病院総合医養成後期研修プログラムを含む平成28年度後期研修

佐久総合病院
後期臨床研修プログラム
(平成 28 年度)
地域医療部(総合診療科)
3
病院総合医養成後期研修プログラム
内科
5
7
神経内科
内視鏡内科
消化器内科
腫瘍内科(内視鏡内科・内科関連研修)
外科
心臓血管外科
整形外科
形成外科
10
12
15
17
19
24
27
30
脳神経外科
救命救急センター
麻酔科
小児科
放射線科
泌尿器科
リハビリテーション科
産婦人科
精神神経科
健康管理部
平成 26 年度症例・手術件数・その他実績
33
35
40
41
44
46
47
51
55
57
59
平成 28 年度後期臨床研修医募集要項
79
1
はじめに
当院は、昭和 19 年の開院以降、
「農民とともに」の精神で、一貫して地域住民のニーズに応えなが
ら、第一線医療から高度専門医療、救命救急医療、在宅医療、健康管理活動まで幅広く地域医療を展
開してきました。
さらなる地域ニーズ、長野県の東信地域の基幹病院としての機能を十分に果たすため、機能分化に
よる病院再構築を進め、今年の 3 月に「がん診療センター」
、「脳卒中・循環器病センター」
、「周産期
母子医療センター」
「救命救急センター」の 4 つの柱を中心としたあらたな病院である佐久医療センタ
ー(450 床)を開院いたしました。また現在地の佐久総合病院は医療・保健・福祉の複合施設として、
平成 28 年度までに約 300 床の病院に建て替えを行います。
多様な地域住民の期待に応え続けるためには、総合医および専門医の育成が不可欠と位置付け、指
導医の確保や養成、外部講師の招聘、学会参加への費用補助、国内留学の推奨など、病院全体で取り
組んでいます。
この度、各診療科で練られたプログラムは、専門医取得を前提にしたものです。長野県東信地域の
基幹病院という充実したフィールドで存分に研修に励んでいただきたいと考えています。また、特に
地域医療を支える医師として救命救急医療および集中治療室における全身管理のスキルを習得するこ
とは、大変重要だと考えています。各診療科のプログラムにおいて、一定期間の救急・ICU研修を
行うことを病院として推奨しています。
初期研修後のさらなる研鑽の場として、当院を選んでいただき、将来、総合医や専門医として地域
医療の担い手に成長していただくことを期待しています。
平成 27 年 5 月
佐 久 総 合 病 院
統括院長 伊澤 敏
2
地
域
医
療
部
地域医療部後期研修プログラム
プログラム責任者:地域医療部部長
由井和也
1.概要と目的
佐久総合病院は、故若月俊一が昭和 20 年に診療を開始して以来「農民とともに」を基本理念として
いる。常に「地域とともにある医療」をいかに実践していくかを考えながら活動を続け、現在では訪
問診療から高度先進医療に至るまで、幅広い地域のニードに対応すべく診療を行っているユニークな
病院である。
地域医療部後期研修プログラムでは、この佐久という地域で、病院の中だけでなく診療所や在宅医
療など様々な場を経験することができる。そして、単に医学的問題だけでなく、生活背景・社会背景・
地域風土などを考慮しながら、幅広く総合的に判断する視点を養い、ジェネラリストとして必要な基
本的能力を身につけることを目標としている。
なお当院では、多数のジェネラリストが、病院内では総合診療科(総合内科)医として、また診療
所では家庭医として活躍している。本プログラムは、将来いずれの道に進もうと考えている者にとっ
ても有用なプログラムであると考えている。
2.目標
本プログラム終了時に、①総合病院の総合内科医・ホスピタリストとして、②中小規模病院の一般
内科医・プライマリケア医として、また③地域診療所のプライマリケア医・家庭医として働くことが
できる基本的能力を身につけることを目標とする。
3.研修内容
3 年間(36 ヶ月間)の研修期間中に以下のユニットでの研修を行う。
(なお後期研修医は、正職員としての扱いとなります。)
総合診療科研修(6 ヶ月以上) 指導医:総合診療科部長 鄭 真徳
佐久総合病院総合診療科にて、総合診療病棟、総合外来(救急車対応を含む)、地域ケア科(在宅医
療・介護ケア担当部門)訪問診療、検診活動、救急当直業務を中心に研修を行う。また、初期研修医
や看護師、医学生や看護学生の教育に参加することで、医学・医療における教育の実際に触れその考
え方と手法を学ぶ。
小海分院・診療所研修(12 ヶ月以上) 指導医:小海分院長 山口 博
佐久総合病院小海分院(99 床)にて、小規模病院での病棟、外来、訪問診療、地域連携(行政福祉担
当者、ケアマネージャー)、当直、施設(老健、特養)回診等を行い、 小海診療所(無床)や佐久地
域にある国保診療所において、地域医療の実際に触れ、診療所医師に必要な能力を習得する。
小児科研修(3 ヶ月) 指導医:小児科部長 細谷
まち子
佐久総合病院小児科にて、ジェネラリストとして必要な小児科診療について学ぶ。
3
救命救急センター研修(3 ヶ月以上) 指導医:救命救急センター部長 岡田 邦彦
佐久医療センター救命救急センターにて、救急車対応や重症患者の集中治療について学ぶ。
選択研修(最長 12 ヶ月)
佐久医療センターや佐久総合病院の内科専門科、救命救急センターを中心としたローテート研修を行
うことができる。また、generalist として必要なその他の専門科の研修や他の関連施設での研修を、
状況・希望によっては行うことも可能である。
1週間のスケジュール(総合診療科ローテート中の例)
月
火
水
木
金
午前
総合外来
病棟
教育回診
超音波
病棟
午後
総合外来
訪問診療
病棟
病棟
外来カンファ
1週間のスケジュール(小海分院ローテート中の例)
月
火
水
木
金
午前
新患外来
本院外来
新患外来
人間ドック
訪問診療
午後
救急車対応
本院外来
訪問診療
再診外来
透析回診
具体的なローテーションスケジュールや週間スケジュールについては、個別の相談に応じて、なる
べく希望に添えるように調整している。また当院では、学外講師を招いた勉強会を多く開催しており、
後期研修医はそれらに参加するだけでなく、勉強会の企画運営にも携わる。
【平成 26 年度】
・ 感染症セミナー(国立国際医療センター感染症内科
大曲貴夫先生)
・ 身体診察ワークショップ(名古屋大学総合診療科 鈴木富雄先生)
・ ポートフォリオ検討会(東京大学医学教育センター
大西弘高先生)
・ 教育回診(佐賀大学総合診療科前教授 小泉俊三先生)
・ 諏訪中央病院との症例検討会「環八ヶ岳クリニカルカンファレンス」
4.専門医教育施設の認定状況、専門医・認定医について
当院は、日本プライマリ・ケア連合学会の認定施設で、本プログラムは学会の認定プログラムとな
っており、3 年間の研修終了後に家庭医専門医試験の受験資格を得ることができる。当プログラムで
の研修で日本内科学会認定内科医試験の受験資格を得ることも可能である。
5.平成 26 年度学会発表件数
・5 件(日本公衆衛生学会、日本肺癌学会総会など)
4
地
域
医
療
部
病院総合医養成後期研修プログラム
プログラム責任者:総合診療科部長
鄭真徳
1.プログラム設立の経緯
医療テクノロジーの高度化に伴って、臓器別の専門分野が発展し、多くの医師も特定の専門分野の
スペシャリストを目指すようになった。その結果として多くの成果が生まれた反面、幅広い患者を診
て適切に診断をつけ、患者の心理・社会的な側面にも配慮しながら診療を行う、いわゆるジェネラリ
ストが不足している。
当院では、平成 13 年より「総合診療科後期研修プログラム」を開設し、数多くのジェネラリストを
育成してきた。平成 20 年からは、地域医療を担う「家庭医」を養成する目的を明確にした「地域医療
部後期研修プログラム」に発展し、新たな一歩を踏み出した。
主に診療所や小規模病院で働く「家庭医」だけでなく、中・大規模病院のジェネラル部門で働く「病
院総合医」の必要性もさらに高まっている。数多くの病院総合医を育成する必要があると考え、「病
院総合医養成後期研修プログラム」を開設した。
2.目標
本プログラム修了時に、病院のジェネラル部門(総合診療科、一般内科など)でスタッフとして働
くことができる基本的能力(以下に列挙)を身につけることを目標とする。
1)内科を中心とした幅広い初期診療能力(1 次 2 次救急を含む)
2)病棟を管理運営する能力
3)他科やコメディカルとの関係を調整する能力
4)病院医療の質を改善する能力
5)診療の現場において初期・後期研修医を教育する能力
6)診療に根ざした研究に携わる能力
3.研修内容
①
A コース(2 年間):日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医もしくは日本内科学会総合内
科専門医もしくはそれに準じた後期研修修了後に開始。
総合診療科研修(18 ヶ月):佐久総合病院総合診療科にて、総合診療病棟、総合外来(救急車対応を
含む)、地域ケア科(在宅医療担当部門)訪問診療、検診活動、救急当直業務を中心に研修を行う。
救命救急センター・ICU 研修(6 ヶ月):佐久医療センター救命救急センターおよび ICU で、救急車対
応や重症患者の集中治療を中心に研修を行う。
〈2 年間のスケジュール例〉
1 年目
2 年目
②
総合診療科(6 ヶ月)
救命救急センター・ICU(6 ヶ月)
総合診療科(12 ヶ月)
B コース(5 年間):初期臨床研修修了後に開始。
1 年目:総合診療科と救命救急センター・ICU を 6 ヶ月ずつ研修。
5
2〜4 年目:専門内科各グループ(呼吸器、循環器、消化管、肝胆膵、腎・膠原病、血液、代謝・内
分泌、神経)やリハビリ科などをローテーション研修。具体的なローテーションスケジュールにつ
いては、個別の相談に応じて、なるべく希望に添えるように調整する。
5 年目:総合診療科もしくは小海分院内科で 1 年間研修。
〈5 年間のスケジュール例〉
1 年目
総合診療科(6 ヶ月)
救命救急センター・ICU(6 ヶ月)
2 年目
呼吸器(4 ヶ月)
循環器(4 ヶ月)
消化器(4 ヶ月)
3 年目
消化器(4 ヶ月)
腎・膠原病(4 ヶ月)
血液(4 ヶ月)
4 年目
代謝・内分泌(4 ヶ月)
神経(4 ヶ月)
リハビリ科(4 ヶ月)
5 年目
総合診療科もしくは小海分院内科
両コースともに、研修期間全体を通じて、総合外来での外来研修を継続する。外来および病棟で初
期・後期研修医の教育に関わり、教育手法についても学んでいく。また、緩和ケアチームや感染制御
チームなどの横断的活動に参加し、病院医療の質改善を目指す。
当院では、学外講師を招いた勉強会を多く開催しており、それらに参加するだけでなく、勉強会の企
画運営にも携わる。
【平成 26 年度】 ・ 感染症セミナー(国立国際医療センター感染症内科 大曲貴夫先生)
・ 身体診察ワークショップ(名古屋大学総合診療科 鈴木富雄先生)
・ ポートフォリオ検討会(東京大学医学教育センター 大西弘高先生)
・ 教育回診(佐賀大学総合診療科前教授
小泉俊三先生)
・ 諏訪中央病院との症例検討会「環八ヶ岳クリニカルカンファレンス」
当プログラムは、日本プライマリ・ケア連合学会の病院総合医養成プログラム認定施行事業に申請
し、認定を受けている。
6
内科後期研修プログラム
プログラム責任者:統括内科部長 高松正人、古武昌幸
佐久総合病院佐久医療センターの内科は、地域の二次、三次医療を担っています。救命救急センタ
ーが併設され、外科系、小児科、産婦人科等内科系以外にも複数の専門科があることによりさまざま
な疾患を経験できる環境です。またグループ病院である佐久総合病院本院では内科的慢性疾患を主に
扱っており、2つの場を合わせた研修で患者を初診から専門科診療、また在宅までのさまざまな状況
で経験できます。
内科医が専門分野だけでなく、多くの診療場面に対応できるようにとの国民的要望から、内科の専
門医制度が新しくなることが予定されています。新・専門医制度に対応するよう、救急の場を含め、
複数の内科分野を経験します。将来、総合的内科診療を目指す場合にも、専門的内科診療を目指す場
合にも対応できる研修の場を用意しています。
受け身ではなく、患者に対しては一人の医師として、同僚職員に対してはチームの一員としての自
覚を持ち、意欲を持って診療に参加しながら、学び、自らを高めていくことを望みます。
1、目的
病院での総合的な内科診療能力を持つ医師、幅広い内科系能力をあわせ持つ内科系専門医を目指しま
す。そのため本後期研修プログラムでは内科の複数の分野および救急分野を経験し、内科医としての
基本的な診療能力を身につけることを基本と考えています。
また、研修期間中に内科認定医の取得を目指し、さらに将来の内科系サブスペシャルティ専門医、も
しくは新しい制度下の新・内科専門医や内科指導医を取得するために必要な知識、技能、経験を修得
することが目標です。日常の診療だけでなく、学会活動、臨床研究、教育活動にも積極的に参加でき
る環境を整えています。
2、内容
① 内科の診療科には消化器、血液、腎、内分泌・代謝、呼吸器、循環器があり、また救命救急セン
ターがあります。グループ病院である佐久総合病院に総合診療科、神経・膠原病内科があります。
② 後期研修医は原則として最初の 1-2 年次(卒後 3 年目~4 年目)は、3-6 ヶ月の単位で救急部および
内科各部門の中から選択してローテートします。救急部は新・専門医制度を見据え原則選択する
ことを推奨します。3 年次(卒後 5 年目)は希望の進路を考慮の上、内科各部門のローテートまた
は専門分野に重点を置いた研修をおこないます。
③ 救急部ローテート期間中には JATEC、FCCS を受講します。病院からの費用補助を行います。
④ 病棟、外来、当直業務、地域の予防医療活動(健診等)を通して内科全般を研修します。
⑤ 病棟では上級医の指導のもとに診療を行い、各種検査手技の習得を目指します。
⑥ 外来診療は、総合外来(初診外来)
、内科外来(専門外来)を個々の希望及び能力に応じて行いま
す。
⑦ 各種カンファレンス(診療グループ内の定期カンファレンス、CPC 等)、院内勉強会、地域の研究会、
内科系学会(内科学会地方会など)に参加し、プレゼンテーションおよびディベート能力を養い
ます。
⑧ 後期研修医は、初期研修医やコメディカルスタッフなど、院内の各種教育活動に指導する側とし
ても参加し、教育・指導能力を養います。
7
3、内科各分野の主な診療内容
① 消化器内科
消化器疾患全般の診療を行う。内視鏡検査及び関連手技、超音波検査及び関連手技、血管造影をはじ
めとする IVR 手技に関しては個々の進路や希望に応じて指導を行う。これらの手技研修を希望する場
合は 6 か月以上の研修が望ましい。
② 血液内科
血液内科疾患全般を扱う。入院では悪性リンパ腫、白血病などの骨髄増殖性疾患が主である。診断、
化学療法、合併症対策を通し学ぶことは多い。
③ 腎臓内科
慢性糸球体腎炎、急性および慢性腎不全、を扱う。また種々の急性疾患における血液浄化療法を担っ
ている。シャント造設や維持のための手技も幅広く行っている。
④ 代謝内分泌内科
外来での診療、患者教育、他科入院患者の血糖コントロール、教育入院、精査入院などを通し糖尿病・
内分泌疾患の診療を幅広く行う。
⑤ 呼吸器内科
呼吸器内科の担当範囲は広いが、入院では主に肺がん、間質性肺炎などの診療を行う。喘息、睡眠時
無呼吸症候群、慢性閉塞性肺疾患、肺炎等は教育的役割を持ちながら他分野、他施設の医師と連携し
ながら行っている。
⑥ 循環器内科
急性心筋梗塞や急性心不全などの循環器緊急疾患に 24 時間 365 日対応している。昨年の経皮的カテー
テル治療(PCI)は 226 例でありその半数が緊急で行っている。高度石灰化病変に対してロータブレータ
ーを導入し、プレッシャーワイヤーを用いた虚血評価に基づく PCI を行っている。閉塞性動脈硬化症
に対する血管内治療を約 50 例行っている。徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療のみならず、心
室性不整脈に対する植え込み型除細動器(ICD)や重症心不全に対する心室再同期療法(CRT)も積極的に
おこなっており、ICD や CRT は東信地区唯一の実施施設である。重症心不全の管理を集約的に行って
おり、薬物治療から在宅酸素療法や換気治療、ペースメーカー治療、心臓移植適応患者の申請を行っ
ている。長野県では唯一、植込型人工心臓の認定施設になっており、心臓外科と協力しながら積極的
に介入している。
循環器内科における研修目標は以下の通り。
1)循環器における初期救急対応が適切に行える。2)心臓超音波検査、心筋シンチグラフィ、冠動
脈CT、心臓MRIなど非侵襲的画像診断の適応と限界について理解し適切に検査をオーダーできる。
3)心臓カテーテル検査などの検査入院を通じてその目的、方法、合併症などを理解し患者や家族に
説明できる。4)循環器疾患に対する薬物治療の適応と副作用について理解する。5)循環器疾患に
対する非薬物治療(カテーテル治療やペースメーカー治療など)の適応と合併症について理解する。
6)他職種と良好な関係を構築しながら、包括的介入が実践できる。
経験できる病態や症例は、高血圧症、心筋梗塞、狭心症、末梢血管疾患、大動脈瘤、大動脈解離、心
不全、心臓弁膜症、心筋疾患、肺血栓塞栓症、肺高血圧症、頻脈あるいは徐脈性不整脈など万遍なく
経験することが出来る。
月曜日の朝に週末緊急入院した症例、水曜日の夕方には全症例、金曜日夕方には重症例の検討会を行
っている。木曜日の午後には部長との回診で身体所見のとり方や心電図所見、画像所見などを検討す
る。心臓血管外科との検討会を木曜日の朝に行い手術適応などについて検討する。看護師、理学療法
8
士、栄養士、ケースワーカーなどと多職種カンファレンスを毎週行い包括的介入を行っている。
心臓超音波検査に関しては研修期間にもよるが、最低限の知識やスキルを習得できるように配慮する。
心筋シンチグラフィ、冠動脈CT、心臓MRIなどについても症例を通して検討を行いミニレクチャ
ーで理解していただく。心臓カテーテル検査では、動静脈穿刺と右心カテーテル検査をまず自ら施行
可能になるように指導する。その後、ペースメーカー、冠動脈造影、下大静脈フィルター挿入などの
助手として関わり、カテーテルやガイドワイヤーの操作を学ぶ。冠動脈治療や末梢血管治療にも助手
として関わり、インターベンションにおけるデバイスの理解を深めていただく。
また研修医には積極的に症例報告を行っていただいている。
4、当院が受けている専門医教育施設の認定(内科関連)
日本内科学会、日本救急医学会、日本循環器学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本血液学会、
日本腎臓学会、日本透析医学会、日本消化器内視鏡学会、日本消化器病学会、日本超音波医学会、日
本呼吸器内視鏡学会、日本呼吸器学会、日本神経学会
5.平成 26 年度学会発表件数
・16 件(日本透析学会学術集会、日本肺癌学会総会、日本マネジメント学会、日本心不全学会など)
6、先輩医師からのメッセージ
私は、2 年間の初期研修を地元の病院で行い、後期研修から佐久病院でお世話になっています。佐
久病院に来た理由は、別の病院で研修することで違った景色が見えてくるのではないかと思ったから
でした。佐久病院は特殊な病院です。佐久という地域はほとんど佐久病院に来ます。普通、患者さん
は一度かかって良くならなかった病院には行きません。良くしてくれる病院に行きます。しかし、佐
久地域では、かなりの割合で、患者さんが再び戻ってきます。それは、今までの佐久病院への信頼で
あったり、他に行くところがなかったり、理由は様々と考えますが、これは、働く者には大きなメリ
ットです。自分が診た患者さんがどのような転帰を辿ったのかが、わかることが多いのです。自分の
した失敗があとで明るみになり、恥ずかしい思いをすることもありますが、むしろその失敗によって
学ぶことが多いです。他にもいろいろな良い点があると思いますが、その点が佐久病院の良い点と考
えました。
7、部長からのメッセージ
内科後期研修プログラムに応募希望の方は、是非、病院訪問・見学にお越し下さい。病院訪間は随
時受け付けております。
(統括内科部長 高松 正人)
9
神経内科後期研修プログラム
神経内科部長 三木 淳
1.概要
当院の神経内科は昭和52年に設立され、総合病院の専門内科としての役割と、東信地域の神経内科
の中核的な役割を担っている。脳血管障害と神経筋疾患を中心に急性期から慢性期治療、訪問診療ま
でを実地体験することで、神経疾患の診療技術の習得に加えて、地域社会の実情も踏まえた診療能力
を培えるよう指導している。特に、高齢者の神経合併症状の診療経験をつむ事で、老人医療の中心的
な役割を果たすことのできる神経内科医の育成を目指している。また、当院は、神経内科教育関連病
院、脳卒中認定研修教育病院であり、神経内科専門医、脳卒中専門医の取得が可能である。
2.一般目標
1)下記の疾患の診断法、検査技術、治療方針を習得。
①脳血管疾患:脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血など。
②神経難病:運動ニューロン病、多系統変性症、パーキンソン病、認知症など
③筋疾患、末梢神経疾患、中枢神経感染症
④めまい、頭痛、けいれん、意識障害などの急性神経症状
⑤慢性神経疾患の合併症:褥瘡、感染症、廃用症候群
2)救急搬送症例に対して、適切な処置、検査、治療法の習得
3)全身管理とリハビリテーション、再発予防のための長期検査治療計画の習得
4)神経内科専門医(4年以上の研修が必要)、脳卒中専門医(3年以上の研修が必要)の取得
3.実際の指導方法
1)指導体制
神経内科専門医、脳卒中専門医が指導にあたる。救急外来での対応から入院治療まで、
受け持ち医として診療にあたる。
2)神経内科病棟で10-15人を受け持つ。治療方針は、週一回の部長・医長回診で決定する。毎朝神経
内科ミーティングを行い、日々の変化についても報告、検討される。
3)脳卒中当番医
脳卒中当番として、当直医からのコンサルトに応じ、救急外来での業務を行う。
4)月に最低一回、訪問診療を行い、在宅患者の診察を行う。
5)救急診療:月 3 回程度の一般救急当直、週単位での脳卒中当番、休日の神経内科当番として神経
内科病棟の急変や他の診療科、救急外来からのコンサルトを受ける。
6)神経生理学検査:指導医の元で、神経伝道速度、針筋電図、Harvey-Masland test、Blink reflex、
表面筋電図、脳波などの実技とレポート作成。
7)神経生検・筋生検:生検手技から標本の固定までを行う。当院病理学検査室と信州大学神経内科
神経病理研究室にて病理学的検索を行い、結果のレポートと標本を検討。
8)神経病理:剖検率は 2 割程度で毎年 4-6 例の剖検がある。病理医が剖検を行い、結果報告会で検
討。院内 CPC も行っている。重要な症例は、上信越神経病理懇話会などで報告する。
9)神経放射線:CT、MRI、脳血流シンチ、脳血管撮影、頚動脈超音波検査が可能。
10)大学での研修:3年目以降に、信州大学神経内科・リウマチ膠原病内科での病棟医研修を行う。
期間は半年から一年程度。基礎研究の希望がある場合なども含め、研修期間や内容については相
談に応じる。
10
4.専門医教育施設の認定状況
当院は、日本神経学会の准教育施設となっている。
5.平成 26 年度学会発表件数
・4 件(日本神経学会学術大会、日本内科学会地方会など)
11
内視鏡内科後期研修プログラム
内視鏡内科部長 小山恒男
1.目的
内視鏡を中心とする消化管内科専門医として必要な最先端の知識技術を習得する。
2.対象

内科学会認定医取得者もしくはそれと同等の経験を有する者で、全国トップレベルの消化管内科
専門医を目指す医師。
3.研修期間

原則として 3 年間とする。
4.到達目標

消化管疾患全般の病態、診断および治療を理解し、適切な診療を行う知識と技術を習得する。

消化管癌の正確な病期診断を行い、内視鏡的治療、外科的治療、化学療法、放射線療法、緩和医療な
ど集学的な治療を理解した上で、適切な治療を選択し内科的治療を行う。

標準的な化学療法を理解し、適切な治療法を選択、施行し得る知識を得る。

上下部内視鏡、上部 X 線透視の基本を学び、その撮影技術を習得する。

通常内視鏡、NBI 等の Image Enhanced Endoscopy を併用した拡大内視鏡診断をはじめとした最先端の
内視鏡診断技術を身につける。

超音波内視鏡による、壁深達度、リンパ節転移診断技術を習得する。

消化管出血に対する適切な止血法技術を習得する。

ESD の基本的技術を習得し、胃適応病変のみでなく、適応拡大病変や他部位(食道や大腸など)の ESD
を安全に完遂できる技術を身につける。

内視鏡的な粘膜下腫瘍核出術や経口的食道筋層切開術(POEM)、さらには腹腔鏡との合同手術(LECS)
にも取り組む。

生検標本および ESD 切除標本を自ら鏡検し、組織学的診断技術を習得するとともに、組織と内視鏡所
見との詳細な対比から、新たな知見を得るための学術的検討力を身につける。

日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本消化管学会および日本食道学会にて学会発表を行い、
専門医を取得する。

3 年目には米国消化器病週間(DDW)や欧州消化器病週間(EUGW)にて発表を行う。

1 年目には症例報告、2 年目以降は原著論文を執筆する。
5. 研修スケジュール
A.病棟

指導医とともに病棟患者を担当する。

夜間および休日の病棟当番を適宜担当する。
B.外来

外来診療を適宜担当し、消化器疾患外来の知識を身につけるとともに、緊急患者の初期対応を
12
行う。
C.内視鏡

上部、下部とも、最新鋭の拡大内視鏡を用いて検査を行う。

上級医の指導下に上部、下部内視鏡検査のトレーニングを行う。

十分な技量を有すると判定された場合は、単独で検査を担当する。

超音波内視鏡検査では深達度のみならず、リンパ節転移診断のトレーニングも平行して行う。

緊急内視鏡の見学、介助を経て術者を担当する。

ポリープ切除、ESD、RIC、POEM 等の内視鏡手術の見学、介助を経て、術者を担当する。

ESD では、まず豚胃を用いたトレーニングを行う。

次に指導医の元で、15 分間の治療を担当する。

適応病変に対して、先発完投を目指す。

切除標本の実体顕微鏡撮像、切り出しを行う。

毎年、海外から招聘され、内視鏡診断・治療の教育を行っており、2 年次以降は助手として海外出
張に随行する。このため、内視鏡手技の指導、質疑応答は全て英語で行う。
D.各種カンファレンス
・ 生検カンファレンス(週 1 回)
内視鏡所見を適切に解説し、どのような組織像が得られるのかを推察した後に、顕微鏡像を提示
し、内視鏡所見と組織所見の対比を全例に行う。
・ 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)カンファレンス(週 1 回)
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)症例について、内視鏡所見と病理所見の一対一対応を行い、内視
鏡診断および病理診断能を向上させる。海外からの研修生が滞在中は、全てのカンファレンスを英
語で行う。
・ キャンサーボード(週 1 回)
内視鏡内科、消化器内科、腫瘍内科、放射線科、消化器外科の合同カンファレンスを毎週行い、
進行癌患者の治療方針を合同で検討する。研修生は受け持ち患者の病態をまとめ、問題点を簡潔か
つ正確にプレゼンテーションする。
・ 抄読会(週 1 回)
:消化器内視鏡に関する Top journal の抄読会を毎週行い、20 分以内に原著論文
の主旨を適格に解説する。
・ 部長 lecture
臨床研究を行う際の研究デザイン検討や、学会発表の準備、論文指導を行う。
E.学会発表
・ 1 年次:地方会発表と和文症例報告を執筆する。
・ 2 年次:総会発表と和文原著論文を執筆する。上級医の海外出張時に助手として参加する。
・ 3 年次:米国消化器病週間(DDW)や欧州消化器病週間(EUGW)で発表し、英文論文を執筆する。
13
後期研修医の一週間のスケジュール
月
火
水
7 時 15 分
Cancer
~45 分
board
8 時 30 分
木
金
抄読会
土
日
第2,4週
は診療日
上部内視
上部内視鏡検査
鏡検査
~11 時
交代で
first call
超音波内視鏡(EUS), 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の
11 時
見学、助手
交代で
~17 時
上級医の指導下に鎮静上部内視鏡検査、
first call
大腸内視鏡検査の実施
17 時
生検
ESD
部長
以降
カンファ
カンファ
lecture
各種研究会へ参加、発表
6. その他
・当科の診療現状。
ESD 約 350 件、LECS 20 件など。
・過去の本研修修了者の進路
佐久総合病院内視鏡内科、消化器内科スタッフ、大学院、大学病院、国立がん研究センター中央病
院、静岡がんセンター、仙台オープン病院、等。
7.専門医教育施設の認定状況
当院は、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本消化管学会、 日本カプセル内視鏡学会
の指導施設となっている。
8.平成 26 年度学会発表件数
・10 件(日本消化器病学会総会、日本消化器内視鏡学会総会、日本胃癌学会総会など)
9.先輩医師からのメッセージ
内視鏡内科研修プログラムでは、常時 5-10 人程度の入院患者さまを担当し、良性疾患から悪性腫
瘍まで内視鏡専門医を取得するのに十分な消化管疾患を経験することができます。また、検査から治
療まで豊富な内視鏡症例をベースにしたカンファレンスから、最新の内視鏡診断学を学ぶことができ
ます。さらに、ESD をはじめとした内視鏡手技に関しては、国内外で活躍する指導医のもとで段階的
に身に付けていくことができます。学ぶべきことは多く、時には睡眠時間を削ることもありますが、
最先端の内視鏡診断学のダイナミズムを身近に感じることができ、非常に充実した毎日を過ごしてい
ます。当科の研修プログラムに興味を持って頂いた先生方の応募を心よりお待ちしています。一緒に
頑張りましょう!
14
消化器内科後期研修プログラム
消化器内科部長 比佐岳史
1. 目的
・消化器疾患(消化管、肝、胆、膵)の診断・治療を行うための幅広い診療能力を身につけ、消化器
内科医としての基礎を作る。
・消化器疾患の診断・治療に必要な各種技術を身につける。
2. 対象
・初期研修を修了し、消化器内科を目指す者。
・原則として、内科認定医取得に必要な症例を経験していることが望ましい。
*内科認定医取得に際し経験症例が不十分な場合には、内科ローテーションを行ったのちに消化器
内科研修を開始するものとする。
3. 研修期間
・原則として 3 年間とする。
4. 到達目標
・問診、身体所見から必要な検査(血液検査や画像検査など)を選択し、その結果を適切に解釈する
ことができる。
・各種検査結果から、適切な診断、治療の選択、および内科的治療を行うことができる。
・消化器の解剖、病理学的・放射線学的事項を整理し、病態の把握や診断に応用できる。
・腹部超音波、上下部消化管内視鏡を一人で安全に行い、適切な診断ができる。
・内視鏡的緊急止血術、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)およびその関連手技、経皮経肝的胆道
ドレナージ術、血管造影検査を指導医のもとで行うことができる。
・日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会の認定専門医申請に必要な症例を担当する。
5. 研修スケジュール
・基本手技としての腹部超音波、上下部消化管内視鏡を研修当初より開始する。
・採用人数やグループ内体制により、研修順序を適宜調整する。
6.消化管グループでの研修内容
A.病棟
・上級医のバックアップのもと病棟患者を主治医として担当する。
・週 1 回の病棟カンファレンスで、病棟全体を把握する。
・夜間および休日の病棟当番を適宜担当する。
B.外来
・適宜救急患者や紹介患者の対応を行う。
・自身の外来を開設し、退院後患者フォローを行う。
C.各種検査手技
・超音波の理解と取扱い:超音波の原理、使い方を学ぶ。
・超音波実技トレーニング:研修医を被検者とした実技練習を行った上で、週 1-2 回の外来患
15
者に対する実技研修を行う。担当患者、救急患者の超音波を積極的に行う。
・内視鏡装置の理解と取扱い:技師について洗浄や各種器具の使い方を学ぶ。
・胃モデルを用いて基本的動作を身につけた上で、実際の検査で実技研修を行う。
・原則として、上部内視鏡を安全に行う力を身につけた上で下部内視鏡研修を行う。下部消化
管を安全に行う力を身に付けた上で、ERCP 研修を行う。
・緊急内視鏡の見学、介助を経て術者を担当する。
・ポリープ切除、内視鏡的胃瘻造設術、血管造影検査、エコーガイド手技、超音波内視鏡、内
視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
、ダブルバルン小腸内視鏡の見学、介助および適宜術者を担当
する。
D.各種カンファレンス
・病棟カンファレンス(週 1 回)
担当患者の検査結果、問題点や治療方針などを簡潔かつ正確にプレゼンテーションする。
・消化管・肝胆膵キャンサーボード(週 1 回)
治療方針の相談を要する患者を担当し、外科、放射線科、各科医師へ病状や問題点を簡潔
かつ正確にプレゼンテーションする。
・抄読会(週 1 回)
定期的に担当し、短時間で参加者へ内容が伝えられるようまとめる。
・生検カンファレス(週 1 回)
生検症例について画像読影を行い、病理組織をレビューし内視鏡診断学を構築する。
・術後カンファレンス(消化管:月 1 回、肝胆膵:月 1 回)
手術症例について、内視鏡所見と病理所見の一対一対応などから学術的視点を養う。
E.学会発表
各種研究会および学会での発表を担当し、可能な限り論文化(peer review を行っている
和文誌および英文誌)を目指す。
7.その他
・内科系医師としての病院業務(当直、検診など)は規定に従って従事する。
・消化器内科研修の統括責任者は比佐岳史とする。
・専門医教育施設の認定状況についても内科のページに記載。
【2014 年度 診断・治療手技実績】
●ESD:69 件(胃:32 件、大腸:37 件)
●消化管ステント留置:62 件(食道:14 件、胃:8 件、大腸:40 件)
●上部消化管 EUS:67 件(うち FNA:7 件)
●胆膵 EUS:501 件(うち FNA:31 件、経消化管的胆管ドレナージ術:8 件、ランデブー法:3 件、膵
仮性嚢胞ドレナージ:2 件)
●ERCP:491 件
●IVR:150 件
●経皮的ラジオ波焼灼術:56 件
8.平成 26 年度学会発表件数
・10 件(日本消化器病学会甲信越支部例会、日本胆道学会学術集会、日本超音波医学会学術集会など)
16
臨床腫瘍学研修(内視鏡内科・内科関連研修)
腫瘍内科部長:宮田佳典
1.目的
(ア) 固形がんの診断と治療方針決定に至るプロセスを学ぶ。
(イ) 癌に対する集学的治療を学ぶ。
2.到達目標
(ア) がんの診断に必要な検査を依頼し、検査結果を適切に解釈することができる。
(イ) 進行度別の標準的治療の概要を理解する。
(ウ) 標準的な化学療法を理解する。
① 標準的治療法を容易に提示できる
② 各化学療法薬剤の基本的な知識
③ 適応と禁忌
④ 期待できる効果
⑤ 主な有害事象とその対策
(エ) がん患者に起きやすい合併症とその対策を理解する。
(オ) 放射線療法
① 照射スケジュール(線量、照射範囲、化学療法とのタイミングなど)を提示できる。
② 治療計画装置を用いて、指導医と共に放射線治療計画が立てられる。
③ 指導医と共に(同席の意味)
、患者に治療を受けるメリットおよび有害事象について説明でき
る。
(カ) 緩和ケア
① 患者の苦痛を包括的に評価できる。
② がん疼痛の評価を行い、治療することができる。
③ 疼痛以外の身体症状の評価を行い初期対応ができる。
④ 精神症状の評価を行い初期対応ができる。
⑤ 在宅での緩和ケア・ターミナルケアを経験する。
(キ) その他
① がん診療に必要な主なガイドラインなどを通読し、基本を理解する。また、いつでも必要な
情報にアクセスできるようにする。
1. NCCN ガイドライン
2. 各学会の癌取扱い規約、ガイドライン
3.具体的な研修内容
(ア) 病棟患者の担当
① 内視鏡内科及び消化器内科に入院する主に消化器進行がん患者
② 緩和ケアチームが関わる患者
③ 放射線治療目的で入院中の患者
(イ) 外来
① 入院中の受け持ち患者の外来通院に合わせて通院治療センターで経過を追う。必要な処方等
17
の指示出しを行なう。
② 放射線科外来と治療室(治療計画、治療中の患者の診察など)
③ 緩和ケア外来
(ウ) 検査・処置
① がん診療に必要な検査を見学または実施する。
② 検査の適応、禁忌を理解する。
③ 検査の手順、患者への侵襲を理解する。
④ 必要な前処置を理解する。
⑤ 中心静脈カテーテル(CVC)と CV ポート埋め込みが安全に施行できる(6 ヶ月)
⑥ 腹腔および胸腔穿刺やドレナージが安全に施行できる。
(エ) カンファレンス、抄読会
① 病棟入院患者のカンファレンス:週 1 回
1. 入院患者の病歴や問題点を簡潔かつ理論的にまとめて説明できる。
2. 画像所見を理解し、わかりやすく説明できる。
② キャンサーボード:週 1 回
③ 放射線カンファレンス:未定
④ 緩和ケアカンファレンス:週 1 回
⑤ 臨床腫瘍学抄読会:隔週 1 回
(オ)学会発表
① 6 ヶ月研修では学会(研究会)発表を目指す。可能な限り論文化を目指す。
4.研修期間
(ア) 最低 3 ヶ月、可能であれば 6 ヶ月とする。6 ヶ月の利点は一人の患者さんの経過を長期的に
追える点である。
5.1 週間の予定
① 放射線科外来:最低半日
② 緩和ケアチームの回診:半日
③ 在宅・往診:半日
④ 外来と通院治療センター:半日から 1 日
⑤ 病棟患者の診療、検査見学:毎日
18
外科後期臨床研修プログラム
統括外科部長 石毛広雪
1、外科研修の概要
当院の外科は、消化器 3 グループ(上部消化管、下部消化管、肝胆膵)、心臓血管、胸部(呼吸器・
乳腺・甲状腺)
、小児外科の6グループに分かれています。医師は特定の大学からの派遣ではなく、初
期・後期研修医から引き続き当院に勤務する医師、自分から当院を希望してスタッフになった医師よ
り構成されています。そのため上からの決定でなく、グループそれぞれが自分たちの目標を持ち、そ
の達成に向けて努力する自由な雰囲気を持っています。またグループ間で協力できる強みもあります。
東信地域全体の外科医療の中心になっているため、緊急手術も多く年間手術件数は 2000 例を超えて
います。外科専門医を取得するのに十分な症例数を確保できるだけにとどまらず、基本的なソケイヘ
ルニア、急性虫垂炎の手術から鏡視下の高度な癌の手術、心臓外科手術まで外科医に必要なほとんど
の手術を経験できます。執刀の機会もかなり多くあります。
地域の病院で一般外科を目指したい医師、専門分野を決める前に一通りの手術を経験したい医師、
外科腫瘍学の一部として手術の経験をしたい医師、特定の手技を極めたい医師、いずれの希望にも対
応可能です。救命救急センターとの連携で ER やドクターヘリを経験すること、内視鏡内科で消化器内
視鏡検査を研修することなども可能です。学会活動も盛んで、国内で、あるいは海外でも第一線の分
野もあり、この方面で実力を発揮したい医師にもよいでしょう。
後期研修終了後は外科のスタッフとして勤務することも可能です。スタッフになると病院負担で国
内外での専門施設で一定期間研修できることもあります。
佐久医療センターが 2014 年 3 月から開院しました。地域医療の歴史の長い佐久総合病院、その原点
から様々な方面へ大きなポテンシャルをもって発展してゆこうとがんばっています。仲間に加わって
みませんか。
2、研修スケジュール
6 か月間毎で上記の 5~6 グループをローテートします。希望や受け入れ側の状況で変わることもあ
ります。
各グループの研修内容を以下に示します。
3、外科各グループの診療と研修内容
①消化器外科
1)上部消化管グループ
上部消化管グループは食道・胃疾患に対する外科手術を担当しています。年間の症例数は食道疾患が 10 数例、
胃疾患が約 120 例となっています。悪性疾患が大部分を占めており、2013 年より食道癌に対しては胸腔鏡下食
道切除を標準術式としています。胃癌に対しては、術前診断にてリンパ節転移の認められない、T2(筋層浸潤)
までの腫瘍に対して、腹腔鏡下胃切除を施行しています。2013 年の実績では、102 例の胃癌切除で、48 例の腹
腔鏡手術が施行されました。16 例の胃粘膜下腫瘍に対しては全て腹腔鏡手術が行われましたが、そのうちには
腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)も含まれています。
後期研修では、上記の豊富な手術症例を担当して、今後専門とする消化器外科の手術手技を中心とした治療を
身につけることを目指します。現在の消化器外科とくに消化管の外科では、腹腔鏡手術手技は外科医が習得しな
ければならない必須のスキルであり、当科・当グループでの研修をその目的のために活用したいと考える後期研
修医を歓迎します。
19
2)下部消化管グループ
将来及び現在に悩んでいる外科医及び外科医希望医師に対して、自らの人生をかけて一流の手術を
提供できる外科医を目指す医師を募集。田舎の住民でも世界に通用する医療を提供することをモット
ーにしている。スタッフは現在、5名在籍。大腸グループでは、結腸・直腸の良性/悪性手術を年間
400 症例の手術を行っている。腹腔鏡手術施行率は 95%であり、悪性腫瘍手術に限っては 99%になる。
内訳は年間、結腸癌 110 例・直腸癌 80 例施行し、腹腔鏡手術の割合は結腸:100%,直腸:98%である。大
腸穿孔による糞便性腹膜炎にも開腹創のない腹腔鏡手術を全例施行し、良好な術後経過をえている。
さらにヘルニア(そけい・大腿・閉鎖孔・腹壁瘢痕ヘルニア・傍ストーマヘルニア)も今年から頻回
に施行されており、年間 150 症例に及ぶ全症例を腹腔鏡で行っている。手術は通常、毎日行っている。
とにかく、丁寧で確実な手術手技を身につけた外科医を養成することが目的です。手術を行うには周
術期における病棟管理が必須条件になる。周術期の検査・管理を徹底することで、合併症が少なく早
期に社会復帰ができることを目標においている。
3)肝胆膵グループ
・各種画像検査(CT、US、MRIなど)、血液検査、生理検査、病理検査など
から診断を行い、治療方針ならびに手術術式を決定する。
・手術に必要な解剖を理解し、基本手技を修得することにより、助手あるいは執刀
医として手術を遂行します。特に肝胆膵疾患手術における深部や繊細な組織に対する視野の展開
や基本手技の修得を重要と考えている。
・ 主な手術は、肝臓・胆嚢・膵臓疾患、特に悪性疾患に対する手術加療。肝臓年間
40~50 例、膵頭十二指腸切除 25~30 例などがある。その他に腹腔鏡下胆嚢摘出
術が、年間 150~200 例ある。
・ 肝臓の動注療法、全身化学療法の修得も行う。
②心臓血管外科グループ
外科専門医を取得するに当たって、必要な心臓・大血管、末梢血管手術の基礎を学び、基礎的手術
手技を習得することを目的とする。
当院外科のそれぞれのチームでの修練期間は基本的に6ヶ月ですが、心臓血管外科はやや特殊な立
場にあり、他のチームと調整がつく場合には3ヶ月での研修も可とする。
[3ヶ月研修]
・心臓血管外科手術症例を1週に1例、担当医として受け持ち、心臓弁膜症、虚血性心
疾患、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、末梢血管それぞれの基礎的知識を学ぶ。
・術前精査、周術期管理、術後治療について症例を通して習得する。特に他の外科領域と異なる循環
管理、心不全治療等について重点的に習得する。
・外科手術手技については以下を目標とする。
(ア)開心術(心臓手術)
①開胸手技(皮膚切開~心膜切開まで)
②閉胸手技(止血、胸骨閉鎖~皮膚閉創)
③第2助手
(イ)胸部大動脈瘤手術
①開胸、閉胸手技
②第2助手
(ウ)腹部大動脈瘤
①腹部切開、閉創
20
②第2助手、可能であれば第1助手
③末梢側の人工血管・腸骨動脈吻合
(エ)末梢動脈疾患
①第1助手
②末梢血管、人工血管・末梢血管吻合
③急性動脈閉塞に対する血栓除去術の術者
(オ)静脈瘤
①第1助手
②術者
(カ)その他の侵襲的手技
①胸腔穿刺
②中心静脈ラインの挿入
(キ)wet lab(ブタ心臓・大血管を使用)を用いた各種手技の習熟
・勉強会、抄読会、学会
(ア)循環器グループ勉強会にて1回、テーマを決めてプレゼンテーション
(イ)毎週行われる循環器グループ抄読会にて英文論文を月1編以上
(ウ)胸部外科地方会等院外の学術的集会での発表
[6ヶ月研修]
3ヶ月研修に加えて以下を目標とする。
・外科手術手技
(ア)術者
①腹部大動脈瘤切除術
②末梢動脈人工血管バイパス術
(イ)部分的術者
①心臓手術における体外循環のカニュレーションまでの手技
②冠動脈バイパス術における静脈グラフト採取(内視鏡的)
(ウ)第1助手
①全ての心臓血管外科手術
・学術的活動
(ア)胸部外科地方会にて症例報告を行ったのち、同症例の論文を作成、学術雑誌へ投稿する。
③胸部外科グループ
1)呼吸器外科
呼吸器外科の手術は年間約 160 例で、そのうち約 100 例が肺癌手術。肺癌手術の約 8 割が胸腔鏡下
手術となっている。標準開胸下の肺癌手術、すなわち肺葉切除+リンパ節郭清術を修得することを目
標とする。
(半年の研修で約 10 例)また、各種の胸腔ドレナージ(気胸、外傷、胸膜炎など)を多数
経験し確実に行えるようになる。専門研修として呼吸器外科を選択した場合には、胸腔鏡下肺葉切除
術の修得を目指す。
2)乳腺外科
研修の目標
指導医のもとで乳腺疾患の基本的診療が理解でき、指導医のもとで手術が行えるように
なる
研修期間 6 か月間、乳腺外科志望の場合は 1 年間も可
研修内容
21
超音波、マンモグラフィの読影、診断
手術の助手、術者となる
術式は乳房切除術、温存術、センチネルリンパ節生検、腋窩郭清で、
術者になるのは週1~2例
術後管理を行う
標準的なホルモン療法、化学療法を理解する
(1年間の場合)
標準的なホルモン療法、化学療法の指示を出し、支持療法を行う
針生検(CNB、マンモトーム)を行う
外来で2次検診を行う
研修による資格等
外科専門医の乳腺疾患の十分な症例数を得られる
努力すればマンモグラフィ、超音波の読影認定医の資格を得られる
乳癌学会認定施設での研修期間となる
(1年間の場合)
日本乳癌学会で発表を行う
④小児外科グループ
小児外科では生まれたばかりの新生児から 16 歳未満の中学生までの外科的治療を行っている。胸部
腹部の心臓以外の臓器を取り扱うため、疾患は多岐にわたる。
1) まず、年齢、性別、現病歴、身体所見より、鑑別疾患を列挙する。さらに必要な検
査を選択、実施することにより確定診断を得る。
2) すべての手術に助手として参加し、年齢に応じた組織・臓器の脆弱性や、解剖の特
殊性を理解する。
3) 患児の年齢、今後の成長、手術侵襲の大きさを考慮したうえで、適切な周術期管理
を行う。
4) 小児外科疾患の中で症例数の多い、鼠径へルニアや陰嚢水腫、臍ヘルニア、停留精
巣などの手術を執刀医として経験する。
5)小児急性腹症の診断および治療(内科的治療、外科的治療を含む)を行う。
4、 専門医教育施設の認定状況
当院は日本外科学会、日本消化器外科学会、心臓血管外科専門医機構、日本呼吸器外科学会、日本
乳癌学会の認定・関連施設となっている。
5.平成 26 年度学会発表件数
・29 件(日本外科学会学術集会、日本消化器外科学会学術総会、日本肺癌学会、日本小児外科学会東
海地方会、日本乳癌学会学術総会、日本内視鏡外科学会、日本胃癌学会、日本大腸肛門病学会学術集
会、日本肝胆膵外科学会学術集会など)
・ 後期研修医からのお誘い
外科後期研修 3 年目から当院の特徴を述べさせて頂きます。
当院の特徴は若手外科医一人あたりの手術症例の豊富さ、執刀症例の豊富さです。手術症例数は長野県
内有数の規模であり、虫垂炎や胆嚢炎、消化管穿孔、外傷性肝破裂などの救急疾患から、食道・胃・大
22
腸・肝・胆・膵・肺・乳腺・甲状腺などの悪性疾患や大人の心・血管疾患、小児外科疾患、鼠径ヘルニ
アなど、ほぼすべての分野をカバーしています。ですが、スタッフ数は大学に比べて格段に少なく、所
属疾患班ほぼ全ての手術に参加することが出来ます。また、若手外科医がレベルに応じて執刀すること
が可能です。
例えば、上部消化管外科所属であれば、胃全摘、胃切(腹腔鏡下あり)、胆摘(腹腔鏡下)、鼠径ヘ
ルニア(腹腔鏡下あり)や救急疾患(虫垂炎、急性胆嚢炎、絞扼性イレウス、消化管穿孔等)をまんべ
んなく、年間 160 例強ほど執刀可能です。努力次第では 200 例越えも可能です。
また、当院が長野県東部で唯一の救命救急センターであるという性格上、内因性疾患から外傷まで、
様々な疾患が救急搬送され、腹部外傷手術を含め、外科専門医取得のための症例で言えば、だいたい 1
年前後で全症例取得が可能です。見たことのない変わった疾患も多く、良い意味で頭を悩まさせられま
す。
更に大学と違い、かなりの職務をコ・メディカルが負担してくれるため、手術に心血を注ぐことが可
能です。
一流の外科医になるべく、大事な後期研修の 3 年間を手術漬けにしてみませんか? 見学お問い合わ
せお待ちしています。
23
心臓血管外科後期研修プログラム
心臓血管外科部長
竹村隆広
1.特徴
心臓血管外科は当院外科の一グループとして、長野県のほぼ 1/4 にあたる東信地区全域を診療圏と
しています。人口は多くありませんが、心臓血管外科施設集約化の結果、診療圏で唯一の施設として
医療を行っており、心臓大血管手術約 200 例(胸部ステントグラフト治療を含む)、腹部大動脈瘤、末
梢血管症例 120 例程度の手術を行っています。スタッフは現在常勤医師 9 名(心臓血管外科専門医 4
名)で 1 名が海外留学中です。
手術手技としては各手技において低侵襲手術を積極的に導入しており、まだ導入施設の少ない 3D
内視鏡も完備し、手技によって完全内視鏡下での手技を施行しています。冠動脈バイパス術(CABG)
ではオフポンプ冠動脈バイパス術が 90%以上で、大伏在静脈採取は研修医が内視鏡的に採取していま
す。また、2 年前より左小開胸の MICS CABG を導入しており、内胸動脈採取は 3D 内視鏡を用いて完全
内視鏡下に施行しています。僧帽弁疾患は基本的に右小開胸の MICS で施行し、心内操作は完全内視鏡
下に施行しています。変性性疾患はほぼ全例に形成術を施行しています。弁膜疾患で最も症例の多い
のは大動脈弁疾患ですが、症例に応じ研修医も執刀の機会があります。また、新病院では最新の放射
線装置を備えたハイブリッド手術室があり、本年より経皮的大動脈弁移植術(TAVI)を開始する予定
です。大動脈疾患に関しては上記ハイブリッド手術室を駆使し、胸部、腹部ともにステントグラフト
治療を積極的に施行しています。
当院の大きな特徴としては、補助人工心臓治療および組織バンクの運営が上げられます。平成 22
年より左室補助人工心臓(LVAD)治療を開始し、現在東京大学からの支援をいただき、主に植込型 LVAD
治療を1年に2例程度、多職種チーム医療で行っています。また、他施設で少ない組織バンクを院内
に有しており、ヒト同種弁、同種大動脈等の採取、凍結、保存、ならびに使用を行い、ホモグラフト
を使用した大動脈弁置換術、Ross 手術などが可能です。また、当科は循環器内科と密接に関連し、ハ
ートチームを形成しています。今後、循環器診療は外科と内科の垣根が下がりオーバーラップしてい
くことが予想されます。外科においてもカテーテル操作等は今後必須の時代であり、後期研修医期間
に循環器内科をローテションすることを推奨しています。また循環器病センターとして、多職種での
チーム医療を従来以上に推進しており、大学病院等とは異なる研修が可能と考えます。
また、重症心不全治療、弁膜症治療、ステントグラフト治療のそれぞれの分野で、日本をリードす
る3名の先生に定期的においでいただき、指導を受けています。当科ではここ数年間に3名の後期研
修医が在籍していますが、教育としては研修医を中心に、定期的なウエットラボの開催、院内での講
演会や勉強会開催、学会への積極的参加、外科手技の評価方法の推進などを行っています。
2.目標
外科専門医取得のための消化器外科、胸部外科等の研修は外科グループ内で行い、第一段階として
外科専門医の取得を目標とします。また、併せて心臓血管外科医として必要な、診断、全身評価、術
中・術後の管理、心臓血管外科医としての基本的手術手技を習得し、3年間で簡単な人工弁置換術、
腹部大動脈瘤手術(ステントグラフト術を含む)
、末梢血管手術などの術者になり心臓血管外科医とし
ての基礎を習得することを目標とします。
24
3.プログラムの概要
臨床部門
(1) 1年目
6ヶ月間:心臓血管外科研修

心臓血管外科医として診断の基礎、手術適応、全身評価方法等を取得する。

開胸、閉胸、開腹、閉腹等の手技を取得し、手技の術者となる。

手術の第2助手を行い、簡単な手術において第1助手を行う。

末梢血管吻合等の手技を習得し、簡単な末梢動脈手術等を行う。

腹部ステントグラフト術での内腸骨動脈コイル塞栓術および末梢動脈疾患血管内治療
の助手、術者を行う。

下肢静脈瘤手術の第1助手を行い、簡単な手術では術者となる。
6ヵ月間:消化器外科または胸部外科研修

外科専門医取得のため、基本的知識、手技を取得する
(2) 2年目
6ヵ月間:消化器外科または胸部外科研修
希望に応じて循環器内科、麻酔科等での研修も可能。
6か月間:心臓血管外科研修

通常の手術での第1助手を行う。(心臓、腹部大動脈、ステントグラフトなど)

人工心肺の装着手技を習得し、実施する。

心房中隔欠損症などの簡単な心臓手術、腹部大動脈瘤手術、末梢血管外科手術、下肢静
脈瘤手術の術者となる。

1 年目に引き続きコイル塞栓術、末梢動脈疾患血管内治療の術者等になり、本年内にス
テントグラフト実施医を取得する。
(3) 3年目
心臓血管外科研修
3年間のまとめとして、診断、適応、患者管理等を後輩に指導できる。
基本的心臓血管外科手術手技を安全に施行できることを目標とする。

簡単な人工弁置換術、左前下行枝への冠動脈バイパス手技、腹部大動脈瘤(開腹、ステ
ントグラフト)の術者となる。

緊急手術等への対応、他診療科とのマネジメントなどができる。

左室補助人工心臓(LVAD)の管理、組織バンクでの組織管理などができる。
後期研修 1,2 年次での目標手術症例数(1 年間心臓外科に在籍の場合)
術者:20
血栓除去術:5
第1助手:20
開心術:5
第 2 助手:80
開心術:50
大腿動脈-大腿動脈
血管形成術,コイル
腹部大動脈瘤、
バイパス術:5
10
開心術 3
大動脈瘤ステンドグ
ラフト手術:10
胸部大血管:10
末梢血管:5
大動脈瘤ステンドグ
ラフト手術:20
専門医取得点数にならないが、開閉胸、大腿動脈の露出・吻合はそれぞれ 30 例程度可能
学術部門
1年目:地方会での症例報告と同症例の和文報告
25
2年目:日本胸部外科学会、心臓血管外科学会等の総会での演題発表
和文症例報告
3年目:総会での演題発表と原著論文の執筆
その他研修内容
(1) ウエットラボ 1~2 回/月
(2) BEAT,YOUCAN を使用した OPCAB 吻合トレーニング
(3) 循環器内科との合同カンファレンス
毎週 1 回
(4) 麻酔科、多職種との合同カンファレンス 2 回/月
(5) 循環器内科との勉強会 毎週 1 回
(6) 海外学会参加費用への補助あり。
研修責任者名
竹村隆広
研修責任者の役職
心臓血管外科部長、東京女子医科大学非常勤講師、東京慈恵会医科大学非常
勤講師、信州大学
臨床教授
医師数
9名
他科研修の可能性
可能
研修終了後の進路
希望により当科スタッフとなり、さらに専門的研修を続行することが可能。
また、東京慈恵会医科大学、東京女子医科大学等への進路が可能
関連施設
なし
関連大学医局
東京慈恵会医科大学
海外の関連施設 なし
4.専門医教育施設の認定状況
当院は、日本心臓血管外科学会の認定施設となっている。
5.平成 26 年度学会発表件数
・12 件(日本胸部外科学会甲信越地方会、日本血管外科学会学術総会、日本冠疾患学会学術集会など)
26
整形外科後期臨床研修プログラム
整形外科部長 福島 和之
・目的
運動器の疾患と外傷の治療全般にわたって研修を行い、手術・術前術後管理などの体験を通じて整形外
科医として有すべき基本的技術・知識を習得することを目的とする。原発性骨・軟部悪性腫瘍を除く全ての四
肢、脊椎疾患と外傷について診断・手術適応の判定・適切な説明ができ、かつ基本的な手術を執刀できるこ
とが目標である。
当院の特徴として、脊椎感染症や悪性腫瘍転移による急性脊髄麻痺、四肢関節感染症など外傷以外にも
果断、迅速治療を要する患者が多いことがあげられる。これに主体的に関わることで、知識の集積だけでは
得られない感性が磨かれよう。また毎朝行われるミーティングで、症例の概要をまとめ、簡潔・的確にプレゼ
ンテーションする技能を指導する。
・研修内容、専門医資格取得、指導体制
1)1 年目前半は主に外傷について研修し、救急対応を習得する。1 年目後半からの 1 年半は外傷と疾患を
平行して研修し、およそ6ヶ月毎に「脊椎」,「手の外科」と「関節」疾患を各々の指導医のもとに集中的に研修
を行う。3年目は各自の希望を尊重して一定の分野に重点をおいた研修(例えば脊椎外科・膝関節外科な
ど)を行う。
2)研修内容は日本整形外科学会のガイドラインに即して行い、卒後7年目に診査を受ける整形外科専門
医の取得に必要な症例を担当させる。整形外科的検査、術前術後管理はもちろん、手術も特殊なものを除き
担当医が行う。3年間で執刀数 500 件、参加手術 1000 件を最低ラインとする。
3)研修期間中に学会発表を3回以上、論文発表を2編以上行い、整形外科専門医受験に余裕を持って対
応可能とする。
4)骨・軟部悪性腫瘍についての専門的研修を希望する者には、3年次に全国一の悪性腫瘍治療実績を
有するがん研有明病院での研修を斡旋する。
5)後期研修修了後は、当院スタッフとなる道のほか、東京医科歯科大大学院への進学や、それぞれの部
門で全国トップクラスの症例数をもつ医科歯科大関連専門班病院(脊椎、人工関節、膝などの専門病院)で
の研修も可能である。
6)常勤7名、うち整形外科専門医5名(脊椎脊髄病指導医3名、手外科専門医1名、外傷専門医 1 名)。
27
・後期研修医の週間スケジュール
週間スケジュールは所属指導医により異なるため2例を示した(表1)。手術件数の 46%が緊急もしくは臨
時手術であるため、午後以降の予定は随時変更することがある。
表 1.週間予定表
脊椎研修中の例
月
火
早朝
水
木
金
土
全員回診
午前
外来
病棟処置
手術(脊椎)
病棟処置
外来
外来・回診
午後
手術(脊椎)
脊椎造影検査
手術(脊椎)
造影・ブロック
手術(外傷)
(交代制)
夕方
手術(脊椎)
カンファランス
手術(脊椎)
手術(外傷)
火
水
木
金
土
関節研修中の例
月
早朝
全員回診
午前
手術(外傷)
外来
手術(上肢)
外来
病棟処置
外来・回診
午後
手術(外傷)
手術(THA)
手術(外傷)
手術(膝)
手術(THA)
(交代制)
夕方
病棟処置
カンファランス
手術(外傷)
手術(外傷)
・専門医教育施設の認定状況
当院は、日本整形外科学会の認定施設となっている。
・平成 26 年度学会発表件数
・3 件(日本肩関節学会、日本骨折治療学会、東日本整形災害外科学会)
・後期研修医からのメッセージ
地域性豊かな一般整形外科研修のみならず、脊椎・手・外傷・関節といった各専門分野の指導医に恵まれ
ています。一般外来・予定入院業務だけでなく、急患も非常に多いため、後期研修医はものすごく忙しいです。
後期研修医 1 人あたり、入院患者受け持ち数は常時平均 15 名ぐらいになります。しかしながら、無駄に忙し
いということは決してありません。やる気次第で、ものすごい経験値を得ることが可能です。手術経験症例も
豊富であり、ここ数年の後期研修医に関しては、年間あたり執刀 200 件・助手 150 件の実績があります。
初期臨床研修医制度の導入によって、卒後 5-6 年までの専門研修不足を心配する声も多く聞きますが、臨
床能力の短期成長を望む方にはうってつけの環境だと思います。スタッフが増えることで経験症例が減って
しまう心配は御無用です。当科における後期研修は、自信をもってオススメできます!!
28
・部長からのメッセージ
運動器の治療を通じて地域の活力に資する
佐久総合病院は救命救急センターを併設する東信地区の総合病院です。重症の外傷患者がドクターヘリ
で遠方からも搬送されてきます。疾患についても、全身状態の不良ゆえに他院で手術は無理といわれ、紹介
転送されてくる患者が増えています。多発外傷、脊椎・骨盤外傷、脊椎疾患が多いので、症例数から想像す
る以上に仕事が多いという特徴?があります。幸い、当院は内科、外科、麻酔科をはじめ他科も充実してい
るため、研修医はやりがいのある仕事を的確に進めることができます。また出産件数が多いので、先天性股
関節脱臼、内反足といった小児の疾患を経験する機会にも恵まれています。当科には比較的若い指導医が
多く、若者同士で知識、技術を効率的、実践的に吸収できます。後期研修医の 1 年目後半からは主体的に手
術計画を立て、できるだけ自ら執刀することで、早く偏りなく実力を付けていただき、どんどん働いてもらいま
す。結果的に時間外手当が相当付きますので、給与面でも恵まれています。地方の医療環境には多くの問
題がありますが、運動器の治療は住民の自立を助け、地域の活力を高めるうえできわめて重要です。このた
め 2014 年 3 月に佐久医療センターが開設されました。どんな病状にもひるまないスーパー整形外科医に早く
なりたいという意欲のある後期研修医をお待ちしています。
29
形成外科後期臨床研修プログラム
形成外科部長 大谷津 恭之
・形成外科の概要、特徴
・診療圏における役割、院内における役割、特徴等
【救急医療における高い貢献度】
佐久総合病院佐久医療センターは東信地域の中核的病院である。同地区唯一の救命救急センターを
持つため外傷に関わる機会が多い。熱傷、顔面外傷、四肢・体幹外傷に関する緊急・準緊急の手術件
数は、総手術件数の 1/4 を占める。当院では Dr.ヘリが常駐しており、切断指等に対しては迅速介入
が可能である。EICU には重症患者用の熱傷ベッドを備えており、救急スタッフ・リハビリテーション
科・心療内科・精神科・NST チーム・ソーシャルケースワーカーらとも連携し、全身管理、局所治療、
植皮術、栄養管理、リハビリテーション、精神的ケアを行い、社会復帰まで一貫した治療を行ってい
る。
【難治性皮膚潰瘍病変に対するゲートキーパー】
褥瘡・難治性下肢潰瘍などの慢性潰瘍性病変に対し形成外科はゲートキーパーの役割を果たしてい
る。褥瘡に関しては、医師、創傷、皮膚排泄ケア認定ナース、薬剤師、管理栄養士らによる褥瘡回診
を週 1 回行い、回診後にケースカンファレンスを行っている。また、院内・院外から糖尿病性壊疽、
下肢虚血性病変、縦隔炎等の診療依頼も多く、関連科との協力の下治療を行っている。
・目的、目標
・研修の目的
3 年間を通して将来形成外科専門医となるにふさわしい知識と的確な診断能力、基本的な治療手
技・安定した手術手技を身につけることである。
・取得可能な学会資格等
日本形成外科学会専門医試験を受けるための研修期間は 4 年である。当該形成外科は日本形成外
科学会認定施設であるため、研修期間の 3 年間は保障されるが、3 年間の後期研修だけでは形成外
科専門医試験の受験資格は得られない。これは、すべての研修施設で言えることであり、専門医の
資格を取得するにはさらに 1 年間研修が必須である。そのため、3 年間の研修後に当該形成外科に
スタッフとして残るか、他施設においてさらに 1 年間研修する必要がある。当該形成外科にスタッ
フとして残る場合は、優先的にこれを考慮する。また、他施設(大学も含む)研修または移籍の希
望者には推薦も考慮する。
また当院は、日本形成外科学会、日本手外科学会の認定施設である。従って、形成外科専門医だ
けでなく、手外科専門医を取得するための研修実績が得られる。
・論文掲載
形成外科専門医試験を受けるためには形成外科に関する論文 1 篇が必要である。3 年間のうち最
低 1 篇の論文掲載を目標とする。
30
・研修内容
研修期間
3 年間
経験可能な症例
3 年間の間に以下の疾患の診療を行い、手術適応疾患の術者ないし助手を経験し、周術期のマネジ
メントを行う。
熱傷、凍傷、顔面外傷(軟部組織損傷・顔面骨折)、頭蓋・顔面変形、唇裂・口蓋裂、手足の外傷
(顕微鏡下切断指の再接着を含む)
、手足の先天奇形(多指症・合指<趾>症・多<合>趾症)
、顎・顔
面の先天異常、口唇口蓋裂、その他、耳介先天奇形(折れ耳・埋没耳・小耳症)、体幹の奇形・変
形(漏斗胸、鳩胸、臍ヘルニア、臍突出症、尿膜管遺残)、良性腫瘍(皮膚・皮下・軟部組織の腫瘍、
血管腫)、悪性腫瘍(顔面・体幹・四肢表面の癌・肉腫)、乳房再建、胸壁再建、肥厚性瘢痕・瘢痕
拘縮・ケロイド、褥瘡・慢性難治性潰瘍(下腿静脈性潰瘍、糖尿病や末梢動脈疾患による下肢壊疽、
胸骨骨髄炎)、美容外科(重瞼術・わきが手術・ピアス)、その他(眼瞼下垂、顔面神経麻痺、陥入
爪・巻き爪)、レーザー治療(大田母斑・シミ・ホクロなど)など。症例によっては佐久総合病院本
院で研修を受ける。
経験する手技・手術
主として病棟医として、専門医である部長、他の直接上級医スタッフの下で下記の修練を行う。
・1 年目
手技:1)外来診療に参加:形成外科的診療法・記載法、2)手術前・後の管理、3)創傷処置、
4)簡単なスプリント及びギプス固定法、5)形成外科的外傷の救急処置、6)形成外科諸手術の
助手、7)形成外科的縫合法、8)小範囲から広範囲にかけての分層・全層植皮の採取法、9)マ
イクロサージャリーの手術手技の修練(練習用チューブ、実際の手術の部分的な助手)、 10)褥
瘡回診:創の評価、創の管理、体圧・ズレの分散法、ポジショニングを修練する。
手術:1)顔面以外の部位の植皮術、2)小範囲の瘢痕拘縮形成術、3)簡単な皮弁作成、4)簡
単な顔面の手術あるいは手の外科手術などの部分的な執刀者となる。
・2 年目、3 年目
手技:1)上記修練を引き続き続ける、2)マイクロサージャリーの手術手技の修練と実際の手術
の助手、3)外来において部長または副部長の指導の下で外来新患の診断を修練する。また、再診
患者の創処置等を行う。
手術:1)口唇裂、口蓋裂、耳介先天異常(埋没耳の手術、小耳症への軟骨移植等)の助手を務め
る、2)顔面や手の機能再建手術、各種皮弁(筋皮弁を含む)、3)切断指再接着術や遊離複合組織
移植などの手術において部分的な執刀者または執刀者となる。4)3 年目の終盤では、形成外科専
門医を取得するための症例の 80%を指導医の指導の下、執刀者として経験する。
学会発表・論文作成:2 年目からは研究会・懇話会等の他施設合同症例検討会、信州形成外科学会、
日本熱傷学会甲信地方会等に演者として演題を発表する。形成外科専門医受験資格を得るためには、
形成外科に関する論文が 1 篇必要である。論文の執筆掲載は研修期間中に最低 1 編を目標とし、論
文執筆の指導を受ける。
31
後期研修医の週間スケジュール
午前~
月
火
水
木
金
第 2・第 4 土
セ外来
セ総回診
セ手術
セ外来
セホ手術
ホ外来
(ホ手術)
午後~
セ レーザー外来
(セ回診)
セ外来
セ手術
褥瘡回診・カンファ
セホ外来
夕回診
夕回診
夕回診
夕回診
-
病棟カンファ
抄読会
第 1, 3, 5 土
(ホ手術)
夕方~
夕回診
備考
術前カンファ
曜日は休診
月一回病理検討会
朝は当番医師が回診、セ:佐久医療センター、ホ:本院
カンファレンス開催状況
術前カンファレンス(週 1 回)、褥瘡回診カンファレンス(週 1 回)、病理カンファレンス(月 1 回)、
抄読会など。
スタッフ数
スタッフ数は 3 名(全て日本形成外科学会専門医)。他に非常勤 1 名(本院)。
外部研修
後期研修 3 年間は例外を除き当該施設のみで研修する。ただし、スタッフにはサブスペシャリティ
ーを磨くため、他施設研修を推奨している。
学会・研究会の参加
日本形成外科学会とその他の関連学会(熱傷学会・口蓋裂学会・手外科学会・美容外科学会・頭蓋
顎顔面外科学会・マイクロサージャリー学会・褥瘡学会・創傷外科学会、フットケア学会、下肢救済
足病学会など)および地方会・研究会・研修会への参加が可能である。
・平成 26 年度学会発表件数
・3 件(日本熱傷学会甲信地方会学術集会、日本手外科学会学術集会、信州形成外科学会など)
・形成外科部長からのメッセージ
前述しましたように、地域医療における形成外科の役割は多岐にわたるものであります。3 年間で
相当実力がつくことでしょう。医局はアット・ホームの雰囲気です。2014 年 3 月 1 日に高度先進医療
を中心とする新病院(佐久医療センター)が開院しました。
佐久は、四季折々のアウトドア・ライフが楽しめる地域です。東京から新幹線で 1 時間半。軽井沢
や清里にも近く、北は浅間山系、南は八ヶ岳連峰に囲まれ、高速道路網も充実しています。大自然の
中で研修してみませんか。(形成外科部長 大谷津
32
恭之)
脳神経外科後期臨床研修プログラム
脳神経外科部長 吉田貴明
・概要
脳神経外科は、佐久医療センターでの診療が主体となります。
脳卒中につきましては基本的に医療センターで行うこととなり、くも膜下出血や脳出血の一般的な
脳外科治療に加え、t-PA 治療や各種薬物治療など脳梗塞急性期治療も受け持っております。
また、救命センター、ドクターヘリなどを備えており、重症頭部外傷も多く搬送され緊急手術にも
対応しております。
放射線治療設備も有しており、悪性も含め脳腫瘍症例も比較的多く紹介され地域の基幹病院として
バリエーションの豊かな治療を経験できます。
画像診断も、最新式 3.0T –MRI や CT、PET、SPECT、脳血管撮影装置などが配備され、画像所見を学
ぶにも適しています。
このように脳疾患全般の研修を行い、神経学、検査・手術を含めた治療を学びます。また、他科医
及びコメディカルと連携したチーム医療を身につけます。
・研修期間、専門医取得
当院の後期研修プログラムは、脳神経外科専門医取得を目指すためのプログラムになっております。
脳神経外科専門医取得には脳卒中や頭部外傷などの救急疾患、脳腫瘍に加え、てんかん・パーキン
ソン病・三叉神経痛・顔面けいれん等の機能的疾患、小児神経疾患、脊髄・脊椎・末梢神経疾患など
の幅広い分野をバランスよく経験することを目指した「研修プログラム制度(病院群)
」への参加が必
要になっています。現在、脳神経外科学会全体では全国 80 の大学病院と 27 の病院を基幹施設とす
る合計 107 の研修プログラムがあります。脳神経外科専門医を目指す医師はこのうちいずれかのプロ
グラムに所属し、4 年以上の研修を経て専門医試験を受験することができます。
したがって、2 年の前期研修期間後に 4 年間の各施設脳神経外科研修プログラムに参加し、7 年目に
日本脳神経外科学会専門医試験を受けて研修プログラムが終了します。
研修プログラムは「基幹施設」
、
「研修施設」、「関連施設」から成り立っており、当施設は群馬大学
脳神経外科を基幹施設とした研修プログラムに参加していますので、当院での研修を主体としつつ、
専門医試験までに 1~2 年間の群馬大学関連施設での研修をします。
・研修内容、研修期間、指導体制
・1年目
初期研修で修得した知識を生かし、脳神経外科の基礎(入院患者管理、神経学的診断法、画像
診断、脳血管撮影、補助検査手技、手術基本手技)を身につける。
手術としては、穿頭術、V-P・L-P shunt 術、脳室・脊髄ドレナージ術、
頭蓋形成術、開頭・閉頭手技。
・2年目
基礎的知識をさらに高め、前記診断・治療・手技の向上につとめる。
手術としては、表在性脳腫瘍摘出術、血腫除去術(外傷性頭蓋内出血、
高血圧性脳内出血等)
、顕微鏡手術・手技の習得など。
・3年目
総合的知識の習得。研究テーマの研鑽。研修医・後輩の指導。
33
手術としては、顕微鏡手術・手技の修得により、脳動脈瘤、深部脳腫瘍等の
手術を専門医と共に施行。
・関連施設研修(1-2 年)
現在のスタッフ-専門医 5 名、非専門医1名
臨床教育プログラム
症例検討・レントゲンカンファランス 月~金/週
リハビリカンファランス
1回/週
病棟カンファランス(病棟看護師と) 1回/週
院内・院外留学に対応可能。
・専門医教育施設の認定状況
当院は、日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会の認定施設となっている。
・平成 26 年度学会発表件数
・2 件(日本脳神経工学会総会、長野脳神経外科手術手技カンファレンス)
・指導医からのメッセージ
脳神経外科救急では、脳血管障害や頭部外傷を扱うことが多く、一刻を争う状況の中で冷静な判断
のもと診断から治療まで迅速な対応が求められます。中でも、くも膜下出血は、脳動脈瘤の再破裂の
危険性と隣り合わせで、速やかに出血源の検索を行い、クリッピングやコイリングなどの根治手術を
遂行しなければなりません。また、脳梗塞では、発症 4.5 時間以内は t-PA による血栓溶解療法が適
応となるため、この短い時間制限の中で、適応除外項目を検索し、できるだけ早く治療を行うことが、
患者さんの予後改善につながります。更に重症頭部外傷では、脳ヘルニアに陥るまでの 1 分1秒を争
う状況のもとで、脳のみならず全身管理を要する医師の総合力を試される緊迫した事態に遭遇するこ
ともあります。このように、最前線で診療に携わる脳神経外科医には、様々な重責がのしかかる反面、
的確な治療により患者さんの命を救うだけでなく、人生まで救うことができるやりがいにあふれてい
ます。
もう一つ、手術手技につきましては、1 年目から出来る比較的容易な手術から、10 年、20 年と研鑽
を重ねないと出来ない手術まで到達目標が高いところがあります。したがって、脳神経外科医として
の経験を重ねる楽しみがあります。
そして、脳卒中、脳腫瘍、脳外傷、脊髄損傷などで中枢神経損傷を起こした患者を回復させるため
には、多職種の関わりが必要であり、チーム医療を学ぶ事もできます。
いま、日本人の 4 人に 1 人が 65 歳以上という超高齢化社会を迎え、脳神経外科領域の診療のニー
ズはますます増加しています。皆様がこれからの脳神経外科医療を支える力になってくれることを期
待しています。
(脳神経外科部長 吉田貴明)
34
救命救急センター及び集中治療部門後期臨床研修プログラム
救命救急センター部長 岡田
邦彦
・概要
平成 26 年 3 月 1 日に開院した佐久医療センターは、長野県東信地域唯一の救命救急センターを有する 3
次救急医療機関であ る。救命救急センターは、救急処置室( ER )と救命救急病棟 12 床及び EICU
(Emergency ICU)8 床の合計 20 床の入院病棟とで構成される。集中治療部門は、GICU(General ICU:院内
ICU)16 床、HCU20 床とで構成され、GICU は大手術後の術後管理、院内重症患者に対応する。HCU は中間
的・多目的な役割のベッドとして設けられている。後期研修医は多くの専門診療科医師らと協力し、成人の救
急医療をはじめ、小児救急、産科救急、精神科救急等に対応している。また、病院前救護については、ドクタ
ーヘリとドクターカーの運用に取り組んでいる。平成 17 年 7 月から信州ドクターヘリ基地病院としてドクターヘ
リを運用している。さらに、平成 2 年 12 月から平成 26 年 2 月まで佐久総合病院で続けられていたドクターカ
ーの運用は、平成 26 年 7 月から佐久医療センターで試験的運用が始まった。また、長野県内に 10 の医療機
関が指定されている災害拠点病院の1つであり、災害派遣医療チーム(以下、DMAT とする。)指定病院であ
る。こうした救急医療と病院前救護、災害医療の拠点として、佐久医療センターの救命救急センターの役割
は大きい。これらについて、救命救急センターの専従医と兼任医師、後期研修医、初期研修医が他の専門診
療科医師や看護師、コメディカルスタッフ等と綿密に協力し、診療活動を行っている。
佐久医療センター開院後のデータでは、平成 26 年度救急患者数 7,249 名、救急車受入れは 2,892 台であ
る。さらに、信州ドクターヘリ佐久については、出動件数 462 件、診療人数 438 人、ドクターカー出動件数 2 件
であった。
・到達目標及び研修方法の概要
当救命救急センター後期研修医は、重症度・年齢・性別および罹患臓器によらず、すべての救急患者に
対し、迅速で適切な医療処置を実施し、プレホスピタル~ER~救急病棟~一般病棟転出まで一貫した患者
マネジメントができるようになることを目標とする。および傷病者または術後患者の生体システム全般を良好
な状態に維持管理できるようになることを目標とする。
これらを遂行するため、後期研修医の育成には、指導医のもとでの救急診療とともに、必要な部門へのロ
ーテーションによる臨床研修が必要と考える。また、院外の研修コース等の受講により、我が国の標準的な
診療に係る知識や技術の習得を推奨する。これらの研修によって、佐久医療センター救命救急センター後期
研修医に必要な知識と技術を修得する。修得の必要な領域に関して目標を設定し、後期研修医と指導医、さ
らにプログラム責任者とで綿密に連携し、その達成に努める。
・分野別研修内容及び到達目標(概要)
■病院前救護(プレホスピタルケア)

緊急度の高いと疑われる疾患や重症外傷発生直後の救急現場や災害現場に医師自らが赴き、消防機
関などと連携して、安定化治療を早期に開始し、適切な医療機関等に搬送することで、救命率の向上と
予後の改善を図る病院前救護活動に参加することにより、高い救急対応能力を習得することができる。

消防機関や警察機関、スキーパトロール隊など限られた人員と連携及び協働活動を経験し、その技能
を向上することができる。診療活動を展開するには条件の良くない現場医療において、適切な指揮と連
携、協働、安全管理、適切な情報管理と記録、評価の上でのトリアージ、迅速な診察と判断、処置、適切
な医療機関への適切な搬送手段を選択した上での搬送についてのコンピテンシー(優れた結果に結び
35
つく行動特性)をトレーニングすることができる。

ドクターヘリシステムについて、県内及び全国的な運用についての知識を習得できる。また、基礎的な安
全管理に関わる知識と救急対応能力が習得されていると指導医が判断する後期研修医が希望した場
合、ドクターヘリに搭乗する医師(フライトドクター)としての研修を一定期間受けることができる。フライト
ドクターとしての適性及び一定数の症例を経験したのちにフライトドクターとして定期的にドクターヘリに
搭乗し、病院前救急診療技能を獲得することができる。その後はドクターヘリシステムの向上に寄与す
ることができる。

ドクターカーシステムについて、基礎的な安全管理に関わる知識と救急対応能力が習得されていると指
導医が判断する後期研修医には、ドクターカーに搭乗する医師として病院前救護活動に参加し、病院前
救急診療技能を獲得できる。

救急隊およびドクターヘリ、ドクターカーのメディカルコントロールができる。
担当者から:往診や出張診療などの病院前医療は、患者中心医療を行おうとする佐久病院黎明期からの伝統的なポリシ
ーです。ドクターカー・ドクターヘリもその延長にありますが、さらに機動性が加わっているので、救急
医療の最適化に大きく貢献しています。ギリギリの判断から展開される現場救急医療の経験は、医療者と
して大きい飛躍のチャンスとなるでしょう!
■救急初期治療(主に ER における救急診療)

ドクターヘリ、ドクターカー、救急車などで搬送された、重症度・緊急度が高く、診療領域や年齢に限定さ
れない幅広い傷病者層に対する、迅速・適切な初期対応力・診断能力を習得する。

救急患者の重症度と緊急度を評価し、迅速で適切なマネジメント、トリアージができる。

medical interview・診察・検査を駆使し、診断されていない救急患者を迅速に診断する。

緊急重症患者対応のチームリーダーとなり、蘇生や緊急治療を指揮できる。

専門医へのコンサルテーションを迅速に判断し実行できる。

軽症患者に紛れた重症患者を察知することができる。

一次救命処置、二次救命処置が適切に実行でき、指導できる。

超音波検査、気道確保、静脈/動脈ライン確保、人工呼吸管理、各種穿刺術など救急医療に必須の医
療技術の習熟と、それらの手技の指導ができる。

患者の状態や背景を考慮し、入院決定、病状説明などを主体的に行い、高度医療の投入の可否や適応
について、適切に判断し実行できる。
担当者から:まだ誰も診断していない傷病者を 1 から診察し、情報収集し、推理し、検査で確認し、
医療処置で安定化させる、しかもそれらを短時間でやってのける、ここに救急医療の醍
醐味ややりがいがあります!
■入院診療(救命救急病棟・EICU / GICU における診療)

指導医や初期研修医とともにチームを組み、屋根瓦式で入院患者の処置や検査、診断、治療方針決定、
各科コンサルテーション、栄養サポート、リハビリテーション導入など、必要とされる集中治療を実践する
ことで、集中治療についての知識や技術を習得する。

状態変化を予測しつつ生体システム全般について安定した維持管理ができる。

By systems にもとづく系統的なカルテ記載ができる。

適時に応じた適切なプレゼンテーション技能を培う。

救急科医師が主治医として診療する患者(心肺停止蘇生後、多臓器不全、敗血症、重症感染症、中毒、
36
重症外傷、DIC、低体温症など)のほか、各診療科と協力して入院患者を診療することで、各専門診療科
医師との診療協力とその調整力を培う。

院内入院患者の急変の際には、GICU 専従医ないし兼任医、研修医などが緊急コールを受け、迅速に
病棟へ赴き初期対応する MET(Medical Emergency Team)体制をとっており、必要時には GICU への入室
とその後のマネジメントを行うことができる。

入院患者について、毎日の各専門診療科医師らとともに行うカンファレンスなどを通じ、情報共有と治療
方針を協議し、全身状態安定化後の一般病棟に転出するまでの調整能力を養う。

医療の質と安全性に対する意識を高め、高度医療の適応の可否など倫理的判断力を養う。

重要事例や問題事例について随時カンファレンスやリフレクションを行うことにより、最新知識の習得や
経験の共有ができる。
■災害医療

災害派遣医療チーム (Disaster Medical Assistance Team;DMAT)に係る本邦における災害医療につい
ての最新かつ標準的な知識や技能を習得ができる。

長野県 DMAT 養成研修の参加の機会を得られる可能性が高く、本邦の災害医療の基礎的かつ標準的
知識と技能を習得できる。研修修了後は長野県 DMAT 隊員として登録され、県内外の災害現場等に出
動し活動することができる。
■専門医

当施設は救急科専門医指定施設認定および、集中治療専門医研修施設認定を受けており、救急科専
門医および集中治療専門医の資格取得が可能であったが、新しい専門医制度については現在対応中で
ある。

資格取得に必要な知識・技術・経験・姿勢をサポートする。
・その他の研修及び到達目標
■他科研修

各診療科間との連携が強固である利点を活かし、一定期間ないし特定曜日などに他科研修を組み込む
ことができる。これまでの実績は、総合診療科、麻酔科、腎臓内科、循環器内科、超音波などである。そ
のほか指向に応じたオプション研修が検討できる。このなかでサブスペシャリティー獲得の研修も可能で
ある。
■教育訓練コース・外部研修

後期研修プログラムの期間中に、以下に示す院外の off the job training course や研修会を受講もしくはインス
トラクター資格を取得し、地域及び我が国の救急医療の発展に積極的に貢献する活動を奨励する。
BLS
Basic Life Support
ACLS
Advanced Cardiac Life Support
PALS
Pediatric Advanced Life Support
ICLS
Immediate Cardiac Life Support
FCCS
Fundamental Critical Care Support
JPTEC
Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care
JATEC
Japan Advanced Trauma Evaluation and Care
ドクターヘリ講習会
37
日本医療機能評価機構 CVC 研修会
その他災害医療に関するプログラム
※受講は随時可能であり経費は必要経費として処理する。
インストラクターコースの受講も同様である。
■研究活動

後期研修プログラムの期間中に、救急医学に関する学会発表及び論文の執筆を奨励する。
■その他

地域、国、およびいくつかの外国の救急医療体制を理解し、それぞれの長所、短所を考察することができる。

災害医療を理解し、平時の準備に参画するとともに、災害発生時には医療チームの一員として行動できる。

メディカルコントロールを理解し、地域における自らの役割を果たすことができる。
・後期研修医の週間スケジュール例
月
火
水
木
金
午前~
ER
救急病棟
ICU
フリー
ドクターヘリ
午後~
救急病棟
ER
ICU
明け休み
ドクターヘリ
夕方~
土
ER
救急病棟当
直
・当直業務明けは午後から休みとなるよう設定している。
・当直業務にはスタッフ医師とともに OJT を実施したのち独り立ちとする。
・当直業務で困難症例に遭遇した場合、スタッフ医師への随時コンサルテーション、バック
アップ体制がある。
・専門医教育施設の認定状況
・日本救急医学会認定施設
・日本集中治療医学会認定施設
・平成 26 年度学会発表
・2 件(第 30 回甲信救急集中治療セミナー、第 9 回医療の質・安全学会学術集会)
・参考
○「ER 型救急専門医を育成するための後期研修プログラム」日本救急医学会 ER 検討委員会
38
・後期研修医からのメッセージ
○当院の救命救急センターは、3次救急を中心とした ER 初期対応から、救命救急病棟での内科、外科問
わない様々な疾患の患者の全身管理、重症患者の集中治療管理まで幅広いニーズに対応しながら診療を
行っています。朝の救急カンファレンス、その都度、内科、外科、その他の各専門科と協力しながら日々の診
療に携わります。救急科ローテートには当院の特徴でも有る総合診療科後期研修医も参加しており、救急の
みならず様々な症状・症候へのアプローチや鑑別を学ぶことが出来ます。またベテランから若手まで非常に
フットワークが軽いコメディカルの方々が日々の診療をサポートしてくれます。
東信地区の基幹病院として、敗血症や脳卒中、多発外傷、重症肺炎や重症膵炎などの内科系重症患者が
搬送され、各科と連携しながら必要に応じて ICU 医師が中心となって全身管理を行います。循環器領域にお
いては、ER での Vf 症例やショックに対する PCPS の導入、重症心不全にたいする補助人工心臓の植込みや
TAVI の導入が進んでおり、循環器領域の専門医とともに県下でも有数の循環器治療に参加することが可能
です。数ヶ月~年単位で他科での研修も可能であり、上記の様な重症患者を各専門科の立場から治療の中
心となって対応する事も可能です。
また、ドクターヘリ、フライトドクターを経験できるということも当科における研修の目玉です。ドクターヘリに
おける医療は病院での医療とは異なります。少ない現場活動時間で冷静な判断力を求められるため非常に
難しく、究極の救急医療と言えます。しかし刻々と変化する現場の状況の中で、救急車のみでは対応できな
かったであろう患者さんの病状を安定させて無事搬送を終了した時、医師としてはこの上ない喜びを感じます。
ドクターヘリは、現在全国各地で運用が増加しています。しかし当院が導入した当初は全国で 10 機しか運用
していませんでした。全国的に見ても多くの経験を培ってきた佐久ドクターヘリでフライトドクターになれるとい
うことは救急医として非常に貴重だと思います。
当院は病院全体として非常に懐が深く、「やりたい研修」を自分自身で選択し行う事が出来る病院です。
○私は県内他病院で神経内科医として働いていましたが、時折飛来するドクターヘリに憧れて、佐久総合
病院救命救急センターの門をたたきました。在籍中に経験したフライトは約 70 症例、今でも一例一例記憶に
残っています。とりわけ外傷領域では、プレホスピタルでの活動が予後を左右する重要なファクターであり、プ
レホスの極みともいうべきドクターヘリを経験させていただいたことは現在の自分の支えとなっています。
・指導医からのメッセージ
心大血管疾患、脳卒中、外傷を中心に幅広い救急疾患を経験できます。また、ドクターヘリを中心としたプ
レホスピタルの経験も十分に積めます。さらに入院後の集中治療的な部分へも関わるので全身管理にも強く
なれます。自分の進路を模索している方には是非立ち寄っていただきたい場所です。病院内の横の連携はと
ても良好です。救急集中治療分野以外でも学べる環境は十分にそろっております。きっと自分の向かうべき
道が見えてくるでしょう。(救命救急センター部長 岡田邦彦)
当院のような重症急性期患者のプレホスから ICU 転出まで、ときに緩和ケアまで、トータルマネジメントの
研修が可能となる研修施設は全国的に見ても多くはありません。救急医、集中治療医、general physician、総
合診療医、専門医、診療所医師、どれを指向していても有意義・濃密・充実したトレーニング期間となるでしょ
う。他方、ワーク・ライフ・バランスも重要であり、プライベートの充実を尊重し支援します。
(救命救急センター副部長 渡部修)
39
麻酔科後期臨床研修プログラム
麻酔科部長
萩原
一昭
・概要
年間約 5500~6000 件の手術が行われ、うち 3000~3500 件に麻酔科が係わっている。
救命センターではドクターヘリが運用され、多発外傷・循環器および腹部救急疾患など緊急手術の
受け入れ要請も数多い。日帰り手術センターも併設され小児鼠径ヘルニア根治術、腹腔鏡下胆のう摘
出術や形成外科・整形外科症例の全身麻酔を多数受け入れている。呼吸器外科症例は年間約 270 例、
開心術は約 170 例、下腹部内視鏡下手術は約 330 例行われ県内有数である。3次元経食道心エコー(3D
TEE)、超音波ガイド下神経ブロックなども積極的に導入している。
麻酔管理においては、手術侵襲を可及的防御し術中の重篤な合併症から患者さんを守るのみならず、
痛み・吐き気の軽減にも努め不快感なく手術室から戻れる環境を提供することを目標としている。
我々が日常手術室で行う呼吸・循環管理が集中治療・救急医療分野へと応用され、神経ブロックは
ペインクリニックへと派生していった経緯から、当院でも麻酔科研修を経験したスタッフが各セクシ
ョンで活躍している。
後期研修では硬膜外・脊髄くも膜下麻酔、気道確保困難への対応などの手技や、緊急手術・侵襲の
大きな手術・重症患者の周術期管理の修得に重点をおくが、併せて主治医・コメディカルスタッフと
の連携などのマネジメント能力の養成を視野に入れ指導にあたる。
・内容
スタッフは 5 名、麻酔科指導医 2 名、専門医 1 名で指導に当たる。
3 年間の研修期間内の麻酔科標榜医および認定医取得を前提に全科の麻酔を担当する。
1~2 例/日または約 10 例/週の症例を担当する。呼吸器外科・循環器外科・小児および産科手術に
優先的に割り振るため、多くの症例を経験できる。
1 年次ではまず硬膜外・脊髄くも膜下麻酔手技および緊急・重症・産科手術に対応できるようトレ
ーニングする。2 年次以降は各々の志向を考慮し専門性を強めたトレーニングへ移行する。特に循環
器外科手術では養成プログラムを作成し、日本周術期経食道心エコー認定資格(JB-POT)取得を前提と
して、心臓血管麻酔専門医(日本心臓血管麻酔学会認定)との 1 対 1 指導体制の下、心臓外科医・臨
床工学技士らの協力を得て、開心術手技・循環管理・人工心肺・経食道心エコーの総括的理解を目指
すコースを用意した。
その他呼吸器外科・消化器外科の内視鏡手術、高齢者の手術、エコーガイド下神経ブロックも多数経
験可能である。
2 年次以降に 6 ヶ月間の外部研修が可能である。またペインクリニック、救命救急・集中治療、緩
和ケア・地域医療部門は院内研修も可能である。平成 26 年 3 月に新病院に移転し、手術室は更なる機
器設備の充実がなされた。
・専門医教育施設の認定状況
当院は、日本麻酔科学会、日本ペインクリニック学会、日本心臓血管麻酔学会の認定施設である。
・部長からのメッセージ
地域医療の最後の砦として手術室も多忙な状況であるが、忙しく働く中に宝物を見出すチャンスが数
多くある、そんな心意気で応募される仲間を待っている。
40
小児科後期臨床研修プログラム
小児科部長
細谷
まち子
・目的と特徴
小児科医を希望する医師に対して、3年間の後期研修コースを設ける。この目的は、社会が必要としてい
る良質な小児科医を育てることである。小児科医として一次医療から二次医療まで幅広い診療が出来るだけ
ではなく、乳児健診、学校検診などのいろいろな健診活動や予防接種などの保健予防活動の出来る小児科
医を育成する。またこれからの小児医療はいろいろな医療機関と連携して、こどもへ最善の医療を提供する
必要がある。そのネットワークの中で働くためには、三次医療を経験することも必要で、こども病院や大学病
院での研修をプログラムに含んでいる。佐久総合病院の小児科後期研修医研修の特徴としては外来診療、
入院診療、新生児診療などの研修を受けるだけでなく、積極的に地域へ出かけ乳児健診、保育園健診、学
校健診などに参加し、地域のこどもたちの健康を守る仕事に関わっている職種と連携してその地域の健康管
理に参加する機会が多いことである。
・到達目標
3 年間の研修終了時には小児の各種健診、予防接種、外来診療、入院診療、新生児仮死を含めた新生児医
療がほぼ1人でできるようになることが目標である。高度の 3 次医療については、そのトリアージができて 3
次医療機関と連携して治療を行うことを目指す。
3 年間の研修修了時には、日本小児科学会専門医受験資格が得られる症例を経験できることが目標であり、
そのことは実現できている。
・研修内容
佐久総合病院小児科の診療は、小児科専門医と後期研修医が 3-4 人のチームを編成して診療を行ってい
る。専門医が後期研修医の指導と教育に当たるが、一方向の指導ではなくお互いに学び合っている。
小児科の入院は、佐久医療センターで行っている。外来は、本院で予約なしで午前・午後の一般診療を行っ
ている。医療センターでは、紹介外来/再診外来と専門外来を予約で診療を行っている。
小児科専門医はさらに、小児内分泌、小児神経、小児循環器、新生児・未熟児、小児腎臓の専門資格を持っ
ている。
1 年目:最初に小児科診療の基本についてオリエンテーションを受ける。
診察、乳児健診、学校健診、予防接種、輸液療法、抗生物質療法、アレルギー疾患の治療と管理、けいれん
の管理、新生児医療の基本、仮死の蘇生、成長の評価などである。
その後チームに所属しながら、外来診療(一般外来、予防接種、乳児健診など)、入院診療、新生児医療、院
外での各種健診活動に参加する。最初はチーム内の専門医や 2 年目、3 年目の後期研修医と一緒に診療し
て指導を受ける。ほぼ 6 ヶ月後には、カルテ記載、保護者への説明、オーダー出しなどが自身の判断で可能
となる。
2 年目・3 年目:チームの中で診療を行うことに変わりはないが、診療方針の決定については研修医の判断が
尊重される。学会への発表も指導される。2 年目か 3 年目の間に、長野県立こども病院か、その他の大学病
院での1年間の研修を受ける義務がある。長野県立こども病院では最低 6 ヶ月間の新生児医療を学ぶことを
目的としているが、1年間の間に小児集中医療を研修することも可能である。大学病院では一般病院では経
験できないような重症疾患、難治性疾患などを経験できる。どこで学ぶにしても、最低 6 ヶ月の新生児医療を
学ぶことを義務づけている。
BLSやPALS、新生児CPRの資格は後期研修医の 1 年目に取得することを勧めているが、1 年間の間で取
41
得しておくことが目標である。
佐久医療センターの NICU で、小児科医一人が当直体制をとっている。土曜日・休日・祝日は、小児救急当番
が日直をしている。佐久医療センター救急外来を受診した小児を、診療している。後期研修医は 1 年目から
当直に組み込まれるが、小児科専門医がバックアップ体制を取っている。
・カンファレンス
月曜日:総回診をする。入院している患者さんを小児科医全員と看護師でカンファレンスして治療方針を確認
している。
水曜日:新生児回診をしている。入院中の新生児について小児科医と看護師で治療方針を確認している。
金曜日:抄読会を開いて、交代で論文の紹介をしている。学会発表するときには、ここで予演会を行う。
早朝カンファレンス:前日に入院した患者さんについて治療方針を確認している。
産科との合同会議:リスクのある症例に対して、産婦人科とカンファレンスを開き情報交換をおこなっている。
その他の勉強会:
佐久総合病院ではいろいろな講演会、学習会、CPCなどが開かれているが参加は自由である。
・小児科専門医
後期研修医 3 年間終了時には日本小児科学会専門医の受験資格が得られる研修は可能である。小児科専
門医の資格を取得した後、サブスペシャリティーの資格を取得することについては、佐久総合病院以外で研
修を受ける必要がある。実際、院外で研修を受けている小児科医も存在する。どこでどのように学ぶかは本
人と相談の上決めている。
・専門医教育施設の認定状況
当院は、日本小児科学会の認定施設となっている。
・1 週間のスケジュール
月
火
水
木
金
土
午前
入院
外来
外来
入院
入院
外来交代
午後
予防接種
新生児回診
院外健診
乳児健診
入院
×
夕方~
オンコール
備考
総回診
新生児回診
抄読会
1 午前中の外来は、週2回担当する。
2 予防接種は月2-3回担当する。
3 当直は週 1 回くらい担当する。
4 週1回産科の新生児回診をする。
5 乳児健診は月1回担当する。
6 入院診療は毎日行う。
7 院外での健診活動の曜日は変動する。
・平成 26 年度学会発表件数
・6 件(日本小児科学会甲信地方会、日本小児科学会学術集会、日本周産期新生児医学会など)
42
・小児科後期研修医からのメッセージ
佐久総合病院では新生児から専門性の必要な疾患のお子さんまで幅広く診ることができ、また健診や予
防接種などで正常のお子さんを診る機会も多く、小児科医として本格的に研修を始める場所としてバランス
がとれた病院だと思います。小児科医の人数も多く、困った時には各専門の先生に相談することができ、とて
も心強いです。他施設での研修では私は長野県立こども病院の NICU と PICU で学ばせてもらいましたが、転
院搬送になった後にどのような治療が行われているかを学び、またそれを日常の診療に生かすことができと
ても貴重な経験をさせていただくこともできました。一つ一つの症例とじっくり向き合い、退院後も引き続き外
来で経過フォローし、その子どもや家族との関わりの中で自分自身も大きく成長ができる場所だと思います。
和気あいあいとした雰囲気で日々楽しく診療にあたっています。是非一度見学に来てください。
・指導医からのメッセージ
後期研修で取得することはもちろん医学的な知識や経験が中心になることはもちろんですが、こどもたちの
幸福や健康は多くの職種や地域の人たちによって支えられていることを知って欲しいと思います。その意味
で、地域との強い結びつき強い佐久総合病院で小児科研修を受ける意味は大きいと思います。
43
放射線診断科後期臨床研修プログラム
統括放射線科部長
織内 昇
・放射線診断科の概要と特徴
放射線診断科は佐久医療センター・本院・小海分院における画像診断を担当している。臨床各科か
ら依頼された検査を実施し報告書を作成するとともに、各科からのコンサルテーションに対応するこ
とにより、患者さんの適切な診療の一翼を担っている。診療圏においては高度な診断機器や技術を生
かして、他院からの検査依頼やコンサルテーションに対応することで、地域と連携している。また RI
(ラジオアイソト-プ)内用療法も行っている。
症例数が多いため経験できる疾患や病態は多岐に亘る。診断医は少人数のため、自ら選択した検査
の読影を行い、残りは遠隔画像診断を利用している。
後期研修医も Duty に追われずに、テーマを決めて読影の修練を積める体制とし、教育的な効果を高
めている。
コメディカルのスタッフとともに和気藹々とした職場であり、多職種のなかで少人数の医師が能力
を発揮し存在感を実感できることと思います。
・目的・目標
放射線診断の基礎的な知識を習得するとともに、日常臨床における放射線診断の能力を広く身につ
けることを目的とする。
基本的な目標は、各検査の基本原理および実施法についての知識をもとに、適切に画像検査を行い、
適確に診断して治療に結びつけることである。そのために、自ら学びたい疾患領域、臓器、検査モダ
リティに焦点を当ててシステマティックに研修を行う。
日本医学放射線学会および日本核医学会が認定する機関になっており、放射線診断専門医、核医学
専門医の育成を目標としている。
・期間
基礎的な画像診断を一通り習得するためには、少なくとも 2 年程度は必要である。
専門医の取得を目指すレジデントを歓迎するが、他の領域を専攻するレジデントのためのプログラ
ムとして、2 週間から 3 ヶ月程度の研修も用意している。他科の後期研修の中での画像診断コースと
しての位置づけで、当該科の指導責任者の許可を得て研修に来ていただく。
・研修の内容
I.CT、MRI、核医学の検査を、実際の症例で学習する。
1. 検査の目的に応じた最適な撮影法や前処置・造影剤の使用などの要点を理解して、放射線技師や
看護師に指示し検査を実施する。
2. 病態を把握して目的に即した読影を行い、指導医とともに画像や臨床情報を検討して的確な報告
書を作成する。
3. 必要に応じて PACS ならびにレポーティングシステムから類似の症例を選んでレビューし、画像診
断の参考にするとともに、疾患の画像所見について深く理解する。
Ⅱ.経験する症例は、当院で実施する検査の中から興味に応じて選ぶことができる。
1. 興味ある疾患や検査に的を絞って症例を選び出し、過去に実施した検査を総括して、治療や病理
44
の結果と対比して総合的に学ぶ。
2. 過去の症例をキーワード検索などで選び出し、教科書と対比して疾患の画像の特徴を丸ごと深く
理解するとともに、関連疾患についても体系的に学ぶ。
Ⅲ.各科ならびに救急などと連携し、その科に特徴的な検査を担当して研修する。
1. 他科の研修の中で画像診断コースとして研修を行う。
2. 合同カンファレンスに出席して専門分野の理解を深める。
・放射線診断科の指導体制と院外での研修・学会参加
Ⅰ.常勤医による指導
常勤医 2 名(放射線診断専門医 2 名)
、非常勤医 1 名(放射線診断専門医)
常勤医は、放射線診断専門医の他に核医学専門医、PET 核医学認定医等を取得している。
Ⅱ.外部の専門医による指導
院外の専門医のコンサルテーションを受ける体制を整えている。
また、定期的に院外講師を招いて病院全体を対象としたレクチャーを行っている。
Ⅲ.カンファレンス
病理カンファレンス(CPC)
:1 回程度/月
定期カンファレンス、Cancer Board
消化管、呼吸器、肝胆膵、心臓血管など希望により
院外のカンファレンス
:参加を奨励している
Ⅳ.院外での研修
希望により可能
近隣の大学病院および総合病院と協力関係が築かれている。
Ⅴ.学会参加
症例報告や研究発表など情報発信を奨励している。
豊富な症例から興味や医学的・臨床的な意義をもとに、症例をまとめ、考察して学会発表や論文執筆を
指導します。
・専門医教育施設の認定状況
当院は、日本医学放射線学会および日本核医学会の認定施設となっている。
・症例数
年間の検査数(本院と小海分院を含む)
、内容療法実施数は下記の通りである。
CT 検査
34,124 件
透視検査
5,316 件
MRI 検査
11,852 件
血管造影検査
2,280 件
PET/CT 検査
1,663 件
マンモグラフィ
6,975 件
その他の RI 検査
1,478 件
骨密度測定
1,069 件
95,213 件
RI 内用療法
8件
一般撮影検査
・平成 26 年度学会発表件数
・6 件(日本医学放射線学会総会、
、日本核医学学会学術集会、日本肺癌学会学術総会など)
45
泌尿器科後期臨床研修プログラム
泌尿器科部長 中山 剛
1.目的
初期研修2年間(各科ローテート)に引き続き、後期研修3年間で泌尿器科全般の研修を行う。全
5年間の研修で、泌尿器科専門医取得をめざして、医の倫理に基づく診療を適切に行う基本的技術、
知識の習得を目的とする。
(専門医認定に必要な研修期間は、卒後初期研修2年間と専門研修4年間の計6年間)
2.内容
後期3年間の研修により、科学的な根拠に基づいた医療を行う素質を養い、泌尿器臨床に必要な技
量を身につける。希望により、信州大学医学部泌尿器科教室での研修も考慮する。
後期研修終了時点(初期研修+後期3年間)で、専門医受験申請が可能である。6年目に筆記試験、
面接の後、合格すれば、6年目終了時点で泌尿器科専門医と認定される。
1)
外来
外来での問診、診断、検査、治療が行えるようにする。
2)
入院
主治医として、泌尿器科領域の臨床能力を持ち、全身、局所管理が行えるようにする。
3)
手術
泌尿器科領域における基本的手術に関する手術手技を習得する。手術法の原理と術式を理解し、手
術により、手術の助手、執刀医をつとめる。
3.専門医教育施設の認定状況
当院は、泌尿器科学会学会の認定施設である
4.取得できる資格
泌尿器科学会専門医(卒後初期研修 2 年間+専門研修 4 年間)
(泌尿器科学会会員であることが必要)
5.関連大学
信州大学
6.平成 26 年度学会発表件数
・2 件(日本泌尿器科学会総会、日本泌尿器科学会信州地方会)
46
リハビリテーション科後期臨床研修プログラム
リハビリテーション科部長
太田 正
・リハビリテーション科の概要・特徴
佐久総合病院は、故若月俊一が昭和 20 年に診療を開始して以来「農民とともに」を基本理念として
きました。
「地域とともにある医療」をいかに実践していくかを常に考えながら活動を続け、現在では
訪問診療から高度先進医療に至るまで、地域の幅広いニーズに対応すべく総合的な診療を行っている
ユニークな病院であります。
現在のリハビリテーション診療体制を構築した当院生え抜きの前部長も、山間地にある附属診療所
における地域医療体験に基づく強いモチベーションを持って海外でリハビリテーション研修を行い、
前記の基本理念をリハビリテーションの分野で実践してきました。
当院リハビリテーション科専門医研修プログラムは、このような歴史を受け継ぎ、この地域に住む
すべての住民が、
“その人らしい人生”を全うすることができるように、リハビリテーション医療・医
学の専門的立場から総合的に支援するチームのリーダーを育成するものです。
現在当院は、回復期リハビリテーション病棟を持つ地域一般病院・ドクターヘリを運行する広域医
療センター・療養病棟を持つ山間部小規模病院の病院群(計 850 床)と附属施設(診療所・老人保健
施設・訪問看護ステーション)等による複合体を形成しており、全年齢層のあらゆる障害を、急性期
から終末期までの全ステージにおいて経験できます(常勤リハビリテーション科医 6 名、療法士合計
約 130 名)
。
下記の到達目標をより高いレベルで達成するために、県内の複数のリハビリテーション専門病院や
近隣のリハビリテーションクリニックの協力も得ながら、充実した研修環境を提供します。
■近年の状況
2014 年 3 月に分割移転されるまでは、ドクターヘリを運行している地域基幹病院(821 床)のリハ
ビリテーション科として、脳卒中急性期からのリハビリテーション実施(入院後中央値2日で開始)
、
嚥下リハビリテーション(嚥下内視鏡検査/造影検査年間各 200~300 件)
、認知リハビリテーション
(外来フォローアップ患者 80 例)
、義肢装具療法(年間 100 件)
、小児リハビリテーション(外来フォ
ローアップ患者 200 例)
、等医学的リハビリテーションの主要な領域をカバーしている。回復期リハビ
リテーション病棟は、脳血管障害や廃用症候群の症例が中心だが、地域の若年重度脳損傷者の長期入
院リハビリテーションへの対応も強化している。更に地域の介護福祉施設にもリハビリテーション科
医師を派遣しており、地域全体のリハビリテーション科診療の底上げを図っている。
■その他のトピックス
◎テクノエイド支援:2011 年よりテクノエイドに関するワーキンググループが始動、2012 年度よりテ
クノエイド委員会(責任者:リハビリテーション科部長)に移行し、看護部・リハビリテーション部
門を中心に褥瘡対策委員会とも連携して、専門集団育成・職員教育・補助器具選定などを並行して推
進している。2013 年度にはテクノエイド支援室が発足し、多職種専従化を目指している。目玉の事業
として、2014 年 3 月開院の佐久医療センターに 150 台の天井走行リフトを導入する(急性期病院では
先駆的)など、患者と介護者の双方に優しい療養環境の整備を図っている。
◎若年脳損傷者支援:2012 年 3 月、
「若年脳損傷者」と「植物症からのリハビリテーション」が、長
野県による作業部会で初めて公式に明文化された。医学的な落とし穴に落ち、制度の間で苦しんでい
る彼らが十分に支援されるためには、地元医療機関の善意と周囲の協力が不可欠であるが、当院にお
いては長期の入院リハビリテーション環境を整備するために、苦肉の病棟運営を余儀なくされている。
47
・研修の目的・目標
■到達目標
一般的な疾患/外傷/神経発達障害/加齢などによって損なわれた生活機能(=障害)の評価・予後
予測を的確に行い、その回復のために最適の医学的リハビリテーション処方ができることを目指しま
す。また、地域リハビリテーション活動に参画し、障害を持った方やその家族が住み慣れた環境で安
心してその人らしく生活できるように、専門職として支援する視点を養います。
なお、研修カリキュラムの項目、ならびに、項目ごとの到達目標については、日本リハビリテーシ
ョン医学会研修カリキュラムに詳細を記載しています。
■教育ポリシー
佐久総合病院は、毎年 15 名の初期研修医を受け入れ、病院職員全体で研修医を育て上げていく風土
ができております。また、その基盤の上に多くの後期研修医を受け入れてきた歴史から、各診療科や
各部門との連携が容易であるという特徴があります。全診療科からコンサルテーションを受け、多職
種の専門チームによって進められるリハビリテーション診療において、この点は特に重要であり、リ
ハビリテーション科専門医研修においても大きな役割を果たすものと考えています。
一方、近年、制度上も長期のリハビリテーションを行いにくいためか、若いスタッフの中には長期
に渡って回復を続ける重度障害患者を経験することがなく、180 日など一定の日数が経過するとそれ
以上の回復はありえないと錯覚することも珍しくありません。主な対象疾患の一つである脳卒中を例
にとっても、
(二木の基準によれば)確かにその 9 割は発症後 1 ヶ月の時点で最終的な(半年後の)予
後予測が可能ですが、それでも(比較的若年の重度障害を中心とした)残りの 1 割は簡単には白黒が
付けられず言わば“灰色”の状況が長く続くことがわかっています。
全国的に、回復期リハビリテーション病棟が(地域差はありながらも)拡充されている一方、その
先の療養病床や在宅におけるリハビリテーションはまだまだ十分とはいえません。そういう状況下で、
上記のような患者層にも「必要な方には必要な期間」リハビリテーションの機会を提供するために、
一般的には回復期リハビリテーション病棟の適応外とされている植物症の方を受け入れたり、最長
180 日の算定上限期間を超えても必要があれば入院を継続したりするなど、柔軟な病棟運営に努めて
います。
専攻医には、現行制度の歴史的な到達点を十分理解しつつも、それに囚われて医学的に必要なリハ
ビリテーションを見失うことによって現行制度の狭間で苦しむ患者を作り出すことの無いよう、各疾
患群を広く経験するだけにとどまらず、少数であっても長期に渡って回復する症例を経験できるよう
に配慮します。
また、病状や障害のより深い理解に資する目的で、リハビリテーションに関連の深い他の診療科(脳
神経外科、神経内科、整形外科、形成外科、総合診療科等)の研修を追加することもできます。
・研修期間
リハ医学に興味を持つ医師に 3 年間の研修コースを設ける.
・専門医教育施設の認定状況
当院は、日本リハビリテーション医学会の認定施設となっている。
48
・研修内容
リハ科で扱う疾患や障害は極めて多岐にわたるため,上記のように関連各科での研修も有用である.
希望により,当科研修期間内に 24 ヶ月までは他科のローテションが可能である.また,日本リハ医
学会の研修施設に認定されているので,最短 3 年間で専門医/認定臨床医の受験資格を得られる.
① 外来診療:各科からのコンサルテーション依頼に対し,障害診断に基づくリハ処方を行う.
② 入院診療:訓練が必要な急性期/回復期患者の主治医となり,医学的管理と並行して多職種協業
による医学的リハの計画立案/実行を主導する.必要な場合,外来診療等でフォローアップする.
③ 検査:指導医の下で,嚥下内視鏡検査,嚥下造影検査,電気生理学的検査を学び,独立して実施
可能となる.
④ 治療:理学療法・作業療法・言語聴覚療法,義肢装具療法,神経ブロック療法等を実施する.
⑤ 障害を持った方が利用できる社会資源を理解しその活用を援助する.
⑥ 患者会など障害を持った方々を理解する活動に関心を持ち,参加する.
⑦ リハ医学会を初めとした関連学会や義肢装具等適合判定医師研修会(厚労省主催)等の研修会に
参加する.
⑧ リハ医学会総会・地方会等での発表,および論文執筆を行う.
・主なスケジュール
① リハ科外来:週 1 日担当(原則的には,他科ローテーション中も継続)
② 特殊外来:義肢装具外来(週 1 回)
,車椅子外来(週 2 回)
③ 特殊検査:嚥下造影検査(週 4 回)
,嚥下内視鏡検査(随時),電気生理学的検査(週 1 回)
④ リハ回診:脳卒中急性期リハ回診(毎朝)
,嚥下回診(適宜)
⑤ 各種カンファランス:脳卒中急性期リハカンファランス(毎日)
,各病棟での多職種カンファラン
ス(回復期リハ病棟は週 3 回,他病棟は月 1 回),症例検討会(週 1 回)
,抄読会(週 1 回)
・症例数
1 年間の新患患者数の概数は、脳卒中および脳疾患 400~500 人、脊髄損傷および脊髄疾患 20 人、
骨関節疾患 600 人、小児疾患 80 人、神経筋疾患 80~100 人、切断 5~10 人、呼吸循環器疾患 200 人、
その他(廃用症候群など)800 人。
(処方患者数は、リハビリテーション科:整形外科=7:3、のべ処方
数は同 8:2)
。なお外来件数は、延べ 6,720 件、一日平均 25 件、入院件数は、延べ 10,555 件、一日件
数 29 件である。
・平成 26 年度学会発表件数
・2 件(日本リハビリテーション医学会学術大会、日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術集会)
49
・先輩医師からのメッセージ
リハビリテーション医学は,臓器や疾患からではなく,障碍からアプローチするという独特な方法を
持っています.まず食べ物を飲み込むこと(嚥下)や排泄など生きるために必要な機能,歩行や更衣
といった日常生活動作,仕事・趣味などの社会活動がどのように成り立っているのかを分析し,それ
がなぜ不可能になっているかを考え,可能にするにはどうしたらよいか,可能にするのが困難なら補
助的な手段によって代償できないか検討していきます.病や障碍・老いを得て生活していくことを考
えていく仕事であり,現時点での当事者である方々から(すべての人がいつかは当事者になります)
多くのことを教えていただきます.当院では急性期医療から在宅医療まで展開しており,様々なリハ
ビリテーションを経験することができます.そして,入院から退院・家での生活まで,生まれた時か
ら成長して年をとるまで,継続してみていくことができるのは,地域に密着している当院の特徴と考
えています.ぜひ佐久総合病院で,魅力のあるリハビリテーション医学を一緒に勉強し,実践してい
きましょう.(リハビリテーション科医長
西眞歩)
50
産婦人科後期臨床研修プログラム
産婦人科部長 小口 治
・目的
産婦人科医として必要な基礎的な知識・技術・倫理を学習し、さらに専門的な知識や技術を習得し、
患者およびその家族と信頼関係を構築できる人間性を磨くことを目的とする。それは即ち、主治医と
して診断し治療方針を立て、それを適切に行える独立した産婦人科医となることを意味する。さらに、
多種職がチームとして働く病院(医療施設)で情報や意志の交換共有を行い、チームの1員として行動
できる人間関係能力の構築も進める。
・内容
①
病棟において担当医として担当患者の状態を把握し治療方針を立てて実行する。
②
外来業務を補佐し、その後外来を単独で担当し患者の病態を診察し診断し治療を実行する。
③
当直を補佐し当直業務を経験し、その後産婦人科当直医として業務を行う。
④
妊娠・母児・保険に関係する倫理・法規を理解し履行する。
⑤
生殖医療に関する倫理・法規を理解し履行する。
⑥
地域医療の実践に関与し、医療と地域の関係を経験し理解する。
⑦
関連学会に参加し学術研修を行い、また発表も行う。
⑧
看護学生の産婦人科領域の教育指導を行う。
⑨
初期研修医の指導の補佐を行う。
⑩
臨床実習学生の指導を行う。
A
視診・触診・内診・直腸診を行い正確な所見を把握する。
B
細胞診の採取・組織診を行う。コルポスコープ所見をとる。
C
経腹超音波・経膣超音波検査を行い所見をとる。
D
妊婦検診を行い、母児の指導教育管理を行う。
E
分娩に立会い、正常分娩の介助を行う。異常分娩を発見し適切な対応を行う。
F
新生児の出生時の蘇生を行う。
G
手術の助手を務め手術操作と術式を理解し単純子宮全摘出術・帝王切開術を文字通り執刀できる
ことを目指す。
H
悪性疾患患者の担当医となり集学的な治療を計画する。
I
終末期患者の担当医となり全人的な医療と緩和医療を行う。
J
流産手術・人口妊娠中絶術を行う。
K
地域保健活動の一環として婦人科癌検診活動に参加する。(人間ドックでの検診も含む)
L
母児保健活動の一環として母親学級に参加する。
最初に達成すべき修得事項として、産婦人科急性腹症の診断と治療の能力・流産手術を確実に行え
る能力。分娩時の遂娩が必要な病態の診断能力とその技術などが上げられる。これらが行えないと当
直業務は困難である。当科は指導医・上級医が休日夜間でも常にバックアップ体制、チーム体制をと
っている。
平成 26 年 3 月より、当院は機能を一部移転し、産婦人科は「佐久医療センター」に機能全体が移
51
転した。「佐久医療センター」では、
「がん診療拠点病院」機能は維持しさらに「周産期センター」を
もうけてこれまで以上に周囲地域(東信地域)の合併症妊娠、異常妊娠、異常症例を引き受けている。
もともと当科は東信地区において現在最も規模の大きい施設であり、年間分娩数は 600~700 あり、
周囲の診療所や病院よりの母体搬送症例も受け入れ、さらには正常分娩も地域の周産期施設の一つと
して担ってきた。平成 26 年度は小児科との連携も周産期センターとして一つのチームになり、正常
分娩から異常分娩までの幅広い産科診療を受け入れるている。また、婦人科領域では悪性腫瘍患者も
多く、大学病院に匹敵する程度の数を診療している。放射線治療、癌化学療法を含めた集学的治療を
行っている。また終末期患者も病診連携を図り緩和ケアを行い患者家族の希望に対応している。良性
疾患の手術に関しては、大学病院以上の症例を手術している実績を持っている。
・経験
当院において3年間で修練できる症例(平成 20~22 年の 1 研修医の場合を参考に)
症例
産科異常症例
分娩経験
・重症妊娠悪阻
14 例
・切迫流産
16 例
・切迫早産
70 例
・PIH
4例
・双胎妊娠
9例
・前置胎盤
4例
・合併症妊娠
8例
・正常分娩(初産)191 例
・正常分娩(経産)206 例(TLAC)
・吸引分娩
5例
・双胎経腟分娩
3例
・骨盤位経腟分娩
1例
・帝王切開
100 例
婦人科担当症例 ・子宮筋腫
良性
・子宮内膜症
17 例
・卵巣腫瘍
30 例
・子宮外妊娠
8例
・子宮脱
3例
・PID
2例
・CIN
28 例
婦人科担当症例 ・子宮頸癌
悪性
48 例
29 例
・子宮体癌
27 例
・卵巣癌
21 例
・絨毛性疾患
1例
手術経験
産科
流産中絶術
帝王切開
32 例(中期 2 例)
100 例
52
婦人科 子宮全摘出術
筋腫核出術
46 例+α (3 年目の良性疾患はほぼすべて執刀)
9例
付属器切除術(卵巣腫瘍摘出術)
17 例
円錐切除術
10 例
広汎性(準広汎)子宮全摘出術
4例
腹腔鏡手術
(3 年目の悪性疾患はほぼすべて第 1 助手)
平成 22 年 8 月より連携病院で研修開始、
平均 1-2 例/週
その他の症例 放射線治療症例、癌化学療法、緩和終末期ケア(及び看取り)多数
そのほか
人間ドック、施設内検診、バス検診、母親学級指導、看護学校講義
学会参加(発表、聴講)あり、論文投稿 2 献
・専門医教育施設の認定状況
当院は、日本産婦人科学会、日本周産期・新生児医学会の認定施設となっている。
・カンファレンス
週1回ずつ「病棟カンファレンス」
:Nrs. 栄養士、薬剤師、MCWを含む病棟スタッフで症例の問題
点を発表
「症例カンファレンス」
:産婦人科医同士で治療方針を検討
月1回
「放射線治療カンファレンス」
:放射線治療医常勤時に開催
・1週間のスケジュール
後期研修初期は、基礎的な診療を習得するため上級医について外来、病棟、手術、分娩、当直など
の研鑽を積むことから始まる。十分な技量を習得してからは、病棟業務、手術、外来業務、当直業務
と一つずつ独り立ちして進めることになる。
午前中、週1コマずつ産科外来、婦人科外来、結果並びに定期受診外来を担当
週1回産褥回診、週1回分娩室担当
午後 、担当症例の回診、担当症例の手術(週 1-2 例)、非担当症例の手術(週 2-3 例)
当直 、4-5 日に1回、拘束週 1-2 回
・平成 26 年 3 月に開院した「佐久医療センター」に関して
平成 26 年 3 月に佐久市内に本院と別れて「佐久医療センター」が開院となった。現在の産婦人科機
能はこの新しいセンターに移行した。ここではこれまで当院が行っている産婦人科医療に加えて、周
産期センターを併設することになっている。これまで以上に、地域の周産期の高度医療を受け入れ、
小児科との連携を深めていく予定である。そのため、産婦人科スタッフの増員を必要としている。
53
【後期研修後の専門医試験に関して】
当院は日本産婦人科学会の卒後研修指導施設となっています。3年間の後期研修を受けた後には日
本産婦人科学会の専門医を申請し受験することができます。ほかの施設で研修を既に開始していて、
その後当院で研修を継続しても当院では経験できる症例が多いため、申請するに十分な症例数のほと
んどは当院での研修で経験で足りるでしょう。
平成 25 年度より日本産婦人科学会の方針により研修方法が変更になります。常勤産婦人科専門医
が 4 人以上いる「総合型専攻医指導施設(総合型施設)」であれば単独で研修が完了できる。当院は「連
携型専攻医指導施設(連携型施設)
」となるため、3年間の後期研修のうち6か月以上を総合型施設で
研修を行う必要性があります。当院では、信州大学附属病院産婦人科学教室と連携しこの研修を遂行
できる体制をとっていますし、希望の総合型施設での研修に応じることができます。
【各種資格取得に関して】
・産婦人科専門医は上記の通り、取得できます。
・母体保護指定医は、今後許可要件が変更される可能性がありますが、取得可能です。
・日本婦人科腫瘍専門医は、これまでは施設設備要件や、診療スタッフの要因で申請できませんでし
たが、佐久医療センター開院後修練施設に認定申請をする予定です。
54
精神神経科後期臨床研修プログラム
精神神経科部長 大西直樹
・目的、概要、特徴等
精神科医を目指す医師に対して 3 年間の後期研修コースを設ける。このコースでは外来診療や入院診療
を主たる研修とするが、総合病院精神科として、急性期治療、合併症治療、コンサルテーションリエゾンにつ
いても研修する。
また県から「認知症疾患医療センター」の指定を受けており、認知症の鑑別診断、治療、家族や介護スタッ
フへのアドバイスまで、認知症に対しての総合的な研修を行う。
・到達目標
・
統合失調症、感情障害、認知症、不安障害、発達障害等一般の精神疾患の診断、及び治療を習得す
る。
・
総合病院の精神科として、身体科と連携しての合併症治療を習得する。
・
抗精神薬、抗不安薬、睡眠導入薬など精神科治療における的確な薬物治療について習得する。
・
精神保健福祉法等関連法規に習熟し、適切な入院形態の判断、行動制限について習得する。
・
地域等におけるメンタルヘルスに関しての啓発活動について習得する。
・
障害者総合支援法、介護保険法、医療費公費負担制度など社会資源についての知識を習得する。
・研修内容、研修期間、指導体制
主には精神科において研修を行うが、総合病院の特徴を活かし、総合診療科等院内各科での研修を組み
合わせることも可能である。
1 年目、2 年目においては指導医の下で、外来診療、入院診療を行い、診断、治療計画を習得するが、研
修医本人の希望を尊重し研修内容を組み立てていく。
3年目からは主治医として外来、入院診療を行うとともにコンサルテーションリエゾンに対応していく。また
初期研修医の精神科研修においてはスーパーバイザーとして指導にあたる。
当院は精神保健福祉法における措置指定病院、また医療観察法通院指定施設であるため、これらの法に
習熟し、当該患者の診療にあたる。
3 年間の研修修了時、精神保健指定医の資格を取得するに必要な症例が経験できることを目指す。
研修終了後、精神科スタッフとして勤務することも歓迎する。
・専門医教育施設の認定状況、認定医・専門医について
当院は、日本精神神経学会の認定施設となっている。
また 3 年間の研修で精神保健指定医、精神神経学会専門医を習得できるようスケジュールは配慮する。
55
・後期研修医の週間スケジュールについて
月
火
水
木
金
土
午前~
外来
外来
デイケア
外来
訪問看護
病棟
午後~
病棟
病棟
デイケア
コンサルテーション
訪問看護
リエゾン
夕方~
備考
クルズス
カンファレス
カンファンレス
身体科医回診陪席
クルズス
※上記スケジュールに加え、施設往診、地域精神保健相談など
・指導医からのメッセージ
総合病院の精神科として急性期治療や合併症治療、コンサルテーションリエゾンなど、単科精神科では経
験できない横断的な研修が行えます。また認知症については「認知症疾患医療センター」の指定を受けてお
り、専門性の高い指導が受けられます。
チームとしての精神科医療を基本としているので、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士等
コメディカルスタッフとの連携が構築されており、充実した研修が行えます。
なお個々の希望に合わせ総合診療科等での研修も受けられるようよう配慮いたします。
(精神神経科部長 大西直樹)
56
健康管理部後期臨床研修プログラム
健康管理部長 前島文夫
・概要と目的
佐久総合病院では、1945 年に若月俊一医師が診療を始めて以来、農村地域における健康に影響を及
ぼす社会的課題に着目し対策を講じてきました。八千穂村全村健康管理によって「予防は治療に勝る」
を実証し、現在に至るまで地域での巡回型健診や施設健診等を行いながら健康管理活動に取り組んで
きています。
健康管理部後期研修プログラムは、農村地域において健康管理活動に関する実務を担える知識、技
術、志を有する医師の養成を目的とします。
・目標
・健康診断業務に関する基本的能力の習得
・健康学習や地域活動の企画運営に参画できること
・農村医学的課題に取り組む視点をもつこと
・研修内容
佐久総合病院の健康管理部(地域健康管理科、人間ドック科)が、総合診療科・地域ケア科等の部
門や関連施設(長野県厚生連健康管理センター、日本農村医学研究所)と連携して研修を行います。
・健診活動(巡回型健診・施設健診)等の健康管理活動
現在、院外では健康管理センターと連携して長野県内各地の巡回型健診(特定健診、介護予防健
診)をまた院内では人間ドック等の施設健診を行っています。健診担当医として研修を行います。
・総合診療科外来/地域ケア
プライマリー・ヘルスケアの研修としては、総合診療科外来で指導医のもと週 1 回研修を行いま
す。特に common disease への対応や一次救急の知識・技能・態度を身につけ、併せて、生活習
慣病やそのリスクファクターに関する支援方法を学びます。また、地域ケアの研修については、
地域ケア科の医師の指導のもと訪問診療等を研修します。
・その他
佐久総合病院が関わっている地域活動や農村医学的課題(農作業事故等)への取組みに参加し、
農村地域で健康に影響を及ぼす社会的要因の重要性について学びます。
・週間スケジュール(例)
月
火
水
木
金
土
午前
総合外来
健康管理
健康管理
健康管理
地域ケア
院内
午後
総合外来
健康管理
健康管理
健康管理
地域ケア
57
・平成 26 年度学会発表など
○学会発表 4 件
・第 70 回長野県農村医学会
農閑期にビニールハウスを用いた活動参加者における生活機能の経年的変化と支援方法の検討
・第 62 回日本農村医学会
冬期間における共同ビニールハウスでの農作業の実体調査
斜面と平面における草刈り作業時の呼吸代謝の比較について
花卉栽培者の土壌燻蒸剤の使用実態調査
○論文発表 1 件
・J Rurak Med 2013;8(2):228-232(掲載書名)
Trends in paraquat poinsoning in Japan – Viewed from Surveys on Clinical Cases
・指導医からのメッセージ
プライマリー・ヘルスケアや地域ケアの現場も経験しながら、農村地域における保健予防活動・健
康づくりの在り方を学ぶ機会にしていただきたいと思います。(健康管理部長
58
前島文夫)
○外来・入院実績
※ 内分泌代謝内科は内科件数、小児外科は外科件数に内包
外来件数
入院件数
診療科名
初診
再診
延べ
入院
退院
0時
延べ
総合診療科
5,292
12,339
17,631
777
890
22,067
22,957
内科
6,874
44,350
51,224
757
571
10,408
10,979
消化器内科
4,508
13,235
17,743
1,256
1,322
11,882
13,204
血液内科
1,100
7,662
8,762
607
635
15,025
15,660
腎臓内科
738
3,828
4,566
239
257
3,942
4,199
75
17,896
17,971
-
-
呼吸器内科
1,047
6,301
7,348
499
576
8,077
8,653
循環器内科
1,698
7,467
9,165
1,096
1,100
10,106
11,206
内視鏡内科
420
4,144
4,564
297
292
1,264
1,556
腫瘍内科
426
4,986
5,412
278
304
3,926
4,230
緩和ケア内科
524
684
1,208
24
28
382
410
神経内科
803
7,777
8,580
409
449
11,848
12,297
外科
464
935
1,399
396
404
2,447
2,851
1,695
6,946
8,641
1,292
1,324
16,697
18,021
心臓血管外科
570
1,923
2,493
338
352
6,877
7,229
呼吸器外科
577
2,942
3,519
302
313
3,820
4,133
乳腺外科
1,776
6,787
8,563
171
178
1,453
1,631
整形外科
2,968
17,909
20,877
940
974
13,287
14,261
形成外科
1,542
5,134
6,676
290
295
2,437
2,732
脳神経外科
1,129
10,031
11,160
417
469
9,172
9,641
救急科(2014 年 6 月~)
2,784
456
3,240
719
338
1,708
2,046
小児科
5,703
16,234
21,937
883
891
5,614
6,505
泌尿器科
1,844
10,092
11,936
541
558
4,202
4,760
耳鼻咽喉科
2,659
9,467
12,126
477
469
3,010
3,479
眼科
4,035
20,949
24,984
618
611
873
1,484
皮膚科
3,131
9,469
12,600
133
139
1,167
1,306
324
5,772
6,096
2,280
2,268
31,336
33,604
3,111
17,317
20,428
2,199
2,181
21,108
23,289
精神科
693
34,041
34,734
141
158
21,771
21,929
心療内科
220
7,177
7,397
2
4
272
276
放射線科
2,473
9,679
12,152
-
-
-
-
742
969
1,711
-
-
-
-
小海分院
9,065
34,270
43,335
31,034
31,896
小海診療所
1,184
11,136
12,320
-
-
透析科
消化器外科
リハビリテーション科
産婦人科
麻酔科
59
-
-
864
-
862
-
○入院症例内訳 (平成 26 年度)
診療科名
総合診療科
MDC2
※ DPC 制度における MDC2・6 に準ずる。
件数
呼吸器系疾患
332
178
84
肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎
93
循環器系疾患
65
腎臓または尿路の感染症
42
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
60
睡眠時無呼吸
39
耳鼻咽喉科系疾患
60
心不全
33
神経系疾患
56
敗血症
30
外傷・熱傷・中毒
36
慢性閉塞性肺疾患
19
筋骨格系疾患
29
前庭機能障害
18
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
20
脳梗塞
16
血液・造血器・免疫臓器の疾患
16
コンパートメント症候群
13
その他
76
その他
診療科名
MDC2
834
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
125
353
計
件数
MDC6
834
件数
2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)
59
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
93
慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎など
48
呼吸器系疾患
80
肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎
35
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
52
腎臓または尿路の感染症
28
耳鼻咽喉科系疾患
41
誤嚥性肺炎
25
循環器系疾患
28
副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍
21
神経系疾患
24
睡眠時無呼吸
19
外傷・熱傷・中毒
23
前庭機能障害
18
筋骨格系疾患
14
手術・処置等の合併症
16
小児疾患
11
心不全
15
その他
47
その他
254
計
診療科名
消化器内科
誤嚥性肺炎
件数
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
計
内科
MDC6
MDC2
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
538
計
件数
1185
MDC6
538
件数
肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む)
221
呼吸器系疾患
30
胆管(肝内外)結石、胆管炎
214
循環器系疾患
12
膵臓、脾臓の腫瘍
124
血液・造血器・免疫臓器の疾患
12
食道、胃、十二指腸、他腸の炎症
64
神経系疾患
10
胃の悪性腫瘍
56
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
7
胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄
54
小児疾患
5
胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍
52
筋骨格系疾患
4
肝硬変(胆汁性肝硬変を含む)
49
外傷・熱傷・中毒
3
穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患
44
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
3
結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍
41
その他
33
60
その他
385
診療科名
血液内科
計
1304
計
1304
MDC2
件数
MDC6
件数
血液・造血器・免疫臓器の疾患
呼吸器系疾患
553
非ホジキンリンパ腫
285
27
骨髄異形成症候群
81
皮膚・皮下組織の疾患
5
急性白血病
65
神経系疾患
5
多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物
52
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
3
白血球疾患(その他)
24
循環器系疾患
2
肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎
23
筋骨格系疾患
2
敗血症
16
耳鼻咽喉科系疾患
2
ホジキン病
12
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
2
出血性疾患(その他)
10
小児疾患
2
再生不良性貧血
その他
28
計
診療科名
MDC2
9
その他
631
54
計
件数
MDC6
631
件数
慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不
腎臓内科
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
160
その他
57
手術・処置等の合併症
43
循環器系疾患
22
心不全
15
筋骨格系疾患
14
ネフローゼ症候群
14
呼吸器系疾患
11
敗血症
13
12
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
9
全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患
神経系疾患
9
急性腎不全
7
血液・造血器・免疫臓器の疾患
7
腎臓または尿路の感染症
6
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
2
脳梗塞
5
小児疾患
1
胸水、胸膜の疾患(その他)
4
その他
1
その他
計
診療科名
内分泌代謝内
科
127
全
MDC2
293
47
計
件数
MDC6
293
件数
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
7
心不全
2
循環器系疾患
2
1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く)
2
女性生殖器系疾患など
2
副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍
1
呼吸器系疾患
1
肺の悪性腫瘍
1
妊娠中の糖尿病
1
低血糖症
1
褐色細胞腫、パラガングリオーマ
1
その他糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシス除く)
1
ADH分泌異常症
1
妊娠合併症等
1
計
12
61
計
12
診療科名
呼吸器内科
MDC2
件数
呼吸器系疾患
506
耳鼻咽喉科系疾患
11
308
肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎
61
9
間質性肺炎
48
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
6
誤嚥性肺炎
15
循環器系疾患
6
縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍
14
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
4
慢性閉塞性肺疾患
14
筋骨格系疾患
4
肺・縦隔の感染、膿瘍形成
11
外傷・熱傷・中毒
3
喘息
10
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
3
脳腫瘍
8
血液・造血器・免疫臓器の疾患
2
睡眠時無呼吸
8
その他
5
その他
診療科名
MDC2
559
1029
呼吸器系疾患
24
62
計
件数
循環器系疾患
MDC6
559
件数
狭心症、慢性虚血性心疾患
487
心不全
155
急性心筋梗塞(続発性合併症を含む)、再発性
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
8
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
6
徐脈性不整脈
82
神経系疾患
5
弁膜症(連合弁膜症を含む)
60
外傷・熱傷・中毒
4
閉塞性動脈疾患
50
血液・造血器・免疫臓器の疾患
3
頻脈性不整脈
32
新生児疾患、先天性奇形
3
心筋症(拡張型心筋症を含む)
18
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
2
解離性大動脈瘤
14
筋骨格系疾患
1
肺塞栓症
13
その他
7
その他
84
診療科名
内視鏡内科
肺の悪性腫瘍
件数
神経系疾患
計
循環器内科
MDC6
心筋梗塞
97
計
1092
計
1092
MDC2
件数
MDC6
件数
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
258
胃の悪性腫瘍
129
耳鼻咽喉科系疾患
3
外傷・熱傷・中毒
2
血液・造血器・免疫臓器の疾患
1
小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍
その他
3
小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む)
9
胃の良性腫瘍
8
結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍
5
直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍
3
頭頸部悪性腫瘍
3
手術・処置等の合併症
3
その他
3
計
267
62
食道の悪性腫瘍(頸部を含む)
食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性
疾患)
計
49
36
19
267
診療科名
腫瘍内科
MDC2
件数
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
242
83
食道の悪性腫瘍(頸部を含む)
60
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
11
結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍
29
筋骨格系疾患
8
直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍
16
耳鼻咽喉科系疾患
4
膵臓、脾臓の腫瘍
16
血液・造血器・免疫臓器の疾患
3
肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む)
13
神経系疾患
2
後腹膜疾患
8
循環器系疾患
1
骨の悪性腫瘍(脊椎を除く)
7
小児疾患
1
肺の悪性腫瘍
6
乳房の疾患
1
その他の悪性腫瘍
6
その他
8
その他
MDC2
54
298
計
件数
MDC6
298
件数
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
7
後腹膜疾患
6
筋骨格系疾患
5
肺の悪性腫瘍
5
呼吸器系疾患
5
頭頸部悪性腫瘍
2
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
4
脊椎・脊髄腫瘍
2
血液・造血器・免疫臓器の疾患
2
膵臓、脾臓の腫瘍
2
耳鼻咽喉科系疾患
2
膀胱腫瘍
1
神経系疾患
1
卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍
1
1
非ホジキンリンパ腫
1
1
脳梗塞
1
直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍
1
その他
6
女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常
妊娠分娩
皮膚・皮下組織の疾患
計
診療科名
MDC2
28
計
件数
神経系疾患
267
MDC6
28
件数
脳梗塞
61
呼吸器系疾患
52
てんかん
35
筋骨格系疾患
39
運動ニューロン疾患等
33
耳鼻咽喉科系疾患
18
一過性脳虚血発作
24
循環器系疾患
12
全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患
22
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
9
誤嚥性肺炎
21
小児疾患
8
肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎
21
眼科系疾患
6
免疫介在性・炎症性ニューロパチー
18
血液・造血器・免疫臓器の疾患
6
基底核等の変性疾患
17
外傷・熱傷・中毒
5
多発性硬化症
17
その他
19
計
診療科名
胃の悪性腫瘍
17
診療科名
神経内科
件数
呼吸器系疾患
計
緩和ケア内科
MDC6
MDC2
441
件数
63
その他
172
計
MDC6
441
件数
外科
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
129
62
鼠径ヘルニア
34
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
45
甲状腺の悪性腫瘍
26
外傷・熱傷・中毒
18
ヘルニアの記載のない腸閉塞
18
筋骨格系疾患
6
痔瘻
14
呼吸器系疾患
4
内痔核
13
小児疾患
3
甲状腺の良性結節
8
皮膚・皮下組織の疾患
3
外痔核
7
血液・造血器・免疫臓器の疾患
3
コンパートメント症候群
7
乳房の疾患
2
直腸脱、肛門脱
5
その他
8
その他
診療科名
MDC2
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
283
1159
89
計
件数
MDC6
283
件数
胆嚢水腫、胆嚢炎等
194
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
26
直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍
126
呼吸器系疾患
14
胃の悪性腫瘍
108
外傷・熱傷・中毒
14
結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍
106
102
神経系疾患
5
鼠径ヘルニア
筋骨格系疾患
5
ヘルニアの記載のない腸閉塞
96
血液・造血器・免疫臓器の疾患
4
虫垂炎
82
3
肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む)
58
小児疾患
2
膵臓、脾臓の腫瘍
55
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
2
腹膜炎、腹腔内膿瘍(女性器臓器を除く)
46
女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常
妊娠分娩
その他
診療科名
心臓血管外科
62
循環器系疾患
計
消化器外科
静脈・リンパ管疾患
48
その他
309
計
1282
計
1282
MDC2
件数
MDC6
件数
循環器系疾患
317
非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤
90
新生児疾患、先天性奇形
3
弁膜症(連合弁膜症を含む)
56
呼吸器系疾患
3
狭心症、慢性虚血性心疾患
51
神経系疾患
2
解離性大動脈瘤
46
筋骨格系疾患
1
閉塞性動脈疾患
25
血液・造血器・免疫臓器の疾患
1
手術・処置等の合併症
10
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
1
急性心筋梗塞(続発性合併症を含む)、再発性
10
心筋梗塞
その他
11
計
診療科名
MDC2
339
件数
64
破裂性大動脈瘤
9
頻脈性不整脈
7
心不全
7
その他
28
計
MDC6
339
件数
呼吸器外科
呼吸器系疾患
262
肺の悪性腫瘍
192
外傷・熱傷・中毒
11
気胸
28
筋骨格系疾患
10
肺・胸部気管・気管支損傷
10
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
4
間質性肺炎
7
神経系疾患
4
肺・縦隔の感染、膿瘍形成
7
皮膚・皮下組織の疾患
1
骨の悪性腫瘍(脊椎を除く)
7
耳鼻咽喉科系疾患
1
肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎
6
血液・造血器・免疫臓器の疾患
1
縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍
5
小児疾患
1
胸壁腫瘍、胸膜腫瘍
4
その他
5
呼吸器系の良性腫瘍
4
その他
計
診療科名
乳腺外科
MDC2
300
計
件数
乳房の疾患
155
MDC6
乳房の悪性腫瘍
件数
155
6
胸壁腫瘍、胸膜腫瘍
4
筋骨格系疾患
4
骨の悪性腫瘍(脊椎を除く)
4
神経系疾患
4
脳腫瘍
4
血液・造血器・免疫臓器の疾患
3
白血球疾患(その他)
2
皮膚・皮下組織の疾患
2
気胸
2
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
1
敗血症
2
その他
3
手術・処置等の合併症
1
骨髄異形成症候群
1
急性膿皮症
1
その他
2
診療科名
MDC2
178
計
件数
MDC6
178
件数
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
61
鼠径ヘルニア
27
小児疾患
12
虫垂炎
21
新生児疾患、先天性奇形
10
ウイルス性腸炎
11
筋骨格系疾患
3
停留精巣
6
2
その他の消化管の障害
4
外傷・熱傷・中毒
2
閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア
3
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
1
肝・胆道・膵・脾損傷
2
骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く)
2
腹膜炎、腹腔内膿瘍(女性器臓器を除く)
2
女性性器の先天性異常
2
女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常
妊娠分娩
その他
計
診療科名
整形外科
300
呼吸器系疾患
計
小児外科
30
MDC2
91
件数
筋骨格系疾患
470
65
11
計
MDC6
脊柱管狭窄(脊椎症を含む) 腰部骨盤、不安
91
件数
200
定椎
外傷・熱傷・中毒
326
9
椎間板変性、ヘルニア
58
呼吸器系疾患
8
脊柱管狭窄(脊椎症を含む) 頸部
56
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
4
股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む)
51
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
3
前腕の骨折
40
血液・造血器・免疫臓器の疾患
2
脊柱管狭窄(脊椎症を含む)
25
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
2
皮膚・皮下組織の疾患
2
多部位外傷
22
循環器系疾患
1
膝関節周辺骨折・脱臼
20
18
計
診療科名
MDC2
む)
その他
24
257
計
件数
MDC6
845
件数
皮膚・皮下組織の疾患
82
母斑、母斑症
25
外傷・熱傷・中毒
68
皮膚の良性新生物
20
筋骨格系疾患
43
熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷
20
耳鼻咽喉科系疾患
17
皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)
15
眼科系疾患
15
頭頸部悪性腫瘍
13
新生児疾患、先天性奇形
12
顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む)
12
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
7
多部位外傷
11
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
3
骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く)
11
循環器系疾患
3
眼瞼下垂
11
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
3
エクリン汗腺の障害、アポクリン汗腺の障害
10
22
計
診療科名
MDC2
その他
275
127
計
件数
MDC6
275
件数
神経系疾患
323
脳梗塞
112
外傷・熱傷・中毒
107
頭蓋・頭蓋内損傷
104
非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
6
血液・造血器・免疫臓器の疾患
3
脳腫瘍
37
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
2
くも膜下出血、破裂脳動脈瘤
28
耳鼻咽喉科系疾患
2
未破裂脳動脈瘤
22
循環器系疾患
2
てんかん
11
筋骨格系疾患
1
脳血管障害
10
眼科系疾患
1
一過性脳虚血発作
8
精神疾患
1
水頭症
5
その他
5
その他
36
計
診療科名
胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含
845
その他
脳神経外科
92
神経系疾患
その他
形成外科
股関節大腿近位骨折
MDC2
453
件数
66
外)
計
MDC6
80
453
件数
救急科
外傷・熱傷・中毒
99
薬物中毒(その他の中毒)
25
呼吸器系疾患
55
てんかん
23
神経系疾患
49
誤嚥性肺炎
22
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
34
頭蓋・頭蓋内損傷
22
循環器系疾患
18
肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎
18
血液・造血器・免疫臓器の疾患
10
敗血症
11
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
10
体温異常
9
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
8
脳梗塞
8
小児疾患
5
頸椎頸髄損傷
7
筋骨格系疾患
5
播種性血管内凝固症候群
6
その他
24
計
診療科名
小児科
317
166
計
MDC6
件数
新生児疾患、先天性奇形
273
妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害
呼吸器系疾患
198
肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎
97
小児疾患
111
喘息
68
260
57
食物アレルギー
45
耳鼻咽喉科系疾患
54
ウイルス性腸炎
41
神経系疾患
39
熱性けいれん
40
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
35
上気道炎
34
外傷・熱傷・中毒
27
インフルエンザ、ウイルス性肺炎
30
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
25
てんかん
30
血液・造血器・免疫臓器の疾患
19
川崎病
21
その他
46
その他
218
MDC2
884
計
件数
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
515
MDC6
884
件数
膀胱腫瘍
157
122
外傷・熱傷・中毒
6
前立腺の悪性腫瘍
血液・造血器・免疫臓器の疾患
4
上部尿路疾患
92
4
腎臓または尿路の感染症
37
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
3
腎盂・尿管の悪性腫瘍
21
筋骨格系疾患
3
男性生殖器疾患
18
呼吸器系疾患
2
前立腺肥大症等
17
その他
7
精巣腫瘍
16
腎腫瘍
15
女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常
妊娠分娩
下部尿路疾患
8
その他
計
耳鼻咽喉科
件数
皮膚・皮下組織の疾患
診療科名
診療科名
317
MDC2
計
泌尿器科
その他
MDC2
544
計
件数
耳鼻咽喉科系疾患
426
67
41
MDC6
慢性副鼻腔炎
544
件数
87
血液・造血器・免疫臓器の疾患
8
慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫
66
神経系疾患
8
突発性難聴
48
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
7
頭頸部悪性腫瘍
40
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
6
扁桃、アデノイドの慢性疾患
37
呼吸器系疾患
5
扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎
32
皮膚・皮下組織の疾患
3
顔面神経障害
29
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
1
声帯ポリープ、結節
17
眼科系疾患
1
鼻中隔弯曲症
12
新生児疾患、先天性奇形
1
副鼻腔嚢胞、鼻前庭嚢胞
11
その他
3
その他
90
計
診療科名
眼科
MDC2
469
計
件数
眼科系疾患
605
MDC6
白内障、水晶体の疾患
涙器の疾患
19
神経系疾患
2
黄斑、後極変性
15
その他
1
網膜剥離
13
眼瞼、涙器、眼窩の疾患
10
診療科名
緑内障
9
結膜の障害
6
視神経の疾患
5
硝子体疾患
5
甲状腺機能異常性眼球突出(症)
4
MDC2
610
皮膚・皮下組織の疾患
97
15
計
件数
MDC6
610
件数
帯状疱疹
23
耳鼻咽喉科系疾患
9
薬疹、中毒疹
15
外傷・熱傷・中毒
6
急性膿皮症
13
筋骨格系疾患
5
痒疹、蕁麻疹
12
神経系疾患
5
頭頸部悪性腫瘍
8
血液・造血器・免疫臓器の疾患
2
湿疹、皮膚炎群
7
循環器系疾患
2
皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)
6
2
紅斑症
6
呼吸器系疾患
1
全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患
5
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
1
薬物中毒(その他の中毒)
4
その他
6
その他
女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常
妊娠分娩
計
産婦人科
509
2
計
診療科名
件数
外傷・熱傷・中毒
その他
皮膚科
469
MDC2
136
件数
女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常
811
68
37
計
MDC6
子宮頸・体部の悪性腫瘍
136
件数
167
妊娠分娩
腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
38
胎児及び胎児付属物の異常
137
消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
13
早産、切迫早産
110
呼吸器系疾患
11
分娩の異常
87
小児疾患
10
子宮の良性腫瘍
64
筋骨格系疾患
9
卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍
46
血液・造血器・免疫臓器の疾患
6
卵巣の良性腫瘍
34
皮膚・皮下組織の疾患
6
後腹膜疾患
29
乳房の疾患
5
妊娠高血圧症候群関連疾患
27
神経系疾患
4
流産
26
その他
17
計
診療科名
精神科
MDC2
930
2
外傷・熱傷・中毒
1
計
心療内科
MDC2
203
計
件数
精神疾患
診療科名
その他
MDC6
統合失調症,統合失調症型障害および妄想性
障害
930
件数
1
熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷
1
その他の精神及び行動の障害
1
3
計
件数
MDC6
3
件数
神経系疾患
1
パーキンソン病
1
精神疾患
1
その他の精神及び行動の障害
1
内分泌・栄養・代謝に関する疾患
1
間脳下垂体疾患(その他)
1
計
3
69
計
3
○手術実績 (平成 26 年度)
診療科名
外科
分類
胸腹腔鏡下
件数
食道悪性腫瘍手術
(再掲)
17
17
121
50
胃悪性腫瘍手術(幽門側)
74
35
胃悪性腫瘍手術(噴門部)
2
1
胃悪性腫瘍手術(内視鏡合同局所切除)
11
11
胃悪性腫瘍手術(全摘)
31
3
胃悪性腫瘍手術
胃悪性腫瘍手術(局所切除)
3
胃十二指腸良性手術
15
甲状腺手術
37
甲状腺手術(良性)
12
甲状腺手術(悪性)
25
肺切除術
肺切除術(悪性以外)
肺悪性腫瘍手術
乳腺腫瘍手術
15
164
142
41
40
123
102
155
乳腺腫瘍摘出術
14
乳腺悪性腫瘍手術
141
小腸癒着剥離術
62
56
小腸切除術
31
21
23
16
8
5
259
235
大腸悪性腫瘍手術(結腸切除)
123
105
大腸悪性腫瘍手術(直腸切除)
40
40
大腸悪性腫瘍手術(直腸切断)
21
15
大腸悪性腫瘍手術(直腸低位前方切除)
63
63
大腸切除手術(悪性以外)
12
12
虫垂切除術
79
78
肝悪性腫瘍手術
50
9
肝悪性腫瘍手術(部分切除)
14
7
肝悪性腫瘍手術(区域切除)
36
2
233
215
59
5
小腸切除術(悪性以外)
小腸切除術(悪性)
大腸腫瘍手術
胆嚢摘出術
膵胆道悪性手術)
膵頭切除術(十二指腸温存)
1
膵頭十二指腸切除術
31
胆嚢悪性腫瘍手術
7
膵体尾部腫瘍切除術
20
70
5
弁形成術・弁置換術
90
弁形成術・弁置換術(1 弁)
66
弁形成術・弁置換術(2 弁)
21
弁形成術・弁置換術(3 弁)
3
冠動脈,大動脈バイパス移植術
73
冠動脈,大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)
47
冠動脈,大動脈バイパス移植術(人工心肺使用)
26
ステントグラフト挿入術
80
ヘルニア手術
ヘルニア手術(鼠径ヘルニア)
ヘルニア手術(その他)
167
208
142
40
25
肛門手術
74
大動脈瘤切除術
44
動脈塞栓除去術
15
下肢静脈瘤手術(焼灼術)
61
下肢静脈瘤手術(抜去切除術)
3
その他の腹腔内手術
274
その他の心臓血管外科手術
合計
診療科名
185
98
その他の外科手術
形成外科
248
分類
203
13
2545
1208
件数
皮膚腫瘍摘出術
65
デブリードマン
46
皮下腫瘍摘出術
39
皮膚切開
20
皮膚悪性腫瘍切除術
20
四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術
19
皮弁作成術,移動術,切断術,遷延皮弁術
17
眼瞼下垂症手術
17
Qスイッチ付レーザー照射療法
17
瘢痕拘縮形成手術
12
腋臭症手術(皮弁法)
11
骨折非観血的整復術
11
骨折観血的手術
11
創傷処理
10
四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術
10
筋(皮)弁術
8
断端形成術
7
分層植皮術
6
皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)
6
先天性耳瘻管摘出術
6
全層植皮術
5
71
切断四肢再接合術
5
四肢切断術
5
骨髄炎手術
5
尿膜管摘出術
4
動脈(皮)弁術
3
骨折経皮的鋼線刺入固定術
3
合指症手術
3
口唇裂形成手術
3
腐骨摘出術
2
皮膚血管腫摘出術
2
皮下血管腫摘出術
2
組織拡張器による再建手術
2
神経縫合術
2
指瘢痕拘縮手術
2
骨内異物(挿入物)除去術(顔面)
2
筋肉内異物摘出術
2
顔面神経麻痺形成手術(静的なもの)
2
眼瞼結膜腫瘍手術
2
レックリングハウゼン病偽神経腫切除術
2
その他手術
34
合計
診療科名
整形外科
450
分類
件数
骨折観血的手術
165
骨折観血的手術(その他)
1
骨折観血的手術(下腿)
15
骨折観血的手術(鎖骨)
14
骨折観血的手術(指(手,足))
6
骨折観血的手術(手(舟状骨を除く))
1
骨折観血的手術(手舟状骨)
1
骨折観血的手術(上腕)
18
骨折観血的手術(前腕)
21
骨折観血的手術(足)
2
骨折観血的手術(大腿)
78
骨折観血的手術(膝蓋骨)
8
骨折経皮的鋼線刺入固定術
16
骨折経皮的鋼線刺入固定術(指(手,足))
9
骨折経皮的鋼線刺入固定術(上腕)
1
骨折経皮的鋼線刺入固定術(前腕)
6
骨内異物(挿入物)
50
骨内異物(挿入物)除去術(下腿)
18
骨内異物(挿入物)除去術(鎖骨)
4
骨内異物(挿入物)除去術(指(手,足))
1
72
骨内異物(挿入物)除去術(上腕)
1
骨内異物(挿入物)除去術(前腕)
14
骨内異物(挿入物)除去術(足)
4
骨内異物(挿入物)除去術(大腿)
6
骨内異物(挿入物)除去術(膝蓋骨)
2
関節内骨折観血的手術
42
関節内骨折観血的手術(肩)
1
関節内骨折観血的手術(股)
3
関節内骨折観血的手術(指・手)
2
関節内骨折観血的手術(手)
9
関節内骨折観血的手術(足)
12
関節内骨折観血的手術(膝)
7
関節内骨折観血的手術(肘)
8
人工関節置換・人工骨頭術
94
人工関節置換術(股)
47
人工関節置換術(膝)
14
人工骨頭挿入術(股)
33
関節鏡下滑液膜摘出術
31
関節鏡下滑液膜摘出術(膝)
1
関節鏡下関節滑膜切除術(膝)
1
関節鏡下関節鼠摘出手術(膝)
1
関節鏡下関節内異物(挿入物を含む)除去術(膝)
1
関節鏡下関節内骨折観血的手術(手)
17
関節鏡下関節内骨折観血的手術(膝)
4
関節鏡下半月板切除術
1
関節鏡下半月板縫合術
5
椎弓形成術
104
脊椎固定術(後方又は後側方固定)
49
手根管開放手術
37
デブリードマン
32
椎間板摘出術
30
腱鞘切開術(指)
28
脊椎固定術(前方椎体固定)
26
創傷処理
21
脊椎内異物(挿入物)除去術
10
創外固定器加算
8
経皮的椎体形成術
7
断端形成術(骨形成を要するもの)(手・指)
7
分層植皮術
7
皮下腫瘍摘出術(露出部)
6
化膿性又は結核性関節炎掻爬術
5
偽関節手術
5
73
骨盤骨折観血的手術(腸骨翼骨折を除く)
5
神経剥離術(その他のもの)
5
全層植皮術
4
アキレス腱断裂手術
3
黄色靱帯骨化症手術
3
その他術式
53
合計
診療科名
脳神経外科
853
分類
件数
慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭)
41
頭蓋内腫瘍摘出術
37
脳動脈瘤頸部クリッピング
26
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術
24
穿頭脳室ドレナージ術
10
水頭症手術(シャント手術)
7
創傷処理
4
頭蓋骨形成手術
4
経皮的頸動脈ステント留置術
3
定位脳腫瘍生検術
2
脳動静脈奇形摘出術
2
脳膿瘍排膿術
2
その他手術
8
合計
診療科名
産婦人科
170
分類
件数
帝王切開術
161
子宮全摘術
114
子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)
49
子宮頸部(腟部)切除術
24
子宮筋腫摘出(核出)術(腹式)
22
流産手術
12
子宮頸部摘出術(腟部切断術を含む)
9
胞状奇胎除去術
5
子宮内膜掻爬術
5
子宮脱手術(マンチェスター手術)
5
腟壁尖圭コンジローム切除術
3
子宮息肉様筋腫摘出術(腟式)
3
腟壁腫瘍摘出術
2
試験開腹術
2
その他術式
11
合計
診療科名
内科
427
分類
件数
肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連)2cmを超えるもの その他
血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管)止血術
57
2
74
その他術式
5
合計
診療科名
腎臓内科
64
分類
件数
内シャント設置術
72
創傷処理
70
上腕動脈表在化法
24
連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術
11
血管移植術
9
四肢の血管拡張術
6
四肢の血栓除去術
6
血管結紮術(その他)
5
血管移植術(その他の動脈)
3
動脈形成術
3
生体腎移植術
2
腹腔鏡下移植用腎採取術(生体)
2
その他手術
6
合計
診療科名
内視鏡内科
219
分類
件数
内視鏡的食道粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術)
29
内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術)
6
食道アカラシア等に対する経口内視鏡的筋層切開術(先進医療)
4
下咽頭腫瘍摘出術(経口腔)
2
内視鏡的食道異物摘出術
2
その他術式
4
合計
診療科名
耳鼻咽喉科
47
分類
件数
内視鏡下鼻・副鼻腔手術
92
鼓室形成手術
46
口蓋扁桃手術(摘出)
34
喉頭・声帯ポリープ切除術(直達喉頭鏡によるもの)
22
鼻中隔矯正術
16
乳突削開術,鼓室形成手術
14
アデノイド切除術
13
リンパ節摘出術
13
鼻甲介切除術
11
気管切開術
10
耳下腺腫瘍摘出術(浅葉)
8
鼓膜(排液,換気)チューブ挿入術
7
喉頭悪性腫瘍手術
7
鼓膜形成手術
5
甲状腺悪性腫瘍手術
5
頸部郭清術(片側)
4
75
咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む)
3
気管口狭窄拡大術
3
顎下腺摘出術
2
頬粘膜悪性腫瘍手術
2
その他手術
20
合計
診療科名
泌尿器科
337
分類
件数
経尿道的尿管ステント留置術
135
膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの)
119
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術
73
経尿道的尿管ステント抜去術
21
経皮的腎(腎盂)瘻造設術
20
腎(尿管)悪性腫瘍手術
17
その他手術
13
経尿道的前立腺手術 電解質溶液利用のもの
13
ESWL
10
創傷処理(長径5㎝未満・筋肉,臓器に達するもの)
10
膀胱悪性腫瘍手術(切除)
10
精巣悪性腫瘍手術
9
陰嚢水腫手術(その他)
8
前立腺悪性腫瘍手術
5
前立腺針生検
5
尿道狭窄内視鏡手術
5
腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術
5
膀胱脱手術(メッシュを使用するもの)
5
経尿道的電気凝固術
4
膀胱内凝血除去術
4
膀胱結石摘出術(経尿道的手術)
3
経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの
2
包茎手術(環状切除術)
2
膀胱異物摘出術(経尿道的手術)
2
合計
診療科名
皮膚科
500
分類
件数
皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)
13
全層植皮術(25c㎡以上100c㎡未満)
11
分層植皮術(100c㎡以上200c㎡未満)
2
その他手術
3
合計
診療科名
眼科
29
分類
件数
水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)
594
眼瞼下垂症手術
45
硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの)
39
76
涙嚢鼻腔吻合術
18
翼状片手術(弁の移植を要するもの)
7
緑内障手術(濾過手術)
7
斜視手術
5
眼窩内腫瘍摘出術
4
硝子体注入・吸引術
4
涙小管形成手術
3
瘢痕拘縮形成手術(顔面)
3
角膜・強膜縫合術
2
網膜復位術
2
眼球摘出術
1
その他手術
7
合計
診療科名
小児科
741
分類
件数
小児創傷処理(長径2.5㎝未満・筋肉,臓器に達するもの)
合計
1
1
77
○その他実績 (平成 26 年度)
診療科名
麻酔科
内容
件数
麻酔件数
6,024
全身麻酔
産科(分娩)
3,490
腰麻
396
硬麻
162
ブロック
731
局麻
883
静脈麻酔
111
その他
251
分娩総数
789
自然分娩
576
異常分娩
213
帝王切開
161
吸引分娩
39
骨盤位分娩
9
その他分娩
4
偽陣痛・切迫早産・その他
救命救急センター
地域ケア科
171
救急外来件数
7,249
救急搬送件数
2,892
ドクターカー出動件数
2
ドクターヘリ出動件数
462
新規登録者
105
登録患者数 (平成 27 年 3 月末時点)
188
訪問診療件数
健康管理部
2,487
健診受信者
37,788
うち東信地区
6,533
1 日ドック
8,537
2 日ドック
3,813
佐久保健福祉大学企画運営等
78
・平成 28 年度後期研修医募集要項
当院は、診療所から救命救急センター、ドクターヘリまでの第一線医療から高度の専門医療、巡回
健診や人間ドックなどの保健活動、老人保健施設、在宅医療、訪問看護などの福祉活動などのさまざ
まな活動を通して常に住民第一に考え、保健、医療、福祉が一体化した総合的役割を地域で果たして
きた。また、昭和 43 年に臨床研修指定病院に指定され、多くの研修医を育成してきた。より一層、地
域ニーズに応えていくため、現在、分割移転病院再構築を進めている。高度専門医療を提供するため
の佐久医療センター(450 床)が平成 26 年 3 月に開院となり、機能分化したそれぞれのフィールドで、
充実した研修を行う。
1.病院概況
○佐久医療センター
○佐久総合病院
所在地:〒384-0301 長野県佐久市臼田 197
所在地:〒385-0051 長野県佐久市中込 3400 番 28
電わ話:0267-82-3131(代表)
電わ話:0267-62-8181(代表)
院い長:伊澤 敏
院い長:渡辺 仁
標榜科目(グループ全体)
内科(呼吸器、循環器、消化器、内視鏡、血液、糖尿病・代謝内分泌、腎臓、リウマチ膠原病、
腫瘍、感染症)
・緩和ケア内科・神経内科・心療内科・移植内科・産科・婦人科・眼科・精神科・
外科(呼吸器、心臓、消化器、乳腺、小児、肛門)・整形外科・脳神経外科・形成外科・移植外科・
歯科口腔外科・小児科・皮膚科・泌尿器科・耳鼻咽喉科・アレルギー科・麻酔科・救急科・
放射線診断科・放射線治療科・病理診断科・臨床検査科・リハビリ科 ほか
診療科ごとの主たる後期研修場所
○佐久総合病院
地域医療部(総合診療科)
、神経内科、リハビリ科、精神科、健康管理部、内科の一部
○佐久医療センター
内科、外科、リハビリ科、麻酔科、救命救急センター、内視鏡内科、消化器内科、整形外科、
形成外科、小児科、放射線科、脳神経外科、産婦人科、麻酔科、泌尿器科
職 員 数(グループ全体)
医師 231 名、看護師 1317 名、薬剤師 43 名、診療協力部 451 名、事務他 274 名、合計 2316 名
病床数(グループ全体)
佐久総合病院 351 床
佐久医療センター450 床
小海分院 99 床
佐久老人保健施設 94 床
老人保健施設こうみ 80 床
関連施設
小海診療所無床
合計 1074 床
・佐久総合病院看護専門学校
・財団法人農村保健研修センター ・在宅介護支援センター(3 か所)
・財団法人日本農村医学研究所 ・佐久東洋医学研究所
・宅老所「やちほの家」
・長野厚生連健康管理センター ・訪問看護ステーション(6 か所)
諸認可・指定(グループ全体)
・臨床研修指定病院
・老人性認知症センター
・救命救急センター
・地域がん診療連携拠点病院
・二類感染症指定医療機関
・災害拠点病院
・へき地医療拠点病院
・信州ドクターヘリ
・心臓疾患基幹病院
・高次脳機能障害拠点病院
・地域周産期母子医療センター
・エイズ治療拠点病院
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2.募集人員・選考方法
募 集 人 員 :若干名
応 募 資 格 :平成 28 年 4 月 1 日時点で、医師法に定める 2 年間の初期臨床研修を修了している者
もしくは修了見込みの者で、原則として平成 28 年 4 月 1 日より就業できる者
選 考 方 法 :各専攻希望科の部長を含む研修委員による面接試験及び書類審査
出 願 締 切 :各試験日の 10 日前までに郵送でお申し込みください。
採用試験日 :平成 27 年 10 月 24 日(土)、11 月 14 日(土)
、11 月 28 日(土)
いずれも午後 1 時より ※上記以降の試験日については、応相談。
応募者には折り返し来院指定時間等を通知いたします。
試 験 会 場 :申込いただいた後に追ってこちらから通知いたします。
結 果 発 表 :試験後約 2 週間で郵送にて発表
3.研修期間
3 年間(1年毎に更新する)
4.研修内容
研修プログラムの詳細は当院ホームページを参照ください
☆ホームページ
http://sakuhp.or.jp
5.募集科目
地域医療部(総合診療科)/病院総合医養成/放射線科/内科/消化器内科/神経内科/外科/
心臓血管外科/内視鏡内科/救命救急センター/小児科/整形外科/健康管理部/泌尿器科/脳
神経外科/リハビリテーション科/産婦人科/形成外科/麻酔科/精神神経科
6.出願書類
下記書類を添えて、下記担当宛に郵送でお申し込みください。
①後期研修医申込書(当院指定の書式、ホームページよりダウンロード可)
②履歴書(当院指定の書式、ホームページよりダウンロード可。折曲厳禁)
③志望動機書(800 字程度、A4 サイズの用紙に記入のこと、専攻希望科明記のこと)
④医師免許証の写し(原本のコピーで結構です)
⑤過去 2 年間以上の研修履歴書(何々科、何ケ月というように記入してください)
⑥初期臨床研修修了証の写し(医師法で定められた初期臨床研修を修了した方のみ)
7.後期研修医の待遇
①身あ分
正式職員
②給あ与
1 年次
404,584 円
2 年次
469,064 円
3 年次
523,544 円
※ 一部例外あり
③賞あ与
あり
④諸手当
住宅手当、家族手当、当直手当、通勤手当など
⑤休あ日
4 週 7 休制
⑥その他
医師寮、医師住宅の貸与もあります。(空き状況による)制服貸与
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8.後期研修修了後の進路について
3 年間で後期研修医としての当院との契約は終了します。当院での継続勤務を希望される方には、
再面接の上、スタッフ採用への道があります。
9.医学会の専門医教育施設の認定
(グループ全体)※2015 年 5 月現在
(当院は 2017 年度から始まる新専門医制度の準備を進めています。)
・日本内科学会
・日本乳癌学会
・日本病理学会
・日本形成外科学会
・日本外科学会
・日本小児科学会
・日本血液学会
・日本整形外科学会
・日本眼科学会
・日本皮膚科学会
・日本腎臓学会
・日本脳神経外科学会
・日本透析学会
・日本循環器学会
・日本消化器病学会 ・日本心臓血管外科学会
・日本消化器外科学会
・日本麻酔科学会
・日本超音波医学会 ・日本消化器内視鏡学会
・日本消化器外科学会
・日本脳卒中学会
・日本精神神経学会 ・日本心臓血管麻酔学会
・日本耳鼻咽喉科学会
・日本呼吸器学会
・日本緩和医療学会 ・日本リハビリテーション学会
・日本医学放射線学会
・日本産婦人科学会
・日本泌尿器科学会 ・日本ペインクリニック学会
☆問い合わせ・書類送付先
〒384-0301
長野県佐久市臼田 197
佐久総合病院 人材育成推進室
電話:0267-82-3131(内線 452)
メールアドレス:[email protected](共通)
☆交通機関
・佐久医療センター:長野新幹線佐久平駅で小海線に乗り換え、北中込駅下車徒歩約 5 分
・佐 久 総 合 病 院:長野新幹線佐久平駅で小海線に乗り換え、臼田駅下車徒歩約 10 分
・小
海
分
院:長野新幹線佐久平駅で小海線に乗り換え、小海駅下車徒歩約 15 分
☆見学希望の方も上記へご連絡ください。宿泊は病院敷地内の医師寮を用意。交通費は当院が負担。
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