山下 政克先生 落谷 孝広先生

LEGEND セミナー & LEGEND ナイト 2015
in 札幌
“世界をリードする免疫研究の形成と継承のために!”
講演一 「エクソソームによる生体制御の解明と疾患の診断・治療応用」
国立がん研究センタ−研究所 分子細胞治療研究分野 主任分野長
落谷 孝広 先生
講演二 「エピゲノム・エネルギー代謝調節を介したT細胞老化の制御」
愛媛大学大学院 医学系研究科 免疫学講座 教授
山下 政克 先生
▶講演要旨は裏面をご覧ください
座 長 順天堂大学 アトピー疾患研究センター 教授 垣生
日
時
2015年11月17日
(火)
セミナー
午後6時10分∼7時15分
(LEGENDセミナー)
懇親会
午後7時30分∼9時
(LEGENDナイト・ビュッフェ形式)
場
センチュリーロイヤルホテル 20階
「グレイス」
所
園子 先生
札幌市中央区北5条西5丁目(JR札幌駅南口地下直結・徒歩3分)
事前参加登録は下記のサイトから。
JR札幌駅・地下鉄さっぽろ駅
地下歩行空間
たくさんの皆さまのご参加をお待ちしております。
http://www.biolegend.com/Japan/legend_night_2015
参加費無料
ライフサイエンス研究に携わっている方であれば、どなたにもご参加いただけます。
主 催
BioLegend Japan株式会社 ・ トミーデジタルバイオロジー株式会社
2016年も、全国でLEGEND セミナーを企画しております。詳細はこちらから:http://www.biolegend.com/Japan/legend_seminar
講演一
「エクソソームによる生体制御の解明と疾患の診断・治療応用」
国立がん研究センタ−研究所 分子細胞治療研究分野 主任分野長
落谷 孝広 先生
がん細胞や免疫細胞をはじめ,
正常の細胞を含むあらゆる細胞が分泌するExtracellular vesicles
( 細胞外小胞)
である
Exosome
(エクソソーム)
の研究はその発見、命名から30年以上を経た現在、新たな研究の展開を迎えている。それはエクソ
ソームが内包するmicroRNAを主体とするnon-coding-RNA等の情報伝達物質の存在の発見によるところが大きく、
この
エクソソームが、がんなどの疾患の原因究明から体液診断まで、幅広く疾患研究に貢献しうる研究対象である事が明確に
なってきたからだ。エクソソームの小胞体中の情報伝達物質は,
細胞の起源によって異なるものの、数100種類以上のタンパク
質、100種類前後のmRNA, DNAの断片、様々な代謝産物、
そして500∼1000種類に及ぶmicroRNAが内包されている。
こうした核酸物質等を含有するエクソソームはまさに複合的な生体情報を細胞から細胞、あるいは個体から個体へと伝搬
するデリバリーツールであるとともに、がん検診の新しいシステムとなる体液診断の主役でもある。さらに、最近話題の
immune checkpointに関わる分子もこのエクソソームに搭載されていることもわかっており、
エクソソームの生体制御は
広範囲の生物現象に及んでいそうだ。本講演では、
こうしたがん細胞に由来するエクソソームによるシグナル伝達と、
その細胞
生物学的な意義を理解する事で生まれるがんの悪性化の解明と、
その経路を遮断する新規治療法開発について概説する。
講演ニ
「エピゲノム・エネルギー代謝調節を介したT細胞老化の制御」
愛媛大学大学院 医学系研究科 免疫学講座 教授
山下 政克 先生
免疫老化
(加齢に伴う免疫機能の変化)
では、獲得免疫の低下が特に顕著であり、T細胞老化がその大きな要因として考え
られている。長期間に渡って繰り返される抗原の侵入はT細胞の過剰な増殖を誘導し、
それがT細胞老化の促進要因となる。
また、加齢に依存した胸腺の退縮とそれに伴う新たなT細胞供給の減少もT細胞老化の促進要因である。老化したT細胞は
機能が低下するだけでなく、様々な炎症性因子を高発現しSASP
(Senescence-associated secretory phenotype)
様の
形質を獲得する。T細胞をはじめとした免疫担当細胞のSASPが誘発する前炎症状態は、
インフラメージング
(inflammaging:
inflammation + aging)
とも呼ばれ、
加齢に伴う自己免疫疾患、
神経疾患、
心血管疾患や発がんの増加と密接に関連している
と考えられている。免疫老化が老化関連疾患の原因であるという仮説
“immunologic theory of aging”
は、老化研究の
パイオニアの1人であるRoy Walford博士らによって50年以上前に既に提唱されているが、T細胞老化の定義は未だ完全には
確立されておらず、SASP誘導の分子機構についても未知な部分が多い。本セミナーでは、T細胞老化について概説すると
ともに、我々が最近見いだした腫瘍抑制因子Meninによるエピゲノム変化、
エネルギー代謝調節を介したT細胞老化の制御
機構について紹介する。
CSHA Special Symposium のご案内
BioLegendは、CSHA Special Symposiumをサポートしております。同日、同一会場にて、15:00∼より開始。詳細は下記URLをご参照ください。
第44回日本免疫学会学術集会サイト:http://www.jsi-men-eki.org/jsi44/meeting_info/index.htm
CSHA(Cold Spring Harbor Asia)からのメッセージ:http://www.jsi-men-eki.org/jsi44/meeting_info/csha2015.html