教育・訓練と今後の方向 - 山形県立産業技術短期大学校

山形県立産業技術短期大学校の
教育・訓練と今後の方向
-学科や定員のあり方等に関する報告-
平成27年2月
山形県立産業技術短期大学校
は じ め に
山形県立産業技術短期大学校は、ものづくり産業の担い手を育成・確保したいという
県内産業界の強い願いのもと、全国初の都道府県立職業能力開発短期大学校として、平
成5年に開校いたしました。以来、数多くの実践技術者を産業界に送り出してきており
ます。
社会環境が変化する中、新たな価値・ものを創造していくことのできる人材を育成し
続けるためには、教育や研究の内容等について、間断なく検証し、その都度、是正・改
善していく必要があります。そのような観点から、本校は、産業界のニーズ、学生の声
等を踏まえつつ、教科計画や研究内容、地域との連携等について、適宜検討・見直しを
行ってきており、平成 22 年度には、学科改編を実施し、その結果、学科定員の充足、学
生の就職決定率 100%が実現されたところです。その後も、幅広い学生の募集、学生の希
望に沿った就職先の開拓など、定員の充足と就職決定率 100%の維持に努めるとともに、
高等学校や企業の期待に応えるため、企業相談や教員研修、講座の公開等、連携・協働
の取組みを進めてきております。
しかしながら、少子化や高等教育機関の全入化の進展、教育に対する要請の多様化・
高度化など、教育を巡る環境の変化には目まぐるしいものがあります。また、景気・雇
用情勢の変化はスピード感を増しており、これらの変化を見据えた適切な対応が求めら
れています。
このため、外部有識者等により構成される山形県立産業技術短期大学校学科編成等検
討委員会を平成 24 年 10 月に設置し、教育・訓練の今後の方向や学科・定員のあり方等
について協議を重ねてまいりました。この間、平成 25 年 11 月には、中間報告をとりま
とめるとともに、その後も、本県産業界や高等学校等から広く意見をいただきながら、
本校の取組みへの評価を踏まえ、今後改善していくべき内容、新たな課題への対応方向
等について検討を進めてきております。
本報告は、これらの検討の集大成として、本校が今後取り組んでいくべき方向や内容
をとりまとめたものです。少子・高齢化が進行し、労働力人口の加速度的な減少が見込
まれる中、グローバル化とともに、産業構造の変化や技術革新が急速に進んでおり、質
の高い技術者の育成が求められています。本校は、本報告に述べる取組みを適確に進め
るとともに、今後とも地域や時代の要請を踏まえ、適時・適切に検討・対応を図り、も
のづくり産業の担い手を本県産業界に送り出すという使命を果たしてまいります。
平成27年2月
山形県立産業技術短期大学校
校長 横 山 正 明
目
次
1 県内産業のニーズに応える高度な知識と技術・技能を併せもつ技術者の育成 ‥1
(1)ものづくりの一連のシステムを理解し、役割を果たす技術者の育成 ‥‥‥1
(2)現場についての理解を深める教育 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
(3)資格取得の取組み・各種競技大会への参加 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
(4)教員の知識・スキルの向上 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
(5)カリキュラムの再構成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
2 企業課題等への対応・貢献とものづくり女性人材・中核技術者の育成推進 ‥‥4
(1)企業課題等への対応・貢献 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
① 公開講座群の体系化と受講者が専攻科等に入りやすい仕組みづくり ‥‥4
② 企業等との共同研究や技術相談・技術支援の推進 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
③ 高等学校や他の高等教育機関、企業、関係機関・団体との連携・協働
の促進 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
(2)ものづくり女性人材の育成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
(3)中核技術者の育成等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
3 能力や個性に応じた教育の推進とコミュニケーション能力等の素養を備えた
産業人・社会人の育成強化 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7
(1)基礎学力の差への対応 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7
(2)授業内容の改善・教育力の向上 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7
(3)発達障がい等の何らかの支援を要する学生への対応 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
(4)社会人や女性などを意識した学生募集 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
(5)コミュニケーション能力や一般常識等を身につけるための教育 ‥‥‥‥‥9
(6)視野を広げ、柔軟な考え方を育て、学生が夢や希望をもてる教育の展開‥‥9
4 各学科の対応方向・内容 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
(1)機械システム系(デジタルエンジニアリング科、メカトロニクス科)‥‥10
① 教育・実習体系の維持と充実・発展 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥11
② 高度な熟練技能者の育成と技能五輪に向けた訓練や技能検定のため
の環境整備 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥11
(2)知能電子システム科 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥12
① 基礎的な技術・技能を習得するカリキュラムの維持・発展 ‥‥‥‥‥12
② スマートシステムやライフサポートシステムへの対応 ‥‥‥‥‥‥‥12
(3)情報システム科 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14
① 「高度 IT 技術者」を目指す技術者の育成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14
② 地元企業の協力による「地域で育てる地域の人材育成」の推進 ‥‥‥15
③ 就職実績等を踏まえた学生の確保 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
(4)建築環境システム科 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥16
① 学生の進路に応じた教育と学生・就職先の確保 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥16
② 建設業のイメージアップと希望者の確保 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥17
③ 資格取得等の取組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥17
(5)産業技術専攻科 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥18
① 企業や学生の要請に応えるコースの再編成とカリキュラムの充実 ‥‥18
② 公開講座の受講履歴の単位認定等を通じた社会人等の負担軽減 ‥‥‥18
③ 就職時のキャリアアップにつながる教育訓練への改善・発展の検討 ‥19
5 学科や定員のあり方等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
(1)学科等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
(2)定員 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
(3)基本理念等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥21
(4)進行管理と改善 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥21
〔資料編〕
教育方針 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥22
1 基本理念 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥22
2 求める学生像 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥22
3 教育・育成の重点目標 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥22
4 育成する人材像と教育の重点事項 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥23
志願者・入学者の状況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥24
高校別入学者数 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥25
就職の状況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥26
就職先・進学先一覧 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥27
山形県立産業技術短期大学校「学科編成等検討委員会」設置要綱 ‥‥‥‥‥‥28
産業技術短期大学校「学科編成等検討委員会」構成メンバー ‥‥‥‥‥‥‥‥29
検討経過 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30
山形県立産業技術短期大学校の沿革 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥31
本校は、「地域産業に密着した人材育成機関とする」、「開かれた短期大学校とする」、
「地域産業の技術開発に貢献する」の3つの目標を基本理念に掲げ、設立以来、これに
基づき、高度な知識と技術を兼ね備え、さらに将来において地域産業の技術開発を担い
うる実践技術者を育成してきており、評価を受けているところである。
平成 22 年度には、産業動向や技術の高度化に伴う地域産業界の人材ニーズの変化に
対応するため学科改編を行い、成果をあげてきているところであるが、教育や産業界に
おける変化は急であり、少子・高齢化の進行に伴う労働力人口の減少、学生の多様化、
産業構造の変化や技術革新の進展等への対応が求められている。
これらの教育・産業界における環境の変化に対応するため、「県内産業のニーズに応
える高度な知識と技術・技能を併せもつ技術者の育成」、
「企業課題等への対応・貢献と
ものづくり女性人材・中核技術者の育成推進」、「能力や個性に応じた教育の推進とコ
ミュニケーション能力等の素養を備えた産業人・社会人の育成強化」の3つの柱を今後
本校が進むべき方向として取組みを進めていく。
1
県内産業のニーズに応える高度な知識と技術・技能を併せもつ技術者の育成
本校は、少人数教育方式による徹底した技術教育により、優秀な技術者を輩出し、
本県産業界の発展に寄与してきた。人材の育成にあたっては、ものづくりの一連のシ
ステムについて理解させることに努めるとともに、企業実習等現場についての理解を
深める取組みやものづくりに必要な技能の習得につながる資格取得・各種競技大会へ
の参加を進めてきた。また、教員自らも、知識・スキルの向上に努めてきた。
これらの取組みは、評価を受けているが、今後も、県内産業界のニーズに応える高
度な知識と技術・技能を併せもつ技術者を育成していくためには、これまでの取組み
を充実していくとともに、産業界のニーズを踏まえたカリキュラムの再構成等、是正・
改善を図っていく必要がある。
(1)ものづくりの一連のシステムを理解し、役割を果たす技術者の育成
本校では、ものづくりの企画・設計から製品づくり、さらには、評価(還元)と
いったものづくりの一連のシステムについて理解し、全体を俯瞰しつつ、与えられ
た役割を果たすことができる技術者の育成を図ってきた。
各科ごとの育成を目指す技術者像、習得すべき技術等については、それぞれ次の
とおりであり、さらに、製品等の評価を実施し、改善の考え方を身に付けることと
している。
○機械システム系
◇デジタルエンジニアリング科:高精度のものづくりと改善ができる技術者
CAD/CAM/CAE※1 を駆使した高効率なものづくり技術、金型の設計、精密加工に
よる金型製作、成形機による成形加工、製品や金型の評価など
◇メカトロニクス科:自動化装置等の設計・製作・制御ができる技術者
機械(機械設計・機械加工)、電気・電子(センサ・アクチュエータ、イン
1
ターフェース技術)、制御(シーケンサ、マイコン)技術など
○知能電子システム科:電子機器から FA システム※2 まで開発できる電子技術者
電子技術、情報通信技術、インテリジェント技術、組込み技術など
○情報システム科:「高度 IT 技術者※3」を目指す、共同作業ができる情報技術者
情報システムの構築やネットワーク技術・セキュリティ技術等の情報技術、
高品質なプログラム開発に必要な技術など
○建築環境システム科:建築がわかる設備技術者、設備がわかる建築技術者
空気・水・熱等の環境要素を調整する技術、省エネルギーや環境負荷低減を
考慮した建築・設備の設計、施工管理、メンテナンスなど
このような取組みは、産業界からも評価を受けてきており、今後も、電子技術者に
ついて、スマートシステム※4 やライフサポートシステム※5 の開発を目指すなど、情勢
の変化に対応して改善を加えながら、ものづくりの一連のシステムを理解し、全体を
俯瞰しつつ、役割を果たす技術者の育成に取り組んでいく。
※1 CAD/CAM/CAE:コンピュータ技術を活用して設計・製造・解析を行うシステム。CAD (Computer Aided
Design) で 設 計 し 、 CAM(Computer Aided Manufacturing) で 製 造 し 、 CAE(Computer Aided
Engineering)で解析を行う。
※2 FA システム:工場の生産設備におけるものや情報の流れを自動的に制御するシステム。
※3 高度 IT 技術者:高度な知識・技能をもち、自ら設計・製作(制作)ができる IT 技術者。
※4 スマートシステム: 電子機器やシステムがネットワークを介して互いに連携・制御することによ
り、周囲の環境に合わせて全体を自動的に最適な状態にコントロールするシステム。
※5 ライフサポートシステム:心拍や呼吸、血圧等の情報を常時測定し、健康管理や医療、救命救急
に役立てるなど、生活や健康を技術で支援するシステム・社会システム。
(2)現場についての理解を深める教育
企業実習は、学生・企業ともお互いを知る良い機会である。現行の実習期間で適
当であるという意見の一方で、期間を長くしてほしいという声もあるなど、企業の
意向や受入れの際の形態も多様であり、また、学科により授業等の状況も異なって
いるので、受入れ側と協議しながら、マッチングするよう工夫していく必要がある。
カリキュラム上の制約があり、長期間の企業実習は困難な状況にあるが、長期休暇
(夏休みや春休み)の活用や期間を分けての実習などを検討していく。
また、現場の体験機会を増やしていく観点から、企業の協力を得ながら、工場や
現場の見学を行うとともに、経験豊富な技術者の方に非常勤講師等として学生の直
接指導をお願いしていく。例えば、情報システム科では、企業の技術者と話合いな
がら、現場で実際に起こりうる課題を設定し、現場と同様にグループでの対応を行
うことにより、解決能力の向上を図ってきており、今後も、このような取組みを進
めていく。
2
(3)資格取得の取組み・各種競技大会への参加
高度な熟練技能者の育成につなげるため、技能検定等の各種資格試験に取り組む
とともに、技能五輪をはじめとする各種競技大会への参加を目指す。
機械システム系では、ものづくりに必要な技能の習得に最適であることから、マ
シニングセンタ、数値制御旋盤、数値制御フライス盤、ワイヤ放電加工、普通旋盤、
フライス盤、電子機器組立てなどの技能検定受検への取組みを進めていく。また、
意欲を喚起するためにも、若年者ものづくり競技大会に参加可能な職種を増やして
いく必要があることから、教育・訓練の内容充実と練習環境の整備を図る。
知能電子システム科では、学生の希望と企業ニーズを踏まえ、技能検定をはじめ
とする資格試験の受験指導・支援について対応していく。
情報システム科では、「基本情報技術者試験」の受験指導を進めているが、「応用
技術者試験」等のより高度な知識・技能が求められる試験合格に向けた支援を図る。
建築環境システム科では、1 年次に技能五輪地方大会(配管職種)への参加を通じ
た2級配管技能士の資格取得、2年次に2級管工事施工管理技術検定の学科試験に
取り組んでおり、今後もこの取組みを続け、合格率の向上を目指す。さらには、施
工管理技術検定の指定学科として現在認定されている管工事・電気工事に加え、建
築工事・土木工事についても認定されるよう準備を進める。これらの認定は、建築
系・土木系に進む学生の励みとなり、スキルアップにもつながっていく。
(4)教員の知識・スキルの向上
企業の求める人材を育成するためには、教員自らも先端技術・技能を習得する必
要がある。教員が共同研究や企業相談等、様々な場面で企業と関わり、スキルの向
上とともに、現場の技術・作業方法等の把握に努め、また、学会・各種研修・セミ
ナー等に参加することなども重要である。
また、各教員が取り組んでいる教育や研究内容について外部から意見をもらうこ
とが大切であり、技術者等との意見交換や研究発表会、各種研修・セミナーなどの
機会を積極的に活用していく必要がある。
さらに、自己研鑽の意欲のある本校卒業生に対し、卒業後の学習ニーズに対応す
る支援について検討していく。
(5)カリキュラムの再構成
知能電子システム科では、これまでの電子・組込みシステム(小規模システム)
と FA 装置・システム(中規模システム)を中心とした内容からスマートシステム(大
規模システム)やライフサポートシステムも対象とするカリキュラムに再構成する。
建築環境システム科では、
「建築」と「設備」の「進路別コース選択制」の導入を
図っているが、平成 27 年度入学生より本格実施する。このことにより、学生が「建
築」
「設備」それぞれの進路に応じて、より興味深く取り組むことができ、実践力が
身につくものと考えられる。
3
2
企業課題等への対応・貢献とものづくり女性人材・中核技術者の育成推進
グローバル化の急速な進展に伴う産業構造の変化や技術革新の進展、少子・高齢化
の進行に伴う労働力人口の減少が進む中で、企業現場における新たな課題解決への協
力、企業在職者・教員のスキルアップやリカレント教育など、企業や高等学校からの
要請への対応を図るとともに、ものづくり産業における女性の活用、高付加価値化・
新分野展開を担えるより高度な技術を有する人材供給など、ものづくり人材育成の面
での本校への新たな期待に応えていく必要がある。
(1)企業課題等への対応・貢献
① 公開講座群の体系化と受講者が専攻科等に入りやすい仕組みづくり
現在、公開講座は、リカレント教育の場として、企業ニーズの把握に努めながら
実施しているところである。履修者に講座の専門分野を示すことにより、その内容
を把握しやすくするとともに、専門課程※6 や産業技術専攻科※7 の講義・実習との対
応関係を明確にし、訓練時間や単位としての認定を可能とする観点にたって、既に
公開講座群の体系化を図ってきているところであり、公開講座の履修歴について、
専攻科や専門課程の教育・訓練時間や単位として認定することを検討・実施するこ
とにより、企業在職者等が専攻科はもとより専門課程にも入りやすい仕組みづくり
を進めていく。
また、一般学生の希望者にも履修を認め、対応する教科の訓練時間や単位として
認定する制度について検討する。
この場合、履修時間、単位認定する教科等について調整・評価し、整合性がとれ、
説明しうるものとしていく必要がある。
※6 専門課程:主に高等学校の卒業者を対象とし、高度な知識と技能・技術を兼ね備えた実践技術者
を育成する課程。修業年限2年。職業能力開発促進法上は、応用課程とともに長期間の高度
職業訓練に位置づけられる。本校の産業技術専攻科以外の5学科が該当する。
※7 産業技術専攻科:本校卒業生や企業在職者等を対象に、より高い技術スキルやヒューマンスキル
等を身につけ、組織のリーダーとなる実践技術者を育成する本校の学科。就業年限1年。職
業能力開発促進法上は専門短期課程に位置づけられる。(特に必要な場合を除き、本報告に
おいて単に「専攻科」という。
)
② 企業等との共同研究や技術相談・技術支援の推進
本校では、地域貢献の一環として、企業等との共同研究を実施するとともに、企
業や企業現場で課題に直面した本校卒業生からの相談等に対して、技術的な支援や
情報の提供を行っている。
今後も、企業の要請に応じてこのような取組みを継続・強化し、企業技術者と本
校教員双方の技術のレベルアップとともに、現場のホットな技術情報等、企業の実
情把握と信頼確保を図る。
③ 高等学校や他の高等教育機関、企業、関係機関・団体との連携・協働の促進
本校と山形工業高等学校では、ものづくりに関わる人材を連携して育成していく
4
ことを目的に、連携課題研究を実施している。山形工業高等学校3年生が取り組ん
でいる課題研究に対し、本校教員からのアドバイス、技術情報の提供、本校機器の
利用等課題研究の内容充実に協力している。
また、高等学校における出前授業の実施、課題研究発表会等の参観・指導、高校
生の本校訪問・授業体験など、多様な連携・協働の取組みを進めている。
さらに、ものづくり人材育成の一環として、県内の工業高校の教員を対象に技能
研修を実施しており、多くの教員が受講し、視野を広げ、現場理解を深めることで、
キャリアアップを図っている。
今後もこのような高等学校との連携・協働に積極的に取り組んでいく。
一方で、山形大学や鶴岡工業高等専門学校とは、非常勤講師の派遣・受入れや大
学コンソーシアムやまがた※8 を活用した研究会の実施等を進めてきている。今後も
企業や試験研究機関、他の高等教育機関との共同研究の実施、さらには金融機関等
の協力・支援を得ての企業相談への対応など、多様な連携・協働の取組みを進めて
いく。
※8 大学コンソーシアムやまがた:県内の高等教育機関が連携し、交流を推進することにより、県内
高等教育の充実・発展を図るとともに、各校の知的資源を有効に活用して地域社会に貢献す
ることを目的に設立された組織。現在 14 の高等教育機関が参加している。
(2)ものづくり女性人材の育成
少子化の進行により、労働力人口が減少する中、ものづくり産業における女性の
活用が課題となっている。また、消費者ニーズの捕捉や製品の高付加価値化などの
面で、女性ならではの視点や感性が重要視されており、女性技術者に対する期待が
高まってきている。
本校においても、これまで多くの女性技術者を産業界に送り出し、それぞれの企
業・分野で活躍しているところである。女性技術者に対するニーズに応えるため、
女性の適性に配慮し、女性が力を発揮しやすい環境整備や教育内容の改善を進めな
がら、その育成にさらに力を入れていく。
(3)中核技術者※9 の育成等
産業構造の高度化に伴い、高付加価値化や技術の高度化に対応できる技術者の供
給について、産業界からの要請が強まってきている。一方で少子化が進行するとと
もに、大学への進学率が上がり、大学等卒業者の県外流出が進んでいる。
現在のところ、職業能力開発短期大学校※10 から大学への編入学は困難であるため、
本校の学生が2年間の専門課程修了後、より高い知識・技術の習得を希望した場合、
進学の選択肢は、県外にある職業能力開発大学校※11 の応用課程※12 か本校の専攻科に
限定される。応用課程を卒業した場合、就職面では、工科系大学卒と同等の待遇で
採用されるため、学生にとってメリットがあるものと考えられるが、県外であるこ
と等から、職業能力開発大学校への進学は、毎年数名程度に止まっている。また、
本校の専攻科は、現場の課題解決を目指すなど問題意識・目的意識をもった学生は
5
大きな成果をあげているが、就職に向けてキャリアアップを目指す本校卒業生等に
とって、給与面の処遇にはつながりにくい状況にある。
本校における応用課程の設置については、本県で活躍してくれる中核技術者・高
度技術者の育成・供給という産業界の要請に応えるとともに、工科系の高等教育機
関志望の高校生が進学する際の経済的負担が大幅に軽減されることになる。これに
伴い、本校への進学希望者が増加し、また、応用課程進学者と競い合うことや高度
な教育環境が整うことで、専門課程学生の資質向上につながることが期待される。
しかしながら、応用課程の設置には、財政的負担や教員の採用・配置に加え、民
間教育機関との競合を避けるため、専修学校等関係者も含めた協議の場を設定し、
調整を図る必要があるといった課題がある。これらの課題を踏まえ、学生の希望、
企業のニーズを把握するとともに、メリット・デメリットや設置の可否について適
切に検証しつつ、応用課程の設置について検討していく。
※9
中核技術者:企業において中心的な役割を果たし、その企業の強みや競争力を支える技術者。
※10 職業能力開発短期大学校:高度職業訓練のうち、専門課程及び短期間の訓練課程を行う職業訓
練施設。国が設置する 15 施設(分校等を含む。)、都道府県が設置する 16 施設(分校等を含
む。)及び認定を受けた事業主が設置する施設がある。本校は、これに該当する。
※11 職業能力開発大学校:職業能力開発短期大学校が行う訓練課程に加え、応用課程を行う職業訓
練施設。国が設置する 10 施設がある。
※12 応用課程:専門課程を修了した者、又はこれと同等以上の技能・知識を有する者を対象とし、生
産現場のリーダーとなる人材を養成する課程。修業年限2年。
職業能力開発促進法上は、専門課程とともに長期間の高度職業
大
学
院
訓練に位置づけられる。
応用課程(検討中)
専
攻
科
応用課程
学部
(教養課程、専門課程)
専門課程
専門課程
山形県立産業技術短期大学校
職業能力開発大学校
4年制大学
高等学校
山形県立産業技術短期大学校、職業能力開発大学校及び4年制大学の履修課程(イメージ)
6
また、平成 26 年9月から大学が単位認定できる教育施設として職業能力開発短
期大学校等が認められ、本校から大学に編入学することが制度的に可能となりつつ
ある。大学への編入学が実際に可能となるよう、国や学生の編入学先となる大学等
の関係機関に働きかけるとともに、単位認定の仕組みづくりなど課題解決のための
検討を進めていく。
3
能力や個性に応じた教育の推進とコミュニケーション能力等の素養を備えた産業
人・社会人の育成強化
本校に入学する学生の基礎学力の差が大きくなってきており、授業のレベルを合わ
せることが難しくなっている。また、発達障がい等何らかの支援を要する学生が増加
する傾向にあり、対応が課題となっている。一方で、企業からは、専門的な技術・知
識だけでなく、一般常識やコミュニケーション能力などのヒューマンスキルの向上が
求められている。コミュニケーション能力や積極性、責任感、協調性など、産業人・
社会人として必要な素養を培う教育・訓練を実施するとともに、大学・短大既卒者や
社会人、女子学生も含めた多様な学生を積極的に受け入れ、能力や個性に応じた教育
を推進していく。
(1)基礎学力の差への対応
英語では、平成 26 年度から習熟度別のクラス編成を開始した。習熟度が下位の
クラスについては、授業に対する意欲の確保に配慮する必要があるが、同レベルの
学生を対象として授業を行うことから、全体としての授業への理解は深まってきて
いる。
数学では、各学科において授業時間を増やしたり、習熟度の低い学生を対象とし
た補講を実施するなどの取組みを平成 26 年度から開始した。学生に個別に接するこ
とや時間をかけて指導することで、どこでつまずいているのか把握できるようにな
り、理解につながっている。
今後も、成果を検証しながら、このような取組みを継続していく。
また、入試の際、推薦入試で数学、一般入試(前期・後期)で数学と英語の学科
試験を課しているが、入学生の基礎学力を確保するとともに、学生の能力を把握し、
それに応じた教育を行うためにも、現行の学科試験を維持・継続していく。
一方、AO 入試(出願者の個性や適性に対して多面的な評価を行い、合否を決める
入試方法)等の可能性・必要性等についても検討を行う。
(2)授業内容の改善・教育力の向上
本校では、教職員間の情報や問題意識の共有、さらには学生の興味の喚起や理解
を深める観点から次のような取組みを進めている。
・教材のテーマや内容について、学生も含めて議論を行い決定
・学生の学力や特性に合わせた授業内容や実習課題についての随時の見直し
・技術習得に問題のある学生の情報共有
7
・学生が授業に集中しやすくするための講義資料の電子化・共有化
・組織や役割を理解し、共同作業ができるようにするためのグループワークや
PBL(課題解決型学習)形式の実習の実施
・e-Learning システム※13 の活用
今後も、成果を検証しながら、これらの取組みを継続していく。
なお、学習が滞っている学生や実習が遅れ気味の学生に対しては、必要に応じて
個別指導や補講等を実施するとともに、主任会議等において課題を整理しつつ、共
通認識にたった対応を図り、特に配慮が必要な学生についてはチームによるサポー
トを実施するなど、学校全体で組織的に対応する体制を整備しているところである
が、教職員の負担や教育効果等について検証しながら、継続・改善を図る。
また、各教員が関連科目間での学生の理解度について情報を共有するとともに、
教材や実習の指導方法についての情報交換を行うなど、日頃から教員の教育力の向
上に努めているところであるが、これがさらに組織的な対応として広がっていくよ
う、授業資料の共有等の取組みを進めていく。
これらの取組みは、いわゆる FD(ファカルティ・ディベロップメント:教育改善
活動)であるが、学科での取組みや成功事例等を学校全体で共有し、より組織的な
FD・改善活動となるような仕組みづくりを進めていく。これに加え、入学から卒業
までの成績や学習履歴等、様々なデータを、教育訓練のみならず、学生募集や就職
活動に戦略的に利活用できる総合的な学生支援体制づくりを行うため、SD(スタッ
フ・ディベロップメント:職員の職能開発)についても取組みを進めていく。
※13 e-Learning システム:インターネットを利用し、学内はもとより、自宅等の学外においても学
習できる教育システム。
(3)発達障がい等の何らかの支援を要する学生への対応
本校では、カウンセラーが学生の相談に応じているほか、
「支援連絡会議」を設置
して、支援を要する学生に学校全体で対応し、チームで学生をサポートする体制を
とっている。今後は、これらの支援体制を維持・強化するとともに、
「障害者就業・
生活支援センター」等の関係機関との連携をさらに進めていく。
(4)社会人や女性などを意識した学生募集
社会人が本校で履修しやすくするために、公開講座や職業訓練の受講履歴につい
て本校の専門課程や専攻科の訓練時間や単位として認めることを検討するとともに、
大学や短大の卒業生等が入学しやすくなるよう、大学や短大の単位を本校の単位と
して認定する制度を構築し、示していく。
また、社会で活躍する女性技術者や本校を卒業した女子学生の活躍を紹介する機
会を増やすとともに、女性が就職先企業や学校活動等において活躍する様子を示し
ながらの学校訪問・説明など、女子生徒への働きかけを強め、本校志願者の増加を
図っていく。
なお、本校では、高等学校との連携促進を図りつつ、応募について積極的に働き
8
かけてきているが、本校の教育内容や特徴等についての理解が一層深まっていくよ
う、今後も高校訪問、出前授業等を積極的に実施するとともに、普通科出身の学生
が本校や就職先企業において活躍する様子の情報提供など、普通科の教員や生徒が
より一層興味をもつような工夫をしていく。
(5)コミュニケーション能力や一般常識等を身につけるための教育
本校は、コミュニケーションが苦手な学生への対応として、日常の生活指導の他
に、専門家による就職支援セミナーや面接指導等に積極的に取り組むとともに、少
人数ゼミや卒業研究、グループ実験や実習等の際も、コミュニケーション能力や自
主性・主体性、論理的思考力などを高めるよう様々な工夫を行っている。例えば、
共同作業で一つのシステムを作り上げていくような総合実習や卒業研究などを実施
しており、このような自分たちで考えながら企画・開発、実施・構築ができる機会
を設け、増やしていく。
(6)視野を広げ、柔軟な考え方を育て、学生が夢や希望をもてる教育の展開
視野が広く、柔軟な発想で取り組むことができる産業人・社会人を育成するため、
学生が展示会や企業等を見学したり、講演会参加等、様々な分野の話を聞く機会の
充実を図っていく。
また、企業において、グループリーダーやミドルマネージャーとして活躍するこ
とはもとより、トップマネージャーになることを視野に入れた、学生が夢や希望が
もてるような教育に一層力を入れていく。そのような観点から、企業経営者や各界
で活躍されている方々から講義をいただいたり、県内企業でトップマネージャーと
して活躍している卒業生や起業した方と接する機会などを増やしていく。
なお、企業の海外進出に伴い、国際化への対応が求められているが、そのために
は、語学力に加え、異文化を理解・尊重し、受け入れる柔軟性を育むことが重要で
あり、語学教育とともに、前記のような多様な取組みの中で、国際人としての素養
を培っていく。
9
4
各学科の対応方向・内容
これまで述べた学校経営や教育内容等、学校全体の今後の方向性・あり方を踏ま
え、各学科の対応方向・内容については、以下のとおりである。
(1)機械システム系(デジタルエンジニアリング科、メカトロニクス科)
平成 22 年度以前は、メカトロニクス科が機械系全般の広範な人材育成を担ってき
たが、学科改編の際に、機械設計、精密機械加工をより深めた実践技術者の育成を
図るためデジタルエンジニアリング科を新設、機械系を2科体制とし、製造業にお
けるものづくり技術の高度化に対応したところであり、それ以降、学生の確保とと
高精度・高効率のモノ
もに、就職先企業から即戦力としての評価を得ている。
づくりと改善ができる
実践技術者
想定している就職分野
• CAD/CAM/CAEによる金型
設計製作、機械設計
• 精密加工、NCプログラマー
• 検査、生産設備保全
CAD/CAM/CAEシステムを
駆使した設計製作手法
デ
ジ
タ
ル
エ
ン
ジ
ニ
ア
リ
ン
グ
科
金型の設計・製
作・精密加工
射出成形機・プレ
ス成形機による
製品生産
平成23~25年度就職実績
一
連
の
学
科
・
実
習
生産技術
11%
保守
4%
機械加工
39%
製品の評価、
金型の評価
教育の三本柱
金型設計・
製造
46%
想定している就職分野
• 自動化機器の設計製作
• 生産技術(生産設備)
• 機械設計・電子回路設計
• ソフトウェア開発、機械加工
機械
(機械設計・機械加工)
平成23~25年度就職実績
メ
カ
ト
ロ
ニ
ク
ス
科
メカトロ
ニクス
電気・電子
(センサ・
アクチュエータ・
インターフェース)
電気設計
4%
制御
(プログラム)
組立
7%
自働化機器・
機械設計
その他
11%
17%
生産技術
21%
機械加工
40%
教育・実習体系と就職分野(想定・実績)
10
① 教育・実習体系の維持と充実・発展
デジタルエンジニアリング科においては、CAD/CAM/CAE システムを駆使した設計
製作手法により、金型の設計・製作・精密加工、射出成形機・プレス成形機による
製品生産、製品と金型の評価といった一連の教科の教育と実習を行っているところ
であり、企業ニーズに応える形で、高精度・高効率のものづくりと改善ができる実
践技術者の育成が図られている。過去3年間の卒業生の就職分野は、金型設計・製
作、機械加工、生産技術、保守であり、目的分野へ人材を供給している。
メカトロニクス科においては、機械設計・機械加工等の機械工学、センサ・アク
チュエータ、インターフェース技術等の電気工学・電子工学、シーケンサ、マイコ
ン等の制御工学を教育の三本柱としており、教育・実習を通じてこれらを体系的に
学ぶことで、幅広い専門分野について、4年制大学では学ぶことができない知識や
技 術 ・技能を習得し、製造業における自動化装置・省力化装置等の FA 装 置
(FA:Factory Automation)の設計や製作、制御ができる実践技術者の育成が図られ
ている。就職実績についても自動化機器・機械設計、生産技術、機械加工、組立、
電気設計などであり、教育の重点分野の知識・技術を活かせる企業に就職している。
これらの教育・実習等の体系については、基本的な部分について維持しつつ、企
業からの要請等を踏まえながら充実・発展させていく。
② 高度な熟練技能者の育成と技能五輪に向けた訓練や技能検定のための環境整備
国内外の企業との激しい価格競争が続く中、本県の機械産業が発展するには、NC
旋盤、マシニングセンタ、NC 工作機械等の導入や CAD/CAM の活用等により、高い生
産性を確保するとともに、本県企業でしかできないものづくりの固有技術に特化し
ていく必要がある。また、近年、山形県の製造業において熟練技能者の育成と技能
の伝承が課題となっており、切削片、振動、音などによる切削状況の判断力や加工
に対する深い考察力を身につけた高度熟練技能者を育成していく必要がある。
このため、今後もマシニングセンタ、数値制御旋盤、数値制御フライス盤、ワイ
ヤ放電加工、普通旋盤、フライス盤などの技能検定受検への取組みを推進し、図面
の読解力や測定能力、加工技術等の高度な技能と判断力・考案力を併せもつ実践技
術者を育成していく。
さらに、平成 28 年度本県開催の技能五輪を契機として、旋盤・フライス盤やメカ
トロニクス職種の競技用 FA モデル等を計画的に整備し、本校を高度技能者育成の拠
点とするとともに、技能五輪の選手育成や技能検定の実施等に係る訓練・指導の中
核機関としての役割・機能を果たしていく。
11
(2)知能電子システム科
本科は、平成22年度の学科改編の際、組込み技術者育成の要請やその育成が自
動車関連産業誘致の鍵であるとの認識などから開設された。リーマンショックや円
高、さらには組込み技術者への要請が量から質へと変化する中、弾力的に対応でき
る電子技術者の育成を図り、開設以来ほぼ定員を充足するとともに、8割近くの学
生が県内を中心に電気・電子分野の技術者として就職している。
① 基礎的な技術・技能を習得するカリキュラムの維持・発展
電気・電子・情報系からの入学者が半数以上であるが、普通科等から入学してく
る学生も多い。専門分野の知識・経験が不足している学生に対しては、授業等にお
いて必要の都度補足し、1年次の段階でギャップを埋めるようにしており、電気・
電子関連を中心に、就職決定率 100%を達成してきている。
このため、現在のインテリジェント技術、組込み技術、情報通信技術、電子技術
等で構成されるカリキュラムについては、時代の要請を踏まえた新たな分野への対
応を図りつつ、基本的な部分はこれを維持し、充実・発展を図る。
普通科
23%
商業・総合
学科
12% 情報技術
機械技術
系学科
系学科
12%
2%
その他
11%
機械系
12%
電気電子
系学科
51%
電子・組込み系
21%
電気電子系
電気機械系
21%
情報技
27%
術系
8%
卒業生出身学科(平成 23~25 年度)
卒業生就職先(平成 23~25 年度)
② スマートシステムやライフサポートシステムへの対応
通信機器から家電製品、自動車まで、スマート化※14・ネットワーク化が進み、機
器やシステム間で自動的に情報をやり取りしながら最適な制御を行うスマートシス
テム化が進行している。自然エネルギーと従来の電力とを制御して最適に効率的に
エネルギー配分するスマートグリッドや温湿度や二酸化炭素等を自動的に制御して
質の高い農作物を安定生産するスマートアグリなどの取組みも成果をあげつつある。
電子技術者へのニーズの変化や活躍の場の広がりに伴い、従来の電子組込み技術に
加えて、システム工学的発想と高度な計測自動制御技術、情報通信技術を身につけ、
大量の情報を処理・制御し、システム全体をスマート化・ネットワーク化する技術
が求められている。
対応分野・領域を広げていくため、教育配分を見直し、これまでの電子・組込み
システム(小規模システム)と FA 装置・システム(中規模システム)を中心とした
内容からスマートシステム(大規模システム)やライフサポートシステムをも対象
としたものへと再構成する。併せて、自動制御技術と情報通信技術及びシステム化
12
技術の比重を高め、電子技術・組込み技術に関する部分は精査してスリム化を行う
とともに、センサインターフェース、ネットワークに接続可能な組込み機器端末及
びネットワークを経由して計測制御システムを構築できるシステム開発環境の整備
を図り、システム化技術分野と情報通信分野の専門家による実践的な講義や実習を
実施する。
※14 スマート化:情報システムや各種装置に高度な情報処理能力や管理・制御能力をもたせること。
電子・組込みシステムからスマートシステムへ
(システム間の連携とスケールアップ)
大規模システム(相互接続)
スマートグリッド
要素技術は現行のカリキュラムで
対応済み
スマートアグリ
自動制御と情報通信
技術の強化が必要
中規模システム(局所的)
スマートシステム
農業をはじめとする未開
拓の分野を計測・自動
制御技術と情報通信技
術 を 用い て シ ス テ ム 化
する
+(要素技術)
・自動制御
・情報通信技術
+(要素技術)
・センサ
・アクチュエータ
FA装置・システム
小規模システム(単体)
応用分野の拡大
(要素技術)
・電子技術
・マイコン
(要素技術)
・計測技術
・信号処理技術
ライフサポートシステム
電子・組込みシステム
スマートシステム及びライフサポートシステムと関連技術分野
現行カリキュラム
再構成で対応可能
カリキュラム(現行)
インテリジェント技術
総
合
開
発
技
術
組込み技術
情報通信技術
電子技術
専門基礎
スマートシステム(大規模)
(+自動制御・情報通信)
FA装置・システム(中規模)
(+センサ・アクチュエータ)
電子・組込みシステム(小規模)
(電子技術・マイコン)
対象技術分野(現在)
小規模システムから大規模システムへ
→ 自動制御・情報通信技術分野の強化
スマートグリッド,スマートアグリ,環境制御システムなど
開発対象(現在)
スマートシステム化技術
(計測・制御・情報通信の組合せ技術))
電子・組込み技術
組込み機器(携帯電話など)
インテリジェント技術
インテリジェント機器(カーナビなど)
スマートシステム
計測・制御技術
ライフサポートシステム
産業用機器(FA装置など)
応用分野の拡大
生体情報計測技術
(計測・信号処理技術)
対象の中心をシフト
運動情報モニタリング,ライフレコーダなど
知能電子システム科見直しの方向性
(スマートシステムやライフサポートシステムへの対応)
13
(3)情報システム科
情報産業において「情報技術者」は、
「量」より「質」が求められつつあることか
ら、高度なスキルをもつ「高度 IT 技術者」を目指す技術者の育成を目指し、基本情
報技術者試験等の試験対策・指導支援を行うとともに、主体性をもって共同作業が
行える人材を育成するため、グループでのディスカッションやプレゼンテーション
を実施し、企業技術者等とのディスカッションの機会などを設けてきた。
学科改編後の卒業生は、ほとんどが技術系職種に就職しており、企業の求める人
材と本校の教育や学生の達成水準がマッチし、評価されているところである。
① 「高度 IT 技術者」を目指す技術者の育成
本県の情報化の現状や情報産業の要請等を踏まえ、将来的に「高度 IT 技術者」に
なりうるよう、次のような情報技術者の育成を目指している。
○基本情報技術者試験レベル以上の知識とスキルを有する。
○職場で活躍できる IT 技術(基盤構築、高品質なプログラム開発)を有する。
○多様な人々と主体性をもって共同作業ができる。
このため、現在のカリキュラムは、
「情報専門学科カリキュラム標準 J07」の「イ
ンフォメーションテクノロジ(J07-IT)」に準拠して編成しており、ネットワーク技
術、データベース技術、セキュリティ技術、プラットフォーム構築技術、Web 技術、
システム管理やメンテナンス技術、システムインテグレーション技術などの知識や
技術の習得、さらには、プロジェクト型課題実習(課題解決型学習)などで構成さ
れている。これらは、情報システムの構築や維持管理において今後とも必要な技術
であり、これらカリキュラムの構造について維持していく。
カリキュラム標準 J07-IT の知識体系
ITF
HCI
IAS
IM
IPT
NET
IT 基礎
ヒューマンコンピュータインタラクション
情報保証と情報セキュリティ
情報管理
技術を統合するためのプログラミング
ネットワーク
PF
PT
SA
SIA
SP
WS
プログラミング基礎
プラットフォーム技術
システム管理とメンテナンス
システムインテグレーションとアーキテクチャ
社会的観点とプロフェッショナルとしての課題
Web システムとその技術
また、Web を中心として、スマートフォンやタブレット等、多様なメディア・
ユーザに IT アプリケーションが広がってきている。このため、J07-IT の知識体系
の「Web システムとその技術」に関する要請があり、対応していく。
なお、学科改編以降、業界における「スキル標準」設定や水準向上重視の流れ等
を踏まえ、高品質なソフトウエア開発技術の教育を重視してきている。一方で、効
果的なシステム開発には、開発対象とする業務への理解が不可欠であることから、
業務分析や要件定義等に関する講義や実習を実施しているが、これに加え、各講義
の中で様々な業務についての理解を促すための補足説明を行っていく。
また、基本情報技術者の資格取得という要請に対応し、試験対策を強化していく。
14
IT パスポート試験は、平成 23 年 11 月から CBT(コンピュータを利用して実施する
試験方式)となり、通年で受験可能になった。このため、IT パスポート試験の教材
を入学前の課題とし、早期の合格を目指すこととする。併せて基本情報技術者試験
対策も前倒しし、合格率の向上を図っていく。
今後とも、地域企業のニーズの把握に努め、技術要素等の要請に対応してカリ
キュラムの充実・改善や資格取得対策・支援を進めていく。
情報処理技術者試験合格者の状況(情報システム科)
卒業年度
(平成)
23
24
25
26
卒業生
(人)
18
22
17
22
IT パスポート
(人)
16
20
13
15
基本情報
技術者(人)
2
6
5
5
応用情報
技術者(人)
2
2
情報セキュリティス
免除講座合格
ペシャリスト(人)
1
1
11(17 名受験)
14(20 名受験)
11(15 名受験)
13(21 名受験)
※平成 26 年度は卒業見込者
② 地元企業の協力による「地域で育てる地域の人材育成」の推進
現在、
「情報セキュリティに配慮した情報通信システム基盤を構築できる」ととも
に「オープンソースソフトウェア ( OSS ) を活用した高品質なプログラム開発がで
きる」技術者の育成を目指し、1 年次に各要素技術の習得を徹底するとともに、2
年次には要素技術を活用して実際のシステム開発プロセスを体験している。また、
多くの授業で、グループでのディスカッションを伴う実習を行っている。
さらに、ソフトスキルについては、地域企業の協力を得て、プレゼンテーション
やディスカッションの機会などを多様に設定し、技術者等から直接指導をいただい
ているところであり、これらについて継続・充実を図っていく。
③ 就職実績等を踏まえた学生の確保
本科学生の出身高校は、工業系が 53%、商業系が 16%、普通科が 31%と他科と
比べ多様であるが、就職先の職種は、ほとんどがシステムエンジニアやプログラ
マー、生産技術などの技術系であり、学生は概ね希望分野に就職できている。
今後とも、入学した学生についての情報提供を行うなど、工業系・商業系・普通
科など分野・領域にかかわらず、高校の教員や生徒が興味を抱くような工夫をこら
し、本科に対する理解の促進を図りながら、学生の確保を図っていく。
普通科
31%
その他
事務系 12%
9%
工業系
53%
技術系
79%
商業系
16%
入学生出身学科(平成 22~24 年度)
卒業生就職先(平成 23~25 年度)
15
(4)建築環境システム科
本科は、開校当初から“建築がわかる設備技術者”
“設備がわかる建築技術者”の
育成を目標としているが、
「設備」に強い“全国でも珍しい学科”として地元設備業
界にも評価され、建設業界の不況の際の就職決定率 100%維持・確保につながって
いる。一方で、2級建築士の受験資格を得られることや地元に残る学生が多いこと、
現場志向であることなどから、地元建築企業からの期待も大きい。
このため、
「建築」と「設備」の進路バランスに配慮するとともに、建築系学科の
ある工業高校からの志願者を増やす観点からも、「建築」「設備」それぞれの進路希
望の学生が興味深く実践力を身に付けられるよう、次の取組みを進めていく。
① 学生の進路に応じた教育と学生・就職先の確保
本科関連の工業高校の廃科が相次ぎ、学生の確保が課題となっている。また、卒
業生は、ほとんどが建設業界や関連業種に就職しているが、開校後 10 年は建築と設
備の割合が概ね半々であったのに対し、その後の 10 年では建築:設備=29%:66%
となっており、建築系の割合が減ってきている。
その他
17 人
(5%) 建築系
126 人
設備系
(37%)
198 人
(58%)
卒業生全体
(平成 6~25 年度)
その他
9人
(5%)
設備系
94 人
(51%)
その他
8人
(5%)
建築系
81 人
(44%)
設備系
104 人
(66%)
建築系
45 人
(29%)
1~10 期生
11~20 期生
(平成 6~15 年度)
(平成 16~25 年度)
建築環境システム科の卒業生の進路
今後は、
「建築」と「設備」の進路に応じて、より興味深く、実践力を身につけら
れるよう、次の教科について「コース選択制」を採用する。
○産業技術論:進路に合わせ、必要な資格取得を考慮した内容とする。
○仕様及び積算:現在の設備系の内容を、建築と設備のコース別とする。
○総合実習(仮称、新規):建築と設備のコース別の施工実習とする。
なお、業界からの要請が強く、メンテナンス志望者等の就職のキャリアアップに
もつながる冷凍空調について、施工実習の1グループとしての実施を検討する。
また、企業実習が、希望系の企業で実施できるよう、
「建築」と「設備」のバラン
スのとれた受入企業の確保に取り組んでいく。
今後も、設備系企業との協力関係の維持とともに、2級建築士受験資格(卒業後の
実務経験不要)が卒業生に付与されるなど、「建築」についての実践技術者育成の状
況・実績を建築系企業にPRし、就職先の確保を図る。
また、学生募集に際しては、特に建築系学科のある工業高校に対して、これらの
16
点について丁寧な説明を行っていく。
さらに、建設業界人としての“感性”も求められているところであり、デザイン
のプロや建築家による特別講義も取り入れていく。
② 建設業のイメージアップと希望者の確保
建設業界は、就職希望者が少なく、希望者についても全国大手の建設業やハウス
メーカーに流れ、地元に戻ってこない状況にあり、建設業界全体のイメージアップ
が課題となっている。子どもたちに、建設業の重要性や素晴らしさ、やり甲斐など
を伝えていくため、高校はもとより、小・中学校にも出向いて説明するなど、イ
メージアップを図る取組みについて、建設業界の理解と協力をいただきながら推進
し、希望者の確保を図る。
③ 資格取得等の取組み
本科では、1年次には技能五輪地方大会(配管職種)ヘの参加を通じた2級配管
技能士、2年次には2級管工事施工管理技術検定の学科試験と、ともに合格率 80%
を目指し、資格取得に取り組んでいる。
人
人
16
16
14
14
12
12
10
10
8
8
6
6
4
4
2
2
0
17期生
18期生
(平成22年度卒業)
19期生
0
16期生
20期生
21期生
(平成26年度卒業予定) (平成21年度卒業)
技能五輪地方大会(配管職種)
17期生
18期生
19期生
20期生
(平成25年度卒業)
2級管工事施工管理技術検定(学科試験)
資格試験合格者数の推移
技能五輪に関しては、工作実習において、ほぼ全員が配管職種に取組んでいる。
練習を積み重ね、本番に時間内で完成できた時の達成感・満足感は、学生を一回り
大きく強くしている。また、昨今の空調システムの変化(冷温水による中央方式か
ら冷媒による個別方式へ)に対応して、メンテナンス志望者等を対象とした冷凍空
調職種の指導体制を整え、企業在職者を含めて、技能五輪への参加を図る。
2級管工事施工管理技術検定については、今後も合格率 80%を目標として取り組
むとともに、管工事・電気工事に加え、建築工事・土木工事の施工管理技術検定の
指定学科としての認定に取組む。その認定と検定受験は、建築系・土木系に進む学
生の目標・励みとなり、スキルアップや学生の確保にも寄与すると考えられる。
これら技能五輪や資格取得に向けた取組みを通じて、学生の就職の際等における
キャリアアップとともに、社会人としての素養の涵養を図っていく。
17
(5)産業技術専攻科
産業界では、以前にも増して、より高いレベルの固有技術や管理技術、さらにはコ
ミュニケーション能力やリーダーシップなどが求められてきている。
本科は、短大卒等の学生のスキルアップと社会人を対象としたリカレント教育の場
として、高い問題解決能力をもち、組織のリーダーとなりうる実践技術者の育成を目
指している。企業現場の具体的な課題解決等、意欲と問題意識をもって積極的・主体
的に教育訓練を受ける場合などにおいては、成果をあげている事例も多く、評価を受
けているが、次の課題があって、その解決の必要がある。
○短大卒等の学生にとっては、就職時における給与等の実際のキャリアアップにつ
ながりにくい。
○企業在職者にとっては、1年間教育・訓練を受けることは時間的な面等で制約が
あり、企業の実情にそぐわない。
本科に対する要請に応えるとともに、課題の解決を図るため、次の取組みを進めて
いく。
① 企業や学生の要請に応えるコースの再編成とカリキュラムの充実
製造業における生産管理や改善の必要性は高く、これに対応するため、
「マネージ
メント情報コース」を「ものづくり改善コース」に発展・改組し、工程を解析・改善・
検証して生産管理システムを構築できる技術者及び作業員の能力向上と多能工化※15
を実現するための動作解析・プロトコル分析 ※16 を駆使できる技術者の育成を図る。
また、組込み技術者の育成については、知能電子システム科において対応してい
ることから、
「組込みシステム技術コース」を「課題対応コース」に統合し、現場が
抱える課題解決に必要な高度な組込み技術の教育・訓練等について、本科の「課題
対応コース」で対応を図る。
なお、本科では、企業が抱える問題を分析・改善・検証し、問題解決能力や対応
力を養うとともに、研究発表会や関連企業を交えた勉強会においてプレゼンテー
ションを重ねることなどを通じて、課題解決能力やコミュニケーション能力を向上
させ、対応力に優れた実践技術者やグループリーダーとしての素養を養ってきた。
このようなオーダーメイドのカリキュラムを編成してのマンツーマン教育は専門課
程や OJT※17 では得ることができない経験の場となっており、これまで多くの実践技
術者やリーダーを輩出してきたところである。今後も、企業との共同研究等の機会
を増やし、実践的教育の一層の充実を目指していく。
※15 多能工化:一つの工程だけでなく、複数工程の作業を受け持つことができるようにすること。
※16 プロトコル分析:作業員等の言葉から、その人が何を考え行動しているかを分析する手法。
※17 OJT:具体的な業務を通じて、必要な知識・技術・技能・態度等を習得させる教育・訓練のこと。
② 公開講座の受講履歴の単位認定等を通じた社会人等の負担軽減
公開講座については、「ものづくり改善」、「機械系」、「電子情報系」、「情報系」、
「建築系」などに整理し、専門課程や本科のカリキュラムとの分野・領域の整合を
18
図ったところである。
企業在職者が、1 年を通して業務から離れて教育・訓練を受けることは難しいた
め、公開講座の受講履歴を訓練時間に換算する等により本科の単位として認定する
ことを検討し、社会人等の本科入学の際の負担軽減を図っていく。
また、在職者等の職場での課題研究や、ポリテクセンター※18、山形県工業技術セ
ンター※19 における講座等のうち、本科の講座を代替しうるものについて、本科訓練
時間への換算の検討・実施を図る。
なお、キャリア形成促進助成金の活用など、企業負担の軽減について検討する。
※18 ポリテクセンター:求職者や在職者を対象にした短期間の職業能力開発施設である「職業能力
開発促進センター」のこと。本県では山形市に設置されている。
※19 山形県工業技術センター:県内の工業全般に関する技術水準の向上を目的として県が設置した
技術支援機関。本校に近接し、企業との共同研究、技術支援・相談等における協働や設備
の相互利用、教員・研究員の交流等を進めている。
現行
今後の方向性
○リカレント教育
○産業技術専攻科(社会人等)
・産業技術専攻科
マネジメント情報コース
組込みシステム技術コース
単
位
認
定
ニーズに基づ
くコース変更
課題対応コース
ものづくり改善コース
課題対応コース
*
○専門課程(高卒対象)
・技術セミナー(仮称)
機械システム系:デジ・メカ
知能電子システム科
電子情報セミナー
情報システム科
公開
講座
ネットワーク,
経済性分析
約
14
単
位
分
実
施
公
開
講
座
の
体
系
化
○専門課程
機械シ
ステム
系
建築CAD,建築設備
社会人への教育・訓練
情報系
建築系
建築環境システム科
公開
講座
電子情報系
*
公開
講座
機械系
単
位
認
定
単
位
認
定
*
公開
講座
ものづくり改善
生産性・品質・安全性
向上コース
3次元CAD,材料,
マシニング
他機関
ポリテクセンター山形 能力開発セミナー
工業技術センター 製造企業技術者研修
*単位認定については,ルールづくりが必要.
デジタルエンジニアリング科
メカトロニクス科
知能電子システム科
情報システム科
建築環境システム科
専攻科のコース改編と公開講座の体系化
③ 就職時のキャリアアップにつながる教育訓練への改善・発展の検討
短大卒等の学生が本科へ進学しても、キャリアアップにつながりにくいという課
題があるため、本科の役割と成果について、一層の企業への周知を図り、本科の
キャリア上の位置づけが確固としたものとなるよう努めていく。
また、本科は、現在専門短期課程に位置づけられているが、前述した応用課程の
設置についての検討の際には、本科を応用課程や応用短期課程に発展的に改組する
ことも含めて検討していく。
19
5
学科や定員のあり方等
平成 22 年度の学科改編後は、本校への志願倍率は全体として向上しており、就職
決定率も、改編後に入学した学生は3年続けて 100%を達成している。これらを踏ま
え、学科構成や定員のあり方等についてまとめると、以下のとおりである。
2.0
※H27 は一般前期まで
※H27は一般前期まで
倍率
1.5
%
100
95
(
(
学
科
改
編
1.0
学
科
改
編
90
)
)
0.5
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
85
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
就職決定率の推移
志願倍率の推移
(1)学科等
産業界の要請や企業ニーズ、高等学校からの意見等を踏まえながら、教育訓練内
容を見直した結果、学科改編後は、各学科とも、概ね学生の確保とともに、想定し
ている分野への就職が図られてきている。今後、本報告を踏まえ、学校経営や学科
経営における改善措置・対応を適確に実施し、産業界や高等学校等の本校に対する
理解・信頼の確保と現行の学科の定着・発展を期する。さらに、教育分野・内容に
ついては、地域や時代の要請を踏まえ、今後とも適時・適切に検討を加え、対応を
図っていく。
また、学科の名称については、例えば、「デジタルエンジニアリング科」や「知
能電子システム科」は、学科改編当時は斬新な名称だったが、その後理解が広まり
つつある。知能電子システム科では、「電子」という名称がついたことで、電子・
電気関連の企業からの求人が増加したという効果もあった。その他の学科の名称に
ついても、学科の内容を適確に表し、定着しているところであり、これを継続し、
一層の理解を図る。
なお、専攻科については、本報告に述べた取組みを着実に進めていく。
(2)定員
専門課程については、平成 22 年度の学科改編以来、定員の充足、就職希望者の就
職決定率 100%を達成している。しかしながら、高校卒業者数は減少を続けており、
学生の確保が困難になってきている。一方で、県外大学への進学が多い中、本校は、
県内に残りたい学生の受け皿となっている。また、県内の工科系・技術系の高等教
育機関の県内就職率は低く、県内産業界からの本校卒業生に対する期待は極めて大
きい。これらを踏まえ、専門課程の各学科については、現行の定員を維持する。
産業技術専攻科については、課題があり、応用課程への発展を含め、本報告に述
べた検討と対応を適切に実施することとし、当面、現行の定員を維持していく。
20
人
※平成25年までは、当該年3月の卒業者数。平成26年からは、
「社会の変化に
対応した県立高校の将来のあり方について 報告書(概要版)」(平成26年7
月 県立高校の将来の在り方検討委員会)Ⅳ参考資料「中学校卒業(予定)者
数の推移」より当該年3月の卒業者数を推計。
平成
山形県の高校卒業者の推移(推計)
(3)基本理念等
本校教育の基本理念、求める学生像、教育・育成の重点目標及び育成する人材像
と教育の重点事項については、理念等の普遍的な部分について尊重しつつ、産業界
の要請等を踏まえ、適時・適切に検討・見直しを行ってきているところであり、今
後とも適切な対応を図る。
(4)進行管理と改善
本報告は、本校がものづくり産業の担い手を育成し、本県産業界に送り出すとい
う使命を今後も果たしていくために、取り組んでいくべき方向や内容をとりまとめ
たものであるが、その着実な実施のためには、不断の進行管理・改善が必要である。
また、産業界のニーズ、学生の声等を常に把握し、教育や研究の分野・内容に反映
していかなければならない。本校では、アンケートの実施等、学生の声の把握に努
めているが、前述した FD や SD 等の取組みの検討・対応を適確に進め、カリキュラ
ムの再構成や教育内容の充実、授業の改善等につなげていく。
なお、国の「教育再生実行会議」第五次提言(平成 26 年7月3日)では、義務
教育期間等の見直しや小中一貫教育の制度化などと併せ、質の高い職業人養成を図
るための「実践的な職業教育を行う高等教育機関の制度化」を提言しており、また、
職業能力開発大学校・短期大学校から大学への編入学について検討するとしている。
具体的な内容・施策についての詳細は不明であるが、本校の今後のあり方に大きく
影響することが予想されるので、動向把握に努め、適切な対応を図る。
また、次のような目標を設定し、定期的に検証していく。
〔学生の確保〕 平成 22 年度の学科改編後、定員は概ね充足してきたところであ
るが、今後もこれを継続する。
〔就職先の確保〕 平成 22 年度の学科改編後就職決定率 100%を達成してきたが、
今後も 100%若しくは、これに近い達成率を継続する。
21
〔資料編〕
教育方針
本校は、次に掲げる3つの目標の達成を基本理念とし、これに基づき、情勢の変化に
合わせて適宜見直しながら、「求める学生像」、「教育・育成の重点目標」、「育成する人
材像と教育の重点事項」を次のとおり定めている。
1 基本理念
○ 地域産業に密着した人材育成機関とする
○ 開かれた短期大学校とする
○ 地域産業の技術開発に貢献する
2 求める学生像
○ ものづくりへの興味・関心
発想が豊かで、柔軟性があり、新たな価値・モノを創造しようとする情熱のあ
る人
○ 挑戦しようとする積極性と実行力
好奇心、感性にあふれ、積極的、主体的にいろいろなことにチャレンジし、実
行できる人
○ 社会に貢献しようとする心
異なる考え方や文化を尊重するとともに、地域を愛し、社会に貢献しようとす
る意欲のある人
3 教育・育成の重点目標
○ 実践技術者の育成
実験・実習等を通じて、工学的知識の基礎の上に論理的に「モノ・コト」を組
み上げて行く力を身につけることにより、産業界の変化や最新の技術にも柔軟に
対応できる技術者を育成する。
○ 創造的で個性的な技術者の育成
少人数教育制度を活かして学生が主体的に学習することにより、理論に裏付け
られた実践力と柔軟な発想力・創造力を養い、創造性豊かで個性的な技術者を育
成する。
○ 地域産業界との緊密な連携に基づく人材育成
教員の積極的な企業訪問等を通じて、企業現場の実態把握と産業界の人々との
交流や協働を促進しつつ、地域の産業界が求める人材、地域の発展の推進力とな
る人材を育成する。
22
○ より高度な実践技術者の育成
企業の現場における課題を解決できる高度な実践技術者・リーダーを育成する
ため、産業技術専攻科(1年制)において、専門課程の卒業生及び社会人に対し、
実践的な課題解決のための学習を実施する。また、在職者の技術習得、ス キ ルア ッ
プのため、公開講座の実施等を通じて、短期の訓練等を行っていく。
4 育成する人材像と教育の重点事項
高度な知識と技術を兼ね備え、時代と地域産業の要請に応えた技術開発や計画・
設計のできるものづくり産業の担い手の育成を目指している。
○ 技術の基礎から計画・設計、製作・施工までを体系的に学習し、基本的な知識・
技術を習得する。
○ PC や CAD 等の教育実習機器、設備等を駆使し、実践的な技術・技能を習得する。
○ 実験・実習等を通じて、工学的考察及び技術的問題解決能力を身につける。
○ 共同作業を通じて、コミュニケーション能力や協調性・主体性・リーダーシッ
プ等、組織人・社会人としての素養を培う。
○ 多様な発表や意見交換の機会等を通じて、基本的なプレゼンテーション能力を
身につける。
○ 企業実習や工場見学、競技・展示会参加等により地域産業や企業の状況、技術・
技能の水準・動向について理解・考察するとともに、将来的に管理者・経営者と
なる素養を養う。
○ 自学・自習の訓練等を通じて、新しい時代の新しい技術を自ら自律して学んで
いくことができる。
23
志願者・入学者の状況
科
名
平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
募集定員
10
10
10
10
10
デジタルエンジ
志願者数
15
13
7
20
13
ニアリング科
合格者数
12
10
11
14
12
入学者数
12
10
10
13
10
募集定員
20
20
20
20
20
メカトロニクス
志願者数
22
28
33
23
17
科
合格者数
21
24
21
22
17
入学者数
20
18
20
20
17
募集定員
30
30
30
30
30
知能電子システ
志願者数
35
41
29
37
28
ム科
合格者数
32
32
30
33
33
入学者数
31
31
29
32
31
募集定員
20
20
20
20
20
志願者数
47
40
41
53
36
合格者数
24
22
22
26
27
入学者数
21
21
20
20
26
募集定員
20
20
20
20
20
建築環境システ
志願者数
18
10
25
21
20
ム科
合格者数
21
13
24
23
19
入学者数
18
12
22
23
17
募集定員
100
100
100
100
100
志願者数
137
132
135
154
114
合格者数
110
101
108
118
108
入学者数
102
92
101
108
101
募集定員
10
10
10
10
10
志願者数
6
5
1
1
2
合格者数
6
5
1
1
2
入学者数
6
5
1
1
2
情報システム科
合
計
産業技術専攻科
注)合格者には、第2、第3志望での合格者が含まれているので、志願者数を上回る場合がある。
24
高校別入学者数
(専攻科を除く。)
入 学 者 数
高 校 名
平成22年度
平成23年度
平成24年度
22
平成25年度
12
平成26年度
山形工業高校
22
25
山形中央高校
2
2
3
2
上山明新館高校
6
10
9
12
10
天童高校
1
2
3
2
1
山形商業高校
1
1
2
2
1
霞城学園高校
1
1
2
2
2
山形城北高校
3
3
1
1
山形学院高校
1
1
2
日本大学山形高校
1
1
1
山形明正高校
21
1
1
山形電波工業高校
1
1
1
山本学園高校
5
1
5
2
4
東海大学山形高校
1
寒河江高校
3
寒河江工業高校
谷地高校
村山産業高校
1
8
18
11
11
3
1
1
5
3
1
2
1
4
4
1
4
5
12
9
12
7
6
北村山高校
3
新庄北高校
2
1
新庄南高校
新庄神室産業高校
1
16
左沢高校
楯岡高校
2
4
3
1
1
1
2
2
1
1
1
新庄東高校
1
米沢興譲館高校
1
米沢東高校
1
2
1
5
2
5
2
5
米沢工業高校
3
1
米沢商業高校
2
置賜農業高校
1
南陽高校
3
5
5
2
4
高畠高校
1
3
5
1
2
九里学園高校
2
米沢中央高校
1
1
長井高校
2
長井工業高校
2
6
7
7
小国高校
1
鶴岡南高校
鶴岡工業高校
1
鶴岡中央高校
1
庄内農業高校
1
1
1
1
酒田光陵高校
1
1
1
鶴岡東高校
1
酒田南高校
1
山形養護学校高等部
県外・高認
合
1
1
2
計
1
102
92
101
1
108
101
注)村山産業高校はすべて旧東根工業高校。酒田光陵高校の平成 23 年度は旧酒田北高校、平成 24 年度は
旧酒田工業高校。
25
就職の状況
卒業者数
年
度
学科名
就職希望者数
総
男
女
総
男
女
数
子
子
数
子
子
求
人
倍
率
(倍)
就職決定者数
総
男
女
数
子
子
就
職
決
定
率
(%)
進
学
者
数
メカトロニクス科
19
18
1
16
16
0 3.33
16
16
0 100.0
3
情報管理システム科
27
21
6
21
16
5 3.25
16
12
4
76.2
6
情報制御システム科
28
25
3
27
24
3 3.04
22
19
3
81.5
1
建築環境システム科
22
21
1
20
19
1 3.13
20
19
1 100.0
2
計
96
85
11
84
75
9 3.17
74
66
8
88.1
12
産業情報専攻科
3
3
0
2
2
0 5.00
1
1
0
50.0
1
メカトロニクス科
23
23
0
22
22
0 3.21
22
22
0 100.0
1
情報管理システム科
25
18
7
24
17
7 2.87
22
16
6
91.7
1
情報制御システム科
23
20
3
22
19
3 2.36
22
19
3 100.0
1
建築環境システム科
12
11
1
12
11
1 3.89
12
11
1 100.0
0
計
83
72
11
80
69
11 2.94
78
68
産業技術専攻科
6
5
1
4
3
1 3.00
4
デジタルエンジニアリング科
12
12
0
12
12
0 2.20
平
メカトロニクス科
17
17
0
17
17
成
知能電子システム科
26
25
1
25
23
情報システム科
18
15
3
年
建築環境システム科
15
13
度
計
88
産業技術専攻科
平
成
21
年
度
平
成
22
年
97.5
3
3
1 100.0
2
12
12
0 100.0
0
0 3.38
17
17
0 100.0
0
24
1 2.25
25
24
1 100.0
1
16
13
3 2.83
16
13
3 100.0
2
2
14
12
2 2.38
14
12
2 100.0
1
82
6
84
78
6 2.59
84
78
6 100.0
4
4
2
2
1
1
0
-
1
1
0 100.0
3
デジタルエンジニアリング科
10
10
0
8
8
0 2.88
8
8
0 100.0
1
平
メカトロニクス科
18
18
0
16
16
0 3.06
16
16
0 100.0
2
成
知能電子システム科
32
29
3
30
27
3 2.20
30
27
3 100.0
2
24
情報システム科
22
14
8
22
14
8 2.09
22
14
8 100.0
0
年
建築環境システム科
12
9
3
12
9
3 3.92
12
9
3 100.0
0
度
計
94
80
14
88
74
14 2.63
88
74
14 100.0
5
産業技術専攻科
1
1
0
1
1
0 2.00
1
1
0 100.0
0
9
9
0
8
8
0 2.50
8
8
0 100.0
1
度
デジタルエンジニアリング科
10
平
メカトロニクス科
20
20
0
20
20
0 2.45
20
20
0 100.0
0
成
知能電子システム科
30
29
1
28
27
1 2.61
28
27
1 100.0
2
25
情報システム科
17
17
0
16
16
0 2.94
16
16
0 100.0
0
年
建築環境システム科
17
14
3
17
14
3 4.35
17
14
3 100.0
0
度
計
93
89
4
89
85
4 2.96
89
85
4 100.0
3
産業技術専攻科
1
1
0
0
0
0
0
0
1
0
-
注) 産業情報専攻科及び産業技術専攻科の卒業者数は、在職者数を含む。
26
-
就職先・進学先一覧
学科
平成21年度
※印 : 県外の勤務地
平成22年度
デ
エジ
ン タ
ジル
ニ
ア
リ
ン
グ
科
メ
カ
ト
ロ
ニ
ク
ス
科
情
報
制
御
シ
ス
テ
ム
科
情
報
管
理
シ
ス
テ
ム
科
建
築
環
境
シ
ス
テ
ム
科
就職希望者
就職決定者
就職決定率
伊藤電子工業(株)
(有)江口産業
(株)コヤマ
(株)三協製作所
(株)鈴木製作所
タムス・ファーム・ウェアー(株)
㈲鶴岡製作所
(株)東北クリスタル
(株)トプコン山形
(株)メドテック
八千代田精密(株)
山形クリエイティブ(株)
(株)山本製作所 山形工場
米沢電線(株)
※(株)ウィング
※自衛官(2等空士)
*東北職業能力開発大学校 2名
*四国職業能力開発大学校
芦野工業(株) 2名
磐田電工(株)山形工場
(株)エクセルソフト
エンベデッドソリューション(株)
(株)カネト製作所
朝日金属工業(株)
芦野工業(株)
(株)伊藤製作所
大蔵精機(株)
(株)片桐製作所
(株)カネト製作所
(株)管製作所
光洋技研(株) 山形工場
サニー精工(株)
(株)三協製作所 山形工場
(株)鈴木製作所
タムス・ファームウェアー(株)
東ソー・クォーツ(株)
日本GT(株) 山形工場
ハッピー工業(株)
(株)メドテック
八千代田精密(株)
山形螺子工業(株)
(株)山本製作所 山形工場
※東北電力(株)
※マースエンジニアリング
伊藤電子工業(株)
エンベデッドソリューション(株)
(株)ケーズファクトリー
(株)小森エレクトロニクス
(株)小森マシナリー
(株)ザクタテクノロジーコーポレーション
(株)ザクタテクノロジーコーポレーション
(株)東北クリスタル
(株)サンユー技研
(株)山陽精機 2名
東北電化工業(株)
(株)所沢軽合金
日本GT(株) 山形工場
ハイメカ(株)
パナソニック(株)AVCネットワークス社
浜井電球工業(株) 2名
山形クリエイティブ(株)
農事組合法人りぞねっと
凌和電子(株)
和光電機通信工業(株)
※(株)ウィング 2名
※(株)ソリトンシステムズ
※東北電力(株)
※日本リーテック(株) 2名
※(株)ビッツ東北事業所
*東北職業能力開発大学校
84
74
8 8 .1 %
12
0
96
その他
卒業者
(株)管理システム
産業情報
専攻科
就職希望者
2
知
能
電
子
シ
ス
テ
ム
科
(株)マイスター
(株)ヤマガタ共同
(株)山形電機製作所
凌和電子(株)
※(株)ソリトンシステムズ 2名
※東北電力(株)
※フジテック(株)
㈲石山設計事務所
(株)市村工務店
㈲オオホリ
黒澤建設工業(株) 2名
(株)弘栄システムエンジ
(株)齋藤管工業
(株)テクノカミオカ
東北電化工業(株)
内外緑化(株)
(株)名建工業
(株)山形企業 2名
(株)ヤマコン
※(株)建設工業社
※斎久工業(株)
※(株)千代田設備
※(株)テクス宮城
※(株)西原衛生工業所
※東日本ハウス(株)
*東北職業能力開発大学校 2名
進学者
メ
カ
ト
ロ
ニ
ク
ス
科
パナソニック(株)AVCネットワークス社
(株)安西経営会計事務所
(株)エフティコミュニケーションズ
(株)オーイシ
カルソニックカンセイ山形(株)
(株)システムフォーサイト 2名
(株)丹野園
(株)テクノ黒澤
(株)ニクニ 山形工場
日東ベスト(株)
日本NCRサービス(株)
(株)ハイテックシステム
(株)富士通山形インフォテクノ
(株)マイ・コンピュータ・ソフト
山形県商工会連合会
レクポート(株)
*東北職業能力開発大学校
*職業能力開発総合大学校東京校
*産業技術専攻科 4名
産業
技術
専攻
科
(株)IPネットサービス
(株)アーレスティ山形
特定非営利活動法人置賜のぞみ会
(株)きらやか銀行
(株)グラフイン
サカタ理化学(株)
サニー精工(株)
(株)三興製作所 山形工場
(株)三和罐詰
(株)鈴木製作所
医療法人社団清栄会
(有)月岡ホテル
西東北日野自動車(株)
日本アバカス(株)
日本GT(株) 山形工場
(株)富士通山形インフォテクノ
(株)マイ・コンピュータ・ソフト
レクポート(株)
(株)山形電機製作所
(株)山本製作所 山形工場
(株)YCC情報システム
和光電機通信工業(株)
*東北職業能力開発大学校
朝日工業(株)
安達設備工業(株)
(株)市村工務店
小野建設(株)
(株)斎藤管工業
(株)祥建設
(有)清野設備工業
大栄設備工業(株)
(株)フカセ
(株)山形企業
ユーケン工業(株)
平成23年度
学科
情
報
シ
ス
テ
ム
科
建
築
環
境
シ
ス
テ
ム
科
平成24年度
*印 : 進学先
平成2 5年度
クリエス精機(株)
啓装工業(株)山形工場
(株)コアタック
(株)斎藤金型製作所
(株)三協製作所 山形工場
(株)ダイ精研
東ソー・クォーツ(株)
東北アヲハタ(株)
(株)ニフコ山形
(株)マイスター
※(株)シントー
※フジテック(株)
芦野工業(株)
HMTシステムエンジニア(株)
大蔵精機(株)
(株)カネト製作所
(株)菅製作所
クロチュウ(株)
啓装工業(株)山形工場
京浜パネル工業(株)山形工場
光洋技研(株)山形工場
(株)東北技研
東北パイオニアEG(株)
パナソニック(株)AVCネットワーク社
(株)メドテック
八千代田精密(株)
山形日産(株)
山形螺子工業(株)
※東京綜合警備保障(株)(ALSOK)
啓装工業(株)山形工場
西道精工(株)
(株)山陽精機
(株)進興製作所
(株)ダイ精研
東北パイオニアEG(株)
(株)メドテック
山形航空電子(株)
*関東職業能力開発大学校
(株)荒井製作所
アリオンテック(株)
大蔵精機(株)
啓装工業(株)
京浜パネル工業(株)山形工場
パナソニック(株)山形工場
(株)マイスター
※(株)山本製作所(埼玉県)
*関東職業能力開発大学校
(株)遠藤製作所
(株)オーテイク
(株)片桐製作所
神町電子(株)
TPR工業(株)
東北電化工業(株) 2名
東ソー・クォーツ(株) 日東ベスト(株)
パナソニック(株)山形工場 ヒューレックス(株) 八千代田精密(株) 山形クリエイティブ(株) 2名
山形太平洋生コン(株)
※日産自動車(株)
*東北職業能力開発大学校 2名
オプテックス工業(株)
(株)カネト製作所 2名
(株)かわでん
(株)管製作所
啓装工業(株)
(株)三協製作所山形工場
サンリット工業(株)
三和罐詰(株)
(株)スペリア
(株)ダイユー
(株)タカハシ電工
タムス・ファームウェアー(株)
(株)天童木工
東北電化工業(株)
(株)東洋精機製作所
南陽精凾(株)
日産部品山形販売(株)
日本連続端子(株)
八千代田精密(株)
アヒコファインテック(株)
伊藤電子工業(株)
(株)エクセルソフト
(有)江口産業
(株)大風印刷
共生(株)
クリエス精機(株)
ケミコン山形(株)
(株)小森エレクトロニクス
アデコ(株)
(株)荒井製作所
伊藤電子工業(株)
(株)エクセルソフト
NECエンベデッドテクノロジー(株)
オプテックス工業(株)
(株)カネト製作所
共栄工業(株)
啓装工業(株)山形工場
サクサテクノ(株)
伊藤電子工業(株)
NECエンベデッドテクノロジー(株)
(株)グラフイン東北開発センター
啓装工業(株)山形工場 2名
三和罐詰(株)
タムス・ファームウェアー(株)
デュフーズドザクタ(株)
日東ベスト(株)
(株)ポール社
(株)マイ・コンピュータ・ソフト
(株)マイスター
丸菱食品(株)
山形EG(株) 2名
山形ガス管工(株)
(株)山形環境エンジニアリング
山形市水道サービスセンター
山形ゼロックス(株)
(株)山形電機製作所
山形パナソニック(株)
(株)吉田製作所
※(株)アトム
※(株)ソリトンシステムズ 2名
※日本NCRサービス(株)
※日本リーテック(株)
※(株)リョーサン
*産業技術専攻科
*関東職業能力開発大学校
(株)ザクタテクノロジーコーポレーション
(株)山陽精機
(株)ソリトンシステムズ
太平ビルサービス(株)山形支店
タムス・ファームウェアー(株)
(株)東北クリスタル
東北パイオニアEG(株)
(株)ニクニ アサヒ工場
ハイメカ(株)
ハッピー工業(株)
丸菱食品(株)
ミクロン精密(株)
(株)山形電機製作所
※(株)シントー
※セイコーエプソン(株)
※東北電力(株)
*職業能力開発総合大学校東京校
(株)伊藤熱処理
(株)カネト製作所
カルソニックカンセイ山形(株)
東北オフセット(株)
丸菱食品(株)
山形化成(株)
山形ゼロックス(株)
山形中央生コンクリート協同組合
(株)YCC情報システム
(株)YDS 2名
※(株)シントー 2名
※セイコーエプソン(株)
※(株)ソリトンシステムズ
*HAL東京校(夜間)
*東北職業能力開発大学校
(株)市村工務店
小野建設(株)
黒澤建設工業(株) 2名
(株)三協製作所 山形工場
(有)清野設備工業
大栄設備工業(株)
(株)テクノカミオカ
東北電化工業(株) 2名
(株)山形企業
地方公務員(山形市役所)
※(株)建設工業社
※(株)西原衛生工業所
*筑波大学研究生
(株)ザクタテクノロジーコーポレーション
(株)シーテック
第一光機(株)
タムス・ファームウェアー(株)
テン・ソフトウェア(株)
東北パイオニアEG(株) 2名
(株)ニクニ アサヒ工場
ハイメカ(株)
パナソニック(株)山形工場 (株)フジミ
(株)マイスター
丸菱食品(株)
ミクロン精密(株)
山形ガス燃料(株)
(株)ワイケイテック
和光電機通信工業(株)
渡辺ヒーティング(株)
※(株)コメリ
※日本リーテック(株)
*関東職業能力開発大学校
*職業能力開発総合大学校東京校
(株)アクティブクリエイト
芦野工業(株)
(株)荒井製作所
(株)エクセルソフト
NECエンベデッドテクノロジー(株)
技研(株)
高洋電機(株)
(株)システムフォーサイト
(株)殖産工務所
(株)DNP情報システム
(株)東北日立
(株)ニクニ山形工場
(株)日立建機カミーノ
丸菱食品(株)
ミクロン精密(株)
(株)ユトリア不二家
(株)YCC情報システム
和光電機通信工業(株)
※(株)コメリ
※(株)ソリトンシステムズ 2名
※タクトシステムズ(株)
(株)近江建設 (株) クリエイト礼文
黒澤建設工業(株) 2名
弘栄設備工業(株)
東北電化工業(株)
(株)東北日立
プラントサービス(株)
(株) 山形企業
(株)ヤマコン
※(株)三晃空調
※東京都済生会中央病院
(株)エクセルソフト
(株)エム・エス・アイ
(株)小森マシナリー
(株)シントー
進和ラベル印刷(株)
(株)ナウエル
フジクラ電装(株)
(株)富士通山形インフォテクノ
(株)マイ・コンピュータ・ソフト 2名
(株)YCC情報システム
(株)YDS
和光電機通信工業(株)
※(株)ソリトンシステムズ 2名
※タクトシステムズ(株)
(株)市村工務店
(株)クリエイト礼文
黒澤建設工業(株) 2名
(株)弘栄システムエンジ
弘栄設備工業(株)
後藤建設(株)
三和メイテック(株)
(株)新庄・鈴木・柴田組
(株)高松木材
(株)テクノ黒澤
東北電化工業(株) 2名
(株)本多建設
山形建設(株)
※(株)丹野設備工業所
※日本ビルコン(株)
80
78
9 7 .5 %
3
84
84
100%
4
88
88
100%
5
89
89
100%
3
0
83
0
88
1
94
1
93
1
0
(株)カネト製作所
三和罐詰(株)
テクノ・モリオカ(株)
(株)グラフイン東北開発センター
(株)ニクニ 山形工場
山形酸素(株)
4
1
27
山形県立産業技術短期大学校「学科編成等検討委員会」設置要綱
山形県立産業技術短期大学校
(目的)
第1条 平成 24 年 3 月に山形県商工労働観光部より示された本校の見直し方針(中間
報告)中、課題として指摘のあった事項(学科や定員のあり方、山形大学工学部や鶴
岡工業高等専門学校との連携等)に加え、学校運営の方向性について検討していくた
め、山形県立産業技術短期大学校学科編成等検討委員会(以下、「委員会」という。)
を設置する。
(構成)
第2条 委員会は、企業、高校関係者及び大学関係者等の外部有識者委員並びに県雇用
対策課及び本校教職員により構成する。
(検討テーマ)
第3条 委員会で検討するテーマは以下のとおりとする。
1)教育や研究等の方向性について
2)育成する人材像について
3)学科及び定員のあり方について
4)企業や高校、山大・鶴高専をはじめとする高等教育機関、試験研究機関等との連
携促進について
(専門部会等)
第4条 各専門分野における教科内容等方向性検討に資するため、必要に応じ分野毎の
専門部会を設けるとともに、企業との意見交換会を開催する。
(設置期間)
第5条 委員会の設置期間は、平成 24 年度から 26 年度とする。
附
則
この要綱は、平成 24 年 10 月 23 日から施行する。
28
産業技術短期大学校「学科編成等検討委員会」構成メンバー
【委 員】 (敬称略。委員等の所属・職名については、就任時の所属・職名による。
)
所 属
職
名
氏 名
伊藤電子工業株式会社
代表取締役社長
伊藤 勝男
株式会社エム・エス・アイ
代表取締役社長
金子 昌弘
学校法人富澤学園
理事長
内田 鍈一
県立山形工業高校
校長
板垣
県立上山明新館高校
校長
寒河江 茂
雇用対策課長
小関 正弘
校長
横山 正明
副校長(兼)事務局長
藤原 茂樹
巌
【山形県】
商工労働観光部雇用対策課
【産業技術短期大学校】
【前委員等】
黒澤建設工業株式会社
代表取締役社長
黒澤
洋
株式会社 YCC 情報システム
代表取締役社長
塩野 寿伸
県立山形工業高校
校長
渡部 慶蔵
県立上山明新館高校
校長
高野 昌二
県立上山明新館高校
校長
三澤 裕之
商工労働観光部雇用対策課
産業人材育成主幹
阿部 茂夫
商工労働観光部雇用対策課
産業人材育成主幹
須貝 幸司
※ なお、本報告の策定にあたっては、委員のほか、委員の所属する企業等、本校教育研
究振興会会員企業や本県の高等学校、関係機関・団体など、関係者の皆様から意見をい
ただき、集約に努めた。
29
検 討 経 過
○山形県立産業技術短期大学校学科編成等検討委員会設置(平成 24 年 10 月 23 日)
○第1回学科編成等検討委員会(平成 24 年 10 月 23 日)
・委員会設立趣旨及び検討内容について
・学校概要等について
○第2回学科編成等検討委員会(平成 25 年3月8日)
・平成 25 年度入学試験実施状況及び平成 24 年度卒業生の就職の状況について
・産業構造の変化について
・本校の動きについて
・前回委員会での意見・指摘事項に係る本校の現状及び検討方向(イメージ)について
○第3回学科編成等検討委員会(平成 25 年7月5日)
・これまでの議論を踏まえた課題認識、対応方向について
○第4回学科編成等検討委員会(平成 25 年9月 11 日)
・
「山形県立産業技術短期大学校の学科や定員のあり方等に関する報告書(中間報告)
」
(案)
について
○産業技術短期大学校創立 20 周年記念式典の開催(平成 25 年 10 月5日)
・
「山形県立産業技術短期大学校の学科や定員のあり方等に関する報告書(中間報告)
」
(案)
公表 出席者に配付、あわせて教育研究振興会会員企業に送付、意見聴取
○中間報告(案)について県民からの意見公募(パブリックコメント)を実施(平成 25 年 10 月 10
日~10 月 24 日)
○学科編成等検討委員会から産業技術短期大学校校長に対し「山形県立産業技術短期大学校の
学科や定員のあり方等に関する報告書(中間報告)
」提出(平成 25 年 11 月 14 日)
○産業技術短期大学校校長から山形県知事に対し「山形県立産業技術短期大学校の学科や定員
のあり方等に関する報告書(中間報告)
」提出(平成 25 年 11 月 15 日)
○第5回学科編成等検討委員会(平成 26 年7月 22 日)
・これまでの経過について
・中間報告を踏まえた対応状況と中間報告後に寄せられた意見等への対応方向について
○第6回学科編成等検討委員会(平成 26 年 10 月9日)
・
「山形県立産業技術短期大学校の教育・訓練と今後の方向-学科や定員のあり方等に関する
報告-」(素案)について
○「山形県立産業技術短期大学校の教育・訓練と今後の方向-学科や定員のあり方等に関する
報告-」(案)について県民からの意見公募(パブリックコメント)を実施(平成 27 年1月9
日~1月 23 日)
○学科編成等検討委員会から産業技術短期大学校校長に対し「山形県立産業技術短期大学校の
教育・訓練と今後の方向-学科や定員のあり方等に関する報告-」提出(平成 27 年1月 30 日)
○産業技術短期大学校校長から山形県知事に対し「山形県立産業技術短期大学校の教育・訓練と
今後の方向-学科や定員のあり方等に関する報告-」提出(平成 27 年2月4日)
30
山形県立産業技術短期大学校の沿革
平成4年10月
平成5年4月
平成7年3月
平成9年4月
平成15年4月
平成22年4月
全国初の県立短期大学校として山形県産業技術短期大学校の設置
が労働大臣より認可
開校(メカトロニクス科・情報制御システム科・情報管理システ
ム科・建築環境システム科の4学科)
第1期生卒業
庄内校開校
産業情報専攻科設置
学科改編
学科改編の概要
改編前
学科名(準則訓練科※)
改編後
定員
学科名(準則訓練科)
新設
メカトロニクス科
(機械システム系メカトロ
ニクス技術科)
20
情報制御システム科
(情報システム系情報技術科)
30
情報管理システム科
(情報システム系情報処理科)
30
建築環境システム科
(居住システム系建築設備科)
20
継続
産業情報専攻科
10
名称変更
見直し
準則訓練
科変更
改編
機械シ
ステム
系
定員
デジタルエンジニアリング科
(機械システム系生産技術科)
10
メカトロニクス科
(機械システム系制御技術科)
20
知能電子システム科
(電子情報制御システム系電子情報技術科)
30
情報システム科
(情報システム系情報技術科)
20
建築環境システム科
(居住システム系建築設備科)
20
産業技術専攻科
10
※準則訓練科:職業能力開発促進法施行規則別表第6に規定する訓練科のこと。
平成25年10月
平成26年3月
設立 20 周年式典開催
第 20 期生までの卒業生総数 1,825 名
山形県立産業技術短期大学校
〒990-2473 山形市松栄二丁目2番1号
TEL 023-643-8431 FAX 023-643-8687
URL http://www.yamagata-cit.ac.jp/
31
さんぎたん
32