「都市計画研究の来し方行く末」

学術研究論 文 発 表会 50回 記 念シンポジウム
「都市計画研究の来し方行く末」
日時
2015 年 11 月 7 日(土) 13 時 -15 時
会場
フェニックス・シーガイア・リゾート(宮崎市山崎町浜山)
4階 蘭玉
企 画 趣旨
本年度本会論文発表会が50回目を迎える。これを機に、都市計画研究やこれにかかわる学術委員会のあり方について意見を
交わす場を設定する。
都市計画関連の研究論文の審査をめぐっては、学会開闢以来、さまざまな課題に直面し、学術委員会もそのたびに進化これつ
とめてきた。しかし、社会をめぐる事象の複雑化・深刻化、あるいは不確実性に応じて、研究テーマがこれまで以上に多様化し、古
典的分野では研究の厳密性がいっそう追求され、他の分野では同じレベルの厳密性を問うことが難しい、あるいはそれによって
ユニークな研究の芽を摘み取りかねないという問題も生じている。この意味において論文登載の判定にあたりその妥当性の保持
は困難を極め、とりまとめにあたる学術委員の負担は増大している。いっぽう、都市計画部門に限らず、学界は成果主義を信奉す
る風潮著しく、とくに若手研究者は審査付き論文の量産を強いられ、じっくりと研究を醸成させる時間的余裕を持ちにくくなって
いるのは周知のとおりである。
学術委員会は、2006年に都市計画論文集DVDを刊行し電子的利活用の便宜をはかるとともに、2016年より紙媒体論文集の
刊行停止、それを裏付けとした学会発表論文の掲載頁数上限の上方修正により、複雑あるいは微細な情報を盛りこんだ図表掲載
の余地を確保するなど工夫をしているが、なお課題は残っているように思われる。たとえば、主として実務者による事業報告のた
めの枠として設定されたはずの13分野が、必ずしもその本来的な活用状況にないこと。発表会論文に対する一般投稿論文の位
置づけの違いの明確化(後者は審査期間が長いが、それはすなわち、著者-査読者間の入念な対話を通じて前者以上に高い完成
度を目指した論文投稿枠である)などである。
しかし、以上は所詮、学術委員会という立場からの見方に過ぎず、あるいは、もっと別次元の問題が埋蔵されている可能性はあ
る。そこで、今般の発表会参加者諸氏に、さまざまな視点から問題点や可能性の掘り起こしを期待する次第である。各世代の研究
者にご登壇いただき、まずは各々の問題意識についてご発言をいただく。併せてフロアから自由で活発な発言が行われ、快活に
して刺激的な時間が共有されることを期待するものである。
キーワード
都市計画研究の厳密性・客観性、都市計画的知見の表現技法
登壇者
コーディネータ
秋本 福雄(九州大学名誉教授)
中井 検裕(東京工業大学大学院)
照本 清峰(人と防災未来センター)
高取 千佳(名古屋大学大学院)
吉川 徹(首都大学東京)
趣旨説明
齋藤 潮(東京工業大学大学院)