「チャレンジ課題」のサンプル

譲渡厳禁
平成26年度 1級建築士設計製図 チャレンジ課題
『 温浴施設のある「道の駅」』
Ⅰ.設
計
条
件
この課題は、酒造りが盛んな地方都市の郊外において温浴施設のある「道の駅」
を計画するものである。「道の駅」のある道路沿いには、酒蔵が点在し歴史を感じ
る町並みが続いている。
本施設は、酒造りに関する歴史や情報を紹介することにより、地域の活性化に
つなげることが期待されている。計画においては、アプローチ空間の利便性及び
機能性を高める広場(以下「フロントプラザ」という。)を設け、にぎわいのある施
設とすることが特に求められている。
1.敷地及び周辺条件
(1) 敷地の形状、接道条件、周辺状況等は、下図のとおりである。この敷地の
うち、「道の駅」の建設可能な建設用地は
で示した部分である。
(2) 建設用地の北側には、24時間利用可能な駐車場、東側には公衆便所及び公
衆電話がある。なお、敷地南側の湖に面した部分には、展望スペースがある。
(3) 敷地は平坦で、道路、東側隣地及び西側隣地との高低差はないものとし、
南側隣地は2m低い位置にある。
(4) 敷地は、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内にある。
(5) 電気、ガス及び上下水道は、完備している。
(6) 受変電設備及び受水槽・ポンプは、下図の位置に設置するものとする。
(7) 地盤は良好であり、杭打ちの心配なはい。
(8) 湖の氾濫、地下水及び積雪についての特別の配慮はしなくてよい。
樹林
歩道
設備機器置場
受変電設備・
受水槽・ポンプ
車道
「道の駅」駐車場
出入口
歩道
駐車場(乗用車36台)
酒蔵
農園
バイク置場
車いす用
駐車場
求
図
書
答案用紙Ⅰ及び答案用紙Ⅱの定められた枠内(寸法線については枠外でもよい。)に、
黒鉛筆を用いて記入する。
展望スペース
湖畔
N
湖
50m
4.計画に当たっての留意事項
(1) 建築計画については、次の点に留意して計画する。
① 建築物はバリアフリー、セキュリティ等に配慮する。
② 施設利用者が気軽に利用できるゾーニング及び動線計画とするとともに、個
性豊かなにぎわいの場となるように配慮する。
③ 敷地の周辺環境に配慮するとともに、地域の特性を反映した外観となるよう
に配慮する。
(2) 構造計画については、次の点に留意して計画する。
① 建築物全体が、構造耐力上、安全であるように計画するとともに、経済性に
も配慮する。
② 構造種別、架構形式及びスパン割りを適切に計画する。
③ 耐震性に配慮し、必要に応じて、耐力壁等を設ける。
④ 部材の断面寸法を適切に計画する。
(3) 設備計画については、次の点に留意して計画する。
① 空調設備、給排水衛生設備、電気設備、消火設備等を適切に設け、環境負荷
低減に配慮する。なお、給水設備は受水槽方式とする。
② エレベーターを適切に設ける。
Ⅱ.要
公衆便所
・公衆電話
建設用地
1,800㎡
3.その他の施設等(建設用地内)
(1) 屋外販売広場を、次のとおり計画する。
① 地上に設けるものとし、まとまったスペースで150㎡(上部に屋根、庇等があ
る部分を含めてもよい。)を確保する。
② 販売スペースの農産物コーナーと一体的に利用できるようにする。
(2) フロントプラザ(屋外の休憩スペース等、多目的に利用する。)を、次のとおり計
画する。
① 地上に設けるものとし、まとまったスペースで200㎡(上部に屋根、庇等があ
る部分を含めてもよい。)を確保する。
② 建築物へのアプローチ空間としてもよい。
③ 雨天時の利用にも配慮する。
④ 屋台(幅3m、奥行2m)を3箇所設ける。
⑤ テーブル、椅子等を設ける。
(3) カフェテラスを、次のとおり計画する。
① 地上又は1階の屋上に設けるものとし、まとまったスペースで60㎡(上部に屋
根、庇等がある部分を含めてもよい。)を確保する。
② レストランと一体的に利用できるようにする。
③ テーブル、椅子等を設ける。
(4) 建設用地内に設ける駐車場は、地上に平面駐車とし、サービス用として1台分
を設ける。
(5) (1)~(4)の「その他の施設等」は、床面積に算入しないものとする。
30m
縮尺
1/1,200
温 浴施設
2.建 築 物
(1) 構造、階数等
構造種別は自由とし、地上2階建ての1棟の建築物とする。
(2) 床面積の合計
床面積の合計は、2,000㎡以下とする。
この課題の床面積の算定においては、ピロティ、塔屋、バルコニー、屋外階
段等は、床面積に算入しないものとする。なお、エレベーターの昇降路は、
床面積に算入するものとする。
(3) 要求室
下表の室は、すべて計画する。
部門 室
名
特
記
事
項
床面積
・販売スペース、レストラン及び多目的ホールは外部からも利用しやすい計画とする。
・風除室を設ける。
・フロントプラザからアプローチする。
・係員が常駐し、施設案内を行う案内カウンターを設ける。
エントランスホール ・交通情報を提供する情報コーナーを設け、液晶モニタ
ー、テーブル、椅子等を設置する。
・40人程度が利用できる休憩スペースを設け、ソファ
ー、自販機等を設置する。
・農産物コーナー(約90㎡)、清酒コーナー(約60㎡)、加
適 宜
工品コーナー(約60㎡)、工芸品コーナー(約60㎡)を設
ける。
販売スペース
・農産物コーナーは、屋外販売広場と一体的に利用でき
るようにする。
・レジカウンターを設ける。
・屋内で40人程度が利用できるようにする。
レ ス ト ラ ン ・カフェテラスと一体的に利用できるようにする。
・厨房を設ける。
・男性用、女性用として、それぞれ15人程度が入浴でき
るようにする。
浴
室 ・眺望に配慮する。
・浴室には脱衣室を設ける。
・脱衣室には、便所、洗面台、ロッカーを設ける。
適 宜
・浴室利用者の料金徴収を行う。
・受付カウンターを設ける。
ロ ビ ー
・10人程度が利用できる湯上りコーナーを設ける。
・眺望に配慮する。
・講演会、集会をはじめ、酒造りに関する歴史や道具の
紹介等に利用する。
多目的ホール
・天井の平均の高さは4m以上、間口及び奥行きは心々
12m以上とする。
備
品
庫 ・多目的ホール用とする
適 宜
事
務
室 ・6人分の事務スペースを設ける。
駅
長
室 ・施設長室とし、応接室を兼ねる。
更
衣
室 ・職員用とし、男性用、女性用として各1室設ける。
設 備 ス ペ ー ス ・採用した設備計画に応じて、設備機械室(空調、給排
水、電気、消火等)、屋外機器置場等を計画する。
・便所及び倉庫については、適切に計画する。
・その他必要と思われる室等は、適宜計画するものとする。
1.要 求 図 面(答案用紙Ⅰに記入)
下表により、所定の図面を作成し(フリーハンドでもよい。)、必要な事項を記入する。
図面及び縮尺
特
記
事
項
(1) 1階平面図 ① 1階平面図兼配置図及び2階平面図には、次のものを図示又
兼
は記入する。
配 置 図
イ.建築物の主要寸法(柱割り及び床面積の計算に必要な程度)
1/200
ロ.室名等
ハ.要求室の床面積
ニ.採用した構造種別、架構形式及びスパン割りに応じて必要
となる構造要素
(2) 2階平面図
ホ.設備シャフト〔パイプシャフト(PS)、ダクトスペース
1/200
(DS)、電気シャフト(EPS)〕の位置
ヘ.設備計画に応じた設備スペース(ただし、屋上に設けた場合
は断面図に図示する。)
ト.カフェテラス
チ.断面図の切断位置
リ.要求室の特記事項に記載されている什器等
② 1階平面図兼配置図には、次のものを図示又は記入する。
イ.建築物の出入口
ロ.屋外販売広場
ハ.フロントプラザ
ニ.駐車場(台数を明示する。)
ホ.通路、植栽等
③ 2階平面図には、次のものを図示又は記入する。
イ.居室の最も遠い位置から直通階段の一に至る歩行距離及び
経路
ロ.1階の屋根、庇等となる部分
(3) 断 面 図 ① 切断位置は、多目的ホールを含み、建築物の全体の立体構成
1/200
がわかる断面とする。なお、水平方向、鉛直方向の省略は行
わないものとする。
② 屋上に設備スペースを設けた場合は図示する。
③ 塔屋を除く建築物の高さ、階高、天井高、1階床高及び主要
な室名を記入する。
④ 基礎、梁及びスラブの断面を図示する。
(4) 2階梁伏図 ① 2階からの見下げ図とし、主要な柱(C)、大梁(G)、小梁
1/200
(B)及びスラブ(S)の符号を明示する。
② 構造部材表を作成し、柱、大梁、小梁及びスラブの断面寸法
を記入する。
2.面 積 表(答案用紙Ⅰに記入)
地上1、2階の床面積及びその合計を記入する。なお、各階の床面積については、
その算定式も記入する。
3.計画の要点等(答案用紙Ⅱに記入)
(1) 建築計画について、次の①~④の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面
では表せない部分についても記述する。
① 地域の特性及び周辺環境に調和する建築物の計画(屋根形状、内部空間等)に
ついて工夫したこと
② にぎわいのあるフロント空間を演出するために建築計画上、工夫したこと
③ 屋外販売広場の計画について工夫したこと
④ 多目的ホールの計画について、その位置とした理由及び動線計画において工
夫したこと
(2) 構造計画について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。なお、要求図
面では表せない部分についても記述する。
① 建築物に採用した構造種別、架構形式及びスパン割りとこれらを採用した理由
② 構造計画について特徴的な部分を2つ挙げ、工夫したことを記述する。
(3) 設備計画について、次の①及び②の要点等を具体的に記述する。なお、要求図
面では表せない部分についても記述する。
① 建築物に採用した空調方式と採用した理由
② 地震等の災害に対する設備計画における設備機器の損傷防止について、2つ
記述する。