ラクトフェリンの鉄可溶化能とその応用

ラクトフェリンの鉄可溶化能とその応用
川上
浩
共立女子大学大学院家政学研究科
腸溶性ラクトフェリン研究会
教授
理事
1.はじめに
鉄は赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)の構成成分として,体
内における酸素の運搬にかかわる重要なミネラルである.何らかの原因
で体内の鉄が欠乏し,赤血球のもとになる赤芽球への鉄の供給が不足す
ると,赤血球の産生が抑制されて貧血になる
1 )
.特に女性の場合は,月
経 に よ る 出 血 量 が 60ml を 超 え る と , 1 日 あ た り 平 均 0.63mg の 鉄 を 損 失
することになり,月経外損失量と合わせると総鉄損失量は
1.35mg/日 と
なる.体外へ失った鉄は食事から補充しなくてはならないが,鉄欠乏性
の貧血症は,食生活の偏りなどもあって世界各国で共通の問題となって
おり,日本においても成人女性の約半数が,顕在性および潜在性の鉄欠
乏性貧血であるといわれている
2 )
.こ う し た 鉄 欠 乏 性 貧 血 を 予 防 す る た
めには,日常的に無理なく食品から鉄を摂取することが重要である.経
口的に摂取する鉄の吸収率は,消化管における可溶化状態に依存するこ
とから,鉄の溶解性を高めることが,吸収率を上げる要因の一つである
と 考 え ら れ て い る . し か し な が ら , 通 常 の 食 品 に 含 ま れ る 鉄 は , pH が 低
い胃内では可溶化状態を保つことができるが,吸収部位である腸管に移
行すると,膵臓から分泌される重炭酸イオンの影響で,水酸化第二鉄と
な っ て 不 溶 化 し ,吸 収 率 は わ ず か 10% 程 度 に 留 ま る
3 )
.こ の よ う に ,鉄
の 生 体 利 用 率 は 非 常 に 低 い こ と か ら ,わ が 国 の 鉄 の 食 事 摂 取 基 準
2 )
にお
け る 推 奨 量 は , 男 性 が 5.0~ 11.5 mg/日 , 女 性 が 5.0~ 9.0 mg/日 ( 月 経
な し ), 1 0 . 5 ~ 1 3 . 5 m g / 日 ( 月 経 あ り ) で あ り , 必 要 量 に 比 べ て 過 剰 量 を
摂取しなくてはならない.また,一般的に使用されている食品用鉄素材
は,鉄味に代表されるような不快な風味を生じ,食品本来の美味しさを
損ねることがある.さらに,過剰に摂取した場合には,胃あれや下痢な
どの副作用が生じることもあるので,食品への使用量を制限しなくては
1
ならない.
このような食品用鉄素材の課題を解決するために,乳中の鉄結合性タ
ンパク質であるラクトフェリンに着目した研究が行われている.ラクト
フ ェ リ ン は ,哺 乳 類 の 乳 汁 や 分 泌 液 中 に 存 在 す る 分 子 量 約 8 0 , 0 0 0 の 糖 タ
ンパク質であり,1 分子あたり 2 分子の鉄をキレート結合することが知
られている.しかしながら,ラクトフェリンが 2 分子を大きく上回る量
の 鉄 を ,中 性 水 溶 液 中 で 可 溶 化 状 態 に 保 つ こ と が 明 ら か に さ れ て い る
4 )
.
さらに,天然の鉄可溶化素材としての有用性を確かめるために,鉄の生
体利用性,安全性および風味に与えるラクトフェリンの効果についても
検討されている.
2.ラクトフェリンの鉄可溶化特性
鉄は胃液のような酸性溶液中では可溶化状態にあるが,鉄吸収部位で
あ る 小 腸 管 腔 内 の よ う な 中 性 領 域 で は ,不 溶 性 の 沈 殿 を 形 成 し て し ま う .
そこで,ラクトフェリンとキレート結合できる飽和量(2分子)以上の
鉄が,ラクトフェリンが共存した場合に,中性溶液中で沈殿を形成せず
に可溶化状態を保てるかどうかを調べた
4 )
.その結果,重炭酸ナトリウ
ム 溶 液 や リ ン 酸 ナ ト リ ウ ム 緩 衝 液 で 調 製 し た 中 性 溶 液 ( pH6.5~ 7.4) 中
で ,ラ ク ト フ ェ リ ン は 1 分 子 あ た り 7 0 分 子 以 上 の 鉄 を 可 溶 化 で き る こ と
が 明 ら か と な っ た ( 図 1 ). 一 方 , カ ル シ ウ ム や 鉄 を 可 溶 化 す る こ と が 知
ら れ て い る カ ゼ イ ン 由 来 の リ ン 酸 化 ペ プ チ ド( C P P )の 鉄 可 溶 化 能 は ,
ラ ク ト フ ェ リ ン の 1 0 分 の 1 程 度 で あ っ た .さ ら に ,ラ ク ト フ ェ リ ン は ペ
プシンおよびトリプシンで酵素分解しても,未分解のラクトフェリンと
同等の鉄可溶化能を維持していることが明らかとなった.こうしたラク
ト フ ェ リ ン の 鉄 可 溶 化 メ カ ニ ズ ム に 関 し て は , 示 差 走 査 熱 量 計 ( D S C ),
遠 紫 外 円 偏 光 二 色 性 ス ペ ク ト ル 分 析 計 ( C D ), 原 子 間 力 顕 微 鏡 ( A F M ), 分
析 用 超 遠 心 機 , 電 子 ス ピ ン 共 鳴 装 置 ( E S R ), 核 磁 気 共 鳴 装 置 ( N M R ) な ど
を駆使して,ミセル様構造などが推定されている
5 )
。
3.ラクトフェリン鉄の調製
脱脂乳を陽イオン交換樹脂スルフォン化キトパール(富士紡績㈱)に
2
通液し,吸着したタンパク質を
10%食 塩 水 で グ ラ ジ エ ン ト 溶 出 し て 純 度
95%の ラ ク ト フ ェ リ ン を 調 製 し た
6 )
. こ の ラ ク ト フ ェ リ ン を 1%濃 度 で 水
に溶解した後,重炭酸ナトリウムと塩化第二鉄を添加して3種混合液を
調製した.過剰な重炭酸イオン,ナトリウムイオン,鉄イオン,塩素イ
オン等を透析で十分排除した後,透析内液を凍結乾燥した.乾燥物
1 g
あ た り の 鉄 含 量 は 112mg で あ り , こ れ を 再 度 還 元 し た 水 溶 液 中 で は , ラ
ク ト フ ェ リ ン 1 分 子 あ た り 200 分 子 の 鉄 が 可 溶 化 さ れ て い た . こ う し て
ラ ク ト フ ェ リ ン に よ り 可 溶 化 状 態 に な っ た 鉄 を , ラ ク ト フ ェ リ ン 鉄
( FeLF) と し た .
4.ラクトフェリン鉄の生体利用性
ラクトフェリンは 1 分子あたり 2 分子の第二鉄イオンをキレート結合
で き る こ と か ら , 従 来 は 鉄 2 分 子 結 合 型 ( Diferric type) と 鉄 非 結 合 型
( Apoferric type) の ラ ク ト フ ェ リ ン を 用 い て 鉄 吸 収 調 節 作 用 な ど が 検
討されてきた.たとえば,2分子の鉄がキレート結合したラクトフェリ
ンは,通常の無機鉄では貧血改善効果がみられない限界レベルの鉄投与
量において,良好な鉄欠乏性貧血改善効果をもつことが確認されている
7 )
. そ の 後 , ラ ク ト フ ェ リ ン 1 分 子 あ た り 200 分 子 の 鉄 を 可 溶 化 で き る
ことが明らかとなったことから,このラクトフェリン鉄の生体利用性に
ついて検討した
8 )
.生 体 利 用 性 が 最 も 高 い と さ れ て い る 硫 酸 第 一 鉄 を 対
照 と し ,ラ ク ト フ ェ リ ン 鉄 を 鉄 量 と し て 1 . 5 m g / k g 体 重 ず つ ,鉄 欠 乏 性 貧
血 状 態 の ラ ッ ト( 4 週 齢 )に 14 日 間 毎 日 経 口 投 与 し た .そ の 結 果 ,ラ ク
ト フ ェ リ ン 鉄 投 与 群 で は ,摂 取 14 日 目 の ヘ モ グ ロ ビ ン 値( 図 2 )や ,ヘ
モグロビン再生効率(図3)が,硫酸第一鉄投与群に比べて有意に高い
ことが明らかになった.食品やサプリメントで一般的に使用されている
鉄素材としては,硫酸第一鉄やピロリン酸第二鉄などが知られている.
硫酸第一鉄は無機鉄の中でも生体利用性が最も高く,鉄味が少ないとい
われているピロリン酸第二鉄に比べ,2倍以上の生体利用性をもつ
9 )
.
しかしながら,ラクトフェリン鉄の生体利用性は,その硫酸第一鉄より
もさらに優れていることが明らかとなった.
貧血治療には,医薬品として処方される鉄剤があり,貧血患者を対象
3
にした製剤の臨床試験結果が,数多く報告されている.これに対して,
ラクトフェリン鉄は食品素材であることから,対象者は貧血患者ではな
く , 貧 血 気 味 の 健 常 者 で あ る . そ こ で , WHO の 診 断 基 準 に は 該 当 し な い
が ,貧 血 傾 向 の み ら れ る 成 人 女 性( ヘ モ グ ロ ビ ン 値 1 3 . 0 g / d l 未 満 ,あ る
い は フ ェ リ チ ン 値 45 ng/dl 以 下 )に ,ラ ク ト フ ェ リ ン 鉄 を 含 有 し た サ プ
リ メ ン ト を 1 2 週 間 に わ た り 摂 取 し て も ら い ,貧 血 指 標 の 変 化 を 測 定 し た
10)
. 後 観 察 期 間 も 含 め た 18 週 間 に わ た る 血 中 ヘ モ グ ロ ビ ン 変 動 量 を ,
図 4 に示す.このように,ヘモグロビンだけではなく,平均赤血球容積
( M C V ), 平 均 赤 血 球 血 色 素 量 ( M C H ), お よ び フ ェ リ チ ン 量 も 有 意 に 上 昇
することが確認された.また,臨床所見および血液生化学的検査におい
ては,何ら臨床上の問題は認められず,貧血治療剤にみられるような胃
部不快感,胃痛,腹痛,嘔吐,黒色便などの副作用はみられなかった.
5.ラクトフェリン鉄の安全性
一般的な鉄剤の場合は,過剰量を経口摂取すると様々な副作用が生じ
ることから,ラクトフェリン鉄が,ラットの胃粘膜組織に与える影響に
ついて調べた
8 )
.胃粘膜表面を観察したところ,同じ鉄投与量(60m
g)の硫酸第一鉄でみられた胃粘膜の充血や損傷が,ラクトフェリン鉄
で は ま っ た く 認 め ら れ な か っ た ( 図 5 ). さ ら に , 胃 粘 膜 の 病 理 組 織 切 片
を作製して粘膜上皮細胞の構造を観察したところ,硫酸第一鉄の投与で
み ら れ る 上 皮 細 胞 の 破 壊 が ,ラ ク ト フ ェ リ ン 鉄 で は ま っ た く 観 察 さ れ ず ,
正 常 な 細 胞 組 織 を 維 持 し て い る こ と が 確 認 さ れ た ( 図 6 ).
様 々 な 食 品 へ の 応 用 を 想 定 し た 安 全 性 を 確 保 す る た め に ,厚 生 労 働
省 の G L P 基 準 に 則 っ た 安 全 性 試 験 と し て ,ラ ク ト フ ェ リ ン 鉄 の 反 復 経 口
投 与 試 験 を , ラ ッ ト ( 雌 雄 , 4 週 齢 , 1 群 10 匹 ) を 用 い て 行 っ た
8 )
.
ラ ク ト フ ェ リ ン 鉄 の 投 与 量 は ,体 重 1 k g あ た り 固 形 換 算 で 5 0 0 m g お よ び
1,000mg( 鉄 投 与 量 と し て 56mg お よ び 112mg) と し , 経 口 ゾ ン デ を 用 い
て 28 日 間 毎 日 投 与 し た .そ の 結 果 ,体 重 ,摂 食 量 ,血 液 学 的 検 査 ,尿 検
査,生化学的検査,剖検,器官重量および病理組織学的検査のいずれに
おいても何ら特筆すべき所見は認められず,安全性に関してまったく問
題がないことが確かめられた.
4
6.ラクトフェリン鉄の呈味性
食品で鉄素材を使用する場合,その使用量や用途が制限される問題点
の一つに風味に与える影響がある.日常の食生活において貧血を予防あ
るいは改善するためには,十分量の鉄を毎日無理なく摂取することが有
効であるが,様々な副作用だけではなく,食品がもつ本来のおいしさを
鉄 味 で 損 ね て し ま う と い う 課 題 が あ っ た . そ こ で , 20 名 の パ ネ ラ ー ( 男
女 各 1 0 名 ず つ )を 用 い て ,食 品 に 一 般 的 に 使 用 さ れ て い る 鉄 素 材 で あ る
ピロリン酸第二鉄,塩化第二鉄,硫酸第一鉄を対照に,ラクトフェリン
鉄の風味検査を行った
11)
. 鉄 濃 度 7mg% に 調 製 し た 各 鉄 素 材 溶 液 を 盲 検
試料として飲用してもらい,鉄味に関して4段階(とても感じる,やや
感じる,わずかに感じる,感じない)で評価した.その結果,ラクトフ
ェ リ ン 鉄 に つ い て は ,パ ネ ラ ー の 75% が 鉄 味 を 感 じ な い と 評 価 し ,そ の
割 合 が 他 の 鉄 素 材 に 比 べ て 有 意 に 高 か っ た .特 に ,ラ ク ト フ ェ リ ン 鉄 は ,
鉄味が少ないことで食品によく使用されているピロリン酸第二鉄よりも,
風味の点で優れていることが明らかとなった.したがって,ラクトフェ
リン鉄は食品本来の風味を損ねないということで,様々な食品に応用が
可能であるということだけではなく,鉄味が気になる人でも,十分量の
鉄を無理なく毎日摂取できるという利点も備えていると考えられた.
7.おわりに
消化管における鉄の吸収メカニズムとしては,レセプターやメディエ
ーターを介した能動的機構と,腸管内の可溶化鉄濃度に依存する受動的
機構の両方が存在すると考えられている.いずれの場合であっても,消
化管内における鉄の可溶化状態が,鉄の生体利用性に大きな影響を及ぼ
していることは確かである.今回,ラクトフェリンが中性領域で高い鉄
可溶化能をもつことが確認されたことから,ラクトフェリンが食品用鉄
可溶化素材として,有効に利用できる可能性が明らかとなった.鉄素材
を食品に利用するための重要なポイントとしては,溶解性や生体利用性
だけではなく,安全性や風味に与える影響なども無視することはできな
い.ラクトフェリン鉄は,従来の鉄剤に比べて溶解性や生体利用性が高
5
いだけではなく,安全性にも何ら問題がないことが確認された.また,
風味についても鉄特有の収斂味がほとんど感じられなかった.さらに,
ラクトフェリン鉄は,食品加工に必須である加熱殺菌に対して耐性をも
つことが知られている.ラクトフェリンは加熱によって変性しやすいタ
ンパク質であるが,鉄が共存することによりラクトフェリンの耐熱性が
高まり,ラクトフェリンの加工条件や用途を拡大することができる.し
たがって,ラクトフェリン鉄は天然由来の有効な乳素材として,様々な
食品に応用されるものと期待されている.
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7
図1
中性溶液中における鉄の可溶化に及ぼすラクトフェリンの効果
リン酸ナトリウム緩衝液中で,ラクトフェリンは酵素分解の有無にかか
わらず鉄を可溶化した.
8
*
図2
ラクトフェリン鉄のヘモグロビン改善効果
ラクトフェリン鉄では,貧血ラットにおけるヘモグロビン値の回復が硫
酸 第 一 鉄 を 上 回 っ た .* : p<0.05
9
*
図3
ラクトフェリン鉄のヘモグロビン再生効率
ラクトフェリン鉄では,貧血ラットにおけるヘモグロビン再生効率が硫
酸 第 一 鉄 を 上 回 っ た .* : p<0.05
10
図4
血中ヘモグロビン変動量
貧血傾向のみられる成人女性に,ラクトフェリン鉄(鉄量
7.5 mg/日 )
を 1 2 週 間 摂 取 し て も ら っ た 後 ,6 週 間 の 後 観 察 期 間 を 設 け た . 摂 取 6 週
間 目 に , 血 中 ヘ モ グ ロ ビ ン 値 が 有 意 に 上 昇 し た . 表 示 値 は 平 均 値 ±標 準
誤 差 ( n=11) . **: 摂 取 前 と の 有 意 差 あ り ( p<0.01) .
11
ラクトフェリン鉄
図5
硫酸第一鉄
胃粘膜表面に及ぼす鉄素材の影響
硫酸第一鉄では矢印部分などに充血や傷害が観察されたが,ラクトフェ
リン鉄では異常はみられなかった.
12
ラクトフェリン鉄
図6
硫酸第一鉄
胃粘膜上皮細胞に及ぼす鉄素材の影響
硫酸第一鉄では矢印部分などに組織傷害が観察されたが,ラクトフェリ
ン鉄では異常はみられなかった.
13