平成 27 年度Ⅱ回 公認会計士試験 管理会計論 I C O 短答式本試験

ICO<無断複写・複製を禁じます>
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
k
平成 27 年度Ⅱ回
公認会計士試験
管理会計論
アイ・シー・オー
I C O 短答式本試験解答&解説
平成 27 年度第Ⅱ回講評
全体的に問題は易しかったといえる。理論問題は最近の傾向として「原価計算基準」を除き,文章
にあまりボリュームがなくなってきたが,正確な基本的知識が要求される問題が今回も多かった。計
算問題もそこまでボリュームはなかった。ただし,計算問題は 9 題あったため,効率よく解かないと
時間切れになってしまうので,注意が必要であっただろう。合格ライン
問題番号
難易度
出
題
範
67%
囲
攻め時間 or 捨て
問題 1
D
原価計算基準(理論)(5点)
攻める
3分
問題 2
D
部門別原価計算…連立方程式法(計算)(7点)
攻める
6分
問題 3
D
個別原価計算(計算)(7点)
攻める
6分
問題 4
D
原価計算基準(理論)(5点)
攻める
3分
問題 5
D
工程別組別総合原価計算(計算)(7点)
攻める
6分
問題 6
D
連産品原価計算(計算)(7点)
攻める
6分
問題 7
D
標準原価計算(計算)(7点)
攻める
6分
問題 8
D
標準直接原価計算(理論)(5点)
攻める
3分
問題 9
C
財務諸表分析(理論)(5点)
捨てる
-
問題 10
D
バランスト・スコアカード(理論)(5点)
攻める
3分
問題 11
C
予算管理(理論)(5点)
攻める
3分
問題 12
D
原価企画(理論)(5点)
攻める
3分
問題 13
D
品質原価計算(計算)(8点)
攻める
6分
問題 14
C
戦術的意思決定会計(計算)(7点)
攻める
6分
問題 15
D
戦略的意思決定会計(計算)(7点)
攻める
6分
問題 16
C
事業部制(計算)(8点)
捨てる
-
合計
A~Eランクで評価
A…難解
B…やや難解
C…普通
D…やや容易
E…容易
5点
7点
8点
合計
7問
7問
- 1 -
2問
16 問
60 分
ICO<無断複写・複製を禁じます>
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
ICO解答
問題 1
5
問題 2
4
問題 3
2
問題 4
4
問題 5
3
問題 6
2
問題 7
1
問題 8
5
問題 9
1
問題 10
2
問題 11
6
問題 12
6
問題 13
5
問題 14
2
問題 15
3
問題 16
5
(ICO解説)
問題 1
[解
<難易度>D<出題範囲>原価計算基準(理論問題)
説]
ア.誤
り:管理可能の原価要素又は直接労務費のみを集計する。
製造部門に集計された原価要素は,必要に応じさらにこれをその部門における小工程又
は作業単位に集計する。この場合,小工程又は作業単位には,その小工程等において管理
可能の原価要素又は直接労務費のみを集計し,そうでないものは共通費および他部門配賦
費とする。
(原価計算基準十八(三))
イ.正しい。
実際原価とは,財貨の実際消費量をもって計算した原価をいう。ただし,その実際消費
量は,経営の正常な状態を前提とするものであり,したがって,異常な状態を原因とする
異常な消費量は,実際原価の計算においてもこれを実際消費量と解さないものとする。
実際原価は,厳密には実際の取得価格をもって計算した原価の実際発生額であるが,原
価を予定価格等をもって計算しても,消費量を実際によって計算する限り,それは実際原
価の計算である。
ウ.誤
(原価計算基準四(一)1)
り:正常価格ではなく実際価格にできる限り近似させる。
費目別計算において一定期間における原価要素の発生を測定するに当たり,予定価格等
を適用する場合には,これをその適用される期間における実際価格にできる限り近似させ,
価格差異をなるべく僅少にするように定める。
(原価計算基準十四)
エ.正しい。
原価は,財務諸表上収益との対応関係に基づいて,製品原価と期間原価とに区別される。
製品原価とは,一定単位の製品に集計された原価をいい,期間原価とは,一定期間におけ
る発生額を,当期の収益に直接対応させて,は握した原価をいう。
製品原価と期間原価との範囲の区別は相対的であるが,通常,売上品およびたな卸資産の
価額を構成する全部の製造原価を製品原価とし,販売費および一般管理費は,これを期間
原価とする。
(原価計算基準四(二))
したがって、正しいものはイエであり、正解は[5]である。
- 1 -
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問題 2
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>部門別原価計算…連立方程式法(計算問題)
説] (単位:千円)
1.変動費
相互に配賦し終えた甲補助部門費,乙補助部門費を,それぞれX,Yとおくと,
X=2,000+0.2Y
Y=1,400+0.2X
X=2,000+0.2×(1,400+0.2X)=2,000+280+0.04X
0.96X=2,280
X=2,375
Y=1,875
第 1 製造部門
固有費
第 2 製造部門
不要
甲製造部門
乙製造部門
2,000
1,400
475
不要
甲補助部門
712.5
1.187.5
-
乙補助部門
937.5
562.5
375
合
計
1,650
1,750
2,375
1,875
甲製造部門
乙製造部門
2.固定費
X=2,800+0.2Y
Y=2,400+0.2X
X=2,800+0.2×(2,400+0.2X)=2,800+480+0.04X
0.96X=3,280
X≒3,417
Y≒3,083
第 1 製造部門
固有費
第 2 製造部門
不要
不要
2,800
2,400
甲補助部門
1,367
1,367
-
683
乙補助部門
1,850
617
616
-
3,217
1,984
3,416
3,083
合
計
3.補助部門費の配賦計算結果
第 1 製造部門=1,650+3,217=4,867
第 1 製造部門
第 2 製造部門=1,750+1,984=3,733(端数処理による誤差修正)
第 2 製造部門
合
計
直接配賦法
4,825
3,775
8,600
階梯式配賦法
5,065
3,535
8,600
連立方程式法
4,867
3,733
8,600
したがって、正解は[4]である。
- 2 -
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問題 3
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>個別原価計算(計算問題)
説] (単位:円)
#101
#102(参考)
月初仕掛品
68,000
-
直接材料費
(注 1) 351,000
643,500
直接労務費
(注 2) 374,400
234,000
製造間接費
(注 3) 179,280
112,050
完成品原価
972,680
989,550
完
成
完
成
(注 1) @9,750/kg×36kg=351,000
(注 2) 直接作業時間:@1,560/h×240h=374,400
(注 3) 間接材料費:
19,110×
240h
390h(=240h+150h)
=11,760
手待時間の間接労務費:@1,560/h×異常を除く 3h=4,680
240h
4,680×
=2,880
390h
直接工の間接作業費:@1,560/h×2h=3,120
240h
3,120×
=1,920
390h
間接工の間接作業費:
240h
31,200×
=19,200
390h
製造間接費の配賦:
240h
233,220×
390h
=143,520
∴11,760+2,880+1,920+19,200+143,520=179,280
したがって、正解は[2]である。
- 3 -
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問題 4
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>原価計算基準(理論問題)
説]
ア.誤
り:自家用の建物,機械,工具等の製作又は修繕,試験研究,試作,仕損品の補修,仕損によ
る代品の製作等に際しても利用できる。
個別原価計算は,種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する。
個別原価計算にあっては,特定製造指図書について個別的に直接費および間接費を集計
し,製品原価は,これを当該指図書に含まれる製品の生産完了時に算定する。
経営の目的とする製品の生産に際してのみでなく,自家用の建物,機械,工具等の製作
又は修繕,試験研究,試作,仕損品の補修,仕損による代品の製作等に際しても,これを
特定指図書を発行して行なう場合は,個別原価計算の方法によってその原価を算定する。
(原価計算基準三十一)
イ.正しい。
個別原価計算において,労働が機械作業と密接に結合して総合的な作業となり,そのた
め製品に賦課すべき直接労務費と製造間接費とを分離することが困難な場合その他必要あ
る場合には,加工費について部門別計算を行ない,部門加工費を各指図書に配賦すること
ができる。部門加工費の指図書への配賦は,原則として予定配賦率による。予定加工費配
賦率の計算は,予定間接費配賦率の計算に準ずる。
(原価計算基準三十四)
ウ.正しい。
(一) 個別原価計算における間接費は,原則として部門間接費として各指図書に配賦する。
(二) 間接費は,原則として予定配賦率をもって各指図書に配賦する。
(原価計算基準三十三(一) (二))
エ.誤
り:その発生部門の部門費から控除するのが原則である。
個別原価計算において,作業くずは,これを総合原価計算の場合に準じて評価し,その
発生部門の部門費から控除する。ただし,必要ある場合には,これを当該製造指図書の直
接材料費又は製造原価から控除することができる。
したがって、正しいものはイウであり、正解は[4]である。
- 4 -
(原価計算基準三十六)
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問題 5
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>工程別組別総合原価計算(計算問題)
説](数量単位:個、金額単位:円)
1.Xの第一工程完成品原価の算定
直接材料費
数
量
金
正常仕損費
額
金
直接労務費
額
数
量
金
製造間接費
額
金
額
当月投入
100,000
39,200,000
-
91,400
13,435,800
31,350,200
正常仕損
2,000
784,000
1,274,000
1,000
147,000
343,000
98.000
38.416.000
1,274,000
90,400
13,288,800
31,007,200
月末仕掛品
38,000
14,896,000
484,000
30,400
4,468,800
10,427,200
完成品
60,000
23,520,000
780,000
60,000
8,820,000
20,580,000
差
引
Xの第一工程の完成品原価:23,520,000+780,000+8,820,000+20,580,000=
53,700,000
2.組間接費の配賦計算
70,000,000÷10,000h=@7,000
X第二工程:@7,000×1,600h(=4,800,000÷@3,000)=11,200,000
Y第二工程:@7,000×2,000h(=6,000,000÷@3,000)=14,000,000
Z第二工程:@7,000×1,921.4h(=5,764,200÷@3,000)=13,449,800
3.Xの第二工程完成品原価の算定
直接材料費
数
当月投入
月末仕掛品
差
引
月初仕掛品
完成品
量
金
直接労務費+製造間接費
額
数
量
金
額
合
計
金
額
60,000
(注 1)65,700,000
64,000
(注 2)16,000,000
81,700,000
2,000
2,190,000
1,200
300,000
2,490,000
58,000
63,510,000
62,800
15,700,000
6,000
6,708,000
1,200
-
6,708,000
68,000
70,218,000
64,000
15,700,000
85,918,000
(注 1) 53,700,000+12,000,000=65,700,000
(注 2) 4,800,000+11,200,000=16,000,000
したがって,正解は[3]である。
- 5 -
79,210,000
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問題 6
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>連産品原価計算(計算)
説](単位:円)
1.Bが平均的発生の正常減損の場合
(1) 製品データの整理
仕掛品
当月投入
(単位:kg)
14,500 完成品
6,000
(9,500)
(6,000)
正常減損
1,000
(500)
月末仕掛品
7,500
(3,000)
14,500
14,500
(9,500)
(9,500)
(2) 完成品原価の計算
原
価
計
算
(数量単位:kg、金額単位:円)
表
加工費
換算量
金
正常仕損費
額
金
額
合
計
当 月 投 入
9,500
79,515,000
-
79,515,000
正 常 減 損
500
4,185,000
△4,185,000
-
9,000
75,330,000
4,185,000
79,515,000
月末仕掛品
差
引
3,000
25,110,000
1,395,000
26,505,000
←アは正しい。
完
6,000
50,220,000
2,790,000
53,010,000
←イは誤
成
品
2.Bが工程の終点で分離される連産品の場合
(1) 製品データの整理
仕掛品
当月投入
(単位:kg)
14,500 完成品
(10,000)
7,000
(7,000)
月末仕掛品
7,500
(3,000)
14,500
14,500
(10,000)
(10,000)
- 6 -
完成品A:6,000kg
連産品B:1,000kg
り。
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平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
(2) 完成品原価の計算
原
価
計
算
(数量単位:kg、金額単位:円)
表
加工費
換算量
当
月
投
金
完成品A
額
連産品B
入
10,000
79,515,000
-
-
月 末 仕 掛 品
3,000
23,854,500
-
-
連産品結合原価
7,000
55,660,500
(注 1)
44,528,400
↑ウは正しい。
(注) Aの等価係数を 1.0 とすると、Bの等価係数は 12,600÷8,400=1.5
Aの積数=6,000kg×1.0=6,000
Bの積数=1,000kg×1.5=1,500
6,000
55,660,500×
6,000+1,500
55,660,500×
=44,528,400
1,500
6,000+1,500
=11,132,100
したがって、正解は[3]である。
問題 7
[解
<難易度>D<出題範囲>標準原価計算(計算)
説](単位:円)
1.実際消費量の合計
10,400kg+1,600kg+4,500kg=16,500kg
2.原料Pの標準原価差異分析
単価
実際 6,656,000
@640
価格差異
@630
0
g
△104,000
歩留差異
配合差異
+75,600
△315,000
(注 1) 10,020kg (注 2) 9,900kg
(注 1) 完成品 15,030kg×
6kg
9kg
(注 2) 実際消費量合計 16,500kg×
10,400kg
=10,020kg
6kg
10kg
=9,900kg
- 7 -
数量
11,132,100
↑エは誤
り。
ICO<無断複写・複製を禁じます>
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
2.原料Qの標準原価差異分析
単価
実際 1,360,000
@850
価格差異 △64,000
@810
0
歩留差異
配合差異
+16,200
+40,500
(注 1) 1,670kg
(注 2) 1,650kg
1kg
9kg
(注 1) 完成品 15,030kg×
(注 2) 実際消費量合計 16,500kg×
1,600kg
数量
=1,670kg
1kg
10kg
=1,650kg
3.原料Rの標準原価差異分析
単価
実際 1,800,000
@400
価格差異 +225,000
@450
0
歩留差異
配合差異
+27,000
+202,500
(注 1) 5,010kg
(注 2) 4,950kg
3kg
9kg
(注 1) 完成品 15,030kg×
(注 2) 実際消費量合計 16,500kg×
4,500kg
=5,010kg
3kg
10kg
=4,950kg
4.原料Pの価格差異、原料Qの配合差異、原料Rの歩留差異の合計
△104,000+40,500+27,000=
△36,500
したがって、正解は[1]である。
- 8 -
数量
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問題 8
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>標準直接原価計算(理論)
説]
ア.誤
り:
直接原価計算による営業利益
-月初在庫に含まれる固定費
+月末在庫に含まれる固定費
=全部原価計算による営業利益
なので,月初在庫量>月末在庫量の場合,
直接原価計算による営業利益>全部原価計算による営業利益となる。
イ.正しい:生産量=販売量の場合,月初在庫量=月末在庫量となり,
月初在庫に含まれる固定費=月末在庫に含まれる固定費となるので,
直接原価計算による営業利益=全部原価計算による営業利益となる。
ウ.誤
り:直接原価計算による営業利益は,固定費があるため,売上高に正比例しない。
売上高に正比例するのは限界利益である。
エ.正しい:生産量の変化に関係なく,
(販売価格-製品単位当たり変動費)×販売量-固定費=営業利益
が成立する限り,営業利益は等しくなる。
したがって、正しいものはイエであり、正解は[5]である。
問題 9
[解
<難易度>D<出題範囲>財務諸表分析(理論)
説]
ア.正しい:事業利益=営業利益+金融収益=経常利益+金融費用
となるため,株主に対するリターンである経常利益と債権者に対するリターンである金融
費用を含んでいる。
イ.正しい:
(資本集約度↑)
付加価値労働生産性=
ウ.誤
り:
従業員数
×
付加価値
総資本↑
(労働装備率↑)
付加価値労働生産性=
エ.誤
総資本↑
(資本生産性↓)
有形固定資産↑
従業員数
(設備投資効率 ↓)
×
付加価値
設備投資↑
り:負債の増加が(たとえば支払利息を増やして)純利益を減らすことがあるので,その場合,
自己資本純利益率は減少する。
したがって、正しいものはアイであり、正解は[1]である。
- 9 -
ICO<無断複写・複製を禁じます>
問題 10
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>バランスト・スコアカード(理論)
説]
ア.誤
り:設定された尺度や目標値を達成するための具体的な活動の計画がアクション・プランであ
る。
イ.正しい:非営利組織は利益を目標としないため,財務の視点は頂点にこない。病院経営においては,
顧客である患者第一の視点から「顧客の視点」を頂点とすることが考えられる。
ウ.誤
り:戦略マップはトップダウンか,トップダウンとボトムアップの折衷案で作成することが望
ましい。
エ.正しい:
「学習と成長の視点」では,個々の従業員の能力とそれらを結集した組織能力といった無形
資産を戦略に方向づけ,具体的な活動につなげて目標を達成していくことが重要であると
いえる。
したがって、誤っているものはアウであり、正解は[2]である。
問題 11
[解
<難易度>C<出題範囲>予算管理(理論)
説]
ア.誤
り:業務予算の編成は,最終的に見積損益計算書と見積貸借対照表の作成に集約される。
イ.誤
り:予算スラックとは,予算目標の達成を容易にするため,予算上の売上高は過小に,予算上
の費用は過大に見積もることをいう。
ウ.正しい:予算管理システムのようなマネジメント・コントロール・システム(以下,MCS と略す)が
十分に機能することにより,管理者・従業員は,組織目標を達成するために何をなすべき
かを理解することができる。
エ.正しい:MCS は最終的に外部のステークホルダーに対するアカンタビリティと間接的に繋がっていな
ければならない。よって,企業外部とのインタラクティブ(対話)のための情報が利用さ
れる。
したがって、正しいものはウエであり、正解は[6]である。
問題 12
[解
<難易度>D<出題範囲>原価企画(理論)
説]
ア.誤
り:次の原価改善や原価企画を実施するまで,標準原価を維持する活動が実施されるため,標
準原価計算を用いた原価管理機能の重要性は残されている。
イ.誤
り:量産開始後は原価改善の実施によって利益目標を達成する標準原価水準の引き下げ活動が
継続的に行われる必要がある。
ウ.正しい:廃棄物の削減により原価低減を実施して利益を増加させる手法としてマテリアルフローコ
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平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
スト会計がある。
エ.正しい:VE は量産開始後の原価改善活動においても用いられる(とくに VA ということがあるが,手
法としては同一であるため)。
したがって、正しいものはウエであり、正解は[6]である。
問題 13
[解
<難易度>D<出題範囲>品質原価計算(計算)
説](単位:千円)
予防原価
評価原価
内部失敗原価
外部失敗原価
①
返品関連費用
175,000
②
仕損費
③
顧客へのクレーム対応費用
④
材料の検収費
⑤
製品検査費
⑥
品質管理の教育費用
⑦
工程検査費
⑧
製品補修費
100,000
⑨
製品交換に要した保証費
250,000
⑩
製品の信頼性向上のための技術費
65,000
合
75,000
150,000
150,000
5,000
20,000
10,000
75,000
計
品質適合原価=予防原価+評価原価=75,000+100,000=
100,000
175,000
品質不適合原価=内部失敗原価+外部失敗原価=150,000+675,000=
A社は( 予防原価
← ウ)および( 評価原価
および( 外部失敗原価
150,000
← ア
825,000
← イ
←エ)をより多く支出して,( 内部失敗原価
←カ)の支出を抑制すべきである。
なお、*は、品質適合原価、品質不適合原価が入る。
したがって、正解は[5]である。
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675,000
←オ)
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問題 14
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>C<出題範囲>戦術的意思決定会計(計算)
説](単位:円)
花火大会当日における借り上げ対象となる 20 室の機会原価
=(15,000-500)×20 室=
290,000
← ア
申し出を受け入れた時に得られる貢献利益=(8,000-500)×20 室×365 日=54,750,000 (*)
申し出を受け入れない場合の必要な稼働部屋数をXとすると,
申し出を受け入れない場合の貢献利益=290,000+(10,000-500)×(X-20)
=100,000+9,500X > 54,750,000
∴ X > 5,752.6…=5,753 室
全室が年間を通じて埋まった時の稼働部屋数=20 室×365 日=7,300 室
申し出を受け入れない場合に必要な稼働率=5,753 室÷7,300 室≒78.8% (*)
過去 5 年の 20 室の平均稼働率が 75%なので,
この申し出を「受け入れる
べきである
← イ」
したがって、正解は[2]である。
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問題 15
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>戦略的意思決定会計(計算)
説](単位:百万円)
1.正味現在価値
X:940×0.952+920×0.907+990×0.864≒2,585
2,585-2,500=85 ← 採用すべき アは○
Y:1,090×0.952+1,040×0.907+1,020×0.864≒2,862
2,862-2,800=62 ← 採用すべき ウは×
2.内部利益率
X:940×0.943+920×0.890+990×0.840≒2,537
2,500<2,537 より内部利益率が 6%を超える
← イは×
Y:1,090×0.943+1,040×0.890+1,020×0.840≒2,810
2,800<2,810 より内部利益率が 6%を超える
← エは○
したがって、正しいものはアエであり、正解は[3]である。
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問題 16
[解
平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>C<出題範囲>事業部制(計算)
説] (単位:円)
1.直接原価計算方式の損益計算書
Ⅰ
売上高
15,750,000
Ⅱ
変動費
(注 1) 3,780,000
Ⅲ
管理可能固定費
限界利益
11,970,000
固定製造原価
(注 2) 3,780,000
固定販売費
(注 3) 1,449,000
5,229,000
管理可能利益
Ⅳ
6,741,000
管理不能固定費
固定製造原価
(注 4)
945,000
固定販売費
(注 5)
966,000
本社費
1,200,000
3,111,000
営業利益
3,630,000
(注 1) 販売量:15,750,000÷@5,250=3,000 単位
変動売上原価:@1,050×3,000 単位=3,150,000
変動販売費:@210×3,000 単位=630,000
合計:3,150,000+630,000=3,780,000
固定製造原価:7,875,000-3,150,000=4,725,000
固定販売費及び一般管理費:4,245,000-630,000-1,200,000=2,415,000
(注 2) 4,725,000×80%=3,780,000
(注 3) 2,415,000×60%=1,449,000
(注 4) 4,725,000×20%=945,000
(注 5) 2,415,000×40%=966,000
2.ROIの比較
管理可能資本:7,875,000(=15,750,000×50%)+28,267,500×50%=22,008,750
A事業部長管理可能ROI=
A事業部ROI=
31%-10%=
21
6,741,000
22,008,750
3,630,000
7,875,000+28,267,500
% ← ア ×
≒31%
≒10%
3.A事業部長管理可能RIと営業利益の比較
A事業部長管理可能RI=6,741,000-22,008,750×8%=4,980,300
4,980,300-A事業部営業利益 3,630,000= 1,350,300
← イ ○
4. 本社費配賦後の利益を用いた場合のRI
A事業部RI=A事業部営業利益 3,630,000-(7,875,000+28,267,500)×8%=
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738,600
← エ ○
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平成 27 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
5.RIの比較
A事業部長管理可能RI4,980,300-A事業部RI738,600=
したがって、正解は[5]である。
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4,241,700
← ウ ×