コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく当社の取組み

平成27年11月12日
コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく当社の取組み
当社は、業務執行の強化・迅速性・適正性と事業環境の変動に柔軟に対応するためにはコーポレー
トガバナンスの強化が重要な経営課題であると認識しています。
コーポレートガバナンス・コードの各原則については、当社は以下のとおり取り組み、今後、更に
株主をはじめとする全てのステークホルダーの期待に応え、継続的な企業価値の向上を目指すため、
コーポレートガバナンスの強化を図ってまいります。
第1章 株主の権利・平等性の確保
【基本原則1】
上場会社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行うとともに、株主がその権利を
適切に行使することができる環境の整備を行うべきである。
また、上場会社は、株主の実質的な平等性を確保すべきである。
少数株主や外国人株主については、株主の権利の実質的な確保、権利行使に係る環境や実質的な平
等性の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、十分に配慮を行うべきである。
当社は、全ての株主に対して実質的な平等性を確保することが重要であるとの認識のもと、一般に
公衆が縦覧することのできる方法による、透明性、継続性を基本とした積極的かつタイムリーな情報
開示を今後も確実に実施していくとともに、議決権電子行使プラットフォームの利用やその他の施策
の検討を行うなど、株主の権利の実質的確保のために適切な対応を行い、かつ、株主の権利を適切に
行使することができる環境の更なる整備に努めます。
特に少数株主や外国人株主に対しては、実質的な権利行使に係る環境や実質的な平等性の確保に課
題や懸念が生じることのないよう、十分な配慮を行ってまいります。
【原則1‐1】株主の権利の確保
上場会社は、株主総会における議決権をはじめとする株主の権利が実質的に確保されるよう、適切
な対応を行うべきである。
当社は、株主の権利の実質的確保のために、透明性、継続性を基本とした積極的かつタイムリーな
情報開示などに努めるとともに、当コード対応【補充原則1-1①~③】
、
【原則1-2】及び【補充
原則1-2①~⑤】に記載の各対応を行います。
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【補充原則1‐1①】
取締役会は、株主総会において可決には至ったものの相当数の反対票が投じられた会社提案議案が
あったと認めるときは、反対の理由や反対票が多くなった原因の分析を行い、株主との対話その他の
対応の要否について検討を行うべきである。
当社では、株主との対話を行う担当取締役を決め、当該担当取締役が主体となって株主総会におけ
る議決結果について、反対票の多寡にかかわらず、当該議案に対する反対要因の分析を合理的な範囲
で行い、その結果を取締役会で報告するなど、株主との対話その他の対応の要否についての検討を行
っています。
【補充原則1‐1②】
上場会社は、総会決議事項の一部を取締役会に委任するよう株主総会に提案するに当たっては、自
らの取締役会においてコーポレートガバナンスに関する役割・責務を十分に果たし得るような体制が
整っているか否かを考慮すべきである。他方で、上場会社において、そうした体制がしっかりと整っ
ていると判断する場合には、上記の提案を行うことが、経営判断の機動性・専門性の確保の観点から
望ましい場合があることを考慮に入れるべきである。
当社は、当社の取締役会においてコーポレートガバナンスに関する役割・責務を十分に果たし得る
体制が整っているとの認識であり、経営判断の機動性・専門性の確保の観点から、総会決議事項の一
部を取締役会に委任することが、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に繋がると判断され
るような場合においては、当該提案を株主総会に対して行うことも考慮することとしています。
【補充原則1‐1③】
上場会社は、株主の権利の重要性を踏まえ、その権利行使を事実上妨げることのないよう配慮すべ
きである。とりわけ、少数株主にも認められている上場会社及びその役員に対する特別な権利(違法
行為の差止めや代表訴訟提起に係る権利等)については、その権利行使の確保に課題や懸念が生じや
すい面があることから、十分に配慮を行うべきである。
当社は、株主の権利行使を事実上妨げることのないよう配慮致します。例えば議決権獲得を会社の
経営陣と争う、いわゆる議決権争奪戦が生じた場合において、経営陣と対立する立場にある株主によ
る株主名簿の閲覧請求に対して恣意的に対応の遅延を生じさせるなど、一般的に妨害行為とみなされ
るような行為は決して行いません。
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【原則1‐2】株主総会における権利行使
上場会社は、株主総会が株主との建設的な対話の場であることを認識し、株主の視点に立って、株
主総会における権利行使に係る適切な環境整備を行うべきである。
当社は、株主総会が株主との建設的な対話の場であるという認識のもと、常に株主の視点に立ち、
株主総会における株主の権利行使に係る適切な環境整備を行うよう努めています。
【補充原則1‐2①】
上場会社は、株主総会において株主が適切な判断を行うことに資すると考えられる情報については、
必要に応じ適確に提供すべきである。
当社は、会社法上、株主総会参考書類等に記載することが求められている事項以外の情報であって
も、当該情報が株主総会において株主が適切な判断を行うことに資すると当社が判断する場合は、そ
の内容、開示する時期・方法等についての検討を行い、その必要に応じた適確な情報の提供に努めて
まいります。
【補充原則1‐2②】
上場会社は、株主が総会議案の十分な検討期間を確保することができるよう、招集通知に記載する
情報の正確性を担保しつつその早期発送に努めるべきであり、また、招集通知に記載する情報は、株
主総会の招集に係る取締役会決議から招集通知を発送するまでの間に、TDnet や自社のウェブサイト
により電子的に公表すべきである。
当社は、株主の皆さまが議案の十分な検討時間を確保していただけるよう、第101回定時株主総
会より、招集通知の発送日を総会日の3週間以上前に前倒しするとともに、招集通知の発送日の2営
業日前に招集通知のPDFファイルを当社ウェブサイトに掲載することとしています。
※ 株主総会招集通知等の閲覧先
当社ウェブサイトの URL http://www.kinden.co.jp/ir/meeting.html
【補充原則1‐2③】
上場会社は、株主との建設的な対話の充実や、そのための正確な情報提供等の観点を考慮し、株主
総会開催日をはじめとする株主総会関連の日程の適切な設定を行うべきである。
当社は、株主との建設的な対話の充実や、そのための正確な情報提供の観点から、招集通知の早期
発送(総会日の3週間以上前)や、発送日の2営業日前に当社ウェブサイトへの同通知のPDFファ
イルの任意掲載及びTDnetへの早期登録を実施しているほか、株主総会開催日は集中日を回避す
るなど、株主総会関連の日程の適切な設定を行っています。
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【補充原則1‐2④】
上場会社は、自社の株主における機関投資家や海外投資家の比率等も踏まえ、議決権の電子行使を
可能とするための環境作り(議決権電子行使プラットフォームの利用等)や招集通知の英訳を進める
べきである。
当社は、第102回定時株主総会(平成28年6月開催予定)より、パソコン及び携帯電話等の情
報端末からの議決権行使を可能とするとともに、㈱ICJが運営する「議決権電子行使プラットフォ
ーム」へ参加する旨、意向表明済(平成27年10月28日)です。
また、
「議決権電子行使プラットフォーム」及びTDnet並びに当社ウェブサイトに招集通知の英
訳を掲載します。
【補充原則1‐2⑤】
信託銀行等の名義で株式を保有する機関投資家等が、株主総会において、信託銀行等に代わって自
ら議決権の行使等を行うことをあらかじめ希望する場合に対応するため、上場会社は、信託銀行等と
協議しつつ検討を行うべきである。
当社は、現在、株主名簿上に記載又は記録されている者が株主総会において議決権の行使等が行え
るとしています。
今後につきましては、信託銀行等の名義で株式を保有する機関投資家等が、株主総会において、信
託銀行等に代わって自ら議決権の行使等を行うことをあらかじめ希望する場合の対応について、当社
は、信託銀行等と協議の上、検討を行っていきます。
【原則1‐3】資本政策の基本的な方針
上場会社は、資本政策の動向が株主の利益に重要な影響を与え得ることを踏まえ、資本政策の基本的
な方針について説明を行うべきである。
当社は、営業利益拡大により強固な財務体質を維持しつつ、資本の有効利用を踏まえ、成長部門へ
の投資を機動的に実行していく等、積極的な事業展開を図り、更なる株主価値の維持・向上を目指し
てまいります。
また、株主への還元については、安定配当を基本とし、業績に連動した配当を行っていく方針とし
ています。
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【原則1‐4】いわゆる政策保有株式
上場会社がいわゆる政策保有株式として上場株式を保有する場合には、政策保有に関する方針を開
示すべきである。また、毎年、取締役会で主要な政策保有についてそのリターンとリスクなどを踏ま
えた中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証し、これを反映した保有のねらい・合理性について
具体的な説明を行うべきである。
上場会社は、政策保有株式に係る議決権の行使について、適切な対応を確保するための基準を策定
・開示すべきである。
当社は、従来から事業拡大と取引先との関係強化を目的として、取引先の株式を保有しています。
保有メリットのある株式については、事業拡大のため保有を継続する方針ですが、そのねらいや合理性
については取締役会で毎年確認した上で、具体的な説明を行っていきます。
なお、政策保有株式に係る議決権行使については、個々の株式に応じた総合的な判断が必要なため、
基準を設けていません。
【原則1‐5】いわゆる買収防衛策
買収防衛の効果をもたらすことを企図してとられる方策は、経営陣・取締役会の保身を目的とする
ものであってはならない。その導入・運用については、取締役会・監査役は、株主に対する受託者責
任を全うする観点から、その必要性・合理性をしっかりと検討し、適正な手続を確保するとともに、株
主に十分な説明を行うべきである。
当社は、現在、買収防衛策を導入しておりません。また、導入の予定もありません。
【補充原則1‐5①】
上場会社は、自社の株式が公開買付けに付された場合には、取締役会としての考え方(対抗提案が
あればその内容を含む)を明確に説明すべきであり、また、株主が公開買付けに応じて株式を手放す
権利を不当に妨げる措置を講じるべきではない。
当社株式が公開買付けに付された場合には、取締役会としての考え方を速やかに株主へ開示します。
また、株主が公開買付けに応じて株式を手放す権利を不当に妨げる措置を講じません。
【原則1‐6】株主の利益を害する可能性のある資本政策
支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策(増資、MBO等を含む)については、既存株主
を不当に害することのないよう、取締役会・監査役は、株主に対する受託者責任を全うする観点から、
その必要性・合理性をしっかりと検討し、適正な手続を確保するとともに、株主に十分な説明を行うべ
きである。
当社は、支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策を行う際は、取締役会において、株主
に対する受託者責任を全うする観点から十分に審議の上判断し、適正な手続を確保するとともに、株
主への十分な説明に努めます。
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【原則1‐7】関連当事者間の取引
上場会社がその役員や主要株主等との取引(関連当事者間の取引)を行う場合には、そうした取引が
会社や株主共同の利益を害することのないよう、また、そうした懸念を惹起することのないよう、取締
役会は、あらかじめ、取引の重要性やその性質に応じた適切な手続を定めてその枠組みを開示すると
ともに、その手続を踏まえた監視(取引の承認を含む)を行うべきである。
当社においては、取締役及び取締役が実質的に支配する法人による競業取引及び利益相反取引は、
取締役会での審議・決議を要することとしています。
また、主要株主との取引についても、所定の社内承認手続に基づき、第三者の取引と同様に取引条
件等の決定を行っています。
第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
【基本原則2】
上場会社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出は、従業員、顧客、取引先、債権
者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であるこ
とを十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めるべきである。
取締役会・経営陣は、これらのステークホルダーの権利・立場や健全な事業活動倫理を尊重する
企業文化・風土の醸成に向けてリーダーシップを発揮すべきである。
当社は、株主から経営を付託されたものとしての責務のみならず、従業員をはじめ、顧客、取引先、
活動の基盤となる地域社会など様々なステークホルダーからの期待に応えることが、当社の持続的な
成長と中長期的な企業価値の創造に繋がると考えています。
当社は、当社の事業運営にはこれらステークホルダーとの適切な協働が必要不可欠であるとの認識
のもと、健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成を図るために「きんでんグループ行動
指針」を制定し、当社及び当社グループの従業員一人ひとりがその指針に従って行動することを求め
るとともに、取締役会・経営陣は機会を捉えてコミットメントを発するなど、同行動指針のグループ
内における浸透と定着を図っています。
【原則2‐1】中長期的な企業価値向上の基礎となる経営理念の策定
上場会社は、自らが担う社会的な責任についての考え方を踏まえ、様々なステークホルダーへの
価値創造に配慮した経営を行いつつ中長期的な企業価値向上を図るべきであり、こうした活動の基
礎となる経営理念を策定すべきである。
当社は、社是である「和と明朗」
「研究と努力」
「誠実と奉仕」を経営理念としています。
当社は、その経営理念の下、持続的な企業価値向上を目指すべく、社会インフラの構築を通じて、
お客さまをはじめとした様々なステークホルダーの満足を創造し、社会に貢献してまいります。
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【原則2‐2】会社の行動準則の策定・実践
上場会社は、ステークホルダーとの適切な協働やその利益の尊重、健全な事業活動倫理などにつ
いて、会社としての価値観を示しその構成員が従うべき行動準則を定め、実践すべきである。
取締役会は、行動準則の策定・改訂の責務を担い、これが国内外の事業活動の第一線にまで広く
浸透し、遵守されるようにすべきである。
当社は、当社グループのすべての役員及び従業員一人ひとりが守らなければならない基本的な事項
を「きんでんグループ行動指針」として制定しています。
当行動指針は、信用こそ事業の基本であるという創業時からの精神のもと、透明度の高い仕事の推
進、一人ひとりのコンプライアンス意識の徹底、風通しの良い職場環境作り、円滑なコミュニケーシ
ョンを通じた問題発生の未然防止など、健全な事業活動倫理のために必要不可欠な14の項目を掲げ
ています。これを全員が熟読するとともに、ビジネスのルール、社会への配慮を常に心がけ、遵法精
神を徹底し、また、常に未来を志向した企業家精神を発揮することで優れた設備とサービスの創造に
努めています。
当社取締役会は、当行動指針の策定・改訂の責務を担うとともに、創業時からの精神を継承するた
めに、機会を捉えてトップコミットメントを発するなど、企業文化・風土の醸成に努めています。
【補充原則2‐2①】
取締役会は、行動準則が広く実践されているか否かについて、適宜または定期的にレビューを行う
べきである。その際には、実質的に行動準則の趣旨・精神を尊重する企業文化・風土が存在するか否
かに重点を置くべきであり、形式的な遵守確認に終始すべきではない。
当社取締役会は、取締役及び従業員が法令及び定款を遵守し、健全な社会規範の下でその職務を遂
行するため、
「きんでんグループ行動指針」を制定しています。併せて、コンプライアンス管理規程の
もと、社長を委員長としたコンプライアンス委員会を設置してその実効を確保するとともに、社長は
繰り返しその精神を取締役及び従業員に伝えることにより、法令遵守があらゆる事業活動の前提であ
ることを徹底しています。
コンプライアンス委員会は、原則として年2回定例委員会を開催し、コンプライアンス状況の把握、
評価を行っています。
各々の担当分野の業務においてもコンプライアンスに係る規程、ガイドラインの制定、委員会の設
置、取締役・従業員教育等を行い、コンプライアンスに関する体制を確保しています。
コンプライアンス担当役員は、内部監査部門である業務監理室と連携して役員及び従業員がコンプ
ライアンスを遵守しているか年に1回調査を実施し、必要に応じ改善を指示しています。
また、内部通報制度を設置し、従業員は、法令・定款違反、社内規則違反あるいは社会通念に反す
る行為が行われていることを知ったときは、
「きんでんグループ行動指針」に基づき、所定の窓口に通
報します。通報した従業員の保護を図るとともに、透明性を維持した的確な対処の体制を確保してい
ます。
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【原則2‐3】社会・環境問題をはじめとするサステナビリティーを巡る課題
上場会社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティー(持続可能性)を巡る課題につい
て、適切な対応を行うべきである。
当社は、当社グループの経営成績、株価及び財務状況等のパフォーマンスに直接影響を及ぼす可能
性のあるリスクを認識しつつ、これに加え、様々なステークホルダーを広く視野に入れながら経済、
環境、社会の側面を総合的に捉えることが企業価値の向上と持続可能性に繋がるものと認識し、それ
らについて適切な対応を行ってまいります。
【補充原則2‐3①】
取締役会は、サステナビリティー(持続可能性)を巡る課題への対応は重要なリスク管理の一部で
あると認識し、適確に対処するとともに、近時、こうした課題に対する要請・関心が大きく高まりつ
つあることを勘案し、これらの課題に積極的・能動的に取り組むよう検討すべきである。
当社取締役会は、サステナビリティー(持続可能性)を巡る課題への対応は、当社グループにとっ
て重要なリスク管理の一部であるとの認識に立ち、一般的に法令遵守、消費者保護、環境保護、労働、
人権尊重、地域貢献など純粋に財務的な活動以外の分野においても、それが企業の持続的な発展のた
めには欠かせないものとして、これらの課題に自主的に取り組んでいます。
【原則2‐4】女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保
上場会社は、社内に異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、会
社の持続的な成長を確保する上での強みとなり得る、との認識に立ち、社内における女性の活躍促進
を含む多様性の確保を推進すべきである。
当社は、女性従業員の積極的な採用・登用による活躍の促進、全国各事業所での障がい者雇用の推
進、高齢者再雇用制度の整備と柔軟な運用による高齢者雇用の推進等により、健全な企業活動を推進
し、企業の社会的責任を果たしていくとともに、働きやすく、また働きがいのある職場環境づくりに
積極的に取り組んでいます。
なお、今後も、多様な能力、価値観、発想を持った人材を活用することにより、多様化、複雑化す
る顧客ニーズへの対応や業務の効率化を推進していきます。
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【原則2‐5】内部通報
上場会社は、その従業員等が、不利益を被る危険を懸念することなく、違法または不適切な行為・
情報開示に関する情報や真摯な疑念を伝えることができるよう、また、伝えられた情報や疑念が客観
的に検証され適切に活用されるよう、内部通報に係る適切な体制整備を行うべきである。取締役会は、
こうした体制整備を実現する責務を負うとともに、その運用状況を監督すべきである。
当社は「きんでんグループ行動指針」を定め、その序章において、遵法精神の徹底と、違法行為は
厳しく戒めなければならないものとすることなどを宣言するとともに、併せて、違反行為等の内部通
報者が不利益を被る危険性を排除するために最善の注意を払うこととするなど、当社グループ内にお
いて問題が“生じない”
“育たない”
“見逃さない”体制となるようその環境整備に配慮しています。
また、
「きんでんグループ行動指針」に基づき「内部通報規程」を定め、内部通報に係る適切なグ
ループ内の具体的な体制整備を行うとともに、取締役会がこうした体制整備を実現する責務を負うと
いう観点から、
「業務の適正を確保する体制に関する基本方針」を取締役会で決議し、その中で、内部
通報者の保護を図るとともに、透明性を維持した的確な対処の体制を確保することとし、内部通報制
度の運用が実効的になされるよう努めています。
内部通報制度の具体的な運用は、通報された事項については調査担当部署が事実関係を調査の上、
その調査結果はその都度社長及び監査役へ、また定期的にコンプライアンス委員会に報告し、また、
法令違反など重大な事項は個別に取締役会に報告することとしています。
【補充原則2‐5①】
上場会社は、内部通報に係る体制整備の一環として、経営陣から独立した窓口の設置(例えば、社
外取締役と監査役による合議体を窓口とする等)を行うべきであり、また、情報提供者の秘匿と不利
益取扱の禁止に関する規律を整備すべきである。
当社は内部通報に係る体制整備の一環として、社内に内部通報窓口(内部窓口)を設置するほか、
経営陣から独立した窓口として、社外(2つの弁護士事務所)にも内部通報窓口(外部窓口)を設置
しています。
なお、情報提供者の秘匿と不利益取扱いの禁止に関する規律は、
「内部通報規程」においてその詳
細を定め、情報提供者の保護を図るとともに、透明性を維持した的確な対処の体制を確保することで、
内部通報制度の運用が実効的になされるよう努めています。
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第3章 適切な情報開示と透明性の確保
【基本原則3】
上場会社は、会社の財政状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナン
スに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示
以外の情報提供にも主体的に取り組むべきである。
その際、取締役会は、開示・提供される情報が株主との間で建設的な対話を行う上での基盤となる
ことも踏まえ、そうした情報(とりわけ非財務情報)が、正確で利用者にとって分かりやすく、情報
として有用性の高いものとなるようにすべきである。
当社は、株主をはじめとするステークホルダーに対する情報開示は、重要な経営戦略の一つである
と認識しており、主体的に取り組んでいます。その取組みとして、法令に基づく開示以外にも、株主
をはじめとするステークホルダーにとって重要と判断される情報(非財務情報も含む)については、
当社ウェブサイト等の様々な手段により積極的に開示を行っています。
【原則3‐1】情報開示の充実
上場会社は、法令に基づく開示を適切に行うことに加え、会社の意思決定の透明性・公正性を確保
し、実効的なコーポレートガバナンスを実現するとの観点から、
(本コードの各原則において開示を
求めている事項のほか、
)以下の事項について開示し、主体的な情報発信を行うべきである。
(ⅰ)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
(ⅱ)本コードのそれぞれの原則を踏まえた、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
と基本方針
(ⅲ)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
(ⅳ)取締役会が経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
(ⅴ)取締役会が上記(ⅳ)を踏まえて経営陣幹部の選任と取締役・監査役候補の指名を行う際
の、個々の選任・指名についての説明
(ⅰ) 当社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画は、当社ウェブサイト、決算短信に
て開示しています。
※ 経営理念等
http://www.kinden.co.jp/company/concept.html
決算情報
http://www.kinden.co.jp/ir/index.html
(ⅱ) 当社は、業務執行の強化・迅速性・適正性と事業環境の変動に柔軟に対応するためにはコーポ
レートガバナンスの強化が重要な経営課題であると認識しています。
今後は、更に株主をはじめとする全てのステークホルダーの期待に応え、継続的な企業価値の
向上を目指すため、本取組みに従って、コーポレートガバナンスの強化を図ってまいります。
(ⅲ) 取締役の報酬は、月額及び賞与からなります。月額は、常勤・非常勤ごとの報酬額に対して、
役位を反映した加算を行い、指名・報酬等諮問委員会(
【補充原則4-1③】に詳細を記載)に諮
った上で、取締役会で決定します。賞与については、業績を基礎に置き、常勤・非常勤の別、役
位、担当業務における成果を反映して各人の支給額を算出し、指名・報酬等諮問委員会に諮った
上で、支給議案を取締役会で決定し、株主総会の決議を受けます。
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(ⅳ) 取締役は、株主からの経営の付託に応えるため、また、監査役は経営者に対する監査に係る株
主からの付託に応えるため、それぞれ豊富な経験と高い見識を有し、取締役・監査役の職務と責
任を全うできる人材で、かつ人格に優れた者を候補者として、当社は選定する方針としています。
当社はこの方針に基づき、代表取締役社長が取締役・監査役候補者の原案を作成し、指名・報
酬等諮問委員会に諮った上で、取締役会(監査役候補者は事前に監査役会での同意を得て) に提
案し、決定することとしています。
(ⅴ) 当社は、社外取締役候補者及び社外監査役候補者の選任理由について、株主総会招集通知にて
開示しています。
なお、今後は上記以外の取締役・監査役候補者についても、その選任理由を開示することと致
します。
【補充原則3‐1①】
上記の情報の開示に当たっても、取締役会は、ひな型的な記述や具体性を欠く記述を避け、利用者
にとって付加価値の高い記載となるようにすべきである。
当社が情報開示を行うに当たっては、その情報を利用される全ての人にとって付加価値の高い記載
となるよう十分に留意することが取締役会の重要な責任であるとの認識のもと、ひな型的、抽象的な
記述は避け、平易で具体的かつ正確な情報を適時に開示するよう努めています。
【補充原則3‐1②】
上場会社は、自社の株主における海外投資家等の比率も踏まえ、合理的な範囲において、英語での
情報の開示・提供を進めるべきである。
当社は、当社の株主構成を踏まえ、英語版のウェブサイトを開設するとともに、英語版アニュアル
レポートを年1回作成しウェブサイト等で開示するなど、海外投資家向けの情報開示・提供を積極的
に行っています。またパンフレットに関しても英語版を作成し、情報提供に努めています。
※ 英語版当社ウェブサイトの URL http://www.kinden.co.jp/english/
なお、今後の対応につきましては、上記のほか、第102回定時株主総会より招集通知の英文化を
行う予定としているなど、当社の株主における海外投資家の比率等を踏まえた情報の開示・提供を進
めています。
【原則3‐2】外部会計監査人
外部会計監査人及び上場会社は、外部会計監査人が株主・投資家に対して責務を負っていることを
認識し、適正な監査の確保に向けて適切な対応を行うべきである。
当社は、当社の外部会計監査人とともに外部会計監査人が株主・投資家に対して責務を負っている
ことを十分に認識の上、監査項目、範囲、日程等を協議の上、監査計画を作成しています。
また、監査内容については、監査役会、内部監査部門、経理部門が連携し、適正な監査の確保に努
めています。
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【補充原則3‐2①】
監査役会は、少なくとも下記の対応を行うべきである。
(ⅰ) 外部会計監査人候補を適切に選定し外部会計監査人を適切に評価するための基準の策定
(ⅱ) 外部会計監査人に求められる独立性と専門性を有しているか否かについての確認
当社監査役会は、以下の対応を行っています。
(ⅰ) 外部会計監査人の選定等について、独立性、専門性等を保持する体制であるかを確認する内
容の評価基準を策定しています。
(ⅱ) 外部会計監査人の独立性、専門性等については、監査計画の聴取や四半期レビューのほか、
その確認のために定期的にヒアリングを実施するとともに、外部会計監査人と接点の多い経理
部や業務監理室にもヒアリングを実施しています。
【補充原則3‐2②】
取締役会及び監査役会は、少なくとも下記の対応を行うべきである。
(ⅰ) 高品質な監査を可能とする十分な監査時間の確保
(ⅱ) 外部会計監査人からCEO・CFO等の経営陣幹部へのアクセス(面談等)の確保
(ⅲ) 外部会計監査人と監査役(監査役会への出席を含む)
、内部監査部門や社外取締役との
十分な連携の確保
(ⅳ) 外部会計監査人が不正を発見し適切な対応を求めた場合や、不備・問題点を指摘した場
合の会社側の対応体制の確立
当社取締役会及び監査役会は、以下の対応を行っています。
(ⅰ) 外部会計監査人が作成する監査計画を聴取し、意見交換して十分な監査時間が確保できるよ
う努めています。
(ⅱ) 外部会計監査人と経営陣幹部が定期的に面談を行う機会を確保しています。
(ⅲ) 外部会計監査人は監査役会に監査計画を提出して説明するとともに、四半期毎に監査レビュ
ーの機会をもって意見交換を実施し、監査役は外部会計監査人が実施する監査への立会いを定
期的に行っています。
また、外部会計監査人、監査役及び内部監査部門は、三者で構成する三様会議を定期的に開
催して情報交換を行い、連携を確保しています。監査役会は定期的に社外取締役との間で情報
連絡会を開催し、三様会議の内容を含めて社外取締役への情報提供に努めています。
(ⅳ) 外部会計監査人が不正等を発見した場合は、経営陣幹部に報告し、適切な対応を求めるとと
もに、監査役に報告し、監査役は経営陣幹部の対応を確認しつつ、必要に応じて独自に調査を
行うこととしています。
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第4章 取締役会等の責務
【基本原則4】
上場会社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期
的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく、
(1) 企業戦略等の大きな方向性を示すこと
(2) 経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと
(3) 独立した客観的な立場から、経営陣(執行役及びいわゆる執行役員を含む)
・取締役に対す
る実効性の高い監督を行うこと
をはじめとする役割・責務を適切に果たすべきである。
こうした役割・責務は、監査役会設置会社(その役割・責務の一部は監査役及び監査役会が担うこ
ととなる )
、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社など、いずれの機関設計を採用する場合
にも、等しく適切に果たされるべきである。
当社取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企
業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく、取締役会としての役割・責務を果たし
ています。なお、当原則に掲げる(1)~(3)の役割・責務の詳細内容は以下のとおりです。
(1) 決算短信の「3.経営方針」に記載しています。
※ 決算情報
http://www.kinden.co.jp/ir/index.html
(2) 当コード対応【原則4-2】に記載しています。
(3) 当コード対応【原則4-3】に記載しています。
【原則4‐1】取締役会の役割・責務(1)
取締役会は、会社の目指すところ(経営理念等)を確立し、戦略的な方向付けを行うことを主要な
役割・責務の一つと捉え、具体的な経営戦略や経営計画等について建設的な議論を行うべきであり、
重要な業務執行の決定を行う場合には、上記の戦略的な方向付けを踏まえるべきである。
当社取締役会は、当社の目指すところとしての企業戦略の大きな方向性を確立してそれを示し、各
執行部門はそれに沿った形で事業単位でのミクロ戦略を策定し、事業を展開しています。
なお、企業戦略の策定に当たっては、それが取締役会の主要な役割・責務の一つであるとの認識の
もと、中期経営計画を策定し、その推進・達成に向けた建設的な議論を行っており、また、重要な業
務執行の決定については、当該戦略の方向性を十分に踏まえた上で行っています。
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【補充原則4‐1①】
取締役会は、取締役会自身として何を判断・決定し、何を経営陣に委ねるのかに関連して、経営陣
に対する委任の範囲を明確に定め、その概要を開示すべきである。
当社は、会社法の定めにより取締役会の決議が必要とされる重要事項以外の会社経営全般にわたる
方針、計画の樹立及び経営活動の具体的な推進は、常勤取締役会(月2回開催、常勤の取締役で構成
され常勤の監査役も出席)に権限を委譲することにより、効率的な会社運営に努めています。
また、意思決定の迅速化、業務執行の監督機能の強化を図るとともに、特定の業務の責任者が業務
執行に専念できる体制として、執行役員制度を導入しています。
【補充原則4‐1②】
取締役会・経営陣幹部は、中期経営計画も株主に対するコミットメントの一つであるとの認識に
立ち、その実現に向けて最善の努力を行うべきである。仮に、中期経営計画が目標未達に終わった
場合には、その原因や自社が行った対応の内容を十分に分析し、株主に説明を行うとともに、その
分析を次期以降の計画に反映させるべきである。
当社は、4つの事業方針、①電力インフラ事業への貢献、②地域密着への更なる強化、③首都圏で
の一層の事業展開、④海外における長期的事業展開を柱とした2014年度から2016年度までの
中期経営計画を策定しています。時代の変化に対応し、いかなる経営環境になろうとも営業利益率
5%以上の確保を数値目標として取り組んでいます。
なお、中期経営計画が目標未達に終わった場合には、原因分析を行い、株主に説明するとともに、
分析から得られた事項を次期中期経営計画に反映します。
【補充原則4‐1③】
取締役会は、会社の目指すところ(経営理念等)や具体的な経営戦略を踏まえ、最高経営責任者等
の後継者の計画(プランニング)について適切に監督を行うべきである。
当社は、代表取締役会長・社長、社外取締役及び秘書部担当取締役で構成される「指名・報酬等諮
問委員会」を設置しており、当委員会に対して、取締役・監査役の指名及びその育成並びに報酬に係
る事項等について諮問しています。
当社取締役会は、当社の経営理念や具体的な経営戦略を踏まえた、最高経営責任者等の後継者の計
画(プランニング)について、当委員会に諮問の上、適切に監督を行っています。
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【原則4‐2】取締役会の役割・責務(2)
取締役会は、経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うことを主要な役割・責
務の一つと捉え、経営陣からの健全な企業家精神に基づく提案を歓迎しつつ、説明責任の確保に向け
て、そうした提案について独立した客観的な立場において多角的かつ十分な検討を行うとともに、承
認した提案が実行される際には、経営陣幹部の迅速・果断な意思決定を支援すべきである。
また、経営陣の報酬については、中長期的な会社の業績や潜在的リスクを反映させ、健全な企業家
精神の発揮に資するようなインセンティブ付けを行うべきである。
当社は、リスク管理体制を整備し、例えば新規分野への事業参入や、海外への事業展開を検討する
際には、それぞれに専門部会を設置するなどして、
“攻め”のリスク・マネジメントを行わせ、これに
対して取締役会は、経営陣幹部の迅速・果断な意思決定を支援し、積極的な事業展開を促しています。
なお、経営陣の報酬については、当社取締役の報酬と同様、月額及び業績等に連動した賞与からな
り、インセンティブ付けを考慮したものとしていますが、例えばストックオプションなど中長期的な
業績と連動する報酬については現在設定しておらず、今後の検討課題としています。
【補充原則4‐2①】
経営陣の報酬は、持続的な成長に向けた健全なインセンティブの一つとして機能するよう、中長期
的な業績と連動する報酬の割合や、現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定すべきである。
当社経営陣の報酬は、月額及び業績等に連動した賞与からなっていますが、例えばストックオプシ
ョンなどの中長期的な業績と連動する報酬については現在設定していません。
持続的な成長に向けた、健全なインセンティブの一つとして機能するような当社経営陣の報酬設定
については、当社にとって最も適切な方法についての検討を今後行ってまいります。
【原則4‐3】取締役会の役割・責務 (3)
取締役会は、独立した客観的な立場から、経営陣・取締役に対する実効性の高い監督を行うことを
主要な役割・責務の一つと捉え、適切に会社の業績等の評価を行い、その評価を経営陣幹部の人事に
適切に反映すべきである。
また、取締役会は、適時かつ正確な情報開示が行われるよう監督を行うとともに、内部統制やリス
ク管理体制を適切に整備すべきである。
更に、取締役会は、経営陣・支配株主等の関連当事者と会社との間に生じ得る利益相反を適切に管
理すべきである。
当社取締役会は、独立した客観的な立場から、経営陣・取締役に対する実効性の高い監督を行うこ
とが主要な役割・責務の一つと捉えており、適切に会社の業績等の評価を行い、その評価を経営陣幹
部の人事に適切に反映しています。
また、当社取締役会は、情報開示部門に対して、当該担当役員を通じて適時かつ正確な情報開示が
行われるよう、指揮・監督を行うとともに、内部統制やリスク管理体制についても適切に整備し、適
正な運用が図られるよう努めています。
更に、当社取締役会は、経営陣・支配株主等の関連当事者と会社との間に生じ得る利益相反を適切
に管理(詳細は【原則1-7】に記載)しています。
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【補充原則4‐3①】
取締役会は、経営陣幹部の選任や解任について、会社の業績等の評価を踏まえ、公正かつ透明性の
高い手続に従い、適切に実行すべきである。
経営陣幹部の選任については、会社の業績の評価や、経営陣幹部として指導力・率先力・決断力等
を如何なく発揮することの出来る人物であることも踏まえて、代表取締役社長が候補者の選定を行い、
その理由も含めて指名・報酬等諮問委員会に諮った上で取締役会にて審議を行うこととしており、公
正かつ透明性の高い手続に従い、適切に実行しています。
なお、解任についても、選任と同様の手続をもって行うこととしています。
【補充原則4‐3②】
コンプライアンスや財務報告に係る内部統制や先を見越したリスク管理体制の整備は、適切なリス
クテイクの裏付けとなり得るものであるが、取締役会は、これらの体制の適切な構築や、その運用が
有効に行われているか否かの監督に重点を置くべきであり、個別の業務執行に係るコンプライアンス
の審査に終始すべきではない。
当社取締役会は、
「業務の適正を確保する体制に関する基本方針」を定めるとともに、その全般的な
運用状況について定期的に報告を受け、確認しています。
また、財務報告に係る内部統制の状況についても同様に、定期的に報告を受け、確認しています。
個別、具体的なコンプライアンス・リスク案件への対応については、社長を委員長とし、経営陣幹
部、監査役代表者及びコンプライアンス担当役員を構成員とする「コンプライアンス委員会」
、及び総
務法務部担当取締役を委員長とし、各部門の長を構成員とする「リスク管理委員会」にてそれぞれ審
議・対応するとともに、重要案件については必要に応じて取締役会に対し報告を行っています。
【原則4‐4】監査役及び監査役会の役割・責務
監査役及び監査役会は、取締役の職務の執行の監査、外部会計監査人の選解任や監査報酬に係る権
限の行使などの役割・責務を果たすに当たって、株主に対する受託者責任を踏まえ、独立した客観的
な立場において適切な判断を行うべきである。
また、監査役及び監査役会に期待される重要な役割・責務には、業務監査・会計監査をはじめとす
るいわば「守りの機能」があるが、こうした機能を含め、その役割・責務を十分に果たすためには、
自らの守備範囲を過度に狭く捉えることは適切でなく、能動的・積極的に権限を行使し、取締役会に
おいてあるいは経営陣に対して適切に意見を述べるべきである。
監査役及び監査役会は、取締役の職務の執行の監査、外部会計監査人の選解任や監査報酬に係る権
限の行使などの役割・責務を果たすに当たって、株主に対する受託者責任を踏まえ、独立した客観的
な立場において適切な判断を行っています。
また、監査役は社長との間で定期的に会合を持ち、意見交換や経営陣に対する提言を行うとともに、
社外取締役を含む経営陣に対してその報告を行っています。
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【補充原則4‐4①】
監査役会は、会社法により、その半数以上を社外監査役とすること及び常勤の監査役を置くことの
双方が求められていることを踏まえ、その役割・責務を十分に果たすとの観点から、前者に由来する
強固な独立性と、後者が保有する高度な情報収集力とを有機的に組み合わせて実効性を高めるべきで
ある。また、監査役または監査役会は、社外取締役が、その独立性に影響を受けることなく情報収集
力の強化を図ることができるよう、社外取締役との連携を確保すべきである。
当社の監査役は5名のうち3名が社外監査役で過半数を占めており、社外監査役のうち1名は当社
に常勤しています。社外監査役を含む常勤監査役の体制は、強固な独立性と高度な情報収集力を一体
化させたものであり、監査役会と連携を図りながら監査活動の実効性を高めています。
また、監査役会は社外取締役と定期的に情報連絡会を開催する機会を設け、社外取締役への情報提
供に努めています。
【原則4‐5】取締役・監査役等の受託者責任
上場会社の取締役・監査役及び経営陣は、それぞれの株主に対する受託者責任を認識し、ステーク
ホルダーとの適切な協働を確保しつつ、会社や株主共同の利益のために行動すべきである。
当社取締役及び経営陣は、株主に対する受託者責任を認識して、ディスクロージャーの速報性・正
確性・質の向上を図るとともに、株主・投資家の皆さまに対する説明責任を継続的に果たすことによ
り、経営改革の進展に繋げています。
また、監査役は、株主に対する受託者責任を認識して、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値
向上を目指すコーポレートガバナンス強化の取組状況、内部統制システムの整備・運用状況を確認し
つつ、監査活動に取り組んでいます。
以上のように当社取締役・監査役及び経営陣は、常に会社や株主共同の利益のために行動していま
す。
【原則4‐6】経営の監督と執行
上場会社は、取締役会による独立かつ客観的な経営の監督の実効性を確保すべく、業務の執行には
携わらない、業務の執行と一定の距離を置く取締役の活用について検討すべきである。
当社は、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえた「独立社外取締役となる者の独立性判断基
準」を策定し、当人が当該基準に定める各要件のいずれにも該当しないことをもって、一般株主との
利益相反関係が生じるおそれのない独立性を有した社外取締役であるとして2名選定し、当該2名を
独立役員として金融商品取引所へ届け出しています。
当該2名は、社外の見識や情報をもって、それぞれ公正かつ専門的、客観的な立場から業務執行機
関に対する監督を行うことにより、経営体制の一層の強化とコーポレートガバナンスの一層の充実に
寄与しています。
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【原則4‐7】独立社外取締役の役割・責務
上場会社は、独立社外取締役には、特に以下の役割・責務を果たすことが期待されることに留意し
つつ、その有効な活用を図るべきである。
(ⅰ) 経営の方針や経営改善について、自らの知見に基づき、会社の持続的な成長を促し中長期的な
企業価値の向上を図る、との観点からの助言を行うこと
(ⅱ) 経営陣幹部の選解任その他の取締役会の重要な意思決定を通じ、経営の監督を行うこと
(ⅲ) 会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反を監督すること
(ⅳ) 経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を
取締役会に適切に反映させること
当社は、社外取締役を2名選定し、当該2名を一般株主との利益相反関係が生ずるおそれのない独
立役員(独立取締役)として金融商品取引所に届け出しています。
上記2名は、過去に社外役員となること以外の方法で会社経営に関与したことはありませんが、う
ち一人は建築学の専門家としての幅広い見識を有した元大学教授、もう一人は高い法的専門知識をも
つ弁護士であり、コード【原則4-7】で求められている(ⅰ)から(ⅳ)の各項目に関して、その
高い知見、知識をもって、かつ独立性をもった立場から当社の取締役会に対して助言、意見、監督を
行うなど、独立取締役としての役割・責務を果たすことに期待し、その有効な活用を図っています。
【原則4‐8】独立社外取締役の有効な活用
独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を
果たすべきであり、上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上
選任すべきである。
また、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、自主的な判
断により、少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上場会社は、上
記にかかわらず、そのための取組み方針を開示すべきである。
当社は、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえた「独立社外取締役となる者の独立性判断基
準」を策定し、当人が当該基準に定める各要件のいずれにも該当しないことをもって、一般株主との
利益相反関係が生じるおそれのない独立性を有した社外取締役であるとして2名選定し、当該2名を
独立役員として金融商品取引所へ届け出しています。
【補充原則4‐8①】
独立社外取締役は、取締役会における議論に積極的に貢献するとの観点から、例えば、独立社外者
のみを構成員とする会合を定期的に開催するなど、独立した客観的な立場に基づく情報交換・認識共
有を図るべきである。
当社独立社外取締役は、取締役会における議論に積極的に貢献するとの観点から、監査役会との間
で情報連絡会を定期的に実施しています。
当会は、独立社外取締役及び監査役(社外監査役を含む)で構成され、取締役会から独立した客観
的な立場に基づく情報の交換及び認識の共有を図っています。
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【補充原則4‐8②】
独立社外取締役は、例えば、互選により「筆頭独立社外取締役」を決定することなどにより、経営
陣との連絡・調整や監査役または監査役会との連携に係る体制整備を図るべきである。
当社の独立社外取締役は現在2名でありますが、当該独立社外取締役各自が直接に経営陣との連絡
及び調整を行う体制をとっており、かかる体制によって実効的な連絡及び調整を図ることが出来てい
ると考えています。
また、監査役又は監査役会とは「情報連絡会」
(
【補充原則4-8①】に記載)により連携を図るこ
ととしています。
【原則4‐9】独立社外取締役の独立性判断基準及び資質
取締役会は、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえ、独立社外取締役となる者の独立性をそ
の実質面において担保することに主眼を置いた独立性判断基準を策定・開示すべきである。
また、取締役会は、取締役会における率直・活発で建設的な検討への貢献が期待できる人物を独立
社外取締役の候補者として選定するよう努めるべきである。
当社は、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえた「独立社外取締役となる者の独立性判断基
準」を策定しています。
当該基準については、当社有価証券報告書(第101期)の「第4 提出会社の状況の6.コ-ポ
レート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりです。
※ 有価証券報告書等の開示書類を閲覧するサイト
EDINET の URL http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/
現在当社は、上記判断基準に適合し、かつ客観的・専門的な見地から当社経営に対する適切な助言
や、取締役会において率直・活発で建設的な検討に貢献が期待できる人物として2名の独立社外取締
役を選定しています。
なお、当該2名は、利益相反関係に関する金融商品取引所の定める独立役員の資格を充たしており、
一般株主と利益相反が生じる恐れがないものとして独立役員に指定しています。
【原則4‐10】任意の仕組みの活用
上場会社は、会社法が定める会社の機関設計のうち会社の特性に応じて最も適切な形態を採用する
に当たり、必要に応じて任意の仕組みを活用することにより、統治機能の更なる充実を図るべきであ
る。
当社は、会社法が定める取締役会、監査役会及び会計監査人設置会社ですが、当該各機関以外に、
業務監理室(社内組織)及びコンプライアンス委員会等(任意の機関)を設け、当社の統治機能の更
なる充実を図っています。
上記各組織・機関が果たす役割及び相互連携等に関する詳細については、コーポレート・ガバナン
ス報告書の「2.業務執行、監査・監督、指名、報酬決定等の機能に係る事項(現状のコーポレート・
ガバナンス体制の概要)
」に記載のとおりです。
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【補充原則4‐10①】
上場会社が監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が取締役会の
過半数に達していない場合には、経営陣幹部・取締役の指名・報酬などに係る取締役会の機能の独立
性・客観性と説明責任を強化するため、例えば、取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とす
る任意の諮問委員会を設置することなどにより、指名・報酬などの特に重要な事項に関する検討に当
たり独立社外取締役の適切な関与・助言を得るべきである。
当社は、監査役会設置会社であり、かつ独立社外取締役は取締役会の過半数に達していません。
取締役の指名・報酬などの特に重要な事項に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強
化するための体制については、当社は、代表取締役会長・社長、社外取締役及び秘書部担当取締役で
構成される「指名・報酬等諮問委員会」を設置し、当委員会に対して取締役の指名及びその育成並び
に報酬に係る事項等について諮問することとしており、これにより、独立社外取締役の適切な関与・
助言が得られているものと考えています。
【原則4‐11】取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件
取締役会は、その役割・責務を実効的に果たすための知識・経験・能力を全体としてバランス良く
備え、多様性と適正規模を両立させる形で構成されるべきである。また、監査役には、財務・会計に
関する適切な知見を有している者が1名以上選任されるべきである。
取締役会は、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行うことなどにより、その機能の
向上を図るべきである。
取締役会の構成員となる各取締役に求められる能力が、会社の業務執行に関する意思決定機関とし
て非常に重要な役割・責務を実効的に果たすことに資するものであるべく、当社はその人選に当たっ
て、会社経営者として必要とされる専門知識・一般教養・経験・指導力等の能力を全体としてバラン
ス良く備えており、かつ、人格に優れた者を候補者の要件としています。
そして、上記要件を備えた者が取締役会を構成することで、事業環境が目まぐるしく変化する中に
おいて、豊富な知識・経験と豊かな発想を持つ集団としてその特性を生かし、多様性と適正規模の両
立を勘案しながら会社の舵取りを行うこととしています。
一方 、監査役については現在5名選任していますが、そのうち1名(常任監査役(常勤)
)につい
ては当社の経理部長を歴任しており、財務及び会計に関する高い知識と見識を有しています。
最後に、当社取締役会は、その機能の向上を図るために、今期よりアンケート形式による自己評価
を行う予定としています。
【補充原則4‐11①】
取締役会は、取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え
方を定め、取締役の選任に関する方針・手続と併せて開示すべきである。
取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する当社の取締役会の
考え方及び取締役の選任に関する方針は【原則4-11】に記載のとおりですが、当社取締役の選任
に関する手続は、候補者を「指名・報酬等諮問委員会」に諮問し、その結果を参考として取締役会に
付議し、決定することとしています。
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【補充原則4‐11②】
社外取締役・社外監査役をはじめ、取締役・監査役は、その役割・責務を適切に果たすために必要
となる時間・労力を取締役・監査役の業務に振り向けるべきである。こうした観点から、例えば、取
締役・監査役が他の上場会社の役員を兼任する場合には、その数は合理的な範囲にとどめるべきであ
り、上場会社は、その兼任状況を毎年開示すべきである。
当社取締役及び監査役は、その役割・責務を適切に果たすために必要となる時間・労力を取締役・
監査役の業務に振り向けるべきであるとの観点から、当人が他の上場会社の役員を兼任する数はその
趣旨に反しないよう合理的な範囲にとどめています。
なお、上記兼任の状況については、事業報告において毎年開示しており、また、取締役候補者及び
監査役候補者については、株主総会参考書類にて「重要な兼職の状況」として開示しています。
※ 株主総会参考書類、事業報告の閲覧先
当社ウェブサイトの URL http://www.kinden.co.jp/ir/meeting.html
【補充原則4‐11③】
取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・
評価を行い、その結果の概要を開示すべきである。
当社取締役会は、今期よりアンケート形式による自己評価を行うこととしていますが、その中で“取
締役会の実効性”に係る項目を設け、その評価結果の概要を開示するとともに、次期以降の取締役会
全体の実効性をより向上させるための参考と致します。
【原則4‐12】取締役会における審議の活性化
取締役会は、社外取締役による問題提起を含め自由闊達で建設的な議論・意見交換を尊ぶ気風の醸
成に努めるべきである。
当社取締役会は、各取締役による自由闊達で建設的な議論・意見交換の場となるよう、また、社外
取締役による問題提起も容易に行えるよう、そういった気風の醸成に努めることで審議の活性化を図
り、取締役会の運営が閉鎖的・形式的なものとならないよう努めています。
21
【補充原則4‐12①】
取締役会は、会議運営に関する下記の取扱いを確保しつつ、その審議の活性化を図るべきである。
(ⅰ) 取締役会の資料が、会日に十分に先立って配布されるようにすること
(ⅱ) 取締役会の資料以外にも、必要に応じ、会社から取締役に対して十分な情報が(適切な
場合には、要点を把握しやすいように整理・分析された形で)提供されるようにすること
(ⅲ) 年間の取締役会開催スケジュールや予想される審議事項について決定しておくこと
(ⅳ) 審議項目数や開催頻度を適切に設定すること
(ⅴ) 審議時間を十分に確保すること
当社取締役会においては、取締役会資料の事前配付につき、検討に必要な期間を十分に考慮すると
ともに独立社外取締役・社外監査役に対し、取締役会資料に係る事前説明の実施及び関連情報等の提
供等を行っています。
また、次年度取締役会の年間スケジュール及び予想審議事項等については、前年11月に決定して
おり、その策定においては、取締役会の開催頻度及び開催時期等の適切な設定、審議時間の十分な確
保等をこころがけています。
当社取締役会については、これらの取扱いを確保しつつ、その審議の活性化を図っています。
【原則4‐13】情報入手と支援体制
取締役・監査役は、その役割・責務を実効的に果たすために、能動的に情報を入手すべきであり、
必要に応じ、会社に対して追加の情報提供を求めるべきである。
また、上場会社は、人員面を含む取締役・監査役の支援体制を整えるべきである。
取締役会・監査役会は、各取締役・監査役が求める情報の円滑な提供が確保されているかどうかを確認
すべきである。
取締役・監査役は、自らの役割・責務を実効的に果たすために必要な情報については能動的に会社
に対して提供を求め、当社は当該要求に対して真摯に対応するほか、取締役・監査役に提供すること
が必要と判断される情報等については、要求の有無にかかわらず積極的に提供することで、取締役・
監査役の職務を補佐する体制としています。
また、取締役は秘書部、監査役は監査役室がそれぞれ取締役・監査役と会社との窓口部署としてお
り、秘書部は秘書部長、監査役室は監査役室長が責任者となり、その配下に取締役・監査役を支援す
るために必要な人員(スタッフ)の配置を行っています。
取締役会・監査役会は、各取締役・監査役が求める情報の円滑な提供が、上記体制により確保され
ているかどうかを確認し、不十分であると認められる場合においては、相応の体制を会社に対して求
めることとしています。
22
【補充原則4‐13①】
社外取締役を含む取締役は、透明・公正かつ迅速・果断な会社の意思決定に資するとの観点から、
必要と考える場合には、会社に対して追加の情報提供を求めるべきである。また、社外監査役を含む
監査役は、法令に基づく調査権限を行使することを含め、適切に情報入手を行うべきである。
当社取締役(社外取締役を含む)及び監査役(社外監査役を含む)は、
【原則4-13】
【補充原則
4-13③】に記載の体制のもとで、自らの役割・責任を果たすために必要と考える情報の提供を能
動的に求め、取締役は、得られた情報等に基づき透明・公正かつ迅速・果断な会社の意思決定を行う
ことに努め、また、監査役においては法令に基づく調査権限を行使することを含めて、適切に情報入
手を行うこと等により実効的な監査に努めています。
【補充原則4‐13②】
取締役・監査役は、必要と考える場合には、会社の費用において外部の専門家の助言を得ることも
考慮すべきである。
取締役及び監査役が、コンサルタントや弁護士、会計士等の外部の専門家に対して相談、助言を求
めたり、又は情報や資料の提供、調査、評価等を依頼するなど、自身が果たすべきその役割・責務を
全うするためには第三者の意見や視点等が必要であると判断する場合は、それら外部の専門家を積極
的に利用し、適確な判断に資するよう努めています。
なお、取締役及び監査役が外部の専門家を利用する際の費用は、会社に求めることが出来るものと
し、会社はその費用を負担することとしています。
【補充原則4‐13③】
上場会社は、内部監査部門と取締役・監査役との連携を確保すべきである。また、上場会社は、例
えば、社外取締役・社外監査役の指示を受けて会社の情報を適確に提供できるよう社内との連絡・調
整にあたる者の選任など、社外取締役や社外監査役に必要な情報を適確に提供するための工夫を行う
べきである。
当社は、社長直轄の業務監理室を設置し、業務監理室の監査を中心とした内部監査システムを確保
しており、同室が業務全般に関して実施した内部監査の結果については、社長及び監査役に対して報
告することとしています。
また、社外取締役・社外監査役 に対する適確な情報提供を行う体制として、社外取締役は秘書部、
社外監査役は監査役室がそれぞれ社外取締役・社外監査役と社内との連絡・調整を行うこととし、秘書
部は秘書部長、監査役室は監査役室長がその責任者となっています。
秘書部長及び監査役室長は、社外取締役・社外監査役からの指示を受けて会社の情報を適確に提供
するほか、必要に応じて社外取締役・社外監査役との連携を図れる体制とすること等により、社外取
締役・社外監査役の職務を補助し、その実効性を高めるよう努めています。
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【原則4‐14】取締役・監査役のトレーニング
新任者をはじめとする取締役・監査役は、上場会社の重要な統治機関の一翼を担う者として期待さ
れる役割・責務を適切に果たすため、その役割・責務に係る理解を深めるとともに、必要な知識の習
得や適切な更新等の研鑽に努めるべきである。このため、上場会社は、個々の取締役・監査役に適合
したトレーニングの機会の提供・斡旋やその費用の支援を行うべきであり、取締役会は、こうした対
応が適切にとられているか否かを確認すべきである。
新任者をはじめとする取締役・監査役は、その役割・責務を適切に果たすために、会社が定期的に
開催する経営陣を対象とした社内研修会に参加するとともに、適宜、社外研修に参加するなど、必要
な知識の習得・更新に努めています。
一方、当社は取締役・監査役に対し、社外研修会への案内を行うなど機会の提供・斡旋を行い、そ
の参加費用は会社が負担することとしています。
また、取締役会ではアンケート形式での自己評価を行う上で、取締役・監査役のトレーニングに係
る項目を設け、対応が適切であるかの確認を行っています。
【補充原則4‐14①】
社外取締役・社外監査役を含む取締役・監査役は、就任の際には、会社の事業・財務・組織等に関
する必要な知識を取得し、取締役・監査役に求められる役割と責務(法的責任を含む)を十分に理解
する機会を得るべきであり、就任後においても、必要に応じ、これらを継続的に更新する機会を得る
べきである。
社外取締役・社外監査役を含む当社取締役・監査役に対して、その就任の際に、当社の事業・財務・
組織等に関する必要な知識、並びに取締役・監査役に求められる役割と責務(法的責任を含む)につ
いて、説明の機会を設けています。
また、就任後においても、必要に応じて知識を習得・更新する機会を設けています。
【補充原則4‐14②】
上場会社は、取締役・監査役に対するトレーニングの方針について開示を行うべきである。
当社は取締役及び監査役を対象とした社内研修を開催し、また、当社の費用において社外講習会へ
の参加や関係団体への交流会等への出席を案内するなど、取締役・監査役の自己研鑽をサポートする
方針としています。
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第5章 株主との対話
【基本原則5】
上場会社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場以外にお
いても、株主との間で建設的な対話を行うべきである。
経営陣幹部・取締役(社外取締役を含む)は、こうした対話を通じて株主の声に耳を傾け、その関
心・懸念に正当な関心を払うとともに、自らの経営方針を株主に分かりやすい形で明確に説明しその
理解を得る努力を行い、株主を含むステークホルダーの立場に関するバランスのとれた理解と、そう
した理解を踏まえた適切な対応に努めるべきである。
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るためには、株主と積極的な対話を行い、そ
の意見や要望を経営に反映させ、株主とともに当社を成長させていくことが重要と考えており、IR
担当役員を中心とするIR体制を整備の上、対話により株主の声に耳を傾けることに努め、また、当
社の経営戦略や経営計画に対する理解が得られるように努めています。
【原則5‐1】株主との建設的な対話に関する方針
上場会社は、株主からの対話(面談)の申込みに対しては、会社の持続的な成長と中長期的な企業
価値の向上に資するよう、合理的な範囲で前向きに対応すべきである。取締役会は、株主との建設的
な対話を促進するための体制整備・取組みに関する方針を検討・承認し、開示すべきである。
当社は、株主との対話(面談)は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すること
であると認識しており、対話(面談)の申込に対しては可能な限り対応しています。
株主との建設的な対話(面談)を促進するための体制として、担当取締役及びIR担当役員が関連
部署を統括し、部署間の連携を図るとともに、IR・広報部を担当部署として積極的なIR活動に努
めています。
また、対話(面談)を促進するための取組みとしては、株主総会、半期ごとの決算説明会、個別面
談などの実施により、当社と株主の双方向のコミュニケーションが行われる機会の充実を図っていま
す。
これらIR活動によって収集された情報については、必要に応じてIR担当役員が経営陣幹部にフ
ィードバックしています。
なお、株主との対話(面談)においては、インサイダー情報の漏洩防止に努めています。
【補充原則5‐1①】
株主との実際の対話(面談)の対応者については、株主の希望と面談の主な関心事項も踏まえた上
で、合理的な範囲で、経営陣幹部または取締役(社外取締役を含む)が面談に臨むことを基本とすべ
きである。
当社では、社長が年2回開催する決算説明会の際、様々な質問に回答するほか、株主の希望や関心
事項を踏まえた上で、合理的な範囲で、担当取締役をはじめ、IR担当役員、IR・広報部が対話(面
談)に応じています。
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【補充原則5‐1②】
株主との建設的な対話を促進するための方針には、少なくとも以下の点を記載すべきである。
(ⅰ) 株主との対話全般について、下記(ⅱ)~(ⅴ)に記載する事項を含めその統括を行い、
建設的な対話が実現するように目配りを行う経営陣または取締役の指定
(ⅱ) 対話を補助する社内のIR担当、経営企画、総務、財務、経理、法務部門等の有機的な
連携のための方策
(ⅲ) 個別面談以外の対話の手段(例えば、投資家説明会やIR活動)の充実に関する取組み
(ⅳ) 対話において把握された株主の意見・懸念の経営陣幹部や取締役会に対する適切かつ効
果的なフィードバックのための方策
(ⅴ) 対話に際してのインサイダー情報の管理に関する方策
当社における、株主との建設的な対話を促進するための方針は以下のとおりです。
(ⅰ)当社は、株主との建設的な対話が実現できるよう、担当取締役を定めるとともに、IR活動
全般を統括する者として、IR担当役員を選任しています。
(ⅱ)IR担当役員は、IR活動に関連するIR・広報部、経営企画部及び経理部を管轄し、日常
的に部署間の連携を図っています。
また、総務法務部を含めた関連部署は、開示資料の作成・審査や必要な情報の共有など、綿
密に連携を取りながら業務を遂行しています。
(ⅲ)株主総会の場以外においても株主との建設的な対話を行うために、株主と経営トップとの対
話の機会として、社長が出席する決算説明会を年2回開催し、社長自らが会社の現況や経営方
針を説明するとともに、出席者からの質問にも丁寧に回答しています。また、株主に対しては
半期に1回「事業のご報告」を郵送し情報開示の充実を図るほか、決算説明会資料をはじめと
するIR関連資料を当社ウェブサイトに掲載し、全てのステークホルダーに対して情報開示の
公平性が確保できるよう努めています。
(ⅳ)株主との対話において得られた意見などは、定期的に社長に報告するとともに、取締役・経
営陣及び関係部署へ必要に応じてフィードバックし、情報の共有・活用を図っています。
(ⅴ)インサイダー情報は適切に管理しており、株主との対話においてインサイダー情報の伝達
は行いません。また、決算情報の漏洩防止と公平性確保のため、決算発表前の一定期間はサイ
レント期間を設け、株主との対話を制限しています。
【補充原則5‐1③】
上場会社は、必要に応じ、自らの株主構造の把握に努めるべきであり、株主も、こうした把握作業
にできる限り協力することが望ましい。
当社は、毎年3月末及び9月末時点における株主名簿及び当該関連統計表等により、株主名簿上の
株主構成は把握していますが、例えば機関投資家など、名簿上の株主とその実質的な権利者が異なる
ものについてその構造を把握することについては、その必要性を合理的に判断して行うこととしてい
ます。
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【原則5‐2】経営戦略や経営計画の策定・公表
経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すととも
に、収益力・資本効率等に関する目標を提示し、その実現のために、経営資源の配分等に関し具体的
に何を実行するのかについて、株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行うべきである。
当社は、2014年度から2016年度までの中期経営計画を策定し、環境変化にとらわれず常に営業利益
率5%以上を確保すべく取り組んでいます。
具体的な施策としての事業方針である①電力インフラ事業への貢献、②地域密着への更なる強化、
③首都圏での一層の事業展開、④海外における長期的事業展開に経営資源を投入し、取り組んでいま
す。
以 上
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