PDF - 静岡県歯科医師会

平成27年度 事 業 計 画
わが国では、少子化と高齢化という国のあり方を大きく左右する社会構造の変化に対応すべく、
社会保障制度の再構築が求められています。とりわけ世界に類を見ない速度で進行する超高齢
化の中で、悲惨な状況の高齢者で溢れる社会を迎えるのか、それとも国民が互いに支えあうこと
が出来る社会を迎えるのか、その正念場に立っていると言わざるをえません。施行後 14 年を迎え
た介護保険制度は、改めて医療保険と併せて「医療と介護の総合的確保」を目指すものとされ、
これを中心として、本県でも医療や介護関係者、住民などとの連携により「地域包括ケア」を具現
化していく動きが進みつつあります。
このような状況にあって、歯科医療は高齢者や要介護者はもとより、県民の健康な生活を守る
ための欠かせない役割を担っています。われわれ歯科医師は「食」や「会話」という県民の生活や
生きがいを支えることを職責として、役割を果たすべく努力を続け、歯科医師会はその支援と体制
の整備にあたってまいります。また今後はさらに、超高齢化社会の中で、在宅や施設への歯科保
健医療を推進する一方で、日常の外来歯科診療によって機能歯をより多く残すことや口腔機能を
保持増進することで、県民の健康度や高齢者の自立度が向上することを、これまで積み上げてき
た様々なエビデンスを基に、広く県民への周知を図ってまいります。
また、要介護高齢者は年々増加していますが、口腔内の状況が悪化しやすく、70%以上が歯
科治療が必要であるにも拘わらず、実際の受療率は 30%以下にとどまっています。今後は新たな
財政支援措置(基金事業)を活用するなどして、在宅歯科医療に携わる歯科医療従事者の数を
増やすとともに、医科をはじめ関係職種との連携を促進することで、在宅歯科医療の環境整備を
図ります。また、地域において病院~施設~在宅にいたる過程の中で、郡市区歯科医師会およ
び会員との協力の下に、県民への切れ目のない歯科医療および口腔管理が提供できるよう努め
てまいります。
歯科保健活動の代表格である 8020 運動は、すでにヘルスプロモーションの成功事例として取
り上げられることが多くなりましたが、本会ではさらに「静岡県民の歯や口の健康づくり条例」と「市
町条例」を基軸として、周産期から高齢期まで、県民の各ライフステージや生活のあらゆる場面に
応じた歯科保健医療の推進に取り組んでまいります。しかしながら、国および県の財政上の問題
もあり、歯科保健関連の事業予算は極めて公益性や公共性が高いのにも拘わらず、大幅削減の
危機にあります。何としても、歯科保健事業の推進に支障をきたすことが無いよう、郡市区歯科医
師会および県歯連盟などと協調して歯科保健医療関連予算の獲得に努めてまいります。
さらに、郡市区歯科医師会との協働により、引き続き本会の組織率が向上するよう入会促進対
策にあたります。地域や人の絆が改めて見直されている世相の中で、歯科医師会は県や市町に
あって、「個」と「個」、「集団」と「集団」を繋ぐ組織として存在してきました。また歯科医師会の大き
な役割の一つに、会員からの会費の有効活用や会員メリットを享受できるような仕組みを若手歯
科医師に伝えることがあります。次世代を担う歯科医師の入会を促進し、より多くの歯科医師の団
結により組織力を強化することで、県民のさらなる健康増進や健康寿命の延伸に繋げていくこと
に意義があります。
最後に、新法人移行後3年目にあたり、改めて諸規則などの見直しを行い、適切な運用および
財政の健全化について、引き続き必要かつ現実的な施策を履行してまいります。日歯およびいく
つかの県歯科医師会が会費免除年齢の引き上げを実施している中、本会としては組織機構およ
び事業を見直す中で、引き締めを図ってまいる所存です。
以上のような認識の下、地域医療を担う会員診療所の環境整備を図り、地域社会における歯科
医療の位置づけを高めるべく、役員と職員が一丸となり、覚悟と責任をもって取り組んでまいりま
すことを基本方針といたします。(文責 柳川忠廣)
1.広 報 情 報 部
情報とは、発信者から何らかの手段(媒体)を通じて受信者に伝達される内容のことで
す。歯科医師会の伝達する内容は歯科関係であることは間違いありませんが、様々な情報
を入手・整理し、ITを活用して会員、郡市区歯科医師会、静岡県歯科医師会の各部会な
どに迅速に情報を提供、共有できるようにいたします。
広報関係では、パブリシティの観点からマスメディアに対してプレスリリースやメディ
ア懇談会を行い、歯科に関わる情報提供の場を意識的に作ります。またHPや前年からス
タートした Facebook なども活用して県民に対して静岡県歯科医師会の方向性を広く示し
ていきたいと考えています。会員へは歯県伝、県歯報はもとより、情報メール、メルマガ
を通して情報を共有できるようにしていきます。
情報関係では、必要とする情報をいつでも享受できる環境をさらに整備し、会員が安心
してITを活用できるようサポートしていきたいと考えております。また、災害時におけ
る分野でもITを利活用し、会員や郡市区歯科医師会との連携を強化する事業を展開いた
します。
1.広報関係
(1)県歯報の発行
①
特集企画(年間、単発)
②
外部等への原稿依頼
③
本会諸行事の取材
④
会員交流の促進
(2)歯県伝の発行
①
トピックスの企画
②
本会諸行事の取材
③
外部等原稿の依頼
④
歯県伝PDF版の県歯ホームページ(会員ページ)への掲載
(3)対外広報活動
①
11月8日(いい歯の日)イベント(新規)
②
対外広報誌「Smile」の作成
③
対外諸行事の取材および報道
④
マスメディアによるPR(テレビ・新聞・懇談会の開催等)
⑤
県歯ホームページ(一般ページ)の管理
⑥
SNSの管理・情報掲載
⑦
報道関係社へのプレスリリース
(4)県歯報・歯県伝への情報掲載
(5)需要拡大対策事業
2.情報関係
(1)ホームページの運営
(2)郡市区歯会との情報連携
①
メールマガジンの配信(毎週金曜日、隔週火曜日)
②
スカイネット情報の更新
③
Gmailを利用した情報配信
④
携帯電話による訃報配信
(3)ライブ映像配信
①
映像配信サイトを使ったライブ映像配信(学会・講演会等)
②
郡市区歯会サテライト受信・配信(学会・講演会等)への協力
(4)災害時への対応
①
②
ITを利用した災害時における情報収集と支援システムの強化
歯科所見データベース化事業の継続(名称変更)
(5)本会事務局のIT化推進
①
ITを利用した各部事業効率化への協力
②
来館文書、冊子、書籍等のデジタル化
(6)IT推進講習会の開催(情報担当者会議等)(改編)
3. 本会役員・郡市区歯会担当役員合同協議会(分科会)
4.総合政策検討室への協力
【参
考】廃
止
・スマイルフォトコンテスト
・電子レセプト化への支援
・会員ページの更新と調査検討
・広報部との連携によるSNS導入の検討
・テレビ会議システム導入の検討(県歯役員間・部会等)
2.医 療 管 理 部
医療管理部の使命は大変幅広いものがありますが、その主眼は会員のコンプライアンス
を支援すること、それに会員診療所の機能強化を支援することにあります。
前者においては、医療安全への積極的な取り組み・廃棄物の適正な管理・時局に即した
税務関連の情報提供などが挙げられます。医療機関としての社会的責任を果たすためには、
さまざまなルールの熟知確認と遵守が不可欠であり、まずこれらについて会員への発信、
支援につとめます。
また後者では、新規入会者への説明会・医療連携の推進・主として歯科衛生士関連の雇
用対策・医院継承システムなどが挙げられます。会員診療所の機能強化に多方面の医療連
携は必須であり、独創的かつ積極的な医療連携の展開が期待されるところです。今期は県
衛生士会、県社会福祉士会、県栄養士会などの職能団体と連携協働して、地域包括ケアシス
テムの中でいかに会員診療所がその機能を有効に発揮出来るか、の支援を重点的に考えて
いきます。
さらに会員診療所の危機管理、とでも言うべき医療相談については、歯科医師・相談者
の中立な立場に立ち、専門家と連携を取りながら医療事故・医療トラブルの解決に努力し
ます。相談業務を部員のみで担当するのは本県歯の特色であり誇りです。総合相談に関す
る積極的な内部研修などによるスキル向上を図りつつ、多岐にわたる事業を通じて、会員
をきめ細かく支援すると同時に、会員ひいては県歯全体のパワーアップに貢献するのが、
医療管理部の役割であると考えています。
1.未入会者対策(郡市区歯会と連携)
① 未入会者へのリーフレットの作成(名称変更)
② 郡市区歯科医師会への一括説明
③ 同窓会への働きかけ
2.会員診療所の経営対策
(1) 会員診療所の機能強化対策
① 医療安全管理対策の推進
(部署横断的な医療安全シンポジウムの開催、医療管理ナビの修正)
② 医療事故対策の推進
(医療トラブル・ヒヤリハット報告の実施)
③ 医療相談及び会員からの相談への対応
(医療相談窓口・部員研修会の開催・録音設備の導入)
④ 産業廃棄物適正処理の推進(実地調査、排出先業者調査の実施)
⑤ 保健所立入検査への対応支援(名称変更)
(2) 医院管理・経営管理・患者管理に関する資料調査及び報告
① 平成27年度歯科医療機関実態調査及び平成26年分税務決算書調査(隔年)
② 税務及び経営に関する情報提供、税務アンケートの実施
③ 時局問題・個人情報等に関する情報提供
④ 緊急派遣医事業の支援
(3) 会員診療所の雇用対策
① 無料職業紹介事業の運営
② 歯科衛生士の復職対策事業の支援
③ 歯科衛生士養成校説明会への協力
④ 歯科技工士会、歯科衛生士会及び養成校との懇談会の開催
(各校卒業生の就職状況の把握)
(4) 従業員への講習会の開催
① 歯科助手講習会の開催
② 一般教養講習会の開催
3.医療広告への対応(行政との折衝、広告に関する研修)
4.医院継承システムの運営
5.新入会員研修会の開催(医療保険部と連携)
6.新入会員必須研修の検討(生涯研修部と協力)(新規)
7.本会役員・郡市区歯会担当役員との合同協議会(分科会)
8.県歯ホームページ・県歯報・歯県伝への情報掲載
9.総合政策検討室、医療連携室への協力
10.新たな財政支援制度基金事業への協力(新規)
【参
考】廃
止
・ 病院歯科との懇談会の開催
・ 県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院との連携
周術期口腔機能管理への取り組み(医療連携室)の支援
・ 病診連携マニュアル・バインダー版の作成
・ 医療相談事例集の作成(隔年)
3.生 涯 研 修 部
私達はかかりつけ歯科医として、周産期から高齢期まで終生に亘る全人的医療が望まれ
ています。
ことに、超高齢化社会に直面し、健康寿命の延伸のための歯科の役割は益々重要になっ
てきています。また、医療・介護のながれが入院から在宅へとますます加速され、在宅歯
科診療へのニーズが高まっていくものと思われます。
さらに、インターネット等の発達により受診者の方の要求も多様化しています。我々歯
科医師はそれらの需要に応えなくてはなりません。
生涯研修部では、医学的情報を的確に発信し、支援することにより、多くの会員が総合
歯科医師として活躍することを目指しています。
特に今年度は、在宅歯科診療を広く普及させるために、その知識と技術の向上を目指す
事業を中心に取り組みます。
そして、他の部や郡市区歯科医師会の講演会等とも連携し、より効率的に会員のスキル
アップが達成できるように計画し、また、日歯生涯研修事業への会員の積極的な参加と、
目標達成を掲げ、単位取得の為の場と教材研修としての学術資料の提供につとめます。
1.静岡県歯科医師会学術大会(年2回)の開催
2.在宅歯科診療推進講習会の開催(新たな財政支援制度)(新規)
3.県歯主催の学会・研修会のコーディネート(新規)
4.救命救急医療研修会の開催(隔年)
5.院内感染対策事業
6.郡市区歯科医師会への口腔がん早期発見事業の委託
7.診療サポート・シリーズの発行
8.8020推進歯科診療所研修会の開催
9.スポーツ歯科普及・啓発事業
10.災害時歯科的身元確認及び保健講習会への講師派遣
11.警察歯科医会への協力
12.日歯生涯研修事業への参加と目標達成(認定研修会の審査)
13.郡市区歯科医師会主催学会及び生涯研修に対する協力
14.メディアからの医療相談への対応
15.必要に応じ他団体・他部との合同学会開催並びに協力
16.学術図書、学術資料(文献)の充実、整備、収集及び調査研究
17.本会役員、郡市区歯会担当役員合同協議会(分科会)
18.歯科医師臨床研修医制度への対応
19.県歯ホームページ・県歯報・歯県伝に生涯研修部だより及び学術情報を掲載
20.総合政策検討室・医療連携室への協力
4.地 域 保 健 部
静岡県は御承知の通り平成25年度健康寿命が全国1位となりました。健康寿命の延伸
は国策でもあり、静岡県の健康増進面での目標でもあります。平成25年度より厚生労働
省も「歯や口の健康を維持すること」が健康寿命の延伸の源と考えはじめてきました。また、
本年度は静岡県保健医療計画の見直し年度で、7疾病5事業に歯科保健が何らかの関わり
を持つようになってきました。この様な国や県の健康に関する施策の変化における状況下
において静岡県でのライフステージにおける歯科保健状況は中学3年生までに4割以上の
者が永久歯のむし歯を経験し(平成24年度)、40歳代の3割以上、60歳代の5割以上
の者が進行した歯周炎だと推測され(平成25年度)、歯を失う70%がむし歯や歯周病が
原因で(平成17年度)、これらが原因で口腔機能の低下を引き起こしADLの低下を招き
高齢者では要介護状態に移行する状況も少なくありません。この様な歯科保健の問題点を
少しでも解消するため地域保健部では8020運動の推進を基盤としライフステージに見
合った県民への歯科保健活動およびライフステージを飛び越えた障害や疾病をもった患者
に対する歯科保健活動を展開して参ります。
具体的には、食育、口腔保健弱者支援、フッ化物応用、生活習慣病対策、がん連携、地
域包括ケア、要介護高齢者支援、在宅歯科医療を主なポイントとし、それらに関係する県
行政部門、市町行政部門、各種団体等と連携、協働し歯科保健活動を推進します。
1.8020運動の推進
(1) 静岡県8020推進住民会議への協力
(2) 8020推進診療所機能実態化への支援
(3) 8020推進静岡県大会への協力
2.歯科保健教育活動
(1) 歯と口の健康週間行事
3.母子学校歯科保健推進事業【詳細は各専門部に掲載】
4.成人歯科保健推進事業
【詳細は各専門部に掲載】
5.高齢期歯科保健推進事業 【詳細は各専門部に掲載】
6.健康啓発活動
7.本会役員・郡市区歯会役員合同協議会(分科会)
8.郡市区歯科医師会担当役員との合同協議会
9.調査研究(産業歯科並びに学校歯科問題)
10.関係諸機関との連絡協議
11.県歯ホームページ・県歯報・歯県伝に地域保健部だよりの掲載
12.総合政策検討室・医療連携室への協力
13.需要拡大対策事業
【参
・
・
・
・
考】廃 止
障害者歯科相談医の養成(県委託事業)(隔年)
養護教諭向け学校歯科マニュアルの作成
成人、就業前歯科保健教育の推進
マウスガードの普及事業
<母子・学校歯科専門部会>
「生きる力を支える」口腔機能は乳幼児期に獲得され増進します。複雑な社会情勢の影
響を受けやすい子どもたちを考える時「むし歯対策」
「歯肉炎対策」に加え「のみ方、噛み
方、味わい方」などの「食べ方」の機能発達支援を通じて、多方面からの「子育て支援」
を目指します。
また、学校歯科健康診断の標準化や学校歯科保健活動をより充実させ、
「健康教育」によ
り積極的に携わるため、学校歯科医の研修・学習の場を広げ、学校歯科医が地域保健事業
の核となるような環境づくりに努めます。
具体的には小児歯科疾病予防対策事業として母子歯科保健講習会の開催(県歯主催1回、
郡市区3回)、早分かり保育所(園)・幼稚園歯科マニュアル№12を作成し、幼稚園・保育
園でのさらなる活用普及を目指し、県歯科衛生士会と連携した8020双葉事業を推進し
ます。
また、子ども虐待防止に向けたネットワークづくりを目指して、研修会の開催、
「子ども
虐待早期発見チェックリスト」の活用を目指します。
更に母子歯科保健手帳(○○ちゃんの歯日記)の導入を目指してモデル事業を検証し、
妊娠期、授乳期、離乳期から継続しての県民自ら歯科保健向上に取り組める体制づくりを
目指します。
学校歯科保健の推進として「学校歯科保健ニュース」発行に加え、学校歯科医の資質向
上に向けての研修会、学校歯科健康診断結果の集計分析結果の活用、学童期のフッ化物洗
口の普及推進、県教育委員会と連携した「噛みんぐ30」
(カミングサンマル)運動など歯
科からの食育推進に努めます。
1.母子学校歯科保健推進事業
(1) 小児歯科疾病予防事務(各郡市区歯科医師会に於いて実施、協力)(県委託事業)
① う歯予防指導者養成事業(母子歯科保健指導者講習会の開催)(県委託事業)
② 早分かり保育所(園)・幼稚園歯科マニュアル作成事業及び8020双葉事業
(県委託事業)
(2) 乳幼児・学童期歯科保健対策事業(県委託事業)
① 母子歯科保健手帳(歯日記)モデル事業
② 学校歯科保健ニュースの作成
③ フッ化物洗口マニュアルの作成(新規)
(3) 食育推進運動事業
① 食育に関する支援・推進・住民会議への協力(名称変更)
② お口の健康セルフチェック指導解説書の作成
③ 栄養教諭、一般県民等への講演及び指導(名称変更)
(4) 学校歯科保健の推進
① 学校歯科に関する調査研究
② 学校歯科医育成事業
③ フッ化物利用推進
④ 学校歯科保健推進委員会
⑤ 関東甲信越静学校保健大会への支援、歯科職域部会の開催(新規)
(5) 児童虐待・ネグレクト対策事業
<成人歯科専門部会>
本年度より歯周病対策事業のほか、障がい者歯科保健推進事業、がん連携事業が追加さ
れ事業領域が拡大されました。
先ず、歯周病対策事業では、歯周病検診の推進を図り、各世代における歯周病予防の周
知啓発を行ないます。また、本年度の重要な事業として診診、病診連携による糖尿病患者
における歯周病対策を展開していきます。
次に、障害者歯科推進事業ではWフリープランを踏まえた医療圏域ごとの障害者歯科保
健の充実を図るため病院歯科との連携推進、会員研修を行ないます。
がん連携推進事業では、周術期口腔ケアを中心とした病診連携の充実と研修を実施し県
内への拡充を図ります。
いずれの事業も各委員会を設け、その委員会を中心にして事業内容の展開方法等の策定
および検討を行ないたいと思います。
2.成人歯科保健推進事業
(1) 成人歯科保健医療対策
① 歯周病予防推進事業
② 成人歯科健診等健診事業の推進(名称変更)
③ 医科・歯科連携推進事業(新たな財政支援制度)
④ 病院歯科及び病院との連携推進事業(新たな財政支援制度)
(新規)
(2) がん連携推進事業(新たな財政支援制度)
① がん医科歯科連携推進委員会(新規)
② がん連携に関する研修会(新規)
③ 全国共通がん医科歯科連携講習会(DVD講習会)
④ 病院歯科及び病院との連携推進事業(新規)
(3) 障害者歯科保健対策事業
① 障害者歯科臨床研究会(県委託事業)
② 障害者歯科診療実地研修(県委託事業)
③ 障害者歯科保健委員会
④ 障害者施設に対する歯科調査
⑤ 心身障害児(者)等の歯科健康診査(各郡市区歯科医師会に於いて実施、協力)
(県委託事業)
(4) 診診・病診連携事業及び静岡県糖尿病対策推進会議への協力
(5) 災害者歯科医療の体制充実整備(新規)
(6) 産業歯科保健推進事業
<高齢期歯科専門部会>
高齢者を取り巻く環境は、病院から在宅へ、そして地域包括ケアと言われている急性期
から慢性期に移行した重症患者も在宅での療養となることが多くなっています。また、小
児の在宅患者でも訪問歯科診療の提供が不十分と言えます。高齢期対策事業として65歳
自立高齢者の歯科対策モデル事業において地域診断を完結させ、介護予防のモデル事業を
実施し、それにより県内に浸透することを目指します。口腔ケアネットワーク事業におい
ては、看護師・施設入所者・要介護高齢者への口腔ケア研修を実施、後期高齢者歯科健診
事業では、後期広域連合・市町・郡市区と連携の上、健診実施を推進します。
在宅歯科推進事業においては、在宅歯科医療連携室(仮称)を設置し、県内に広く広報
し、在宅関係の課題を考えていきます。まず、訪問歯科診療ベーシックコースを開催して
訪問診療を実施する歯科医師を増やし、摂食・嚥下・咀嚼についても研修を行います。こ
のほか、在宅機器の整備を推進する説明会の開催、購入補助についても推進を図ります。
認知症患者早期発見事業では、アンケート実施や郡市区ごとの相談歯科医師を設置して
対応し、患者家族への説明法・指導法についても考えていきます。
また、在宅診療における保険請求・介護保険請求の実際については生涯研修部・医療保
険部と連携して研修会等を実施していきます。
地域包括体制推進事業としては、地域包括ケア推進委員会(仮称)を設置して病院歯科・
医科・薬科・介護分野との連携推進に務めます。
静岡リハビリテーション懇話会へは、引き続き参加し、多職種との連携のための情報収
集・発信に努めます。多職種連携では、
「歯科医療従事者としての立ち位置」に注目して何
ができるか何をすべきかを常に考えていきます。
3.高齢期歯科保健推進事業
(1) 高齢期歯科対策事業(県委託事業)
① 自立高齢者のADL,QOL低下の予防事業(新規)
② 65歳自立高齢者の歯科対策モデル事業(牧之原モデル)(県委託事業)
③ 口腔ケアネットワーク事業
(看護師・施設入所者・要介護高齢者の口腔ケア研修)
(新規)
④ 後期高齢者歯科健診事業(後期広域連合・市町・郡市区との連携)
(2) 在宅歯科推進事業(新たな財政支援制度)
(新規)
① 在宅歯科医療連携室(仮称)の運営、整備支援
② 患者、家族の在宅歯科診療の相談窓口・委員会の設置
③ 訪問歯科診療ベーシックコース、摂食機能推進研修の開催
(在宅療養支援歯科診療所研修会開催の協力・生涯研修部と連携)
④ 在宅歯科医療設備整備事業の支援
⑤ 介護保険を含む保険請求研修(生涯研修部・医療保険部と連携)
⑥ 歯科衛生士再就業支援事業(医療管理部・静岡県歯科衛生士会との連携)
(3) 地域包括体制推進事業(新たな財政支援制度)
(新規)
① 地域包括ケア推進委員会(仮称)の運営(新規)
② 認知症患者早期発見及び対応力向上事業(新規)
③ 静岡リハビリテーション懇話会への参画
④ 病院歯科、医科・薬科・介護分野との連携事業
(病院歯科、かかりつけ歯科医、行政で構成する連絡協議会)
(新規)
⑤ 8医療圏域で連携体制の構築(新規)
5.医 療 保 険 部
平成27年は保険改定の谷間の年に当たりますが、4月1日をもってレセプト電子請求
の猶予が切れます。ここでの混乱を出来るだけ無い様にする事が当部の責務ですが、電子
請求に切り替わった後は、当然の様に起こる審査の厳格化にも対応しなければなりません。
診療報酬の請求電子化とはつまるところ、請求が透明化される事であり、これまでの医師
性善説に立脚した医療費請求が試される事でもあります。在る意味、当部の活動の殆ど―
保険診療ナビの発行やカルテ記載、保険説明会等―は全てこれへの対処とも言え、より正
確なルールを知らしめる、或いは新たなルールを作り、「正すべき襟元は正す」という事
なのでしょう。しかし、一方で当県の低い保険請求平均点をなんとかアップさせたいとい
う悲願の思いも在り、この両者相反にも似たかじ取りは、大層難しいものが在ると感じて
おります。消費税10%へのアップや「適正化と言う名の医療・福祉の財源抑制」等、歯
科界としては辛い流れです。実際的には、現日本の歯科医療は今や構造不況産業となって
おり、個人や一県の努力等ではどうにもならない所に来ているとも思われます。2025 年は
我が国の保険政策に大事なターニングポイントに成るとされておりますが、それにはあと
僅か10年ちょっとしかありません。官僚や政治家にいいように振り回されるのでなく、
在るべき歯科医療の姿を模索しつつ、先を見据えた対策を現場の我々自身が考え、発言し
て行かねばならない時期に来ていると思われます。同時に現実としては、地に足がついた、
安定した診療所経営と良質な医療の提供で地域社会に貢献出来るように、会員支援態勢を
強化してゆく事が医療保険部の責務と考えております。
1.平成28年度診療報酬改定伝達講習会の開催(新規)
2.郡市区保険説明会への協力(会員への直接的情報提供)
3.個別指導・個別懇談会・相談(必要に応じて)
4.保険診療ナビの更新、カルテ記載例集・医管資料の作成
5.カルテ記載研修会(年1回:高点数個別指導対策)
6.病院歯科との連携支援(地域保健部と連携)
7.東海北陸厚生局静岡事務所並びに県国保課との連絡協議会
8.社保・国保審査委員会との合同協議会(協議会1回・打合会2回)
9.施設基準に係る研修会の支援(生涯研修部、地域保健部と連携)
10.保険診療向上調査研究(ワーキング・グループ)
11.本会役員・郡市区歯会担当役員合同協議会(分科会)
12.県歯ホームページ・県歯報・歯県伝に保険関連記事の掲載
13.総合政策検討室、医療連携室への協力
【参 考】廃 止
・電子レセプト化への支援(情報処理部と連携)
6.8020運動推進事業
8020運動が提唱されて27年、8020が、健康寿命延伸に寄与するエビデンスも
充実しつつあります。平成 20 年には「住民が積極的に参加する8020運動」を前面に
した新8020運動が示されました。静岡県の歯科保健の特徴は、住民の力を活用するこ
とであり「静岡県民の歯や口の健康づくり条例」
「静岡県歯科保健計画」にも住民の代表で
ある8020推進員の育成・支援が明記されています。本会は8020推進員の更なる養
成とより一層の活動支援をいたします。また、かかりつけ機能を充実させ、地域住民の窓
口となり8020推進員をはじめとした地域包括ケアシステムへの窓口ともなり、これか
らの歯科医師として、高い公益性をアピールする8020推進診療所を充実させます。
※平成27年度開催の定時代議員会終結時まで8020運動推進部が担当
1.静岡県8020推進住民会議会の運営 (県委託事業)
(1) 8020推進住民会議運営委員会の開催(3回程度)
2.8020推進員等育成事業
(1) 8020推進員研修会の開催(20 回程度・アドバンス研修会含む)(県委託事業)
(2) 8020講習会の開催(6回程度)(県委託事業)
3.8020推進員の活動支援
(1) 郡市区歯科医師会と市町行政と推進員との連携強化(活動の場の確保)
(2) 8020推進員との意見交換会
(3) 推進員への定期的な情報提供(8020 推進員だよりの作成等)
4.8020推進活動指導者研修会(県歯1回、東中西各1回)(県委託事業)
5.市町住民歯科会議設立支援事業
(1) 郡市区歯科医師会と住民歯科会議設立支援に向けた情報交換会
(2) 住民参加促進対策研修会(2回)(県委託事業)
6. 8020推進診療所への認定支援と機能充実支援(県委託事業)
7.イベント関係事業
(1) 8020推進・静岡県大会(県委託事業)
・大会実行委員会の開催
(2) 健康福祉関係イベントへの参加
(3) 郡市区歯科医師会のイベント支援
(4) 噛むカムケア8020コンクール表彰
(5) 8020童話賞表彰
8.県歯ホームページ・県歯報・歯県伝に情報の掲載
9.総合政策検討室・医療連携室への協力
10.需要拡大対策事業
【参 考】廃 止
・8020推進診療所研修会(県委託事業)
・8020認知度調査
・歯周病対策支援事業
・本会役員・郡市区歯会担当役員合同協議会(分科会)
7.医 療 連 携 室
連携室は、会員診療所と病院歯科・口腔外科等との患者の相互紹介の促進と円滑化、患
者情報の共有化、協同治療や共同管理、地域歯科保健事業の後方支援等を企画・立案する。
1.国立がんセンターとの連携事業に関すること
2.県立がんセンターとの連携事業に関すること
3.病院歯科・口腔外科との連携事業に関すること
4.医科歯科連携、関連職種・関連機関との連携事業に関すること
5.その他
8.総 合 政 策 検 討 室
9.定款、諸規則検討委員会
10.選挙管理委員会
11.職員給与検討委員会
12.災害時対策委員会
13.福祉共済制度運営委員会
14.会館運営検討委員会
15.静岡県歯科医師会警察歯科医会