環境への取り組み

環境への取り組み
商船三井グループは、環境技術の開発・導入、最小限の環境負荷での船舶運航、大気・海洋環境保全対策など、環境保全のた
めのさまざまな取り組みを通じて、環境にやさしいサービスで世界の海上輸送需要に応えていきたいと考えます。
環境における重要課題
ムが有効に機能していることを確認しています。
また、環境マネジメントが適切に機能していることを確
す。
重要課題特定にあたっては、
環境問題を巡る国際的な情
認するために、2003年より、外部の第三者監査機関DNV
勢を考慮するとともに、
顧客、
投資家をはじめとしたステークホ
GL ビジネス・アシュアランス・ジャパン
(株)
により、年一回
ルダーの意見なども参考にしながら社内での分析を進めまし
の定期監査と3年に1回の更新監査が実施され、環境マネ
た。
最終的にCSR・環境委員会の審議を経て、
環境について以
ジメントシステムの国際規格であるISO14001認証を取得
下5つの重要課題を特定しました。
しています。なお、2014年度の監査の結果、不適合がない
い、
全世界の海上貨物量は増加を続けています。
海上荷動きは
❶ 環境規制への対応
ことを確認しました。
100億トンを超え、
今後さらに増加することが見込まれます。
海上
❷ 環境負荷低減技術の活用
荷動きが増加することで、
エネルギー消費の増大によるCO₂排
❸ 環境データの開示
出量増が地球温暖化など、
さまざまな環境問題を深刻化させて
❹ 安全運航の徹底
(詳細は安全運航の項参照)
います。
特に外航船舶から排出されるCO₂は、
全世界の約2%と
❺ 生物多様性保護への貢献
海運はほかの輸送手段に比べ、
一度に大量の物資を運ぶこ
とができ、
単位輸送当たりのCO₂や大気汚染物質の排出量が
NOx
少ない、
環境にやさしいエコな輸送モードです。
しかし、
その一方で新興国の発展による世界経済の成長に伴
SOx
CO2
2,000~8,000dwt
廃油 ビルジ 船内廃棄物
21
バラスト水
50
船体付着物
中期環境目標に沿った環境目標を設定し、
その達成に向け
たアクションプランを策定します。それとともに、各社の環
環境取り組み体制
境負荷データ
(燃料消費量、電力、紙、
ゴミなど)
を集計して
当社では、
環境方針に沿って、
環境への取り組みを確実に
推進するために、
社長の最高意思決定のもと、
経営会議に直
540
結する下部組織であるCSR・環境対策委員会が環境に関わ
出典:lCS & NTM, Sweden.
目標制度」
を導入しています。自社の事業活動に伴う環境
コンプライアンス
15
国内外の主要グループ会社を対象とする
「グループ環境
負荷について、一定のガイドラインのもとで毎年度各社が
解撤/リサイクル
飛行機/トラック/船舶 CO2排出量対比表(単位:グラム/トン・キロ)
8,000dwt 以上
グループ環境目標制度
安全運航
なっており、
環境問題への対策が必要となってきています。
CSR
重要課題を特定し、
現在その解決に積極的に取り組んでいま
海運が環境に与えている影響
る各施策の立案・推進を担っています。
同委員会で、
当社の環
います。
対象会社数
国内52社
海外20社
グループ会社の環境への取り組みについては、Webサイトを参照
境に関するリスクと機会を評価した上で、
当社グループの環
環境方針
み目標を策定し、
環境に配慮した事業活動の実現に努めてい
ます。
2014年3月、
2014年度からの中期経営計画
「STEER
ループ環境憲章を策定しました。
商船三井グループ環境憲章
商船三井グループは、世界経済のインフラを支える総合輸送グループとして、人類全体の問題である
海洋・地球環境の保全のために、企業活動全般において環境保全に配慮して行動します。
方 針
2.
私たちは、環境に関連する法規等の遵守はもとより、
さらに自主目標を設定して一層の環境負荷軽減を推進します。
3.
私たちは、環境目的及び環境目標を設定するとともに、
これらを定期的に見直す枠組みを構築して、海洋・地球環境保全の継続的な改
善に努めます。
で、非常に重要な道標です。規制の目指す方向性を見
[環境取り組み目標についての詳細は P.33-34]
6.
私たちは、環境改善技術の開発・導入を推進します。
7.
私たちは、環境教育・広報活動を通じて、商船三井グループ社員の環境保全に対する意識の向上を図るとともに、本環境憲章の浸透を
8.
私たちは、本環境憲章を一般に公表するとともに、環境関連情報を積極的に開示します。
9.
私たちは、企業活動を通じて社会貢献に努めるとともに、環境保全活動への参加・支援に努力します。
商船三井グループ 安全・環境・社会報告書 2015
所・機器メーカーと協力して、環境に関心の高いお客様
環境管理責任者
(CSR・環境対策委員会委員長)
環境対策担当役員
(事務局:経営企画部
CSR・環境室)
各部室
(CSR・環境対策委員会副委員長)
各部室長
(環境対応責任者)
環境マネジメントシステム
当社の事業における環境リスクや機会を適切に把握・
管理するため、2001年4月より環境マネジメントシステム
「MOL EMS21」
を構築し、継続的な改善活動を実施して
います。MOL EMS21では、毎年CSR・環境室による内部監
のニーズに応えていくことで、技術面での差別化を実
現しています。
ハード・ソフト両面において、
できることはまだまだあ
ります。新技術に果敢に挑戦し、運航現場からのフィー
ドバックや知見を得て、さらに
その先の技術につなげていく、
当社の研究開発はそのような
積極姿勢を貫いていきます。
データ
図ります。
減・燃費効率向上に努めてきました。営業部門、造船
経営会議
CSR・環境対策委員会
極め、的確に積極的に対応していくことが重要です。
当社はこれまでも積極的且つ自主的に環境負荷低
環境推進体制
4.
私たちは、省エネルギー、省資源、
リサイクル、廃棄物の削減に積極的に取り組みます。
5.
私たちは、環境に配慮した製品・資材及び船舶の調達を推進します。
環境規制は我々が環境対応技術を導入していく上
社会貢献活動
1.
私たちは、船舶の安全運航を徹底することを始めとして、
あらゆる面で海洋・地球環境の保全に取り組みます。
定しました。
環境技術 担当役員のコメント
環境
理 念
FOR 2020」
において、
3ヶ年の新しい環境取り組み目標を設
人材育成
境経営における重要課題を特定します。
その上で環境取り組
私たちは、
当社グループの事業活動が与える環境負荷を十分自覚し、
海洋・地球環境保全を推進するために、
2000年に商船三井グ
31
者である委員長が、内部監査の結果報告を受け、本システ
特集
当社は2014年3月に、
優先して対応すべき環境に関する
査を実施し、CSR・環境対策委員会において、環境管理責任
執行役員
川越 美一
商船三井グループ 安全・環境・社会報告書 2015
32