商品政策(PDF:約501KB)

商品政策
2016 年 2 月 16 日
1.わたしたちがめざすのは「くらしに笑顔」です。
1995 年のICA総会で、
『協同組合の定義』として「共同で所有し民主的に管理する事業体を
通じ、共通の経済的、社会的、文化的ニーズと願いを満たすために自発的に手を結んだ人々の自
治的な組織である」と定められました。これは協同組合が「事業を通じて、くらしのニーズや願
いを実現すること」を目的に存在していることを意味しています。
いずみ市民生協は、組合員が力を合わせてくらし(生活と健康)を守るために設立されました。
― 安全で、満足していただける鮮度・品質・価格の商品提供 ― その商品を利用すること
で生まれる「くらしに笑顔」、それがいずみ市民生協のめざしているものです。
2.商品供給事業の基本的な考え方
供給事業を通じてくらしに笑顔をお届けします。
(1)安全をお届けするために 最大限の努力を行います。
組合員・消費者が生協(コープ)に求めるのは、なによりも『安全・安心』です。
いずみ市民生協は、安全確保のとりくみと正確な情報公開・コミュニケーションに最大限の努
力を行います。
①最新の科学的知見や技術に基づいて、安全確保に努めます。
②商品の安全に関する情報を、広報誌およびホームページで公開します。
③リスクコミュニケーションの視点で、組合員と積極的にコミュニケーションを図ります。
(2)普段のくらしに必要な品ぞろえと家計を応援する価格を実現します。
①組合員がふだんのくらしで必要とする商品が、必ずそろう売り場を実現します。
②組合員が求める品質と『その品質に納得の価格』での提供をめざします。
(3)供給事業への組合員参加・参画を広げます。
供給事業を発展させていくには、組合員のより積極的なかかわりが不可欠です。そのため組
合員参加を具体的に保障するしくみと、運営を民主的にすすめる努力が必要です。また組合員
でない方(未加入や脱退された方)の声も含めた「声」の把握と分析が必要です。
①生協の事業に組合員の声や要望を反映させるため、『声を実現・事業委員会』を設置してい
ます。
1)スマイルコープの取り扱い・見直し改善・取り扱いの中止について話し合い、理事会に
報告します。
2)商品普及に関して、組合員視点での提案や調査・モニタリング活動などにとりくみます。
3)組合員の声にもとづき、コープきんき開発商品などの改善活動にとりくみます。
4)宅配のしくみや店舗の品揃えについても利用者視点での提案活動にとりくみます。
②産直事業の推進に向け、産直商品をより広範な組合員に普及・学習することを目的に、産直
委員会を設置しています。
1)新たな産直産地(産直商品)について協議します。
2)事業実績に基づき産直産地の評価をします。評価結果に基づき、継続の可否を協議しま
す。
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③業務組織によるモニター制度やアンケートなども必要に応じて実施します。
1)商品開発時にアンケートを実施します。
2)
「試食メイト」による試食会やeフレンズ会員さんからのネットアンケートなどを実施し、
その結果は必要に応じて組合員にお知らせします。
3)メッセージカード(みみより)を活用して、商品に関しての組合員の声を積極的に収集し、
商品改善や普及に生かします。
④消費者の動向、広範な組合員の声を正確に把握し、分析し、政策化します。
利用実績、クレーム、組合員の声、定期的な他のチェーン店の調査と分析などをすすめま
す。
3.食品安全プログラム
いずみ市民生協は、安全確保のとりくみと正確な情報公開に最大限努力します。
(1)食品安全プログラムはいずみ市民生協の取扱商品の安全管理及び品質管理のプログラムで
す。
①食品安全プログラムは、コープ商品や産直商品だけでなく、いずみ市民生協がお届けするす
べての商品を対象にしています。
②商品供給の全行程のリスク管理を行います。
③リスク管理は「品質管理」と「リスク(安全)管理」の視点で行います。
食品の安全を確保するには、従来の品質管理だけでなく、意図的な犯罪行為からのディフェ
ンス(防御)という視点も不可欠です。
④食品安全プログラムの運用・管理は「総合マネジメントシステム」に沿って行います。
(2)食品安全プログラムの構成
商品お届けまでの各工程の「管理プログラム」と、それをトータルで監視する「監視プログ
ラム」
、それぞれのプログラムを確実に運用するための「管理基準」、
「組合員コミュニケーショ
ン」で構成しています。
(A)食品安全管理プログラム
項目
対象部署
コンシェルジュ部署
1-宅配商品調達管理
宅配商品 G
2.店舗商品調達管理
店舗商品G
3-宅配物流センター管理
宅配事業部
4.店舗物流センター管理
店舗事業部
5.共同購入センター管理
宅配運営G
運輸部
6.店舗管理
店舗事業部
店舗事業ストアーオペレーション部
7.商品事故管理
品質管理G
8.商品検査管理
商品検査センター
9.クライシス管理
品質管理部
10.食品表示管理
品質管理G
11.組合員コミュニケーション管理
声の実現G
12.安全・品質教育管理
人事・教育G
物流部
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(B)食品安全監視プログラム
1.監視
と是正
① リスク抽出と分析による重点管理項目設定
② 基準とモニタリングによる監視と不適合是正
③ 総合マネジメントシステム監査による適切性確保
2.監視関連
会議
① 品質向上委員会
事
品質管理部
② 取引先評価委員会
務
品質管理部
③ 店舗衛生委員会(株コンシェルジュ)
局
Con 店舗事業部
④ 商品事故緊急対策本部
部
品質管理部
⑤ クライシス対策本部
署
品質管理部
(C)食品品質・
表示管理基準
1. 食 品 品 質
①
微生物管理基準
管理基準
②
食品添加物管理基準
③
農薬,動物用医薬品管理基準
④
食品の放射性物質管理基準
①
食品表示基準
2. 食 品 表 示
(管理部署)
品質管理部
管理基準
(3)
『食品安全プログラム』の広報
①『食品安全プログラム』およびそのとりくみは積極的に組合員広報し、情報公開に努めます。
②定期的な組合員交流会を実施し、ご意見・要望等をお聞きします。必要な内容はプログラム
に反映します。
4.商品の取り扱いについて
(1)品揃えと品質・価格の基本的な考え方
①宅配、店舗の業態を問わず、ふだんのくらしに必要な商品を商品分類中のライン単位で確実
に品ぞろえします。
1)商品分類について
部門、ライングループ、ライン、クラス、カテゴリー、SKUに分類します。
部門
ライングループ ライン クラス
カテゴリー 単品(SKU)
農産
野菜
サラダ とまと
桃太郎
1玉、3玉
ミニトマト
果物
水産
2)単品(SKU:stock keeping unit)
単品とは、商品の物理上の最小単位です。消費者から見れば、商品の違いがわかる最小
単位で、とまと1玉、3 玉といったものです。
3)クラス(品目)とカテゴリー
クラスとは、農産で言えば、きゅうり、とまと、といった野菜の種類(品目)のことで、
桃太郎や豊福、サンロードなどの品種をカテゴリーというくくりで、区分けします。
3
4)ライン
ラインとは、同じ用途や使用方法での商品のまとまりのことをいいます。農産で言えば、
サラダ(食材)といったものを指します。
②ラインを単位に『品ぞろえ計画』
(マーチャンダイジング)を作成します。
ラインは、メニューや用途の単位で、利用しやすさ(ex.売り場をさがす時に迷わない等)
を基本に区分けします。
1)「利用しやすさ」と「選びやすさ」という視点で、食生活の変化に合わせて見直します。
2)市場動向(他生協や他のスーパーマーケット)との比較調査をします。
3)ふだんのくらしに必要な単品を確実にそろえます。
4)現状で支持の高いクラスと最近利用が伸び始めたクラスを重点に提供します。
5)くらしの変化や利用実績に応じて、品種や単品を変更または追加します。
③ライン内の単品構成は、組合員の求める品質(グレード)で、買いごろの価格と使いやすい
提供単位を重視します。
1)価格構成は、選びやすいように、上限下限を決め価格数をしぼり、中心価格を明確にし
ます。
2)量目・規格・サイズは、商品特性や生活シーンに応じて、必要な単位を中心に配置しま
す。
④単品ごとの利用実績や市場の動向に基づき、適時に品ぞろえを改善しつづけます。
1)組合員の声や要望など、くらしのニーズに基づいて品ぞろえの改善をすすめます。
2)ホット商品(世の中で人気の商品)は時機を逸せず品ぞろえします。
3)くらしのお役立ち(貢献度)を高めるために、市場動向や利用実績(マーケットシェア)
に応じて、
「商品政策」に基づき、必要な変更を継続的に行います。
(2)特定商品を安易に「不売」することはしません。
①商品取り扱いの前提は、法令を順守し、食品安全プログラム上、問題が無いことです。
②特定の企業が社会・企業倫理に反した時は、その企業の商品の取り扱いを継続するか継続す
べきでないかの判断を慎重に行います。
③判断の内容は、組合員に知らせます。
その判断・結論に至った経過と論拠を組合員に分かりやすく、お知らせします。
④特定の企業が社会・企業倫理に反し、不祥事が報道され、社会問題化した場合の商品取り扱
いについては、以下の項目を確認の上、理事会で判断します。
1)取り扱い判断ができる情報が、公開されていること。
2)法令違反が無いこと。
3)食品安全プログラム上、問題が無いこと。
以上の項目が確認できる場合、取り扱いを継続することを前提に理事会議論をすすめます。
*企業が企業倫理や社会的・道義的責任を問われた場合も、当該企業およびその取引先まで、
多大な影響を及ぼす社会的制裁となるような「不売」という行為については、慎重に判断し
ます。
(3)新商品導入の流れ
①メーカー・産地の評価(複数での比較)
②宅配での取扱商品の内、スマイルコープおよびスマイルシリーズは「商品仕様書」の確認を
行います。*商品仕様書:使用する原材料や添加物、その配合等の詳細を明らかにしたもの
③供給および供給剰余予測
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④検査証明書等の取り寄せまたは検査センターでの事前検査
⑤必要に応じた品質管理レベルの現地点検(特に新規採用メーカー)
⑥商品の確認・試食(必要に応じて試売を実施)
⑦部内会議もしくは責任者との検討・判断
⑧商品登録
⑨供給開始
(4)理事会の新規取扱商品確認ルール
①スマイルコープ(いずみ・わかやま共同開発商品)の新規開発・廃番は、理事会の『協議事項』
とし事前協議の上で決定します。
②産直産地の登録・取り消しは、理事会の『協議事項』とし事前協議の上で決定します。
1)農水産物の新規取扱および廃番は、理事会の『協議事項』とします。
2)畜肉(精肉)および畜産加工品、水産加工品に関しては、報告事項とします。
③スマイルシリーズおよびコープきんき事業連合調達のコープ商品の新規取扱は、理事会への
『報告事項』とします。
(5)ブランド配置の考え方
コープ商品とともにNB(一般ブランド)商品を配置・陳列します。
①NB 商品はトップブランド(一般ブランド品の№1)を含む複数ブランド配置を基本としま
す。
②NB商品や市場品についても品質管理を徹底します。
③NB商品からコープ商品へ利用を切り替えていただくことを大切にします。
コープ商品の品質や価格の優位性について、組合員に伝わるような表示をします。
(6)欠品と代替品の考え方
①店舗
1)全営業時間にわたって、必要とされる品ぞろえをめざします。
2)一般食品と非食品分野での欠品ゼロをめざします。
3)生鮮と日配の分野では、主要商品、または主要カテゴリーの欠品ゼロをめざします。
②宅配
1)全注文品の確実な配達に努力します。
2)産地や取引先での欠品や商品事故の場合は、可能な限り代替品を用意します。
3)代替品供給の際には、代替品でありかつ返品可能である旨を正確に表示します。
(7)特売(プロモーション)価格の考え方
NB商品は価格で競争力を発揮します。コープ商品は商品の設計段階で、
「高品質志向」ある
いは「低価格志向」で価格対抗力を持たせており、安易に特売はしません。
①生鮮品は市場相場に柔軟に対応します。同時に可能な限り安定的な安さを追求します。
②NB商品はセールを含めた競合対応の価格設定とします。
③プロモーション(利用促進や店内企画)と価格について
1)店舗と宅配は別業態であり、そのプロモーションは個々に企画し、それぞれ制約されない
ものとします。
2)品質に見合った適切な価格を基本にしながら、競合対応・利用促進を行います。
3) 店舗のプロモーションは、競合店との関係で個別店舗ごとに設定します。店舗ごとに商
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品価格が異なります。
(8)取引先の考え方
①取引先の選定
1)取引先の選定は、規模の大小や、組織形態(ex.株式会社、協同組合等)にかかわらず、
商品や技術そのものの評価に基づきます。
2) 法令順守と社会的信頼維持機能の有無、企業経営と組織体質(情報公開など)の健全性
を必要条件とします。
[経営者の考え方(理念)
・経営状況・労務問題調査・主取引関係調査]
②商品取引先評価委員会を設置し、取引先の評価を客観的に行います。
1)商品取引先評価委員会メンバーは品質向上委員会出席メンバーとします。
2)商品事故の頻度や内容に基づいて評価します。
3)評価の結果に基づいて、是正勧告や改善指導、供給・取引中止を判断します。
③取引関係
1)組合員利益と生協経営を最優先することはもちろんですが、合理性のある範囲の取引条
件とします。
2)社会的常識をわきまえた取引先との関係を保ち、なれあいや物が言えない関係はつくり
ません。
3)商品分野ごとに複数取引先を原則に、主力と準主力と補助を設定します。
4)リスクを分散させるためと生協との緊張関係維持のために、特定の取引先に集中するこ
とは避けます。
5)商品分野ごとに、取引先にとっての生協のシェアが 30%を超えないこと、また、生協に
とっての取引先シェアが 30%を超えないことを基本とします。
(9)表示の考え方
①表示は消費者が商品を選択するための「知る権利」を保証するもので、
「わかりやすく」
「正
確」でなければなりません。
②表示は法律を順守します。
③商品の内容や品質に関する表示に限らず、セールスコピーやマーク、シリーズ名称なども正
確さを第一とし、誤解を招くような表示はしません。
④日本生協連・コープきんき事業連合開発のコープ商品は国の表示基準に上乗せした(選択に
役立つ、より丁寧な)「表示基準」を持って、運用しています。
⑤いずみ・わかやま市民生協は、スマイルコープおよびバスケットプラス等独自紙面と店内の
表示に関して、独自の基準を定め、運用します。
・「食品安全プログラム」に「食品表示管理基準」を規定します。
・この基準は食品の品質に関わる表示を対象としています。
・主な項目
1)一括表示 2)食品添加物表示 3)アレルギー物質表示
4)遺伝子組換え食品表示 5)栄養成分表示 6)カロリー&食塩相当量表示
5.食品中の化学物質(食品添加物、残留農薬、動物用医薬品)につい
ての考え方
6
(1)食品のリスクを評価し、管理する社会的仕組みが整備されました。
①生協は自らが安全な食品を供給するということにとどまらず、「食品の安全」のために社会
のしくみを変えることが重要と考え、全国の生協と力を合わせて消費者の立場に立った食品
安全行政の実現にとりくんできました。
②そのとりくみが実り、2003 年に食品安全基本法が制定されました。食品安全基本法は 1)
国民の健康が保護されることが最も重要であるという基本認識の下に、2)食品供給の行程
の各段階において、3)国際的な動向および国民の意見に配慮しつつ科学的な知見に基づき、
食品の安全性の確保のために必要な措置が講じられることを基本理念としており、国や地方
公共団体、食品関連事業者の責務と消費者の役割が示されています。
③食品安全基本法により、リスク評価機関として食品安全委員会が設置され、国としてのリス
ク分析の体制が整備されました。
④食品に意図して使う化学物質(食品添加物や残留農薬、動物用医薬品)の国の基準は、食品
安全委員会の科学的で客観的な評価を基に作られています。その基準を基に厚生労働省と農
林水産省、環境省、消費者庁がリスク管理を行っています。
(2)食品中の化学物質(食品添加物や残留農薬、動物医薬品)の評価・基準は、国の基準に基
づきます。
①現在、国が管理する食品添加物の中で、食品の安全を理由に使用すべきでない食品添加物は
ありません。また、農薬や動物用医薬品に関しても、正しく使用されていれば、食品にはほ
とんど残留しないか、健康に影響しない量に抑えられています。
②国の基準の中で製造・流通している限りにおいて、食品に意図的に使用されている化学物質
における「健康被害リスク」は無視できるレベルと考えます。
(3)生協は、商品の安全提供に最大限の努力を行っています。
「食品のリスクに 100%安全はない」ということと「安全は基準だけで担保できるものでは
ない」と考えます。
いずみ・わかやま市民生協では 2009 年より、総合的な食品の安全確保のしくみ「食品安全
プログラム」の運用をはじめました。「食品安全プログラム」は、従来の「品質管理」だけで
なく「フードディフェンス(防御)」という視点もあわせ持った総合的な安全管理のプログラ
ムです。農場・工場から流通、販売・お届けまで、すべての工程でリスク管理を行い、利用者
への安全な商品提供に努めています。
(4)いずみ・わかやま市民生協の「食品添加物に関する商品取扱基準」
「NB商品の取り扱い」については、添加物に関する独自の基準を持ちません。
よって、国の基準に基づいて流通している食品を、特定添加物の使用を理由に取り扱わない
ということはありません。
(5)プライベート(独自)商品であるコープ商品は、引き続き、生協独自の食品添加物基準を
持って、開発・管理します。
(6)日本生協連(コープきんき)コープ商品の「食品添加物基準」
①日本生協連は専門家と日本生協連からなる「食品添加物研究会」を設置して、独自の評価を
実施しました。
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②リスク評価の結果、日本生協連として自主的な管理が必要でありかつ管理可能な食品添加物
を「不使用添加物」と「使用制限添加物」に分類しています。
(7)スマイルコープ(いずみ・わかやまのオリジナルコープ商品)の「食品添加物基準」
①日本生協連の「食品添加物基準」に基づいて、商品開発します。
「不使用添加物」と「使用制限添加物」はその基準に従います。
②新規商品はコープ・ラボ(商品検査センター)で仕様確認します。
(8)残留農薬、動物用医薬品についての考え方
①どちらも、農業・畜産には欠くことのできない重要な資材です。
②2003 年の食品衛生法改定に基づき、2006 年から「ポジティブリスト制度」が施行され、原
則すべての農薬、動物用医薬品について残留基準が設定されました。基準を超えて食品中に
残留する場合はその食品の販売等を禁止できるようになっています。
③正しく使われていれば、健康に影響しない量に抑えられます。
④農薬の使用はできるだけ控えるべきと考えます。
基準通り使用されていれば、健康に影響するような残留量ではありませんが、以下の理由で、
できるだけ減らした方がいいと考えます。
その理由は 1)自然界や生態系への影響の心配
2)作業者の事故や健康被害の心配
3)害虫や雑草の耐性問題の心配
(9)独自の農産物の認証制度は持ちません。JAS 法の「有機農産物の日本農林規格」や「特別
栽培農産物に係わる表示ガイドライン」などの公の基準を基本とします。
(10)いずみ市民生協としての農産物の安全担保
法令等で決められた基準に沿って生産されているかどうか検証できる農産物の取り扱いに努
めます。
①いずみ市民生協の取り扱い農産物は、一般栽培農産物も含めて、商品検査センターの抜き打
ち検査の対象です。『検査をして安全を確かめる』ということはもちろん、検査があるとい
うことでの牽制効果と検査結果を改善・指摘に活かせます。
②産直産地を増やします。
農産物品質保証システムで管理された産直産品の取り扱いを増やします。
(11)食品リスクの最新情報の収集に努めます。
科学は日々進歩します。科学的知見も変化することがあります。また、新しいリスクが指摘
されることもあります。日々、食品の安全をめぐる情報を収集すると共に、食品安全委員会の
「安全性評価」と行政の「管理施策」を注視し、必要な場合には意見を述べます。
(12)リスクコミュニケーションを推進します。
①食品添加物や農薬に関する基本的な情報をわかりやすく提供します。
②食品の安全に関する組合員の意見を収集すると共に、意見交換をすすめます。
6.遺伝子組換え食品の品揃え・取り扱いに関する考え方
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(1)食品中の化学物質(食品添加物・残留農薬・動物用医薬品)同様に、遺伝子組換え食品に
ついても、リスクを評価し、管理する社会的仕組みが整備されています。内閣府の食品安全委
員会が安全性の評価(食品健康影響評価)を行います。最新の科学的知見に基づく評価の結果、
その安全性に問題がないと判断した食品を厚生労働省が公表し、管理しています。
(2)認可された遺伝子組換え作物の食品としての安全性については、食品安全委員会等で十分
に評価が行われており、健康被害リスクは無視できるレベルと考えられます。
(3)認可された遺伝子組換え作物・食品の取り扱いに制限を加えるようなことはしません。
(4)産直産地の飼料に関しても、遺伝子組換えかどうかは問いません。
(5)「遺伝子組換え食品」に対して不安をいだく消費者もいる中、カタログ紙面や売り場では、
消費者が選択できるように表示します。
NB商品は、国の表示基準に則って表示します。コープ商品は国の表示基準に上乗せした(よ
り丁寧な)
「遺伝子組換え表示基準」を基に運用します。
(6)遺伝子組換え作物による環境や生態系への影響はまだ十分に研究されているとはいえませ
ん。栽培に関しては慎重に進める必要があると考えます。
7.コープ商品とは
(1)コープ商品は、組合員のくらしに役立ち、よりよくするために作られた生協の独自商品(P
B商品)です。組合員の声に応える商品であり続けることが存在意義です。
そのために、絶えず競争商品と品質、価格、役割について比較検証し、より優れた商品に改
善し、新しい商品価値を提案し、組合員に伝える努力を続けます。また、リスク管理や品質管
理に不断の努力を行い、安全を保障し、組合員の「信頼」に応えていきます。
(2)コープ商品は一つです。
日本生協連のコープ商品もスマイルコープも「お届けしたい価値」は同じです。
(3)コープ商品のメッセージは「笑顔をお届けします」です。
「コープ商品をお届けすることで、あなたに笑顔をお届けしたい」というのが、わたしたち
の思いです。
(4)コープ商品というブランドとして、消費者に約束する価値
コープ商品がこれまでも大切にしてきた「価値」を、あらためて「五つの約束」というかた
ちで宣言します。
①安全と安心を大切に、より良い品質を追求します。
安全でより良い品質をめざし、安心のために正直なコミュニケーションに努めます。
・原料調達、商品の生産から組合員宅に届くまでの過程において、科学的観点から重要なリ
スクに着目して、品質管理、食品防御の努力を重ねます。
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・利用者が納得して繰り返し利用できる品質を維持します。
・誰にでも使いやすい商品設計、商品の選択と適切な利用に役立つわかりやすく読みやすい
表示を実現します。
②くらしの声を聴き、価値あるものをつくります。
いつもくらしに寄りそって、願いや想いを受け止めて、価値あるものを作ります。
③想いをつなぎ、共感を広げます。
つくる人と使う人の想いをつなぎ、顔が見え、心が通う商品に育てます。
④食卓に、笑顔と健康を届けます。
健康を気づかい、使いやすく、家計にやさしい商品で、おいしい笑顔と心豊かなくらしを
つくります。
・
「おいしさ」
「健康づくり」
「便利さ・使いよさ」
「楽しさ・心地よさ」
「低価格」を追求しま
す。
⑤地域と社会に貢献します。
環境や人と社会に配慮した商品で、豊かな食と地域のつながりをつくります。
(5)日本生協連のコープ商品の開発・配置方針
レギュラー商品とサブブランド商品を配置します。ふだん使いの商品(レギュラー商品)が
中心となりますが、おいしさにこだわったコープクオリティなどのサブブランドも配置します。
①レギュラー商品
1)ふだんのくらしに役立つレギュラー商品がコープ商品の中心(80~90%の構成)です。
2)「確かな品質をお求めやすく」の商品コンセプトをもとに、価格の安さを実感できる商品
として開発します。
3)レギュラー商品も特徴のある商品にはマークをつけて選びやすくします。
・国産素材マーク
「国産素材を積極的に使用したい」という願いに応えて開発した商品です。
・健康配慮マーク
栄養素補給やカロリーカット、減塩、野菜がとれるなど、健康を配慮した商品です。
マークと合わせて、健康価値の具体的な内容がパッケージでわかるようにします。
*この後のマーク展開は未定
②サブブランド商品
1)ふだん使いではなく特別なニーズに対応した商品です。
2)コープクオリティ
美味しさの追求はコープ商品の最重点課題であり、第一弾として、美味しさを追求した
コープクオリティの開発と供給が始まっています。コープクオリティは「おいしさの基準」
を明確にした商品です。
・おいしさの理由が明らか
・他の商品との違いが明らか
・100 人規模の組合員テストで、8割以上の方が「おいしい」といった商品です。
3)現在検討中のサブブランド
・ひと手間で便利
・子供と一緒に
8.スマイルコープ
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(1)スマイルコープは、いずみ・わかやま市民生協のオリジナルコープ商品です。
①いずみ・わかやま市民生協の持つ独自のつながりや条件を活かして、開発したコープ商品で
す。
②いずみ・わかやま市民生協の独自媒体のみで企画します。
(2)スマイルコープのコンセプト
スマイルコープは「おいしさ」を追求したコープ商品です。
①おいしさの理由が明らかです。
②他の商品との違いが明らかです。
③だれもが認めるおいしさです。
「だれもが認めるおいしさ」の保障として、開発時、「味のモニタリング」を実施します。
500名以上の組合員参加でブラインド試食を行います。競合する商品との味の比較で、
65%以上の好評を得ることを開発の条件とします。
(3)コンセプトの具体化
①おいしさのために「素材と製法」にこだわります。
1)食品本来のおいしさを大切にした製法にこだわります。
2)河内、泉州、なにわ、紀州の伝統の味も大切にします。
3)主原料は(日本国内に無いものは別として)国産にこだわります。
4)素材の良さを生かすために、見た目や日持ちをよくするための食品添加物(着色料や保
存料等)はできるだけ使用しません。
食品安全行政が確立される前、「できるだけ食品添加物を使わないコープ商品を開発して
ほしい」という声を受けて、開発されたのが、無塩せきのハムやソーセージ、無着色のたら
こ、保存料を使わない漬物です。これらの商品は、組合員の声で生まれ、組合員の普及活動
によって育てられた商品で、組合員の思い入れのある商品です。また、「不使用」を実現す
るために、加工や保存・流通技術を改善したり、良質の原材料を使用するなどの努力を行い、
他にない価値を持った商品です。こうした組合員の声で生まれ、育ててきた商品を引き続き
大切にします。
②「つながり」を活かして開発・見直し改善をすすめます。
1)いずみ・わかやま市民生協の組合員の声が届き、一緒に商品づくり・見直し改善のとり
くみができる産地やお取引先と一緒にすすめます。
2)スマイルコープの取り扱い・見直し改善・取り扱いの中止については、
「声を実現・事業
員会」で話し合い、理事会に提案します。
(4)スマイルシリーズ指定商品
①「かつて生協として不使用にこだわってきた添加物」を使用していないNB商品をスマイル
シリーズに分類して、スマイルマークを付けます。
②対象添加物は、スマイルコープで使用を控えている発色剤と着色料、保存料です。
③ハム・ソーセージと練り物(ちくわ、かまぼこ等)、漬物に限定して実施します。
(5)組合員の声による商品開発
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組合員の声の商品開発への反映は、コープ商品の大きな価値です。いずみ・わかやまの組合
員の声の反映は、スマイルコープだけに限定せず、日本生協連・きんきコープ商品にも反映さ
せます。
9.スマイルコープの開発と管理
スマイルコープの開発・改善は、業務組織上の検討を経て提案され、組合員組織による各段
階での評価を受けて決定します。
(1)開発・改善のテーマの設定
①組合員の商品への苦情や要望の系統的分析
②声を実現・事業委員会や総代懇談会、各種委員会からの声
③くらしの実態や業界動向、競合比較の調査
④単品ごとの実績分析
⑤商品構成と併せた検討
(2)業務組織が専門的検討を行います。
①メーカー・産地の評価(複数での比較)
②品質管理レベルは現地点検を実施します。
③供給予測・供給剰余予測を行います。
④業務組織の会議(商品会議)での承認を得ます。
(3)
「商品開発・変更計画兼報告書」に基づいて商品設計や試作等の検証に入ります。
①取引先への開発依頼
・仕様書の確認
・生産ロットと製造能力上限の確認
*生産ロット:一度に生産している製品のまとまりを言う。例えば A 製品を 100 個まとめ
て生産しているとすると、この 100 個をロットという。
・試食・サンプル品の作成
②「声を実現・事業委員会」で話し合いができるように資料・試作品等を用意します。
③組合員調査
・アンケートやモニターなどを実施し、多くの組合員の意見・評価を反映させます。
(4)
「声を実現・事業委員会」での検討も踏まえて、理事会が、開発・改善を承認します。
(5)スマイルコープの管理
①スマイルコープは、開発後も定期的(1年に1度以上)および、適時に実績と仕様を点検し、
継続か改善、廃番を検討します。
②スマイルコープは、初回生産と出荷の現地点検を原則とします。
③商品特性に応じて、継続的に仕様確認や現地調査など必要な点検を行います。
(6)廃番を検討する条件
①過去2年間取り扱い実績の無い場合。
②利用点数が著しく減少した場合。
12
③利用数低下により生産ロットに満たない場合。
④嗜好性の高い商品や流行性の強い商品で、適正な供給時期が終了した場合。
⑤メーカーの都合等で生産が中止になった場合。
(7)廃番の手順
①廃番計画の立案
担当バイヤーが『商品廃番申請書』を作成します。
②廃番の申請内容を『声を実現・事業委員会』に報告します。
③業務組織の会議(商品会議)での承認を得ます。
④理事会に『声を実現・事業委員会』と『商品会議』の審議内容を報告し、承認を得ます。
⑤メーカー等と廃番手続きを行います。
⑥廃番登録を行います。
⑦取り扱いを終了します
⑧仕様書は1年間保管します。
10.コープ商品のリスク管理・品質管理
(1)原料から加工に至る生産製造の管理から流通、販売、さらに事故対応まで、生協はコープ
商品のブランド責任者としての役割をはたします。
(2)コープ商品の品質管理体系は、2008 年のコープ手作り餃子重大中毒事故を契機に見直しを
行いました。
①原料から製造・流通・消費までのフードチェーン全体をしっかりと管理します。
②故意の毒物混入に対する備えを強化します。
③日本生協連と会員生協が連携して、事故予防をすすめます。
④寄せられる声で事故の予兆をつかみます。
(3)コープ商品に関わる基準
①コープ商品は「商品基準」と「管理基準」を順守して開発されます。
「商品基準」は「品質基準」と「表示基準」に分けられています。
②「品質基準」は商品の安全性に関わる基準です。国の食品安全レベルのさらなる向上を促す
という考え方に立ち、法令等への上乗せ規定として定めて、運用します。
微生物基準や食品添加物基準、家庭用品成分基準、化粧品等成分基準、食品の容器・包装
基準などがあります。
③「表示基準」は 1)商品の内容と特性を正しく伝える表示 2)消費者が商品を選ぶときに
役立つ表示 3)消費者が利用しやすい表示、という 3 つの観点で定めています。
食品一括表示基準、食品添加物表示基準、遺伝子組換え表示基準、アレルギー表示基準、
栄養表示基準などがあります。
④「管理基準」は、商品開発改善、工場点検、取引先評価、商品検査、不適合対応など、コー
プ商品の品質・安全に影響を及ぼす各工程の手順とルールを定めたものです。
11.産直政策
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(1)いずみ市民生協・わかやま市民生協の『産直の目的』
①組合員の「安全でおいしい生鮮食品を」というニーズに応えます。
②生産者と組合員との幅広い交流をすすめます。
③食料自給率向上にとりくみ、日本の農林水産業を応援します。
④農林水産業がもつ多様な価値を認識し、豊かな地域社会づくりを応援します。
(2)産直産地の登録
①『産直の目的』に賛同し、産直産地基準を満たした産地を登録します。
②産直産地候補は産直委員会で協議・確認した後、理事会で『協議事項』として協議・確認し
登録を行います。
(3)産直産地基準
①組合員との幅広い交流を大切にする産地です。
②いずみ市民生協・わかやま市民生協の品質保証のしくみに対応できる産地です。
③自然環境や生き物を大切にする産地です。
④「産直確認書」を取り交わします。
(4)産直商品の品質保証のしくみ
①産直の品質保証は、日本生協連が定める「農産物品質保証システム」で管理します。
②生産記録(栽培や肥育・養殖履歴)の管理ができる生産者です。
③生協が計画的に、現地を検査・点検します。
④いずみ市民生協商品検査センターで、残留農薬および動物用医薬品等の定期的な検査を実施
します。
(5)産直商品の取り扱いについて
①『産直商品』は、
「産直確認書」を締結した産直産地で生産された商品です。
②生鮮品でも、商品の事前点検が可能で、生産体系が安定しており、規格や品質基準が明確な
場合は、スマイルコープ商品として開発します。
また、産直商品を原材料としたスマイルコープ商品の開発をすすめます。
③商品の全量引き取りや全部位消費等の総合取引を目的や条件にしません。
④価格設定のルールは商品特性ごとに設定します。
⑤品目ごとに産地を複数配置し、安定供給(供給量や供給時期)をめざします。
生産者との商品取引は、生産者の状況を加味しながら一定のシェア(概ね 30%以内)を設
定し、相互のリスク軽減に努めます。
⑥取引形態(商流)に関する取引条件を規定しません。
産直は生産者や生産者団体との直接取引を追及しますが、調達や加工、物流など取引形態は
前提とはしません。
(6)産直産地継続の確認
①産直産地として継続するかどうかの判断は、取引高や商品品質、産地の状況などにもとづき、
毎年産直委員会が行います。
②産直委員会で継続不可の判断がされた場合、理事会で産直産地の解除を協議します。
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12.商品供給における社会的責任
商品供給を通じて、持続可能な社会システムづくりに貢献します。
「CO2削減」「自然環境や生物多様性への配慮」「ゴミ削減・リサイクルの推進」「食料自
給率の向上」にとりくみます。
(1) 「環境配慮商品」の取り扱い拡大(開発)と普及にとりくみます。
① いずみ市民生協が考える「環境配慮商品」とは、
「CO2削減」
「生物多様性」
「リサイクル」
のいずれかに配慮された商品です。
② エコマークやMSC、FSCなど、社会的に認知された環境配慮商品基準に準じます。
・社会的に認知された外部の基準と仕組みを積極的に導入することで客観性を追求し、その
基準や仕組みの広がりとレベルアップに貢献します。
MSC…水産資源を将来にわたり持続可能に利用するために、魚を獲る量などを管理し、そ
の魚を流通させ、消費者に届ける認証制度
FSC…森林を適切に管理し、そのような森林から生産された木材を使って製品を作り、流
通させ、消費者に届ける認証制度
③ オリジナルコープ(スマイルコープ)の開発・リニューアルにあたっては、環境配慮の視
点も考慮してすすめます。
(2)
「産直」のとりくみを通じて、自然環境や生き物を大切にする農業や漁業、林業の維持・発
展や自給率の向上にとりくみます。
① 食料自給率向上にとりくみ、日本の農林水産業を応援します。
② 農林水産業のもつ多様な価値を認識し、豊かな地域社会づくりを応援します。
③ 自然環境の保全や環境に負荷をかけにくい生産に努める産地との提携を広め、そのとりく
みや商品を普及します。
・畜産における「エコフィード(食品残さを使用した家畜飼料)」「飼料米など国内飼料」の
活用をすすめる産地と提携します。
④ 有機や特別栽培だけを環境配慮とは考えません。
・圧倒的多数の一般生産者(㈱いずみエコロジーファーム等も含む)も、その産地の条件に
応じて、環境や生物への配慮にさまざまな努力をされています。その姿勢ととりくみが大
切だと考えます。
(3)食品リサイクル・ループのとりくみを拡大します。
① 食品リサイクル法に対応して、回収した生ゴミを肥料化し、それを活用して生産された農
産物を生協の店舗で供給する食品リサイクル・ループをすすめます。
・生ゴミの堆肥化は、㈱ハートコープいずみで行い、その堆肥を使って㈱いずみエコロジー
ファームや堺グリーンクラブ(取引先生産者グループ)で野菜を栽培します。
② 容器包装などの回収とそれら再生資源活用の商品や詰め替え・付け替え商品の開発・普及、
容器包装の軽量化、リユースなど、省資源・容器包装削減に役立つとりくみをすすめます。
・省資源・容器包装を削減した商品の利用拡大をすすめます。
(4)コープきんき事業連合との連帯の中で商品の環境配慮を広げます。
① いずみ市民生協が取り扱っている商品の多くは、コープきんき事業連合によって企画・開
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発・調達されているものです。商品を通じた環境負荷の低減をすすめるうえで、コープきん
き事業連合との共同は不可欠です。
② コープきんき事業連合における商品の企画・開発に環境配慮の視点が強化されるよう、事
業連帯の場で協議や働きかけをすすめます。
(5)地域の農業や食文化を守る商品、売り上げの一部が国際協力や社会貢献の募金、NGOな
どへの寄付となる寄付金付き商品、発展途上国の生産者に公正な賃金や労働条件を保証した価
格で商品を仕入れることを通じて、生産者や発展途上国の自立などに国際協力するフェアトレ
ードなど、商品購入を通じた組合員の社会参加について、日本生協連やコープきんき事業連合
と共同で研究を行います。
13.輸入食品についての考え方
(1)組合員のふだんのくらしに必要な商品を国産、輸入を問わず品ぞろえします。
(2)輸入食品の安全確保は、食品安全プログラムに則って、国産品と同じ基準で行います。
(3)輸入食品の確保に向けて
①組合員に安全な食料を安定的に供給するには、国内だけでなく海外も含めて、優良な産地と
の取引を拡大する必要があります。日本生協連・コープきんき事業連合とともに、安全性の
確かな調達ルートづくりや商品開発にとりくんでいきます。
②コープ商品の輸入食品について
日本生協連が、商品開発から調達、供給までの各プロセスを管理します。
(4)いずみ市民生協の安全確保・検査の体制
いずみ・わかやま市民生協の『商品検査計画』に基づき、微生物・添加物・残留農薬・動
物医薬品・遺伝子組換えなどDNAの定期検査を実施します。
効率的・効果的な安全確保のとりくみを図ることを目的に、毎年度、その時々の情勢や『輸
入食品の監視指導結果』など厚生労働省のデータ、いずみ市民生協の部内品質管理情報を基
に下記の重点事項を明確にします。
①検査対象の重点を明らかにします。
②重点検査商品群(輸入国・品種)を決定します。
③重点検査商品群ごとに検査項目、頻度を設定します。
④監視指導取引先・産地を明らかにします。
(5)国や行政に対して、輸入食品の監視体制のさらなる強化と、消費者の判断基準となる正し
い情報の提供を引き続き求めていきます。
輸入食品も含め、国内で流通・販売されている食品が日本の法制度を順守しているか確認す
ること、また、食品の安全性確保に関する事項の実態や動向を科学的見地から把握し、得られ
た情報を施策に反映すること等を日本生協連や全国の生協とともに国や行政に対して求めてい
きます。
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14.テナントについて
ここでいうテナント(Tenant)とは、いずみ市民生協の店舗施設内に出店している店舗とネ
ットショップいずみのサイト内の(仮想)店舗のことを指します。いずみ市民生協の力量で調
達や運営することが困難と思われるサービスや商品分野については、積極的にテナントを導入
します。
(1)テナントの運営責任は取引先(テナント運営主体)にあります。
①いずみ市民生協として、テナントの取扱商品(サービス)に制約は加えません。
②テナント建物内部の管理責任者は取引先とします。
(2)協賛やイベントなどのとりくみについて
生協との協賛やイベントなど全体運営に協力をいただくことを求める場合があります。参加
するかどうかは、あくまでも取引先の意思を尊重します。
(3)ネットショップ内のテナント
いずみ市民生協の宅配の自動振替の仕組みを活用する売り場のことで、それ以外は単に「リ
ンク先」とし、区別して考えます。テナントショップからは、賃料と決済の代行手数料代とし
てテナント料をいただきます。
15.洗剤の取り扱いについて
(1)洗剤についての評価
①現在市販されている洗剤の、界面活性剤の人体への毒性については、どの各界面活性剤とも
問題はありません。
②環境影響を考えた場合、どの洗剤も環境に何らかの負荷をかけ影響を与えることに変わりは
ありません。洗剤の環境負荷を減らすためには、洗剤の使用量を削減することが重要です。
③LASは生分解性が悪く、かつ全国での使用量が圧倒的に多く、河川中の濃度が高いため、
水生生物への影響が懸念されます。したがって現時点ではせっけん、高級アルコール系(A
S主体)洗剤を選択することが、環境影響を考える上で望ましいといえます。
④LASについては、過去人体への影響(催奇形性がある)があるとして、
『市場から排除す
べき対象』としてきましたが、人体への毒性がないことがはっきりし、下水道も普及してき
た現在は、市場から排除するような対象ではありません。
⑤市販洗剤もすべてがLAS主体ではありません。洗剤もブランドにとらわれずに、成分・配
合を見て、正しく評価することが求められます。
例えばアルファスルホ脂肪酸ナトリウムを主体としたものもあります。アルファスルホ脂
肪酸ナトリウムはLASよりも生分解性に優れており、低濃度で優れた洗浄力が得られると
する研究成果が報告されています。また、液体洗剤の分野では、市販の主ブランド品もセフ
ターも同じ主成分(AE)です。
(2)いずみ市民生協の洗剤政策
①いずみ市民生協の洗剤政策は、日本生協連の洗剤政策に沿ったものです。
②くらしの見直し活動など、洗剤の使用量削減を組合員に呼びかけていきます。
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③“よりよいコープの洗剤”の普及にとりくみます。より科学的な知識・判断を活動方針や商
品政策にフィードバックするとともに、正しい情報発信や学習活動等にとりくみます。
④よりよい洗剤の開発を日本生協連・各メーカーに要求していきます。
1)標準使用量の削減、2)生分解性がよく、3)毒性の低い成分の採用などによって水環境
への影響のより少ない洗剤の開発・改善を追求します。
また、使いやすさや経済性もあわせてバランスの取れた洗剤を追求することがよりよ
い洗剤の普及にとって重要と考えます。
⑤行政には下水道・合併処理浄化槽などの整備や水環境・洗剤に関する情報の公開も求めてい
きます。
(3)洗剤の品ぞろえについて
①洗剤は、コープの洗剤に限らず、市販品も含めた品ぞろえとします。
組合員の 90%以上の人が市販洗剤を利用されているというのが実態です。
②LASを主成分とする合成洗剤も含めた品ぞろえとします。具体的にはアタックとトップと
いったシェア率上位の商品(組合員が普段使われている商品)になります。
③洗剤を選択していただくための情報を分かりやすく提供します。
環境影響等の情報を適切に分かりやすく提供します。
16.物流について
(1)品質重視の物流をめざします。
組合員が必要とする商品を組合員が求める品質で提供します。
(2)物流についての基本的を考え方
①『物流サービスで組合員満足を実現する』という視点を大切にします。
『生産性の追及(コスト削減)
』とあわせて、
『物流サービス向上による、より強い競争力・優
位性の実現』を目指します。
②商品設計、調達から、組合員に届けるまでの物の流れを最適化します。
③『組合員満足のためには必要な投資は行う』という考え方を大切にします。
物流管理会計で損益管理を行い、適切に投資判断できるようにします。
(3)組合員が必要とする品ぞろえを可能にするために、その基盤である物流の施設やシステム
を整備・改善し続けます。
(4)宅配事業の物流
①「間違いなく商品を届ける」ことを優先課題としてとりくみます。
②農産品の品質向上・クレーム削減にとりくみます。
野菜・果物を安心して注文いただけるよう、鮮度を重視した物流を構築します。
(5)店舗物流
①売り場づくり、オペレーション(作業)改善を支え、組合員(来店者)満足を実現する物流
基盤とシステムの構築をすすめます。
②店舗事業全体のコスト改善をすすめます。
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