第 4 章 通常操作 4−1 日常点検 飛行前に、機体の外部点検を行わ

第 4 章 通常操作
4−1 日常点検
飛行前に、機体の外部点検を行わなければならない。
最初に、イグニッションとメインスイッチが、OFFであることを確認する。
1 エンジン
− プロペラブレードのクラック、くぼみ、プロペラの適切な取付
(回転方向の遊びは1.5度まで許容される。)
− カウリングをはずす
− 滑油量チェック
最小 1.75 ltr
最大 3.5 ltr
− エンジンの目視点検
− カウリングを取り付ける
注: 詳細はエンジン及びプロペラのマニュアルによること。
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2 脚
− タイヤ空気圧(主輪、尾輪、共に 36.26 psl)
− スリップマーク、タイやの状態、車輪カバーの点検
3 主翼
− 全体の状態
− 取付状態
− エアーブレーキ
− エルロンの遊び及び円滑な作動
4 燃料タンク及び主翼の取り付け
− 胴体下部のドレインバルブを押して燃料をドレイン
− 燃料タンクの注入口より燃料の量を点検
− 主翼の主取付ボルト、前部取付ボルト及び電気系統の結合を点検
最後の点検は、胴体・主翼間のフェアリングの点検孔から行う
警告: 点検孔は注意深く閉じること
5 尾部
− 適切な取付
− 確実なロック
− 操縦系統の結合のロック
− 円滑な作動
− 損傷の有無
− 垂直尾翼のピトー管の点検、ピトー管カバーを取りはずす
6 胴体
− 損傷の有無
7 操縦席
− ドアの取付とロック機構の点検
必要ならば、クリーニング
− 操縦席内部の搭載品の点検
4−2 可変ピッチプロペラの操作方法
型 式 HO-V62 R/L 160 BT
スピンナー VP30-82
プロペラの3つの位置
− ”上 昇” ”CLIMB”
− ”巡 航” ”CLZ”
− ”フェザー” ”Feather”
ブレードの数 2枚
直 径 160 cm ± 0.5 cm
(次頁へ続く)
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プロペラの50時間点検の方法は、本プロペラのオペレーティングメンテナンス ・マニュ
アルを参照のこと。
エンジンを運転中にプロペラを”CLIMB ”から”CLZ”にまたはその逆に変えることがで
きる。
プロペラを”フェザー”にする場合は、エンジン停止時か、又は空転中でなければなら
ない。
”CLIMB”から”CLZ”への切り換えは、エンジン回転数を2,300 rpm、速度を約 120 km/hにセットした後に行うこと。
ピッチを切り換えるために非常に大きな力が必要であるので、上記以上の速度でのプロ
ペラの切り換え操作を実施してはならない。
プロペラを”CLZ”から”CLMB”へ切り換えるには、エンジン回転数及び速度をそれぞれ
1,400 rpm及び 110 km/h まで下げた後に実施すること。
エンジン停止中にプロペラを”フェザー”からもどすと、自動的に”CLIMB”位置へもど
る。
”CLIMB ”から”CLZ ”、及びその逆に切り換えるには、センターコンソールのプロペ
ラ・コントロール・ノブを引くこと。”フェザー”にするには、プロペラ・コントロー
ル・ノブの上に位置しているプロペラフェザー・ハンドルを引き、時計回りに90°回せ
ばロックされる。
4−3 飛行前点検
1 日常点検は終っているか?
2 滑油、燃料の量
オイルレベル・スティックには、エンジンカウリングの点検孔から手が届く。
3 重量、重心の計算。(6-2参照)
4−4 エンジン始動前のチェック
1 ラダーペダルを左右の座席共、中立位置に調整する。
(赤いノブを引き、それぞれのペダルを調整し、しっかりとロックする。)
S/N6340以降の機体にあっては、床に取付けられたハンドルで、両方のペダルを同時
に調整することができる。
背あてを調整する。
2 シートベルトを締めて、リップコードを取付ける。
(自動式パラシュートのみ)
3 ドア − ロック
4 パーキングブレーキ − セット
5 無線機器及び航法機器 − オフ
6 燃料シャットオフバルブ − 開
7 操縦系統 − 作動点検
8 エアーブレーキ − 開閉しクローズ、ロック
9 高度計 − セット
10 計器 − セット
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4−5 エンジン始動
1 プロペラ位置 − ”CLIMB”(プロペラコントロールノブを10cm手前
に引いた後、離す)
2 チョーク − エンジンが冷えている場合は引く
3 スロットル − アイドル位置から 2 cm 開
チョーク使用の場合は閉
4 プロペラ − 人や障害物が無いことを確認
5 メインスイッチ − オン
6 補助燃料ポンプ − オン
7 電気計器 − チェック( 12 V バッテリー電圧燃料系統)
8 衝突防止灯 − オン
9 イグニッションキーでスターターを回す(エンジンが始動したらすぐにもどす)単式点
火系統のエンジンではキーはオンの位置へもどる。
キーはPARKの位置でのみはずすことができる。
単式点火系統のエンジンは、オフの位置が2ヶ所ある。
複式点火系統のエンジンでは、キーはBOTHの位置へもどる。
キーはその他に(R)と(L)の位置があり、又オフの位置ではずすことができる。
10 エンジンが、1,000-1,200 rpmでスムースに回るように、スロットルとチョーク(必要な
場合)を調整する。
11 油圧 チェック。
エンジン始動後、10秒以上計器が指示しない場合、エンジンを止めること。
12 アビオニクスメインスイッチ − エンジン始動後 オン
13 無線器及び航法機器 − 必要が有れば オン
14 充電電流 − チェック
注: 補助燃料ポンプは、離陸中、上昇中及び着陸中はスイッチをオンにしてお
くこと。通常の巡航中は、スイッチをオフにしておく。
5回のエンジン始動手順を行なっても、エンジンが始動しない場合は、燃料の吸いこみ過ぎ
でスパークプラグが濡れていることが考えられる。
スパークプラグが濡れている場合
1 イグニッション − オフ
2 チョーク − オフ
3 スロットル − 最前方
4 プロペラを10回ほど手で逆転させる。
再始動手順
1 チョーク − オフ
2 スロットル − 最前方
3 イグニッション − オン
4 スターター − 始動
エンジン始動後、1,000-1,200rpmになるようにスロットルをもどす。
(次頁へ続く)
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