「戦争法案」の強行採決を許さず安倍政権の暴走政治を弾劾する決議

「戦争法案」の強行採決を許さず安倍政権の暴走政治を弾劾する決議
9 月 19 日、午前 2 時過ぎに参議院本会議で「戦争法案(平和安全法制整備法案・国際平和
支援法案)」が可決・成立した。17 日には参議院平和安全特別委員会でこれまで慣例とされ
ていた締めくくり総括質疑を省略してまで採決を強行し本会議へ送ったものである。
世論の 6 割以上の反対の声を無視した民主主義を破壊する暴挙であり、激しい怒りを込め
て抗議する。そして参院本会議においても、野党の発言時間を制限する動議を出し始めから
議論を望まず採決ありきの姿勢を剥き出しにしてきた。
「戦争法案」は、5月15日に国会に提出され、7月15日には衆議院本会議での採決が
強行された。そして参議院では約100時間の審議が行われてきたが、大臣などの答弁修正
や撤回、答弁不能が相次ぎ、100回以上も審議が中断するという異常事態を招いた。
また、安倍首相みずから民放のテレビに出演しプラカードを持参し「国民の生命と安全を
守るための法案」として例を挙げて説明をしたものの、後になって修正するなど安倍首相自
身のすり替えやはぐらかし、開き直り、ヤジまで発言するという不誠実な答弁が続いた。
そのうえ、審議の前提である資料要求や政府統一見解も理事会預かりのまま積み残され、
参考人質疑、衆議院並みの野党質疑時間の実施、河野統合幕僚長の招致なども行われていな
い。マスコミの指摘があるように国民への説明も不十分であり、法案の合憲性や必要性など
に疑問が沸き起こっている中での強行採決へ突き進んだことは、言語道断であり弾劾されて
しかるべきである。
これまでの政権は「自分が攻撃されない限り戦争はしない」という最後の一線だけはギリ
ギリ守られてきた。この一線を安倍政権はまさに越えようとした。すでに憲法第 9 条の改正
に先駆けて、国家安全保障会議設置法(2013 年 11 月)特定秘密保護法(同年 12 月)武器輸
出 3 原則の廃止(2014 年 4 月)集団的自衛権行使容認の閣議決定(同年 7 月)など短期間に
実現した。そして防衛費の増額、オスプレイ、F35 戦闘機など海外派兵型の兵器の導入、「文
官統制」の廃止、「日米ガイドライン」の再改定、「陸上総隊」の新設準備など「どこでも
戦える実態」作りを急いできた。
こうした中で登場した「戦争法案」の違憲性への疑念は、ますます深まっている。「憲法
の番人」とされる内閣法制局長官経験者に加え、最高裁判所の元長官や判事経験者からも違
憲であるとの指摘が相次いだ。
現在、世代や職業、立場を超えた多くの人が全国各地で「戦争法案」廃案、安倍政権退陣
を求める運動に立ち上がっている。こうした行動の中でこそ社民党は息づいてくる。
そもそも安倍政権の世論を無視した暴挙を可能にしたのは、国政選挙での自民圧勝という
事態を許した事にある。その意味からも次期参院選での社民党の勝利・躍進が安倍政権の暴
走政治を止めさせ、「戦争法案」を廃止し、国民が平和で安心して暮らせる社会を築けると
確信する。被爆 70 年を迎え、「過ちは繰り返しませぬから」と慰霊碑に刻まれたヒロシマの
心を受け継ぐためにも沖縄辺野古基地建設反対闘争と連帯し、県連合に結集する全ての党員
は勝利を目指し先頭に立って地域・職場で日常闘争を更に強めていく。
以上決議する
2015 年 9 月 20 日
社民党広島県連合第22回定期大会