全日本少年サッカー大会北海道予選 決勝(2015/10/12)【報告者】

2015 全道大会 テクニカルスタディ
全日本少年サッカー大会北海道予選 決勝
優勝:SSS札幌サッカースクール
2015年10月12日
会場:恵庭市ルルマップ自然公園ふれらんど
準優勝:コンサドーレ札幌U-12A
【報告者】HFAテクニカルスタディグループ
世界基準を見据えた北海道サッカーの質の向上
各地区の長期リーグを経て北海道5ブロック予選を勝ち抜いた16チームが、恵庭市に集結した。
今回も準決勝の観戦と決勝の詳細な分析を通して、北海道の個の育成について考察した。
1.
大会の概要
2.
ゲームの傾向
今年度からこの大会への出場条件
と開催時期が大きく変更された。年間 (1)分析データ
ボールポゼッションの回数(4本以
を通した各地区の長期リーグの結果を
上連続してパスが通った回数)につ
反映させることが、主な変更内容とな
いて、1試合を通した両チームの合
っている。それにともなって北海道5
計は20回(前半16、後半4)で、昨
ブロック予選が春から秋(9月)へ、
年よりも倍増した。回数の多いチー
全道大会は6月から10月へと時期が
ムは14回で、昨年よりも10回近く
変更された。札幌4、道央、道南、道
多く、目標の目安(1チームあたり
東、道北からそれぞれ3チームが参加
10分で5回成功)としている数値に
し、計16チームによるトーナメント
近づいている。
という方式は変わらない。
シュート数は両チーム合計15(オ
8人制大会で、試合時間は40分
ンターゲット6、オフターゲット
(20分ハーフ)。1人の主審と1人
9)となり、昨年より3本少なかっ
の補助審判によって行われ、1・2日
たが、ゴール数は昨年の1に対して
目は1日1試合、最終日のみ1日2試
5と、大幅に増えた。
合を闘うレギュレーションとなってい
ミスパスの軌跡を解析すると、攻
るが、。
撃に偏りがあることがわかる。たと
今大会で優勝したチームは、12月
えば、Aチームの前半は、左サイド
25 29日に鹿児島県で開催される全
での攻撃が多く後半は右サイドが多
国大会に出場する。
くなった。また、前半は中盤より前
へボールを運べることが多かった
が、後半は自陣でボールを失うこと
が多くなった。Bチームは、前半は
ピッチを広く使ってボールを動かし
ならら攻撃していることがわかる
が、後半は中盤や自陣内で縦パスを
失うことが多くなった。
スローインの成功回数は両チーム
合計14回で、失敗は13回だった。
成功率50%以上を達成できた。
[1]
(2)成果
FOR
YOUR
DREAM
ポジション取り
それぞれの選手が
幅や厚みを考えたポジ
ションを取ることができていた。
攻撃時に味方選手同士の距離感を
考え、ポゼッションからバイタル
での攻撃を仕掛けようとする意図
が感じられた。
トランジション
決勝に残ったチームだけではな
く、この年代の選手では当たり前
のプレーとして身についていると
感じた。攻撃から守備への切り替
えではファーストディフェンダー
REGULATION
スケジュール
10/10:1回戦
10/11:準々決勝 10/12:準決勝・決勝
試合時間:40分(20−10−20)
主催者コメント
北海道4種委員長:神谷敦
今大会より長期のリーグ戦で出場
チームを決定する方式に変更された
ことで、昨年よりも充実した内容の
試合が多くなった。例えば、ボール
を積極的に奪いに行っているがファ
ールが少なく、ボールを正当に奪い
に行っている。一戦一戦が拮抗した
試合内容になっていると言える。
一人一人の選手のプレーに目を向
QUALITY
&
の決定が早く、ボールに対して集結
しボールを奪おうとする守備が随所
に見られた。また、守備から攻撃へ
の切り替えではFWの選手の動きだ
しのタイミングやサポートの選手の
ポジション取りが早く、DFの有効
なオーバーラップなども見ることが
できた。
積極的な守備
FWからの守備の意識が見られ
た。8人で守備を行い、8人で攻撃
するという基本的なチーム戦術と選
手の判断があり、そのベースとなる
球際の厳しさも当たり前のプレーと
して選手が実行していた。
3. 今後の課題
(1)スペースを意識した守備
がらの守備
INTENSITY
を状況に応じ
て判断していく
ことも必要ではない
かと感じた。また、3ラインを形成
しているチームが多かったが、ライ
ン間の距離・味方選手との距離が適
切であるかどうかの判断ができる選
手が少ないように感じた。
けると、各地区に光る素材は点在し
ているし、リーグ戦を経て力をつけ
ているチームはいくつかあると考え
ている。ベスト4に残っているチー
ムには、質の高い選手がより多く
っていたといえるだろう。札幌地区
から3チームが占める結果となった
が、札幌地区では力が拮抗したハイ
レベルなリーグ戦を行なっており、
その成果とも言えるのではないだろ
うか。地域差はあるが、いずれにし
てもリー
(2)ビルドアップ
選手それぞれがポジションを取り
ながらビルドアップを行おうとはし
ていたが、そのポジションから相手
選手や味方選手を見ながら意図的に
ポジションを変えてより有効な攻撃
へとつながるような動き出しが少な
いように感じた。どのような状況で
あっても選手やスペースを見ておく
ことやそれに基づいた判断ができる
選手が求められる。
1対1の守備や数的優位を作った
中での良い守備は随所に見られた
が、スペース(ゾーン)を意識しな
がらの守備ができないために失点を 4. GK
してしまう場面が見られた。人に対
(1)シュートストップ
しての守備と危険な場所を察知しな
今大会では、ペナルティエリア付
近からのミドルシュートが多く、際
どいコースやGKの目の前でバウン
ドする難しいボールに対して、ディ
フレクティングをするなどしっかり
とプレーできていた。ただ、課題と
しては、シュートを打たれる際に、
相手を見ながらプレーを予測して、
基本姿勢と構えるタイミングが整っ
ていれば、足を運んで、より安全確
実にプレーできる場面が見られたた
[2]
グ戦の成
果が表れ
た大会と
なった。
め、プレーの前における、良い準備
をする習慣が必要である。
(2)ブレイクアウェイ
相手選手からDFライン裏への
パスに対し、ペナルティエリア外
へ飛び出し、クリアまたは味方へ
のパスで対応する場面が多く見ら
れ、ペナルティエリア内では、相
手選手の足元にフロントダイビン
グをして、シュートを未然に防ぐ
など、DFと連携しながら、DF
ライン裏側をカバーできていた。
(3)攻撃参加
相手からボールを奪ったら、奪っ
たボールを味方やスペースに効果的
に配給し、ゴールを目指していきた
い。準決勝、決勝ではGKがビルド
アップして、攻撃するシーンが多
く見られた。またそのことは、G
Kの総プレー回数が74回に対
し、攻撃のプレーが64回と8
6.5%を占めていることから、
GKが攻撃参加に加わっている率
が高いことをうかがえる。
今後もGKが攻撃の起点として役
割を果たす場面を数多くするため
には、キックとスローの質を向上
させ、FPとの連携を取りなが
ら、GKがボールを奪ったらチー
ム全体が効果的に動き出し、ボー
ルを失わず相手ゴールを目指して
いくことが必要である。
5. まとめ
4種は試合環境が大きく変わり、
リーグ戦を主体とした育成により一
層目を向けていくことになった。し
かしながら、その試合内容と質、指
導者の意識と現場の指導、ゲーム環
境の整備は、まだまだ発展途上であ
る。今後、様々な角度から検証して
いく必要があると感じた。
また、今年度から、北海道とし
ての一貫指導の実現を目指して、強
化育成コンセプトをもとにして各方
面からアプローチしている。
HFA TSGとしては、大会分析とそ
の共有を通してその実現に貢献して
いきたい。
最後に、このTSGレポート作成に
あたりまして協力いただきました大
会及びチーム関係者の
方々に感謝申し上
PLAYERS
げ、お礼のことばと
いたします。ありが
FIRST
とうございました。
TSGメンバー
• 小林 俊也(チーフ・恵庭南高校)
• 伊藤 公(GK分析・コラソン Ke FC)
• 國田 英一郎
(ゲーム分析・北見高栄中学校)
• 大年 貴之
(データ解析・ベアフット北海道)
•柴田 晃宏(データ解析・東川中学校)
「相手を見ながらプレー」 「個を見つめ直す」 コンサドーレ札幌U-12 浅沼達也
SSS札幌サッカースクール 鈴木政裕
(決勝前)チームとしてはリーグ戦で個
の成長しか考えていない。どんなプレッ
シャーの中でもボールを受けて扱えるよ
うに育成を目指している。
大会に入り、本来は人数をかけた攻撃
をしたいが、相手が前に高くて速いFWが
いるとそれに対応せざるを得なく、それ
がなかなかできない。また、リーグ戦と
今大会では闘い方が大きく異なったり
リーグ戦に力を入れていないチームがあ
る。中学生と同様にリーグ戦で全国大会
に出場できるようにならないといけない
のではないかと考える。今のままではリ
ーグの意味が薄れてしまう。
(決勝後)チームとしてはボールをしっ
かり扱い、距離感をつかむことができる
選手を育てることを目標としている。し
かし、相手が守備を固めてきたときに、
フィジカルコンタクトで戦える選手が少
ない場合には、動き出しや足下の技術だ
けでは対応が難しい。日常のリーグと同
様、北海道代表を決めるような大会でも
攻守にわたって
質の高いプレー
が繰り広げられ
るように試合環
境を整えなけれ
ばならないと考
える。
(決勝前)チビリンピック全国大会の
経験からもう一度個を見つめ直し、リー
グ戦を通して育成を図ってきた。攻撃で
は個の仕掛けとその関わり、守備では相
手に対応するためのステップワークをは
じめ個の守備に焦点を当てて、その強化
を目指してきた。全国大会では相手の強
烈な個に対応できなかったので、その経
験を生かしたい。
大会に入り、リーグ戦の成果を発揮し
たいところだが、攻撃でもボールウォッ
チャーになってしまい、リーグ戦のよう
にはうまく展開できていない。守備に追
われて攻撃への関わりが薄くなってしま
っている。攻撃への関わりを増すために
も、ボールホルダーがゆとりを持ってボ
ールを持てるようにし、ボールの持ち
方・動かし方によってサポートができる
ようにしたい。
(決勝後)前半は、中盤からトップに当
てて関わりのある攻撃ができていたが、
後半はただ単に後方からトップへのロン
グボールを入れるだけの攻撃になってし
まい、ボールロストが増えてしまった。
リードしている場面では、ボールをしっ
かりつないで試合を支配しなければいけ
ない。全国大会
に向けて、この
ような課題を克
服していきた
い。
• 星 和彦( 映像解析・恵み野少年団)
• 西村 祐紀( 映像解析・松前少年団)
• 永田 塁(ゲーム分析・N-JSC滝川)
出場チーム
SSS札幌サッカースクール(札幌)
アンフィニMAKI.FC U-12(札幌)
コンサドーレ札幌U-12A・B(札幌)
室蘭大沢FC(道南)
苫小牧ELSOLE-FC U-12(道南)
プレイフル函館FC(道南)
[3]
北広島少年団(道央・千歳)
ベアーズ少年団(道央・小 )
DOHTO Jr U-12(道央・千歳)
遠軽はやぶさ(道東・網走)
FC中標津(道東・根室)
R.シュペルブ釧路 U-12(道東)
エスピーダ旭川(道北)
末広少年団(道北・旭川)
稚内ジュニアイレブン(道北・宗谷)