募集型企画旅行におけるウェイティングの取扱いについて

募集型企画旅行のウェイティング取扱いの留意事項について
募集型企画旅行のウェイティング取扱いについて、販売手続上留意すべき点
を以下のとおり纏めました。
ウェイディング扱いで募集型企画旅行の申込みを受ける会員の方は参考にし
てください。
(募集型企画旅行の申込みについてウェイティング扱いをしない会
員の方は、不要です。)
1.ウェイティングの取扱方式について
ウェイティングの取扱方式については、次の二つの方法が考えられます。
① 予め申込金相当額を預かり、旅行契約が締結できるようになった時点で
旅行業者が旅行契約の締結を承諾した旨を旅行者に通知するとともに、預り
金を申込金に充当して旅行契約を成立させる方法。
② 予め申込金相当額を預かり、旅行契約が締結できるようになった時点で、
旅行業者から旅行契約を締結できる状態になった旨を旅行者に通知し、旅行
者の承諾を得て預り金を申込金に充当して旅行契約を成立させる方法
上記のいずれの方法を採るかは、各社の営業実態に合わせて決めてください。
2.取引条件の説明と、取引条件説明書面への記載方法について
ウェイティングの取扱いをするときは、以下の要領で取引条件説明書面を作
成のうえ旅行者に説明し、これを交付してください。
(1)特約であることの明示について
取引条件説明書面に記載する場合は、例えば「●●旅行契約のお申し込み
(「●●」は項目の番号)」などの記載項目の中の一つの小項目として記載する
のではなく、例えば「●●ウェイティングの取扱いについての特約」のように
他の項目と対等な独立した項目を起こして「特約」である旨がわかるよう記載
してください。
(2)ウェイティングについての特約事項の文例
上記1.(1)のウェイティングの取扱方法のそれぞれについて、別紙のと
おり特約事項の文例を作成しましたので、これらを参考に、各社の取扱方法に
応じて適切に特約条項を作成してください。
また、文例の内容を別の書面で作成しそれを交付することでもかまいません。
3.実施時期について
本文書の発出以降作成する取引条件説明書面(パンフレット・旅行条件書
等)から実施してください。
なお、既に作成した取引条件説明書面(パンフレット・旅行条件書等)に
記載済みのウェイティングの取扱いに関する規定については、支障がない限
り修正、訂正等の必要はありませんが、ウェイティングの取扱いについて旅
行者の誤解が生じないよう適切に説明してください。
4.添付
(1)観光庁からの事務連絡(平成27年3月4日付)
(2)別紙「ウェイティング扱いについての特約条項(文例)」
事
務
連
絡
平成27年3月4日
一般社団法人全国旅行業協会 御中
観光庁観光産業課
募集型企画旅行におけるウェイティングの取扱いについて
標記について、募集型企画旅行の申込みについては、旅行者からの申込みを受けた時点
で、航空座席に空きがなくキャンセル待ちや申込み旅行者のために増員の手配をする必要
があるなど、その旅行者のための手配が可能かどうか不明確であるとの理由で当該旅行者
のための手配が確実になるまで契約締結の承諾通知を保留する取扱い(いわゆる「ウェイ
ティング」扱いのこと。以下「ウェイティング」という。)が見受けられる。
「ウェイティング」の取り扱いについては、標準旅行業約款募集型企画旅行契約の部で
の明確な規定はないが、旅行業者は「ウェイティング」として申込を受けた場合は、航空
座席のキャンセルが発生するなどして旅行契約の締結が可能になり次第申込み順に契約を
成立させるため、申込時に申込金相当額を「預り金」として収受することとしている。
このような取扱いについて、旅行者への説明の不足や用語の不適切な使用により、トラ
ブルの要因となっているケースが散見され、トラブル防止の観点から、取引条件説明書面
等に明確に記載することとして、標準旅行業約款募集型企画旅行契約の部第1条第2項の
規定に基づく書面による特約とすることが望ましい。そこで、その取扱いについて、下記
の事項に留意して取引条件の説明書面等に記載する必要があること等につき、適宜、傘下
会員に対して周知をされたい。
【留意事項】
(1)取引条件説明書面に記載する場合、「特約事項」であることが明確であること。
(2)
「ウェイティング」の状態では、契約が成立しておらず、手配を確約するものでない
ことを明確にすること。
(3)旅行者から預かる申込金相当額は「申込金として受理したものではない」ことを明
確にすること。
(4)申込金相当額の預り金を申込金に充当する時期及び旅行契約の成立時期について、
明確にすること。
(5)
「旅行者がキャンセル待ち解除」又は「手配ができなかったとき」の預り金の払戻し
について、取消料収受期間内においても、取消料を課すことなく、預り金の全額を払
い戻すことが明確であること。
(6)旅行者が募集型企画旅行契約の部第6条の予約と混同することがないよう、適切に
特約条項を作成すること。
別紙
ウェイティング扱いについての特約条項(文例)
【注意】
①
ウェイティングの取扱いに関する特約事項は、取引条件説明書面の他の記載項目
の一部として記載するのではなく、独立した項目として記載すること。
②
旅行契約が成立することについて「予約」という言葉は使わないこと(旅行業約
款第6条の「予約」と混同される危険性がある。)
。
③
旅行者から収受する「申込金相当額の『預り金』」について旅行者に説明する際、
取引条件説明書面に記載する際、あるいは領収書の摘要欄などに記載する際には、
「申込金」という言葉は使わないこと(「旅行業者が申込金を受け取った時点で旅行
契約が成立した(第8条第1項)」と主張される危険性がある。)。
④
預り金の申込金への充当時期を明確にすること(ウェイティングの取扱いの方式
により預り金の申込金への充当時期が異なるので注意すること。)
。
⑤
旅行契約の成立時点を明確にすること(ウェイティングの取扱いの方式により旅
行契約の成立時点が異なるので注意すること。)。
⑥
旅行者がウェイティングの取扱いを解除した場合には、解除した時期が取消料の
賦課期間であっても、取消料を課さないことを明確にすること。
【文例1】
予め申込金相当額を預かり、旅行契約が締結できるようになった時点で旅行業者が旅
行契約の締結を承諾した旨を旅行者に通知するとともに、預り金を申込金に充当して旅
行契約を成立させる方法を採る場合
○○
旅行契約のお申し込みと旅行契約の成立
……
①
○○
ウェイティングの取扱いについての特約
当社は、お申し込みいただいた旅行が、その時点で満席その他の理由で旅行契約
を締結できない場合であって、お客様が特に希望する場合は、以下により、お客様
と特約を結んで、当社がお客様と旅行契約を締結することができる状態になった時
点で旅行契約を成立させる取扱い(以下「ウェイティングの取扱い」といいます。)
をすることがあります。
(1)お客様がウェイティングの取扱いを希望する場合は、当社は、お客様が当社
からの回答をお待ちいただける期間(以下「ウェイティング期間」といいます。)
を確認のうえ、申込書と申込金相当額をご提出いただきます。この時点では旅
②
行契約は成立しておらず、また、当社は、将来に旅行契約が成立することをお
約束するものではありません。
③
(2)当社は、前(1)の申込金相当額を「預り金」として保管し、お客様と旅行
契約の締結が可能となった時点でお客様に旅行契約の締結を承諾した旨を通知
するとともに預り金を申込金に充当します。
④
(3)旅行契約は、当社が前(2)により、旅行契約の締結を承諾した旨の通知を
当社がお客様に発した時(ただし、この通知が電子承諾通知の方法によって行
われたときはお客様に到達した時)に成立するものとします。
⑤
(4)当社は、ウェイティング期間内に旅行契約の締結を承諾できなかった場合は、
預り金の全額をお客様に払い戻します。
(5)当社は、ウェイティング期間内で当社が旅行契約の締結を承諾する旨を回答
する前にお客様からウェイティングの取扱いを解除する旨の申出があった場合
は、預り金の全額をお客様に払い戻します。この場合、お客様からのウェイテ
ィングの取扱いを解除する旨の申出が取消料対象期間にあったときでも当社は
取消料をいただきません。
⑥
【文例2】
予め申込金相当額を預かり、旅行契約が締結できるようになった時点で、旅行業者か
ら旅行契約を締結できる状態になった旨を旅行者に通知し、旅行者の承諾を得て預り金
を申込金に充当して旅行契約を成立させる方法を採る場合
○○
旅行契約のお申し込みと旅行契約の成立
……
①
○○
ウェイティングの取扱いについての特約
当社は、お申し込みいただいた旅行が、その時点で満席その他の理由で旅行契約
を締結できない場合であって、お客様が特に希望する場合は、当社は、以下により、
お客様と特約を結んで、当社がお客様と旅行契約を締結することができる状態にな
った時点で旅行契約を成立させる取扱い(以下「ウェイティングの取扱い」といい
ます。)をすることがあります。
(1)お客様がウェイティングの取扱いを希望する場合は、当社は、お客様が当社
からの回答をお待ちいただける期間(以下「ウェイティング期間」といいます。)
②
を確認のうえ、申込書と申込金相当額をご提出いただきます。この時点では旅
行契約は成立しておらず、また、当社は、将来に旅行契約が成立することをお
約束するものではありません。
(2)当社は、前(1)の申込金相当額を「預り金」として保管し、お客様と旅行
契約の締結が可能となった時点でお客様にその旨を通知し、お客様の旅行契約
締結の承諾があった時に預り金を申込金に充当します。
④
(3)旅行契約は、当社が前項により、預り金を申込金に充当した時に成立するも
のとします。
⑤
(4)当社は、ウェイティング期間内に旅行契約の締結を承諾できなかった場合は、
その旨をお客様に通知し預り金の全額をお客様に払い戻します。
(5)当社は、ウェイティング期間内で当社が旅行契約の締結を承諾する旨を回答
する前にお客様からウェイティングの取扱いを解除する旨の申出があった場合
又は前(2)により当社がお客様に通知した際にお客様が旅行契約締結を承諾
しなかったときは、預り金の全額をお客様に払い戻します。この場合、お客様
からのウェイティングの取扱いを解除する旨の申出又は旅行契約の締結を承諾
しない旨の申出が取消料対象期間にあったときでも当社は取消料をいただきま
せん。
⑥