コラゲナーゼ-ヤクルト

2011 年 4 月作成
細胞分離・分散用酵素試薬
研究用試薬
②
細胞分離・分散(灌流法)
5~6 週齢の Fisher ラット雄を麻酔下に開腹し、肝臓をはさんで門脈と心臓にカニュレーションを
コラゲナーゼ-ヤクルト
行い in situ でコラゲナーゼ溶液を循環させる。酵素消化後の肝臓を Hanks 液中で細切、ガーゼ濾
コラゲナーゼ-ヤクルトは、放線菌 Streptomyces sp. C-51 が産生する酵素を部分精製したもので、
過後低速遠心(50xg, 1 分)を繰り返し、沈殿する肝細胞を得る。
コラーゲンやコラーゲン線維の多い組織からの細胞分離・分散にすぐれた効果をあらわします。
生細胞はトリパンブルー染色により判定する。
③
初代単層培養法
分散細胞を William’s E 培地に懸濁し、104 ~105 細胞/0.15mL/cm2 の濃度でコラーゲンコート
した組織培養用皿にまく。細胞は 1 時間以内に培養皿基底面に接着し、1 日後には単層を形成、
【適用】
各種臓器および組織からの細胞分離・分散 (肝細胞、腫瘍細胞、腎細胞、軟骨細胞、脂肪細胞など)
微細胆管様構造が細胞間に観察される。この状態で肝細胞は種々の生理的代謝機能を発現する。
【規格】
④ 実施例
1. コラゲナーゼ活性(ラベルに記載)
450~750 U/mg
2. 細胞分散活性
細胞収量 : 3×107 cells/g 肝 以上
細胞の生存率 : 80%以上
②
総細胞数
生細胞数
生存率(%)
1.87±0.29
1.53±0.21
84±6.4
細胞数単位 ×108 cells/liver
※中村敏一、青木和司、市原明 : 蛋白質・核酸・酵素 別冊 24
Fisher 雄ラット(5~6 週齢)の肝細胞分散活性(灌流法)
①
n=5
「図説動物実験の手技・手法」井上、松本編、P. 55(1981)
ラット腎細胞の分散と培養
【酵素化学的性質】
①
使用動物 ラット(SD 系)雄 5週齢
項
②
コラゲナーゼ溶液の調製
目
内
容
コラゲナーゼ-ヤクルトをリン酸を除いた Hanks 液に溶解(75U/mL)し、メンブランフィルターで
至適 pH、pH 安定性
pH 8 付近、 pH 7~8 で安定
至適温度、温度安定性
37℃、50℃以下で安定
水溶液での安定性
4℃以下で 1 週間安定(+2mM CaCl2)
1)腎臓を摘出し、Hanks 液(カルシウム、マグネシウム不含)で洗浄後、ハサミで細切する。
EDTA、o-phenanthroline、
2)約1.0mLの細切組織片を20mLのコラゲナーゼ溶液(75U/mL)に入れ、マグネット・スターラーで
阻害物質
基質特異性
濾過滅菌する。
③
2 価重金属イオン(Cu2+、Hg2+、Cd2+、Fe2+)
腎臓細胞の分離・培養
ゆっくり室温で攪拌する。
タイプⅠ、Ⅱ、Ⅲのコラーゲンを分解
3)酵素液処理開始 30 分後に細胞採取を行い、更に 30 分後 2 回目の細胞採取を行う。
Cbz-Gly-Pro-Leu-Gly-Pro では、-Leu-Gly-間を切る。
組織片を軽くピペッティング、上清をガーゼで濾過後遠心し細胞を採取する。
4)生細胞を 5%ウシ胎児血清を含む D-MEM(Dulbecco’s modified Eagle MEM)で希釈し、35mm
ペトリ皿(液量 1.5mL)に播種し、空気 95%, 炭酸ガス 5%の気相で培養する。
【使用例】
④
実施例
ラット肝細胞の分離・分散と初代培養
培養 1 日目、3 日目で細胞数を算定し、播種細胞数と 1 日目の細胞数から細胞の付着率、1 日目と
① コラゲナーゼ溶液の調製 ※
3 日目の細胞数から増殖率を計算した。
中村らのコラゲナーゼ溶液(120U/mL コラゲナーゼ-ヤクルト、0.005%トリプシンインヒビター(Sigma
Type. ⅡS)を含む)を 0.22μm のメンブランフィルターを用いて除菌する。
1
処理時間
生細胞
4
播種細胞数
1日目
3 日目
4
4
付着率
増殖率
(×10 )
(%)
(倍)
1.0
4.8
8.5
4.8
4.5
9.3
30.0
2.1
(×10 )
4
(×10 /dish)
(×10 )
30 (1 回目)
23.4
11.7
60 (2 回目)
60.8
15.0
(min)
2
腫瘍細胞の分離・分散
① マウス由来の Lewis 肺癌(3LL)、膀胱癌(MBT-2)、およびヒト由来の乳癌(MX-1)、
肺癌(QG-56)細胞の分離・分散
② コラゲナーゼ溶液の調製
コラゲナーゼ-ヤクルト 20mg(500U/mg)、トリプシン インヒビター 4mg (Sigma 社製)、HEPES
96mg を HBSS(Hanks’ balanced salt solution) 40mL に溶解し、pH を 7.5 に調製する。
③ 腫瘍細胞の分離・分散
マウスから腫瘍塊(壊死部分は含まない)を摘出し、ハサミにて細切する。細切した小片をコラゲ
ナーゼ溶液(100mg 小片/0.5mL)に入れ、37℃にて振盪し、30 分後に浮遊してきた腫瘍細胞を
遠心分離(1000rpm, 10 分間)した後、HBSS に再浮遊させ腫瘍細胞を得る。腫瘍細胞の生死判定は
トリパンブルー法によって行い、0.2%トリパンブルー液にて染色されない細胞を生細胞、青色に染色
される細胞を死細胞とする。
④ 実施例
分散腫瘍細胞数(/g tissue)
生存率(%)
Lewis 肺癌
膀胱癌
乳癌
肺癌
(3LL)
(MBT-2)
(MX-1)
(QG-56)
8.21×106
4.13×106
2.41×107
7.36×106
91.5
98.0
24.6
19.1
【製品】
製品番号
製品名
包装単位
貯法
YK101
コラゲナーゼ-ヤクルト
凍結乾燥品
形状
100mg
5℃以下
YK102
コラゲナーゼ-ヤクルト
凍結乾燥品
1g
5℃以下
【ご注意】
販売元
1. 本品溶解後は速やかに使用して下さい。
2. 細胞により細胞収量および生存率が異なりますので予備試験をお奨めします。
3. 酵素活性値は製品ラベルに記載しています。
【商品情報お問い合わせ先】
エーディア株式会社
TEL 03-3863-3271
製造元
ヤクルト薬品工業株式会社
商品情報係
FAX 03-3864-5644
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