新循環器専門医制度の 構築に向けた基本方針について

新循環器専門医制度の
構築に向けた基本方針について
専門医制度委員会 委員長
木原 康樹(広島大学循環器内科学)
新専門医制度検討・構築委員会 委員長
吉川 勉(榊原記念病院 循環器内科)
第79回日本循環器学会学術集会 委員会セッション(専門医制度委員会)2015/4/25
本日の主な説明事項
1.新専門医制度の概要
2.研修施設、研修関連施設について
3.研修施設群(グルーピング)のイメージ
4.専門医の認定・更新について
5.新専門医制度に向けた対応状況
6.今後のスケジュール
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1.新専門医制度の概要
一社)日本専門医機構とは
厚生労働省「専門医の在り方に関する検討会」の報告書を受け
て、中立的第三者機関として一社)日本専門医機構(以下、機構)
が2014年5月正式に発足。機構の主な事業は以下の通り。
現在、各学会が認定し
(1)専門医の育成に関する事業
ている専門医資格は
(2)専門医の認定に関する事業
今後、日本専門医機構
が認定することになる
(3)専門医制度の評価に関する事業
(4)その他目的を達成するために必要な事業
「日本専門医機構 定款第1章総則(事業)第4条」より抜粋
※2014年7月に「専門医制度整備指針」を公表
※専門医の育成には「専門研修プログラム制」が採用される
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日本専門医機構の「専門医医師像」
専門医制度整備指針第1版(2014年7月)
• それぞれの診療領域における適切な教育を受
けて、十分な知識・経験を持ち、患者から信頼
される標準的な医療を提供できる医師
– 医療の質保証
– 国民に認知される「公的資格」
– 「プロフェッショナルオートノミー」による自発的活動
– 19の基本領域資格取得【1階】ののちにサブスペ
シャリティ【2階】を目指す
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2.研修施設、研修関連施設について
主な項目
現行制度
新専門医制度
呼称
研修施設、研修関連施設
専門研修基幹施設(以下、基
幹施設)、専門研修連携施設
(以下、連携施設)
認定期間
2年間
5年間
専門医数
循環器専門医の在籍が必須
(研修施設は2名以上、研修
関連施設は1名以上)
基幹施設と連携施設ともに循
環器専門医の在籍が必須
(人数については検討中)
研修期間
3年間(研修関連施設での研
修期間は1/2で計算)
3年間(研修期間の計算は研
修施設群内で同一)
研修体制
研修関連施設は研修施設と
連携する
基幹施設と連携施設で研修
施設群を形成する
専門研修プログラム
なし
基幹施設が中心となり、研修
施設群ごとに作成(各学会は
「専門研修プログラム整備基
準」を作成)
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専門医の中立性とオートノミー
新
旧
専門医機構
学会
学会
専門医委員会
研修認定施設
専門医候補者
専門医
専門領域
(カリキュラム提示)
専門医
(専門医の実践)
研修認定施設群
(プログラム作成)
専門医候補者
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3.研修施設群(グルーピング)のイメージ
グルーピング例①
グルーピング例②
グルーピング例③
専門研修プログラム
専門研修プログラム
専門研修プログラム
連携
施設a
連携
施設a
連携
施設a
基幹
施設A
連携
施設f
基幹
施設A
連携
施設c
専門研修プログラム
連携
施設b
連携
施設c
連携
施設b
連携
施設d
基幹
施設A
基幹
施設B
連携
施設e
連携
施設c
連携
施設b
連携
施設d
基幹
施設B
連携
施設e
① 最もオーソドックスなパターン
② 複数の基幹施設が同一の専門研修プログラムを共有するパターン
③ 複数の専門研修プログラムに参加するパターン(連携施設b)
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4.専門医の認定・更新について①
新専門医制度の基本理念
1) 専門医の質を保証できる制度
2) 患者に信頼され、受診の良い指標となる制度
3) 専門医が公の資格として国民に広く認知される制度
4) 医師が、プロフェッショナルとしての誇りと患者への
責任を基盤として、自律的に運営する制度
「専門医制度整備指針(第1版)」より抜粋
※今後は日本専門医機構が新規及び更新認定を行い、
申請受付等の実務は機構から委託され、引き続き学会
が行う予定
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4.専門医の認定・更新について②
受験資格
主な項目
現行制度
新専門医制度
研修開始の申請
研修開始時の申請はない
が、受験申請時に診療実
績表・研修カリキュラム達
成度評価表などを提出
研修開始時にシステムへ
登録する(指導医の承認も
その都度システム上で行
う)
臨床研修歴
・医師免許取得後、専門医
試験前日までに6年以上
の臨床研修歴(うち、3年
以上は研修施設に在籍)
・2004年度以降に医師免
許を取得した者は、基本
領域資格の取得後に研修
施設で3年以上の研修歴
があること
研修施設群において3年
以上の臨床研修歴があり、
専門研修プログラムを修
了していること
会員歴
受験年度の4月1日時点で
6年目であること
なし
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4.専門医の認定・更新について③
受験資格
主な項目
現行制度
新専門医制度
基本領域資格
<内科系>
内科学会認定内科医、総
合内科専門医
<外科系>
外科学会認定登録医、外
科専門医
<小児科系>
小児科専門医
現行制度を踏襲する方向
で検討中
※認定審査(試験)については検討中(現在は書類審
査と筆記試験で合否を判定している)
※基本領域資格として総合診療専門医を追加するか
否かについては、新制度が確立した後に検討する
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4.専門医の認定・更新について④
更新要件
主な項目
現行制度
新専門医制度
研修単位
学術集会への参加などで
所定の研修単位を50単位
取得
講習の受講、論文執筆、
学会発表などに対して単
位を付与(詳細は未定)
診療実績
なし
必須(ただし、認定施設に
おける指導医としての指導
実績は「診療実績」に代わ
るものとして認められる)
※新専門医制度における、現在の循環器専門医資格
の更新要件については今後の検討課題
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5.新専門医制度に向けた対応状況①
1) 専門医制度委員会の小委員会として
「新専門医制度検討・構築委員会」を
発足
2) 循環器専門医の医師像や研修カリキュ
ラムの見直しについて着手
3) 新専門医制度において各施設群で
作成する専門研修プログラムについて
も整備基準の検討を開始
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5.新専門医制度に向けた対応状況②
今年度整備予定のもの:
1)
2)
3)
4)
研修カリキュラムの改訂版
専門研修プログラム整備基準
専門研修プログラムのサンプル提示
研修を支援するデータベース運用
サーバの新規構築
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6.今後のスケジュール①
循環器専門医資格取得までの流れ
2015年度
初期臨床研修
2年間
2017年度
2020年度
2021年度以降
後期臨床研修
3年間
基本領域
専門医試験
卒後6年目
サブスペシャルティ領域
専門医試験
卒後7年目以降
基本領域資格の取得後、専門研修プログラ
ムに沿った3年間の循環器領域の研修を修
了すれば受験可能となるが、研修の開始時
期についてはまだ決定していない。
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6.今後のスケジュール②
日本専門医
機構
協議中
基本領域
サブスペシャルティ
学会
学会
協議中
日本内科学会
日本外科学会
日本小児科学会
ほか
日本循環器学会
日本心臓血管外科学会
日本小児循環器学会
ほか
全19領域
全29領域
現在、日本専門医機構と
基本領域学会が制度設計
の協議中。日循について
はまだ行われていないが、
日本内科学会をはじめと
する基本領域学会と連携
を取って対応を進めている。
第79回日本循環器学会学術集会 委員会セッション(専門医制度委員会)2015/4/25