年 頭 所 感 - 青森市医師会

年 頭 所 感
平成 28 年
青森市医師会
元旦
会 長
成 田
祥 耕
青森市医師会員の皆様、新年明けましておめでとうございます。
旧年中、皆様から格別のご指導ご鞭撻をいただきましたことに心から感謝を申し上げます。お蔭さまで
医師会活動を滞りなく遂行できたと思います。今年は、昨年以上に多くの課題を突き付けられるものと考
えています。改めて皆様のご支援をお願い申し上げます。そしてご一緒に青森市医師会を盛り上げたいも
のです。
昨年を振り返ってみますと、一年中在宅医療と認知症医療のことだけを話してきたようです。その結果
どうだったかと自問しますと、少しずつですが動いてきたと言えるのではないかと評価しています。まず
在宅医療に関して、これまで数多くの研修会を開催しましたし、市民の啓発にも多くの時間を割きました。
包括ケアシステム、在宅医療、在宅緩和ケア、医療と介護の連携など、概念的には大分浸透したのではな
いかという印象を持っています。一方で、本県の在宅療養支援診療所の数は、全国平均から見て劣ってい
るという報告があります。この支援診療所になるための要件はかなり厳しいので、即座に手を上げにくい
と思います。しかし、昨年の忘年会で齊藤勝県医師会長のお話にあったように、複数の医療機関がグルー
プを作って協働するならばそんなに困難ではないと言われています。すでに沢山の患者を抱えて在宅医療
を実施している先生方がいますので、アドバイスをいただきながら少しでも前進していきたいと思います。
次に認知症医療であります。実は咋年のこの年頭所感に、青森市から認知症ケアパスの提案があった旨
を書きました。それが年末になって正式に市から皆様の手許に届けられました。ご覧のように結構分厚い
内容になりました。しかし一瞥して分かることは、認知症に関して、医療、介護保険サービスに至るまで
ほぼ網羅しているということです。不備なところがあったら、ご意見を寄せてもらうとともに、このケア
パスに沿って認知症医療を行っていただき、これからみんなでこのケアパスを育てていくことが重要であ
ります。またこの中に、かかりつけ医から専門医への診療情報提供書に添えていただきたい検査項目が列
挙されていますので参考になります。認知症医療をしている、していないに拘わらず、すべての医療機関
を訪れる人々の中に認知症の患者が存在するのが当たり前の時代ですので、その都度患者にアドバイスを
与えるなり、相談窓口を紹介するなり、また専門医を紹介するなり、医師会を上げて認知症に関する活動
を定着させていかなければなりません。
青森市医師会にとって取り上げなければならないテーマが余りにも多い中で、今回の皆様へのご挨拶の
中でテーマを余りにも絞りすぎたと顰蹙を買うかもしれません。しかしこのことについては今年も引き続
き重要課題になるので、敢えてまた取り上げました。その他のことに関してはこれからの会務にしっかり
反映させていきます。今年もこれまで以上にご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
皆様の益々のご健勝を心から祈念申し上げます。