15 国際展開 途上国の大都市では、急激な経済成長や人口増加等 に伴い、水不足や水質汚染が顕在化していますが、こ 国際展開のスキーム 国・政府関係機関等 れらの課題の多くは、東京水道が歩んできた長い歴史 の中で直面し、解決してきたものです。 東京水道では、主にアジアの諸都市からの要請に応 働きかけ ・ODAなど、国際協力に関する 資金を活用した案件形成 支援・連携 東 京 水 道 じ、訪日研修や講師派遣などを行うとともに、近年で は民間企業と連携し、政府開発援助(ODA)を活用 しながら、海外諸都市の水道事情改善のための技術協 国際会議における プレゼンテーション 力やインフラ整備を進めています。 このような取組や成果を総合的・体系的にまとめた 「東京水道国際展開プログラム」を平成27年6月に策 取組メニュー 発信 知見の共有 国内外の関係主体 定しました。本プログラムを通して、自らの事業運営 の中で培った実践的な技術力・事業運営力を、アジア をはじめとする途上国へ発信し、水道事情の改善に貢 献していきます。 国際展開の体系 都市外交の一環として東京水道の技術力を活用した 人材育成・事業推進 プレゼンス向上 水道事情の改善 材 訪 国際展開を推進しています。 途上国の水道事業体 情報発信 人 取組実施 ・訪日研修 ・講師派遣 ・民間企業と連携 した事業推進 など 支援要請 日 育 研 成 修 アジアの水道事業体を中心として毎年400名程度の 研修生を受け入れています。短期での研修に加え、1 週間から2週間に渡る長期的な研修も実施しています。 国際展開の体系 東京水道の国際展開 人 材 育 成 ◆東京水道の優れた技術・ノウハウを伝え、海外 水道事業体の職員の育成に貢献 事 業 推 進 ◆東京水道の技術力で海外都市の水道事情を改善 情 報 発 信 訪日研修(タイ) ◆東京のプレゼンス向上のため、東京水道の先進 的な取組を広く国内外に発信 講 師 派 遣 途上国の水道事業体が抱える課題について、必要な 専門知識や技術を持つ職員を専門家として派遣してい ます。 派遣された専門家は、現地での課題抽出や東京水道 の経験と知見を活かした改善提案などを行います。 38 事 業 推 進 知見の共有等 海外水道事業体の実務者などに向けて、東京水道の 概要、技術やノウハウ、各国水道事業体の先進的な取 技術協力事業 組などの情報を発信しています。 途上国の水道事業体における専門家育成などの技術 協力事業を行っています。 関係機関等との連携 具体的には、国際協力機構(JICA)の草の根技術 協力事業※1や技術協力プロジェクト※2をマレーシア、 ベトナム及びインドなどで実施しています。 国際展開の取組をより効果的に進めるため、国 内の他の水道事業体や民間企業などと連携してい また、タイ王国首都圏水道公社、台湾自来水公司、 台北自来水事業処及びミャンマー・ヤンゴン市開発委 員会とそれぞれ技術協力等に関する覚書を締結し、講 ます。 ○ 自治体水道国際展開プラットフォーム 師派遣などを通じた技術協力を行っています。 自治体の国際展開を推進するための意見交換 の場として、国内の水道事業体と公益社団法人 インフラ整備事業 日本水道協会とが協力し、平成22年12月から 民間企業と連携し、実際に現地の水道事情を改善す る無収水※3対策事業に取り組んでいます。 実務者会議を開催しています。 平成25年度から26年度にはタイにおいて、また、 平成26年度はミャンマーにおいて事業を実施し、無 収水を削減しました。 ○ 民間企業支援プログラム 公共団体と民間企業または民間企業同士が連 携したコンソーシアム※4形成の先導と日本の民 間企業の海外展開を支援する仕組みとして、平 成23年11月から運用しています。 ※1 草の根技術協力事業…JICAがNGO、地方自治 体等による途上国の地域住民を対象とした協力活 動を、ODAの一環として促進し、助長すること を目的に実施する事業です。 ※2 技術協力プロジェクト…専門家の派遣、研修員 ミャンマー・ヤンゴンでの無収水対策事業 情 報 発 の受入、機材の供与という3つの協力手段(協力 ツール)を組み合わせ、一つのプロジェクトとし て一定の期間に実施されるJICAの事業です。 信 ※3 無収水…漏水に加え、盗水やメータ誤差等、料 国際会議関係 金収入につながっていない水量のことを言います。 国内外で開催される国際会議へ積極的に参加し、論 文発表や展示会を通じて、東京水道の技術やノウハウ を、世界に向けて広く発信しています。 ※4 コンソーシアム…共通の目的を持った二つ以上 の個人・企業・政府等から構成される連合組織 論文内容は、浄水・水質などの水道技術をはじめと して、財政・事業運営、環境対策、人材育成など多岐 にわたり、各国共通の課題解決に寄与しています。 また、平成30年には、上下水道分野で世界最大級 の規模である国際水協会( I WA)世界会議・展示会が 東京で開催される予定です。 39
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