きしこの議会だより 平 成 22年 6月 定 例 議 会 報 告 2010年 7月号 No.69 武豊町議会議員 小寺きしこ 発行責任者 小寺きしこ 〒470-2309 知多郡武豊町字梨子ノ木2丁目56 Tel/Fax 0569-73-1963 E-mail k ote ra @ tak e toy o. jp ホームページ ht t p://www. taketoyo.jp あなたのまちづくりに対するご意見や、伝えたいことをお聞かせください。 6月定例議会が、6月1日~15日の15日間開催されまし た。町長の諸般報告、議案上程、議案に対する質疑、一般質問、 常任委員会、意見書についての採決が行われました。 6月定例議会に上程された議案は、報告2件、補正2件、 条例3件、その他9件、未議決議案 42 件、意見書2件、組合議会議員の選挙でした。 わたしは、4日の一般質問で2点の質問をしました。 6月議会の主な議案 平成 22年度一般会計補正予算 主な歳入 きしこの議会だより「武豊に福祉の風を・・」は、ホームページや印刷物にてみなさんにお届けし ています。今回は「平成 22 年 6 月定例議会」の内容をみなさんにお届けします。 小寺きしこが「みた」「感じた」「考えた」議会の内容をお知らせしています。 一部を反対 「財産の取得にかかる未議決の議案について」 6/1 定例会初日に、 「財産の取得にかかる未議決の議案について」42 議案が上程され、質 疑を行い、委員会付託を省略して、討論・採決が行われました。 ※ 700 万円以上の物品購入契約は、議決が必要。しかし、「財産の取得に関わる法令の 規定の知識と理解が組織全体として、大きく欠けていた。 」と陳謝がありました。 ― わたしが議員になる前の 17 議案について反対討論をしました ー 今回上程された 42 件の未議決の議案は、地方自治法第 96 条において「普通地方公共団 体の議会は、次に揚げる事件を議決しなければならない。 」として定められています。 本町でも「武豊町議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」にお いて、議決が必要であると定めています。 しかし、法に反して議決されていなかったために、過去21年にさかのぼって議案として 6月定例議会に上程されると聞き、どのように判断すべきか、わたしなりに調査しました。 議会の書庫にあるぎょうせい発行の『行政実例集』には、議決を経ていないものは、「所 定の要件を欠いた無効のものであることが明らかである。」とされていました。 同じく、ぎょうせい発行の『地方自治関係実例判例集』では、議決を経ないで行った処分 の効力として、「議決を経ないで行った村長の行為は無効である。なお、村長の処分が議会 の議決を条件とした仮契約であった場合において、その処分後議会の議決があったときは有 効と解する。」とありました。 よって、今回上程された 42 件の議案については、現在「無効」と判断されます。 契約業者がいることから、すべて賛成したいという気持ちはあります。 しかし、わたしが議員としてかかわる前の契約については、予算も決算も 承知しておらず、議案に対して責任を持つことができません。よって、 17 議案に対して反対とします。 ※当初予算に対して ○障害者総合福祉事業費補助金 ○小学校費寄付 15 万円 ○スポーツ振興くじ助成金 主な歳出 239.7 万円を追加 27 万円 ↑登壇質問 (明るい社会づくり運動から) 187.9 万円 ※当初予算に対して ○障害者地域生活支援事業費 職親委託料 ○小学校環境緑化推進事業委託料 ○教育費 (国・県補助金) 事務用機器 35.9 万円(事業所からの申請により) 15 万円(寄付金を緑丘小学校の緑化に) 134.8 万円(職員用パソコン 9 台分) ○スポーツクラブ運営補助金 54 万円(クラブマネージャー1 名、PR 用冊子) 平成 22年度武豊町老人保健事業特別会計補正予算 歳入歳出予算の総額に、50.5 万円を追加(21 年度の医療費確定による繰越金) 武豊町職員の育児休業等及び勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正について 少子化対策として、仕事と育児の両立しやすい環境整備(育児休業の枠の拡大) 武豊町長等の給与の特例に関する条例の制定について 未議決議案に関する処罰として、給料の減額に必要な事項を定めた 工事請負契約の締結について 未議決議案に対する ○武豊町一般廃棄物最終処分場嵩上げ工事 5,445 万円 給料の減給額 ○大足第 2 雨水幹線の公共下水道工事 4,344 万円 (1ヵ月) ○富貴砂水工区の公共下水道工事 1 億 1,013 万円 町 長 15% ○緑丘小学校南校舎中館増築工事 1 億 2,07 万円 副 町 長 10% ○富貴中学校南館及び北東館校舎耐震補強工事 1 億 3,609 万円 教 育 長 5% ○武豊小学校南館校舎耐震補強工事 6,291 万円 総務部長 5% ○衣浦小学校南館校舎耐震補強工事 7,129 万円 関係職員5名戒告処分 ○富貴小学校南館及び北東館校舎耐震補強工事 5,008 万円 ※町長 教育長:自主返納 財産の取得について 給食センターの食缶保管庫を買入れ 3,570 万円 (5 社による指名競争入札) 知多南部広域環境組合議会議員の選挙 議長、副議長、文教厚生委員長の 3 名を選任 ◆ 2 本の意見書に賛成しましたが、否決されました。 意見書第 8 号 沖縄普天間基地の無条件撤去を求める意見書 意見書第9号 消費税増税反対意見書 6月定例議会 小寺きしこの一般質問 6月4日の一般質問では、「議決が必要な案件について」と「特別支援教育の推進について」の2点について質問しました。 議決が必要な案件について 地方自治法 96 条の 8 項において、本来、 議決が必要な案件が議案として上程されてい なかった事実が明らかになり、今定例会に議案 として上程されました。 今議会初日に審議を行ったが、今後、このよ うなことが起きないための改善策を伺います。 Qなぜこのような事態が発生したのか。 A(総務部長)財産の取得に関わる法令の規定 の知識と理解が組織全体として、大きく欠け ていた。また、事務処理を担当者が変わって も、疑うことなく続けたことにある。 Q過去にさかのぼって、なぜ今議会で議案上程 されたのか。 A(総務部長)議決を経ていないものは、 地方自治法に違反をしており、その 契約は無効である。 過去の裁判の判例で、追認の議決を経るこ とで「かし」が治癒するとされているため。 Q過去にさかのぼって、すべての未議決の案件 が提出されているのか。 A(総務部長)書類の保存年限は5年であるた め、多くが廃棄されている。よって、決算書 や備品台帳で確認できた42件を提出。 Q未議決が発覚した平成元年以降で、きちんと 議案として上程されている案件はあるのか。 A(総務部長)平成11年1月の臨時議会で1 件上程されている。残念なことは、組織とし て知識情報が共有できなかったことである。 Q本来、誰が法律を把握していて、どこで チェックがされるのか。 A(総務部長)職務上必要な法令の知識は、す べての職員が持たなくてはならない。法令全 体の所管、議決案件のとりまとめは、総務課 の庶務担当である。物品の取得については、 予算並びに物品調達調査会を所管する 総務課の財政担当がチェックしている。 Q今後の改善策は。 A(総務部長)部課長会議や庁内 LAN を通じ て、全職員に周知徹底をした。今後、同様な 事態は発生しないと考えている。 6/24 北海道栗山町議会へ視察 さらに万全をきすために、議決案件は予算 の編成からすべての過程でチェックと確認 をする。行政の事務全般にわたる法令の周知 とコンプライアンスの徹底を図る。 Qすべての職員が法を知るべきだが、法の解釈 が難しい。解釈運用の手引きを作製してはどう か。 A(総務部長)運用基準を設けて周知していく。 ~ 小寺きしこの考え方 ~ あってはいけないことなのだけれど、 「起き得る。」ということが証明されたよう な議会でした。 業務は、引き継がれていくもの。誰もワザと 違反する人はいないのだけれど、普段の業務に 誤りがある場合にはチェック機能が働かない という欠点が明らかになりました。 今回のように「気づいたら、すぐに直してい く」という姿勢が大切なのでしょうね。 「議会が変われば、町が変わる」 「住民が無関心なのは、議会としての責任」と 栗山町の議員はいい切る。行動するために、 議会基本条例をつくった。 (平成 18 年、全国初の議会基本条例制定) 町長と議会の2つの機関が、それぞれの役割 を果たすことで成熟した自治が行える。 議員一人ひとりは、町民目線で行動をする。 そんな思いを前文に書き、条文にしている。 主に、「議会と町民」「議会と行政」「議員と 議員」の 3 点について書かれており、改選の度 に見直しをする。 具体的には、「住民に見える議会」として、 議会のインターネット中継、広報、議会報告会 など、積極的に取り組んでいる。 栗山町議員のお話を聞き、もっと議員が町民 の身近な存在となり、積極的な議会活動をする ために議会基本条例づくりを、と思いました。 特別支援教育の推進について 平成 19 年 4 月に学校教育法等が改正され、 従来の「特殊教育」から、一人ひとりのニーズ に応じた適切な指導及び必要な支援を行う「特 別支援教育」の本格実施がはじまりました。 4年目を迎えた本町の特別支援教育への「考 え方」と「具体的な取り組み状況」を伺います。 Q本町の特別支援教育に対する考え方 と今後の取組みは。 A(教育部長)文部科学省からの通知に沿って 「特別支援教育の推進」をしていく。 これまで、スクールアシスタントなどの人 的な支援、個々のニーズに合わせた学校環境 の改善をしてきた。 障がいのある児童生徒や、特別な支援を必 要とする児童生徒の個々の状況把握、指導・ 支援体制の充実など、一貫した対応が求めら れており、学校間の情報共有に努め、 さらに特別支援教育を推進していく。 愛知県特別支援教育課からのヒアリングに よると、愛知県下 61 市町村のうち、特別支援 教育連携協議会設置がされている自治体が 15、準ずる協議会の設置が39、未設置が7。 武豊町は、この未設置の7自治体の一つです。 Q特別支援教育連携協議会設置のお考えは。 A(教育部長)平成17年に、準備会を行った が、設置されなかった。校内特別支援委員会 や知多地区特別支援連携協議会が設置され ているため、町独自の設置は考えていない。 ~ 小寺きしこの考え方 ~ 「一人ひとりに合わせた支援」一人ひとり違 うからこそ難しい。表面化する課題は校内だけ での解決が難しいケースも多い。 いろいろな機関や地域の人で知恵を出し合 い、支援をつくる必要がある。「ありゃ使う。 なきゃつくる。 」地域を巻き込んだ支援体制づ くりをするために、町独自の特別支援教育連 携協議会の設置が必要だと考えます。 日々の活動をブログで紹介しています。 http ://www.take toyo.jp 気軽にコメントをくださいね。 E-mail [email protected] 《政治家の豆知識》 地方自治法第 96 条で、 「地方公共団体の議 会は、議会の議決をしなければならない。 」と して、財産の取得や契約などを定めています。 それを受けて、武豊町条例でその種類や金 額の基準を定めて執行しています。未議決議 案に関わる条文を紹介します。 ~ 第6編 財務 第 4 章 ~ 武豊町議会の議決に付すべき契約及び財産の 取得又は処分に関する条例 第 1 条 この条例は、地方自治法(昭和 22 年 法律第 67 号。以下「法」という。)第 96 条 第 1 項第 5 号及び第 8 号の規定により、議会 の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処 分について定めるものとする。 第 3 条 法第 96 条第 1 項第 8 号の規定によ り議会の議決に付さなければならない財産の 取得又は処分は、予定価格 700 万円以上の不 動産若しくは動産の買入れ若しくは売払い(土 地については 1 件 5,000 平方メートル以上の ものにかかるものに限る。)又は不動産の信託 の受益権の買入れ若しくは売払いとする。 『武豊町例規集』より引用 《あとがき》 武豊町議会の議会だよりが変わりました。 議会だより編集委員になって 8 年目ですが、 2 回目の改訂です。前回は、一般質問のペー ジだけ。今回は、フルカラー化と紙面割を大 幅に変えたので、 「変ったね」と言ってもらえ るのでは。 みなさんに参加していただく コーナーも設けました。ぜひ、 応募してくださいね。 きしこの議会だよりは、わたしが見た、感 じた議会を、わたしの言葉でお届けします。 両方、手にとって読んでくださいね。
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