統計学I レポート課題15:正規近似と正規母集団

統計学 I レポート課題 15:正規近似と正規母集団
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提出期限は、7月 10 日。
問題 40 人からなるクラスで統計学の試験を行ったところ、平均点は 60 点で分散は
289 であった。難易度が同程度の試験を一ヶ月後に行い、平均点が 55 点を下回れば
補講が行われる。なお学生の実力は一ヶ月後も変化しないものとする。
(1) 補講が行われる確率はどのくらいか?(母集団 X の分布は特に仮定しない。)
(2) 統計学の試験の点数は正規母集団に従うものとする。
(a) クラスからランダムに学生を一人選ぶとき、その学生の一ヶ月後の試験の点数が
55 点以下である確率はどのくらいか?
(b) 一ヶ月後の試験で、上位 10% に入るためには何点以上必要か?
∑40
解答 (1) 一ヶ月後の学生の点数を (X1 , X2 , . . . , X40 ) とする。その平均は X = i=1 Xi /40
となる。母平均は標本平均 60 で、母分散は標本分散 289 で推定するものとする。サン
プル数は十分大きいと考えられるので、教科書 p.155 の中心極限定理を当てはめる。
すると


X − 60
55 − 60 
P (X < 55) = P  √
< √
319
40
319
40
= P (Z < −1.860)
= 1 − P (Z ≤ 1.860)
= 1 − 0.9686 = 0.0314
となる。ここで Z ∼ N (0, 1)(標準正規分布)で正規分布表を用いた。よって確率は
0.0314 と非常に小さい。
(2) 同様に母平均は標本平均 60 で、母分散は標本分散 289 で推定するものとする。仮
定より母集団 X の分布は N (60, 289) となる。
(a) 各標本 Xi , i = 1, 2, . . . , 40 の分布は母集団 X の分布に等しいから、
)
(
55 − 60
X − 60
√
< √
P (X < 55) = P
289
289
= P (Z < −0.29) = P (Z > 0.29)
= 1 − P (Z ≤ 0.29)
= 1 − 0.6141 = 0.3859
1
と計算できる。つまり確率は 0.386 となる。
(b) 上位 10% となるためには C 点以上あればよい ⇔ C 点以上となる確率が 0.1 以下
であればよい。つまり、
(
)
X − 60
C − 60
√
P (X ≥ C) ≤ 0.1 ⇔ P
≥ √
≤ 0.1
319
319
)
(
C − 60
≤ 0.1
⇔P Z≥
17
が成り立てばよい。Φ(1.28) = 0.9 だから P (Z ≥ 1, 28) = 1 − P (Z ≤ 1.28) = 0.1 とな
る。このことに注意して、
C − 60
≥ 1.28 ⇔ C ≥ 81.76
17
であればよい。従って上位 10% に入るためには、81.76 点以上が必要となる。
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