C.専門科目の履修について 1.両学科共通の注意事項 (1)各学科の教育目標とする人材育成を図るための専門科目を修得することになります。学生 は、所属する学科のA群の科目の単位を取得しなければ、他の学科の専門科目を履修するこ とができません。 (2)各学科の専門科目は(下記の学科ごとの説明にあるように)4分野(A群∼D群)に分け られています。A群およびB群の授業科目は、基礎的な専門知識を習得する基盤科目と応用 科目で構成されています。 (3)両学科とも、A群の基盤科目「Ⅰ」を一定レベルの成績で修得しなければ、B群の応用科 目「Ⅱ」を履修することはできません。具体的には、「Ⅰ」の科目を履修し、合格の最低レ ベルの成績「C」を修得したとしても、一定の水準「C+」にまで達しない場合は、「Ⅱ」 の科目を履修することができません。したがって、「Ⅱ」の科目を履修希望する場合は、一 定の水準に至るまで実力を高めなければなりません。 ただし、3年次以降の学生で、以前に履修したが、一定のレベルに達しなかった者で、 「Ⅱ」の履修を希望する場合、履修の実力があるかどうかを確認するための試験や履修科目 の調査を行いますので、ガイダンスの際に申し出てください。 (4)C群の専門科目は基礎的な専門知識を修得した学生が、さらに高度な科目修得へとステッ プアップするための科目です。しかしまた、現代社会の多様な諸相を反映して学科の専門性 も多様化し、問題解決のための知識体系も常に見直しが迫られていることも事実です。こう したことから、ある程度の専門性と幅広い関連分野の知識修得を目的に科目を配置しまし た。両学科のC群科目は、両学科の学生が自己の興味ある分野について、学科に関係なく自 由に履修することができます。 (5)D群の科目は専門ゼミナールです。履修条件および年次は以下のとおりです。 第4セメスター(2年次後期)と第5セメスター(3年次前期)および第6セメスター (3年次後期)で開講される専門ゼミナールⅠ、Ⅱ、Ⅲを履修する場合、原則として履修希 望するゼミナール担当教員の専門科目および専門関連科目を履修もしくは単位取得をしてい なければなりません。平成2 1年度以降入学生からは卒業要件において、専門ゼミナールは4 単位が必修となります。 (専門ゼミナールⅠとⅡを必ず履修してください。 ) 専門ゼミナールⅠ、Ⅲは2年次と3年次が合同して受講します。専門ゼミナールⅡは3年 次学生のみのゼミナールとなります。この少人数ゼミナールにおいて、専門性を深め、ま た、下級年次の学生を指導する能力も身につけます。 他学科の専門ゼミナールを履修することもできます。この場合も、現在履修している、あ るいはすでに履修した専門科目の担当教員のゼミナールを履修しなければなりません。 なお、受講者制限(2 0名以内)がありますので、希望するゼミナールを選択できないこと もあります。また、専門ゼミナールⅠ、Ⅱ、Ⅲでは、できるだけ異なる教員のゼミナールを 履修することを勧めます。 ゼミナールⅣは、4年次の第7セメスターに行われます。主たる内容は卒業論文作成の指 導を受けるものです。あらかじめ指導を受けたい教員と相談し、その許可を得て、履修して ください。卒業論文を書く場合は、専門ゼミナールⅣを必ず履修しなければなりません。卒 −5 4− 業論文を書くことによって4単位が認定されます。 その他、専門性をさらに深めるということよりも、幅広い知見を獲得しようと考える場合 は、各セメスターにおいて、他学科の専門ゼミナールを含め、できるだけ多くの教員の専門 ゼミナール履修するようにしてください。 2.商学科専門科目の履修について 商学を中心に学ぶ商学科では、少人数教育という本学の特色を最大限に生かしながら、ビジネ ス分野で必要とされる高度な知識や専門性の育成を目指しています。本学科のカリキュラムは、 現実のビジネスを体系的に理解することに重点を置いています。現代社会では、生活に資する膨 大な商品の流れを、さまざまなビジネスが担っていますが、その要諦は合理的な思考と判断に基 づき、取引上の信頼関係と相互利益および社会発展をもたらす事業活動の創出にあり、このよう な視点を踏まえながらビジネスに関する知識の習得を目指します。 商学科の専門科目は学習の段階別に基盤科目であるA群、発展科目であるB群、応用科目であ るC群と、3つに区分されています。基盤科目であるA群はビジネスのプラットホーム(基盤) を重点的に学ぶ科目群で、専門知識習得のいわば起点にあたります。具体的には商学、経営学、 会計学の基礎をビジネスの実態に照らし合わせながら体系的に学び、併せてグローバルに展開す る流通や金融の基本的知識を習得できるよう、工夫が凝らされています。これを受けて展開され るのが商学発展科目であるB群で、講義内容はA群と強く結びついた、対をなす構成になってい ます。商学応用科目であるC群はより専門性の高い科目群で、基盤・発展の二つの科目群で習得 した知識を前提としています。ただしそうした知識がなくても理解できるよう配慮もされていま す。所属学科に関係なく、各自興味のある分野について積極的に履修し、学問の幅を広げられる ことを願っています。 (1)A群(商学基盤科目) A群は基盤科目群であり、商学科の専門諸科目を履修する際に求められる基礎知識を獲得 する科目群です。 この科目群は、商学の理念、歴史、政策などを体系的に学ぶ「マーケティングⅠ」、生産 物を生産者から消費者へ引き渡す仕組みを学ぶ「物流システム論Ⅰ」、生産者から消費者に 至る流通チャネルのコントロールを学ぶ「流通戦略論Ⅰ」、企業と経営の仕組みを学ぶ「企 業経営論Ⅰ」 、組織の効率的・効果的な運営を体系的に学ぶ「人的資源管理論Ⅰ」 、金融ネッ トワークの中心に位置する金融機関の制度および役割に関する基礎知識を学ぶ「金融システ ム論Ⅰ」 、国境を越えて展開される流通ネットワークや国際取引を総合的に分析する「国際 経営論Ⅰ」から構成されています。 また、商学の実務的技能に関する「アカウンティングⅠ」を配置して、複式簿記の基本原 理と手続きを理解し、企業の経営者や管理者のための「経営分析論Ⅰ」 、 「管理会計論Ⅰ」を 学びます。 (2)B群(商学発展科目) B群は生産から消費に至るまでの商品の流通や管理の側面を念頭に、各分野の理解を深め る科目群です。この科目群は、マーケティングの理念、機能や組織、顧客との関連性などを 体系的に学ぶ「マーケティングⅡ」、地域産業の振興や消費者ニーズに効率的に応えるため のリージョナル・ロジスティクスや物流情報システムについて理解を深める「物流システム 論Ⅱ」 、制度や機能の単なる分析に終わらず流通チャネル構造のダイナミズムを戦略的手法 から新たに研究する「流通戦略論Ⅱ」、企業の成立発展過程や現状分析、国際比較や展望な −5 5− ど、幅広い観点から企業を解明する「企業経営論Ⅱ」、さらに証券市場と証券取引、運用資 金調達、株式投資の基本などを踏まえ、各種投資商品や投資手法について理解を深める「金 融システム論Ⅱ」 、キャリア開発のためのマネジメントについて理解を深め、企業家機能の 視点から人材マネジメントなどを考察する「人的資源管理論Ⅱ」、いまや商取引の大きな流 れになりつつある電子商取引の社会経済的基盤、およびその進展が国際経営システムに及ぼ す影響について概観する「国際経営論Ⅱ」、新たな視点から実務に役立つ企業会計の基礎を 学ぶ「アカウンティングⅡ」 、 「管理会計論Ⅱ」 、 「経営分析論Ⅱ」から構成されています。 (3)C群(商学応用科目) C群は、これまで学んだ現代ビジネスの理論や技術などを実際のケースに当てはめて学ぶ 科目群です。この科目群は、企業その他の事業組織が提供する財やサービスについて学ぶ 「流通論」や「広告論」 、外国市場における取引の圧倒的な部分が貿易とは異なる金融取引に よるものになってきた現実を分析する「国際金融論」、起業という社会的営みを中心的題材 に企業家機能を醸成するための具体的なケースについて考察する「アントレプレナーシップ 論」 、欧米・アジアにおける最先端の経営組織やビジネスニーズを調査し、それを日本の企 業に適用した場合をより深く学習する「国際経営組織論」や「国際ビジネスコミュニケーシ ョン」 、企業数で圧倒的多数を占める中小企業の経営についてベンチャー・ビジネスを含め 探る「中小企業経営論」や、企業の存続と発展に不可欠な戦略的行動を考察する「企業経営 戦略論」 、原価計算の仕組みと方法を検討する「原価計算論」 、企業が利害関係者に対して一 定期間の経営成績や財務状態等を明らかにするために作成される報告書を読み解く「財務諸 表論」から構成されています。 以上のように、商学科のカリキュラムでは、今日の国際化、情報化、環境志向の高まりの 中で大きく変貌する現代ビジネスに関する幅広い専門的知識や技能を系統的、学際的に履修 することができます。このカリキュラム体系を図式化して示すと、右図のようになります。 −5 6− 3.観光産業学科専門科目の履修について 観光産業学科では、学科の専門科目を履修する際に求められる必須知識を獲得する「基盤 科目」 (A群) 、続いて持続可能な2 1世紀型観光の展開と不可分な領域である“環境”との関 係性についても理解と考察を深める「発展科目」 (B群)を学び、観光産業に関する幅広い専 門知識を系統的・学際的に積み上げていくよう設定している。「応用科目」 (C群)には、あ る程度の専門性と幅広い関連分野の知識修得を目的に科目を配置し、さらに所属学科に関係 なく学生が自己の興味ある分野について、両学科相互に他学科の科目を履修することを可能 にして、学習の幅を拡大できるよう配慮している。 (1)A群(観光基盤科目) A群は、観光産業学科の専門諸科目を履修する際に求められる必須知識を獲得する科目群 です。この科目群は、観光の定義や歴史、観光者の心理や行動などを学ぶ「観光学Ⅰ」、観 光開発に関する国内外の事例を基に観光資源の開発と保全のあり方、観光地域における経済 的諸問題などを学ぶ「観光事業論Ⅰ」、国内に分布する多数の観光地の資源や地理学的特徴 などを学ぶ「観光地理論Ⅰ」、現在に至る日本の観光政策の流れと歴史的背景、飛躍的進歩 を遂げるアジア観光の現状やそれを可能にした模範的観光政策などを学ぶ「観光政策論 Ⅰ」 、観光産業における国内外の観光地域が形成される状況を把握し、その地域形成にとも なう過程のさまざまな諸問題等について考察し、観光地域のあり方について学ぶ「観光産業 論Ⅰ」 、文化、自然を活用した観光による地域再生の手法、日本とアジア諸国における観光 振興の具体的事例などを学ぶ「観光振興論Ⅰ」、情報化社会における観光産業のあり方につ いて情報化社会の特質を理解し、ITを活用した観光ビジネスなどを学ぶ「観光情報学Ⅰ」 から構成されています。 (2)B群(観光発展科目) B群は、持続可能な2 1世紀型観光の展開と不可分な領域である「環境」との関係性ついて も理解と考察を深める科目群です。この科目群は、顧客満足を高める要諦となるホスピタリ ティーの理論や事例などを学ぶ「観光学Ⅱ」、環境保全に配慮した観光のしくみ、個別観光 産業の事業内容、特性、現状、課題、各観光事業の環境問題への取り組みなどを学ぶ「観光 事業論Ⅱ」 、アジアをはじめとした国外に分布する多数の観光地の資源や地理学的特徴、さ らに持続可能な観光のための環境保全について学ぶ「観光地理論Ⅱ」、観光庁発足に至る日 本の観光政策の展開内容と持続可能性に配慮した2 1世紀観光の現状と方向性などを学ぶ「観 光政策論Ⅱ」 、観光乗数や観光者受け入れ社会の便益や費用、観光と環境容量、国内外のエ コツーリズムの実際などを学ぶ「観光産業論Ⅱ」、S.プログのセグメント(観光地の選 択)モデル、R.バトラーのTALC(観光地の寿命)モデルを活用し観光振興の理論化を 修得し、併せて小樽、知床、日光などを事例に実践的方法を把握する「観光振興論Ⅱ」、観 光情報学Ⅰで学んだ内容をさらに発展させて、地域観光情報を収集し、具体的な観光ツアー を企画する「観光情報学Ⅱ」から構成されています。 (3)C群(観光応用科目) C群は、観光産業の諸ビジネスの展開に際して求められる実用的知識について学ぶ科目群 です。この科目群は、多岐にわたる観光関連法規のうち旅行業に関わる旅行業法・旅行規則 に焦点を絞って学ぶ「観光関連法規」、観光情報と人々の観光行動、観光交通との関係、観 光調査手法の理論やデータ処理手順を学ぶ「観光調査論」、地方都市の観点から地域振興と 観光振興の関係性、創造的都市形成に求められる観光振興のあり方などを学ぶ「地域観光 −5 8−
© Copyright 2024 ExpyDoc