香藤会長「社員も特約店も反対」 (敵対的買収とは)「闘う」

2015 No.3
2015.2.10
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香藤会長「社員も特約店も反対」
(敵対的買収とは)
「闘う」
昨年 12 月 25 日に続いて、1 月 27 日午後、団体交渉を開催
した。
12 月 25 日の団交の後、組合の瀧委員長と柚木副委員長が香
藤会長と 12 階でたまたま出会った。
「出光が昭和シェル石油を
買収」との報道に関して香藤会長は明確に否定し、
「社員も特約
店も反対」と表明し、
(敵対的買収に対しては)
「闘う」と明言
した。
再編・協業 - 香藤会長が一手に交渉?
【組合】昨年 12 月 20 日に「出光興産が昭和シェル石油を買収
して子会社化」との報道があり、12 月 25 日に緊急団交を持っ
た。その後の会社として新しい情報はあるか。
【会社・新留】前回以降、新しいものはない。
「TOBによる
子会社化」
という事実は一切ない。
香藤会長も言っている通り、
業界がこのまま現状で推移することは逆に考えにくい。需要が
下がっている中で、構造的な供給過多の状況を打破するために
は、事業統合ということも否定せずに検討すべきだ。出光を含
めて他社と協議はしている。
【組合】ずっと協議しているのではないはず。いつ結論が出る
のか。
【会社・新留】私自身は当事者ではないので、答えられない。
【組合】他社との話は取締役の役割になるが、昭和シェルには
常勤の取締役は二人(香藤会長と、ダグラス・ウッド氏)しか
いないので、香藤会長が一手に話しをしているということか。
【会社・新留】誰がどこでどのように、というのは分からない
のでお答えできない。一般的にはそうかもしれないが。
【組合】石油製品需要が右肩下がりで落ちて行くのは事実とし
て受け止めている。
(業界が)現状のままで維持できるとは考え
ていない。何らかの再編成の動きや、協業がより拡大して、ど
こかの製油所が閉鎖されるという選択肢が出てくると思ってい
る。その中で、働いている社員、派遣社員、退職者、協力会社、
特約店に不利益が生じることのないようにするのが経営者の役
割であるし、組合もそこに一番関心がある。前回も言ったが、
出光による買収・子会社化は、関係者に重大な不利益を生じさ
せる可能性が大きいので反対だ。ロイヤル・ダッチ・シェル(R
DS)が国際的に下流部門の株式を売却する動きをしており、
昭和シェルも対象になっているとすれば、RDSに対して「出
光に売却するな」と明確に言うべきだと前回団交で言ったが、
会社として何らかのアクションを取ったか?
【会社・新留】
「RDSが昭和シェルの株を売却することを了
解している」といった報道があったが、そもそもその事実が異
なっている。報道が事実と反するのだから、RDSに対して確
認するのはどうかなあ、と思う。RDSが世界的に下流部門の
株式売却を進めているのは事実だが、例えば(売却した)オー
ストラリアと日本ではRDSの立場が異なる。日本は中国には
抜かれたが、世界で3番目の確固たるエネルギー消費大国だ。
これまでにRDSが売却した会社、
地域とは違いがあると思う。
【組合】国が主導して石油業界を再編させようとしていると見
ている。国としては、採掘から販売までの(JXに対抗する)
会社を作ろうとして、今回の情報を流したのではないかという
見方もできるが、全体的には現在の供給過剰な体制を適正なサ
イズに変えていこうという動きとの理解だ。
【会社・新留】どこの会社も需給バランスを取ろうとしていた
が、
(うまく行かないので)そこに国が入ってきて、補助金も出
すから皆さんで一番良い方法を考えたら、というのが、ざっく
ばらんなところだ。将来の需要減も併せて考えたら、大英断を
しなくてはならない。その一つとして製油所の閉鎖もあるかも
しれない。もう一つは製油所で作る製品の得率の問題もある。
産業全体のエネルギーの燃料転換も含めて総合的に考えていか
ないと、一概に製油所を一ヶ所減らせば済むか、ということで
もない。
RDSが株を売りたいなら、昭和シェルが買うのも選
択肢ではないか
【組合】もしRDSが昭和シェルの株を売りたいと言うなら、
昭和シェルが買い取るのも選択肢ではないか。その上で他社と
の協業とか統合を検討、があっても良いのではないか。
【会社・新留】どういうことが検討されているか分からないが、
「あらゆる可能性を否定しない」と言っているので、そういう
発想も出てくると思う。
【組合】どういう動きがあっても、社員が右往左往しないよう
に、社員の雇用・身分・労働条件に影響のないようにするのが
経営者の最大の責任だと思うので、そこを充分留意した上で進
め、具体的な動きがあれば速やかに開示してもらいたい。
【会社・新留】東証のルールで即日開示することになっている。
4月1日にLGP新会社発足。出向者も通常のローテ
ーションの対象。キャリア開発で不利益にはならない
【組合】4月1日にLPG新会社が発足する。12月の別組合
との労使協議会での説明に加えるものはあるか。
【会社・大久保】ない。
【組合】労働条件等が決まるのはいつか。
【会社・大久保】細部をつめているところだ。年休等は(所属)
各社の内容になる。
(労働条件は)各社そんなに違いはない。
【組合】昭和シェル(他も)からは出向で行くことになるのか。
【会社・大久保】そうだ。
【組合】新会社の名称、場所は?
【会社・大久保】いずれも未だ決まっていない。
【組合】現在ホームソリューションに所属する社員は全員新会
社に移るのか?
【会社・大久保】基本的には行っていただくが、一人も例外な
く、とはならないかもしれない。個別事情がある。
【組合】キャリアディベロップメントの面から、出向したらそ
のまま定年まで、ということを懸念している。キャリアアップ
がはかりづらくなるようなことのないようにしてもらいたい。
【会社・大久保】通常のローテーションの対象だ。
【組合】将来的な転籍の可能性は?
【会社・大久保】現時点では考えていない。ただ将来を約束す
るものではない。
【組合】4社から人が集まるので、人事評価が難しくなる。
【会社・大久保】現在も関係会社で同じことが起きているので、
昭和シェルの別の方に最終評定してもらうなどしている。
【組合】出身会社によって賃金等も違うだろうから、業務の進
め方も難しいと推察する。事業展開が進み、
「一体化」というこ
とで転籍もあるのではと危惧する。
太陽電池事業。決算発表後に詳しい説明を
【組合】FITの買取り価格が下がっていき、電力会社の買取
りが中断、制限したりして、
(太陽電池事業が)一気に陰りが出
てくる可能性があり、大変気にしている。今後の国内の販売戦
略、建設中の宮城工場をベースとした海外展開戦略などについ
て、事務折衝でざっくばらんに話を聞きたい。
【会社・新留】決算発表後に(ソーラーフロンティアの)しか
るべき人に説明してもらおうと思っている。確かにメガソーラ
ーに関してはどうなるか不安はあるかもしれないが、一番収益
性の高い住宅用は順調に推移していると聞いている。
【組合】追って詳しい説明をしてもらいたい。
女性活躍。アンケートに基づいて、人事で喧々諤々の
論議。組合からも意見提案をしたい
【組合】女性活躍について、昨年の国会では廃案になったが、
通常国会で再度上程されることは確実。安倍政権がどこまでや
る気があるのかは疑問だが、それとは関係なく会社として積極
的に進めて、今ある男女間の分布の差を意識的になくしていく
必要がある。そのことと、男女問わず働きやすいことを積極的
にアピールすることで、
優秀な人材を集めることにもつながる。
【会社・大久保】昨年実施した女性アンケートに基づいて喧々
諤々議論している。
【組合】アンケート結果の公表と、以前も提案したが、男性の
アンケートやってみたらどうか。アンケート結果はまとまった
のか。
【会社・新留】10 月に実施して、年末にかけてまとめて、その
結果をどう読みとるか、真剣に喧々諤々やっている。アンケー
トに真剣に答えてくれた人に、我々が正しく読み取って皆さん
のために何かをやらなくてはいけない。イエス・ノーだけで短
絡的にはいかない。正しい情報として、先ずアンケートの結果
をストレートに開示しながら、この結果に基づいてこういうこ
とをやっていきたいと、ちゃんと出すつもりだ。
【組合】アクションプランはいつ頃になるのか。夏ころか。
【会社・新留】そんな悠長なことは言っていられない。
【組合】結果を開示した上で、人事以外でも話してもらったら
どうか。
【会社・新留】おっしゃる通りで、こういう話はいろんな場所
で話をしながら輪を広げていって、現状の理解と解決策を皆さ
んで考える、ということをやっていけば、少しずつでも文化も
変わる。
【組合】組合も話に加われないか。事務折衝でも。検討してく
ださい。
【会社・新留】はい。
60歳以降の再雇用。労働契約法20条に基づき労働
条件の見直しを
【組合】60 歳以降の再雇用に関して別組合と検討しているよう
だが、労働契約法 20 条(期間の定めがあることによる不合理な
労働条件の禁止。2013 年 4 月 1 日施行。
)に基づいて、再雇用
者が裁判をおこしている。再雇用者が(それ以前と)同じ仕事
をしているのに、
賃金が大きくダウンするのは 20 条違反だとす
るものだ。昭和シェルでも、再雇用でそれまでと同じ仕事をし
ているケースが多い。にもかかわらず月給は 30 万円だ。裁判で
どんな結果がでるかは分からないが、20 条との関係で会社のス
タンスを聞きたい。
【会社・大久保】通常、同一価値労働・同一賃金だが、再雇用
の場合は契約が一回切れて、報酬が違う会社が大半。それを違
法とする解釈は従来なかった。
【組合】従来は、労契法 20 条はなかったから。再雇用だから
安くて良い、というのが合理的理由になるのか、疑問だ。再雇
用は「仕事の範囲、責任の範囲が大きく変わっています」との
説明があったと思うが、実際は上司の見方も、仕事をしている
本人も、周りの目も、従来と全くかわらない。
【会社・大久保】検討するが、世の中がそういう流れになれば、
年金制度も含めてみんな改定ということになるし、あるいは賃
金自体がもっと前から(60 歳以前から?)変わってくることも
出てきてしまうので、
ハッピーな人とそうでない人が出てくる。
退職ではない、という考え方も出てくる。
【組合】春闘でも再雇用者の労働条件改善を求める要求を出す
ので、検討を。
以上