【木曽谷】 長野県の南部に森に取り囲まれた、日本アルプスを横切る形で谷がある。木曽 川はこの谷の中を約70kmに渡りながれている。徳川時代(1603-1867)には 42 つの主要幹線街道が将軍の都である江戸と帝の都である京都を結んでいた。 ひとつは太平洋沿いの東海道であり、もうひとつは名古屋から木曽谷を通り松 本(塩尻の誤りか)へ通じる中山道である。街道の中には 69 の宿場がありその うち 11 宿が木曽谷に在った。その宿場には将軍を訪問するために江戸行きを義 務付けられた大名が旅行する際の宿泊所があった。当時は木曽谷を通過するに は三日間を要した。現代では車や列車で通過すれば数時間の距離である。街道 の一部では 17 世紀の石畳が残っている。 【木曽平沢】 松本から約35km。アクセス JR中央線(45 分 540 円) 江戸時代にはこの町では、上質で美しい漆工芸品(左の囲み記事参照)が中山 道を通るおおくの旅人の心をとらえ,評判となっていた。現代でもその伝統は継 承され、平沢周辺には 60 名の伝統工芸士を含めて約 200 名の漆職人が存在し 900 名の野人が漆産業に従事している。本通には店が連なり食器や箱類、食卓、 家具やパネルなどの漆製品を販売している。 【木曽暮らしの工芸館】 駅から徒歩 15 分 水曜―月曜(9 時から 5 時)オープン 入場料 無料 電話 0264-34-3888 ミュージアムでもあり販売所でもある大型ギャラリーでは 50 名の漆職人の作品 を展示している。漆の体験教室を受けることも可能。(要予約 1500 円) 【奈良井】 木曽平沢より5km 1本道で1kmに渡り中仙道の宿場であり、江戸と京都のほぼ真ん中にある。 出張り造りや前面の開放タイプの当時の古風で見事な建物を残している。現在 は保存地区とされており、妻籠や馬篭と同様であるが、静かで込んでいない利 点がある。小さな宿に一夜を過ごすと1-2世紀以前に戻ったような感を受ける。 小さな漆飾りをした櫛の産地でもある。 【中村屋】 駅より徒歩 10 分 9 時―5 時オープン 200 円 江戸時代の代表的商家の典型である。囲炉裏があり、裏には美しい庭がある。 櫛を扱った館であるが、1階の一部の通りに面した部分が店として販売をして いた。 (囲み記事) 漆器の話 漆とは漆の木から取り出した樹脂である。非常に薄い層で塗り重ねられ、一回 塗るごとに研ぎを入れている。この塗り重ねの数が漆製品の質を決めることに なる。木曽の塗りでは 18 回ほど塗り重ねられている。漆には炭やコチニールな どの自然物質や酸化鉄や硫化水銀などの化学物質の顔料で色がつけられている。 木曽漆器には呂色(黒の鏡面仕上げ)、春慶(木目が見える明るい赤)と堆朱(色々 な色が、貝辺のちりばめとともに、大理石模様のようで印象的な効果をだして いる。) (囲み記事終わり」 【木曽谷アドレスブック】 宿泊所・奈良井 民宿 伊勢屋 888 奈良井塩尻市 電話:0264-34-3051 www.oyado-iseya.jp 10 室 居心地の良い民宿。本通に面した,江戸時代の見事な民家を残している。 食事 徳利屋 516 奈良井塩尻市 電話:0264-34-2189 要予約 宿場町の最も古い場所に位置している。見事な建築様式が残されている。囲炉 裏の周りで食事が出来る。料理は岩魚や山菜や五平餅(小型のおにぎり風で胡 桃をつける)などで地方独特のもので素晴らしい。
© Copyright 2025 ExpyDoc