-positive
cells were mostly confined to
IEL 数は
TUNEL アッセイ陽性率と有意に正の相
the middle and lower thirds of foveolar epithelium in
関があったが、他の表面抗原やシドニー分類項目と
the HPG group, while they frequently reached up to
上皮アポトーシスの間に有意な相関はみられなかっ
the
surface epithelium in the LG group (Fig. 1H,I). We
found that the distribution of IELs, ApopTag-positive
た。
cells, and Ki-67-positive cells were similar to each
項目別の検討では、HPG
群では
CD3+、CD8+、
other,
and there was a statistically
significant
correlation
between
them
(IELs
vs
ApopTag-positive
cells,
TIA-1+ の IEL 数とアポトーシス頻度に正の相関が
CD8 ともに陽性であった。
みられたが、GrB 陽性 IEL 数との相関はみられな
免 疫 染 色 では 全 体 的 にみるとすべての IEL が
CD3+ で あ り、 そ の う ち 80% が CD8+ で あ り、
CD4+ は少数であった。次に細胞傷害性顆粒関連蛋
白について検討したところ、今回の検討ではほとん
どすべての IEL は TIA-1 陽性であり、GrB 陽性の
かった
(表
2&)。一方、LG
群では、GrB
陽性 IEL 数
© 2013 John
Wiley
Sons Ltd, Helicobacter
18: 290–298
LG および HPG における IEL サブ分画の検討
と アポトーシス に 正 の 相 関 が 認 められた( p <
対照、LG、HPG 群間では IEL のサブ分画に違
0.0001、表 2)。さらに重回帰分析を用いた検討で
いが見られた(表 1)。CD3+ の IEL の中では CD8+
は、LG 群における GrB 陽性 IEL 数のみがアポトー
の陽性率は HPG 群と LG 群で変わらなかったが、
シスにおける独立した変化であったが( p < 0.041)、
HPG 群では対照群及び LG 群と比較して有意に
HPG群ではアポトーシスに相関する因子はなかった。
CD4+IEL が 多 く なって い た。LG 群 に お け る
次に TUNEL アッセイ陽性細胞の分布を検討した。
GrB+ の IEL は HPG 群と比較して有意に多かった
LG 群ではアポトーシスは腺窩上皮の上部 1/3 で多
が( p = 0.02)、TIA-1 の陽性率には両群に有意差
くみられたが、HPG 群では腺窩上皮の下部 1/3 に
はみられなかった。
多くみられる傾向があり、IEL 分布の場所と同様
であった。細胞増殖関連蛋白 Ki67 陽性上皮細胞も、
胃上皮のアポトーシスと IEL 陽性数の関連
上皮細胞 100 個あたりの TUNEL アッセイ陽性数
は 対 照 群 で 0.3( ± 0.5)、HPG 群 で 2.3( ± 0.9)、
LG 群で 4.9(± 1.5)であり、各群間で有意差がみ
られた( p < 0.01, 表 1)。全群を合わせた検討では
24
アポトーシスが誘導されている細胞と同様の場所に
分布していた。
考 察
LG では IEL 増加だけではなく、胃上皮の過形成
with more
with the LG
factor contr
HPG group
H. pylori-asso
ulation and
affect the cy
tosis. It is n
of the IELs
ated LG, wh
apoptosis.
The IEL
mucosa con
receptor (TC
negative) TC
[17]. The ga
with H. pylo
few previous
population.
set composi
specimens fr
results with
found that w
a greater in
resulting in
IEL from 4
H. pylori-pos
by Suzuki e
accounted fo
and the ratio
aim was to
populations
LG. We foun
apparently c
the proporti
15.9% in th
group (5.8%
ratio of CD8
Granzyme B 陽性上皮細胞間リンパ球の増加は Helicobacter pylori 関連 lymphocytic gastritis における胃上皮アポトーシスに寄与する
が起きることが知られている。この現象は、IEL に
あるセリアック病がよく知られている。セリアック
よって誘導された胃上皮細胞のアポトーシスに続く
病では GrB 陽性 IEL が 40% と高頻度であると報告
反 応 性 増 殖 である 可 能 性 がある。 本 研 究 では、
されている。H. pylori 関連の LG では IEL の GrB
H. pylori 関連の LG において、IEL のサブ分画と
陽性率が HPG とセリアック病の中間にあった。こ
細胞傷害性蛋白発現が HPG とは異なることが初め
のことから LG における GrB 陽 性 IEL の 増 加 は
て明らかになった。今回細胞傷害性因子として検討
H. pylori 感染の直接的な炎症反応によるものでは
したものは TAI-1 と GrB であるが、TIA-1 は細胞
なく、どちらかといえば自己免疫的な要素による
傷害性 T 細胞の活性化しているもの、活性化してい
ものであると推察される。GrB はターゲット細胞
ないもの両方に発現しうる。しかし、GrB は活性
にアポトーシスを誘導することが知られており、例
化された T 細胞にしか発現せず、ターゲット細胞に
えば 鈴 木 らは、急 性 胃 粘 膜 病 変 20 例 を 検 討 し、
アポトーシスを誘導することが知られている。この
IEL において GrB 陽性率が胃上皮アポトーシスと
検 討 では IEL 中 の GrB 陽 性 率 が 対 照 群 で 0.5%、
相 関 し て い る と 報 告 し て い る(Suzuki et al, J
HPG 群で 3.4% であったが、LG 群では 10.8%を占
Gastroenterol , 2003)。今回の検討でも同様の傾
めた。TIA-1 の陽性率は各群で差はなかった。つま
向がみられ、H. pylori 関連 LG の一部の IEL にお
り、活性化された細胞傷害性 T 細胞が H. pylori 関
ける細胞傷害性の増強が胃上皮アポトーシスと関連
連の LG で増加しているということになる。LG の
していると考えられた。
原因として、H. pylori 感染以外に自己免疫疾患で
Lymphocytic gastritis(LG) に
お
い
て
Ki67 陽 性 細 胞 の 分 布 が 一 致 し て い る こ と に よ り、
granzyme B(GrB)陽性上皮細胞間リンパ球(IEL)
GrB 陽性 IEL が胃上皮にアポトーシスを誘導し、結果
が増加することは 20 世紀中に既に知られていた。今
的 に 胃上皮 の 過形成 を 惹起 することが 示唆 される。
回著者らは Helicobacter pylori(H. pylori )関連 LG
著者自身が記しているようにアポトーシスが誘導され
に検体を絞り、IEL のサブ分画と細胞傷害性蛋白発現
ている細胞が胃上皮細胞なのか IEL なのか断定に至っ
の H. pylori 関連性胃炎(HPG)との違いを初めて比
ていないことと、様々な生検部位からの後向き検討で
較した点で有意義な検討であったと言える。もう 1 つ
あることが本論文の弱点と言える。また、GrB 以外に
の 新 しい 知見 は、H. pylori 陽性 LG において GrB 陽
も他の炎症細胞や病原因子が LG における胃上皮アポ
性 IEL 数と胃上皮のアポトーシス率に正の相関がみら
トーシスに関与している可能性があり、今後の検討が
れたことである。IEL、TUNNEL アッセイ陽性細胞、
待たれる。
25