『ス ザ ン ナ』

マンスリー・プロジェクト 5 月
リーディング公演
『ス ザ ン ナ』
Suzannah
作 :
翻訳:
演出:
出演:
ヨン・フォッセ
アンネ・ランデ・ペータス 長島確
宮田慶子
青山眉子 津田真澄 山﨑薫
5 月 24 日(日)18:00/26 日(火)19:00
小劇場
「スザンナ」は、イプセンの妻の名前です。
1858 年、すでに劇作家として頭角をあらわしていたイプセン 30 才の時に、二人は結
婚しました。スザンナは、まだ 21 才でした。
それからおよそ 50 年…。ついにイプセンが命尽きるその日まで、この偉大な劇作家に
して、気難しく、繊細な、コンプレックスの強い一人の男を、誰よりも身近で観察し、
気を揉み、嫉妬をし、そして尊敬し、愛していたのが、妻・スザンナです。
イプセンを取り巻く華やかな女性達の何人もが、彼の劇作に影響を与えたと言われてい
ます。けれど、イプセンの女性に対する、辛辣なまでの洞察力と理解は、もしかすると
「妻・スザンナ」という確かなフィルターがあったからこそ生まれたのではないかと思
えます。
「近代劇の父」イプセンの、真の姿が見えてくる『スザンナ』を、お楽しみ頂きたいと
思います。
宮田慶子
情報センター
【キャスト】
年老いたスザンナ
青山 眉子
あおやま まゆこ
俳優座養成所を経て、1967 年に劇団俳優座入団。
でもなぜ来ないんでしょう
劇団以外の外部出演も多い。
イプセンもシグールも
[主な舞台]
もうイプセンったらいつも来ない
げ』『カラマーゾフの兄弟』『七人の墓友』『フィ
私の誕生日なのよ
ラボー・ラウレンシア』など。新国立劇場では『怒
食事するのよ
中年のスザンナ
『スティールマグノリアズ』『赤ひ
ーリアス』
『クレアモントホテル』
『大逆の影』
『ブ
涛』
『ヘッダ・ガーブレル』
『スザンナ(2010 年、
リーディング)
』に出演。
津田 真澄
つだ ますみ
何が言いたいの
青年座研究所を経て、1986 年劇団青年座入団。
どういう意味なの
[主な舞台]『をんな善哉』『世界へ』『地の乳房』
ってわたし聞くの
するとイプセンは首を振って
なんにも
舞台を中心に、テレビやアテレコなどでも活躍。
『UNIQUE NESS』『横濱短篇ホテル』『赤シャツ』
『昭和の子供』
『その受話器はロバの耳』
『フユヒ
コ』『ねずみ男』『欲望という名の電車』『壊れた
風景』『名は五徳』など。新国立劇場では『花咲
く港』
『西埠頭』に出演。
意味は無いよ
若いスザンナ
彼 よくここを通るの
山﨑 薫
やまざき かおる
文学座附属演劇研究所を経て、2012 年、新国立
劇場演劇研修所第 5 期修了。
この下の道を
[主な舞台]ドラマ『ご縁ハンター』、「100 分 de
ぱっと上を向いて
名著(ハムレットシリーズ)
」などに出演。
[主な
舞台]『アトミック☆ストーム』『から騒ぎ』『阿
立ち止まって待ってる
部定の犬』『炎立つ』『薮原検校』、リーディング
わたし彼のところに
「こころで聴く三島由紀夫『葵上』
」など。
『海の
かけ降りていくの
夫人』に出演中。
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アンネ・ランデ・ペータスさんと共に。
(稽古場にて)
作:ヨン・フォッセ
ノルウェーの劇作家・小説家。59年ノルウェー西部の生まれ。82年、小説『赤、
黒』で作家としてデビュー。以来、小説、詩集、エッセイ、児童文学を出版して
いる。90年代の初めより戯曲の執筆を開始。30を超える劇作は40以上の言語に翻
訳され、世界各国で上演されている。主な作品に〝21世紀のベケット〟と称賛さ
れた『だれか、来る』、ほかに『名前』『眠れ、よい子よ』『ある夏の一日』『死
のバリエーション』など。作品は無駄を極力排した構成で、リアリズムにおさま
らない詩的・音楽的な話法が特徴となっている。これまでに、イプセン演劇賞、
ノルウェー国立文化協会賞、ネストロイ賞など多数受賞し、〝イプセンの再来〟
と言われている。2010年の国際イプセン賞の受賞者。
翻訳:アンネ・ランデ・ペータス
演劇研究家・翻訳家。ノルウェー人。神戸生まれ。宣教師である親とともに、ノルウェーと日本の間を行き来し
、
て育つ。早稲田大学で落語を研究。翻訳には、2010 年に新国立劇場で上演されたイプセン『ヘッダ・ガーブレル』
ヨン・フォッセ『スザンナ』、ほかにヨン・フォッセ『僕は風』の日本語版がある。ノルウェー語には、三島由
紀夫『近代能楽集』、岡田利規『三月の5日間』などがある。現在、オスロ大学イプセン研究センター主催〈イ
プセン・イン・トランスレーション〉の一員として、イプセンの現代劇 12 作を日本語に翻訳中。夫と子供 3 人
とオランダ在住。
翻訳:長島 確
ながしま かく
ドラマトゥルク・翻訳家。P・ブルック作品の字幕操作を機に、戯曲の翻訳を始める。日本ではまだ数少ないド
ラマトゥルクとして、コンセプトの立案から上演テキストの編集・構成まで、身体や声とともにある言葉を幅広
く扱う。ベケットやサラ・ケイン、ヨン・フォッセらの戯曲の翻訳のほか、さまざまな演出家や劇団の作品に参
加。
「アトレウス家」シリーズや「つくりかた研究所」などのアートプロジェクトも積極的に進める。著書に『ア
トレウス家の建て方』、訳書にベケット『いざ最悪の方へ』。新国立劇場では『ヘッダ・ガーブレル』『効率学の
ススメ』を翻訳。ミクストメディア・プロダクト代表。中野成樹+フランケンズ所属。
演出:宮田 慶子
みやた けいこ
1980年、劇団青年座(文芸部)に入団。83年『ひといきといき』の作・演出でデ
ビュー。第29回紀伊國屋演劇賞個人賞(『MOTHER』青年座)、第5回読売演劇大
賞優秀演出家賞(『フユヒコ』)、98 年芸術選奨文部大臣新人賞(新国立劇場
『ディア・ライアー』)、第43回毎日芸術賞千田是也賞、第9回読売演劇大賞最
優秀演出家賞(『赤シャツ』『悔しい女』『サラ』)など受賞多数。新国立劇場
では『ディア・ライアー』のほか、『かくて新年は』『美女で野獣』『屋上庭園』
『ヘッダ・ガーブレル』『わが町』『おどくみ』『朱雀家の滅亡』『負傷者16人
─SIXTEEN WOUNDED─』『るつぼ』『長い墓標の列』『つく、きえる』『ピグマ
リオン』『永遠の一瞬 ─Time Stands Still─』『三文オペラ』『海の夫人』。
新国立劇場演劇部門 芸術監督。