レースはすでに始まっている!? 当日を万全に迎えるための ワンポイントアドバイス いよいよレースまであとわずか。これまで十分に トレーニングを重ねた人、仕事が忙しくて納得いく トレーニング時間をもてなかった人…。様々だと 思いますが、特にこれからレース当日までの食事 や睡眠などの体調管理は重要なポイントとなりま す。 これからご紹介する項目は、レース当日にみなさ んの体調をベストコンディションに持っていくワン ポイントアドバイスです。 睡眠不足、風邪をひいていて 走っても平気? レース前夜、緊張して眠れなかったとい うことはよくあります。しかし、このよう な睡眠不足は、翌日のランニングにほとん ど影響を及ぼしません。横になってじっと している状態と、睡眠に入った状態を比べ てみても、エネルギー消費にわずかな差は あるものの、ランニングに影響を及ぼすほ どではありません。 ただし、深夜まで遊 んでいて睡眠が不足していたり、徹夜で仕 事が続いていて十分に身体を休めていない 場合や、風邪や病気で薬を飲んでいるなど、 体力が弱っている場合はレース中に熱中症、 脱水症などのトラブルが起きやすくなりま す。そんな場合は思い切って欠場も考えた 方がいいでしょう。 レース当日の食事 さて、いよいよレースの朝を迎えました。 まずは予定の時刻に起床し、落ち着いて 朝食を取ります。メニューをランナーに 聞いてみると普段食べ慣れているもので、 消化のよいものが多いようです。次に、 いつ頃食べるといいのでしょう。いわゆ るエリート選手は、スタート3時間前に は食事をすませると言われますが、一般 のランナーがそうすると、レース中にお 腹がすいて走れなくなってしまいます。 5~10kmのレースに出る人は、朝食後、 レースが始まるまでの間に、飴やカステ ラ、チョコレート、バナナ、大福餅など のように消化がよくて、すぐエネルギー に変わるものを少し口に入れると、気分 も落ち着くでしょう。レース前の食事に ついては、いろいろ試行錯誤しながら自 分にふさわしい方法をみつけましょう。 重要なランニングキャップ ランニング時の帽子にはどういう役目 があるのでしょうか。(1)夏場の強い日差 しをカットする、(2)日焼け防止、(3)冬場 は保温効果、(4)雨よけ、(5)頭部を保護す るなどの効用があります。特に夏場は首 筋の頸椎部分を強い日差しから、ぜひと も守らなければなりません。この部分に は、身体に向けて発信する神経が集中し ていて、強い日差しを浴びたためにその 働きが弱まると、運動能力が低下し、疲 労が倍増するのです。夏の帽子の素材は、 ポリエステル、ナイロン性の軽いもので、 ひさしがあり、できればメッシュで吸汗 性、通気性のいいものを選びます。雨天 の時は、雨をはじく撥水性の帽子を。こ のように帽子ひとつとっても、いろいろ な状況に応じた使い分けが必要なのです。 熱中症の症状と防止策 ランナーは 「水」が命 昔のように「運動中は水を飲まない方がいい」 と、今でも信じているランナーはまずいないで しょう。ランニングすると、身体から大量の水分 が失われます。特に高温下でのランニングは たくさんの汗をかくため、身体の水分喪失は 大きくなります。ランナーはレース前はもちろ ん、日常生活でも積極的に水を飲んでいます。 これを「ウォーターローディング」と言います。 最初は、1日1.5リットルの水を、何度もこまめ に飲むことから始めるとよいでしょう(1回250ml 以下)。ウォーターローディングには、体調を 維持するほかに、夏場でも高い運動能力が保 てる、疲労が残りにくいなどの効果があります。 水分補給にはノンカロリーの水、できればミネ ラルウォーターがよいでしょう。 レース当日はスタート前、レース中は給水所 で、気温にかかわらず必ず給水をするように してください。よく言われている効果的な給水 の方法として、「のどが渇く前から、こまめに取 ること」です。のどが渇いてから飲むのではち ょっと遅いのです。なぜならのどが渇くというこ とは、すでに脱水症状が進行していることを 示すサインだからです。 炎天下ではもちろんのこと、気温差の激しい 季節のレースでは、十分に気を付けた給水が 必要です。たとえば雨でも、湿度が高いと知ら ず知らずのうちに体内の水分が失われていき ます。油断して給水を怠れば、熱中症や脱水 症を引き起こす危険性があるのです。頭痛、 めまいなどの後遺症が残ったり、時には生命 に危険を及ぼすことさえあるので、十分な注 意が必要です。 また、こまめに水を飲むと同時に、スポンジ などで頭(額、後頭部)や足(太ももの前面)に 水をかけて冷やす工夫も熱中症対策には効 果的です。給水方法も、回数を重ねていくう ちに上手になっていきます。自分の給水のス タイルを見つけてください。 高温・多湿度の条件が揃いやすい季節 でのランニングは、身体の熱を十分に逃 がすことができにくくなり、体内に熱がこも って熱中症になりやすくなります。重度の 熱中症では、生命の危険にさらされること さえあります。以下は熱中症になると現れ る症状です。十分に気を付けましょう。 《熱中症の症状》 ・身体が熱く、おう吐する。 ・意識がもうろうとしている。または意識 がない。 ・走ってはいるが、無意識に蛇行する。 予防策としては ・前日までの睡眠を十分に取る。 ・適度な朝食をとる。 ・前日、当日の朝、スタート前、レース中 もこまめに水分をとる。 ・レース後も給水を忘れずにとる。 ・通気性のよいランニングキャップをか ぶり、できるだけ直射日光から頭部 を守る。 識 知識 ニ知 ミ ミニ 尿の色で知る脱水状態 身体の脱水の程度は尿の色でも知るこ とができます。黄色の濃度が高いほど 水分が不足。逆に透明な色に近いほど、 水分が足りていることを示しています。 レース前は尿の色で脱水状態をチェッ クしましょう!
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