次の質問に正直にお答えください。 Yes or No ? (職業性ストレス簡易調査票、から) 1. 職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる。 2. 私の部署内で意見のくい違いがある。 3. 働き甲斐のある仕事だ。 4. 何をするにも面倒だ。 5. 仕事が手につかない。 6. 上司とは気軽に話しが出来る。 7. 上司は頼りになる。 8. 仕事に満足だ。 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 私たち精神科医は、 精神疾患をどうやって 診断しているか? Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 私たち精神科医は、 メンタル疾患を、どうやって診断しているか? 紙面の問診や心理テストの点数のみで 診断をすることはありません! 対面による、診察を介して診断します! Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 大原則:精神疾患の診断の骨組み 疾患特有の精神症状が 持続的に存在することにより 社会生活上、大きな支障が生じるようになっている 単なる、「憂うつな気分」、 「うつ病」、 との違いも ここにある。 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 身体疾患と精神疾患の診断仕組みの比較 【糖尿病】:身体疾患代表として 《自覚症状・臨床所見》 口渇、多飲、多尿、体重減少 《検査所見》 空腹時血糖値≧126mg/dl 75gOGTT2時間値≧200mg/dl 随時血糖値≧200mg/dl HbA1c≧6.5% 診断の仕組みの違い 身体疾患 自覚症状・臨床所見+検査所見 精神疾患 自覚症状×継続期間 +社会的機能の支障 ★生物学的検査所見がないため 継続期間で補っている 【うつ病】 :DSM-5(米国精神医学会)による 《自覚症状・臨床所見》以下の症状のうち5つ以上が同時期に 2週間以上持続し、病前の機能から変化をしている。 1)、2)はいずれかが必須 1. ほぼ毎日、1日中、憂うつ気分 2. ほぼ毎日、1日中、興味や喜びを感じない 3. 著しい体重の減少(または毎日食欲がない)、あるい は体重が増加(または毎日過食する) 4. ほぼ毎日、よく眠れない、あるいは寝過ぎてしまう 5. ほぼ毎日、動作が遅くなる、あるいは落ち着きなくか らだを動かす 6. ほぼ毎日、疲れやすい、あるいは無気力 7. ほぼ毎日「自分は存在価値がない」と感じたり、根拠 なく自分を責める 8. ほぼ毎日、思考力や集中力の低下、あるいはなかなか 決断できない 9. 繰り返し、「死んだほうがましだ」と考える、あるい は自殺を計画する。 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 身体疾患と精神疾患の診断仕組みの比較 【糖尿病】:身体疾患代表として 《自覚症状・臨床所見》 口渇、多飲、多尿、体重減少 《検査所見》 空腹時血糖値≧126mg/dl 75gOGTT2時間値≧200mg/dl 随時血糖値≧200mg/dl HbA1c≧6.5% 診断の仕組みの違い 身体疾患 自覚症状・臨床所見+検査所見 精神疾患 自覚症状×継続期間 +社会的機能の支障 ★生物学的検査所見がないため 継続期間で補っている 【うつ病】 :DSM-5(米国精神医学会)による 《自覚症状・臨床所見》以下の症状のうち5つ以上が同時期に 2週間以上持続し、病前の機能から変化をしている。 1)、2)はいずれかが必須 1. ほぼ毎日、1日中、憂うつ気分 2. ほぼ毎日、1日中、興味や喜びを感じない 3. 著しい体重の減少(または毎日食欲がない)、あるい は体重が増加(または毎日過食する) 4. ほぼ毎日、よく眠れない、あるいは寝過ぎてしまう 5. ほぼ毎日、動作が遅くなる、あるいは落ち着きなくか らだを動かす 6. ほぼ毎日、疲れやすい、あるいは無気力 7. ほぼ毎日「自分は存在価値がない」と感じたり、根拠 なく自分を責める 8. ほぼ毎日、思考力や集中力の低下、あるいはなかなか 決断できない 9. 繰り返し、「死んだほうがましだ」と考える、あるい は自殺を計画する。 客観的検査データがほとんどない 心理テストの点数も診断基準に明記ない Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 身体疾患と精神疾患の診断仕組みの比較 【糖尿病】:身体疾患代表として 《自覚症状・臨床所見》 口渇、多飲、多尿、体重減少 《検査所見》 空腹時血糖値≧126mg/dl 75gOGTT2時間値≧200mg/dl 随時血糖値≧200mg/dl HbA1c≧6.5% 【うつ病】 :DSM-5(米国精神医学会)による 《自覚症状・臨床所見》以下の症状のうち5つ以上が同時期に 2週間以上持続し、病前の機能から変化をしている。 1)、2)はいずれかが必須 1. ほぼ毎日、1日中、憂うつ気分 2. ほぼ毎日、1日中、興味や喜びを感じない 3. 著しい体重の減少(または毎日食欲がない)、あるい は体重が増加(または毎日過食する) 生物学的 4. ほぼ毎日、よく眠れない、あるいは寝過ぎてしまう 5. ほぼ毎日、動作が遅くなる、あるいは落ち着きなくか 検査所見 らだを動かす なしで診断 6. ほぼ毎日、疲れやすい、あるいは無気力 診断の仕組みの違い 7. ほぼ毎日「自分は存在価値がない」と感じたり、根拠 なく自分を責める 脳の疲労の蓄積による脳全体の機能低下 身体疾患 8. ほぼ毎日、思考力や集中力の低下、あるいはなかなか 自覚症状・臨床所見+検査所見 知:考える力 決断できない 精神疾患 情:感じる力 の障害 9. 繰り返し、「死んだほうがましだ」と考える、あるい 自覚症状×継続期間 は自殺を計画する。 意:意思決定・判断 +社会的機能の支障 ★生物学的検査所見がないため 継続期間で補っている ⇒社会生活全般への支障 (ex)レストランでメニューも選べない) Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 安衛法の改正により、 実施される 「ストレスチェック制度」。 重要な課題があります。 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. ストレスチェック制度実施の最重要条件とは? ◆受検者が正直に答えられる環境 しかも、 正直に答えてもらっても、 紙面問診レベルの情報にすぎない ⇒だから、面接も必要 精神科の 診断面接に相当 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 「正直に」という重要な条件を、実現するための 特別な仕組み 結果の通知方法 国家資格によって 守秘義務が約束されて いる者に限定 • ストレスチェックの「実施者」 • 医師、保健師、看護師、精神保健福祉士の医療職に限定 • 結果の通知 • 実施者から直接通知(事業者は経由しない) 結果の悪用禁止 • 不利益な取扱いを禁止 • 例)面接指導の結果を理由とした不当な人事操作禁止 • 例)解雇、雇止め、退職勧奨、不当な配転・職位変更等 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. ちなみに、一般定期健康診断の流れ ①健診結果 ⑤医師の意見を勘案し、 必要に応じ措置 再検 精密検査など 労働者 ②健診結果の通知 (受診勧奨を含む) 産業医等の医師 ④診断区分、就業区分、指導区分に関する 意見を返す 事業者 一般定期健康診断( 事業者の実施義務) ③異常所見が認められた場合 労働者の健康保持に必要な措置 についての意見聴取 医療機関 結果提示 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. ストレスチェック制度の流れ Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 「正直に」という重要な条件を、実現するための 特別な仕組み 結果の通知方法 • ストレスチェックの「実施者」 • 医師、保健師、看護師、精神保健福祉士の医療職に限定 • 結果の通知 • 実施者から直接通知(事業者は経由しない) 結果の悪用禁止 • 不利益な取扱いを禁止 • 例)面接指導の結果を理由とした不当な人事操作禁止 • 例)解雇、雇止め、退職勧奨、不当な配転・職位変更等 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 国家資格にて守秘義務が約束されている者が ストレスチェック実施者となっている、と解釈できます 1. 医師 2. 保健師 3. 一定の研修を受けた看護師 4. 一定の研修を受けた精神保健福祉士 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 「正直に」という重要な条件を、実現するための 特別な仕組み 結果の通知方法 • ストレスチェックの「実施者」 • 医師、保健師、看護師、精神保健福祉士の医療職に限定 • 結果の通知 • 実施者から直接通知(事業者は経由しない) 結果の悪用禁止 • 不利益な取扱いを禁止 • 例)面接指導の結果を理由とした不当な人事操作禁止 • 例)解雇、雇止め、退職勧奨、不当な配転・職位変更等 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. 正直に答えられる環境について、 労働者に対する不利益取扱いの防止、が謳われています (厚生労働省、報告書より) 【ストレスチェック制度成功のキモ】 正直に答えられる環境の確約 《実施に関して》 ストレスチェックを受けない者 事業者への結果提供に同意しない者 面接指導を申し出ない者 これらの方々の不利益取扱いの禁止 《結果に関して》 面接指導の結果を理由とした、解雇、雇止め、退職勧奨、不 当な配転・職位変更等を禁止 Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved. まだ、様々な課題もあります ◆事業者に「結果も知らされる」 ことを承知で「申出」をする ⇒ 「措置実施」、つまり「配置転換をしたい」だけで 意図的に、高ストレス者になる人がいてもおかしくない ◆ストレス反応が【高】いのに、「申出」をしない ⇒ 結果は実施者のみが知る、という状況の中、 最悪の結果(事故、自殺…)が起きた時の責任は? Copyright(C)2015, Kanda-Higashi Clinic, All Rights Reserved.
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