中期経営計画(2015年度~2017年度)

中期経営計画(2015年度~2017年度)
私たちがめざす姿 -Next Stage 2017~私たちが変わる、会社が変わる~
2015年度(平成27年度)より2017年度(平成29年度)を最終目標とした中期経営計画を次のとおりとします。
輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社
目次①
Ⅰ.経営方針
1.企業理念及び使命
2.めざす姿
Ⅱ.コア事業戦略
1.システムの安定的運用とサービスの向上
2.より利便性の高い「総合物流情報プラットフォーム」の構築
3.次期NACCSの開発・円滑な導入
Ⅲ.新規事業戦略
1.基本方針
2.国内事業
3.海外事業
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6
8
9
13
15
19
20
21
25
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目次②
Ⅳ.経営基盤強化
1.ガバナンスの強化
2.コンプライアンスの徹底
3.リスク管理の強化
4.人材の育成
5.経営の効率化
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Ⅴ.CSR
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Ⅵ.経営目標
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1.業績目標
2.株式売却及び株主還元
3
Ⅰ.経営方針
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1.企業理念及び使命
【企業理念】
私たちは、お客様と共に歩み、「 人 ・ 物 ・ 国 」をつなぐ
NACCSを通じて、国際物流の発展に貢献します。
【使命】
官民共同利用システムである輸出入・港湾関連情報処理
システム(NACCS)を通じて、お客様の利便性の向上を図り、
国際貿易と国際物流の発展、ひいては我が国の国際競争力
強化に寄与することを使命とします。
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2.めざす姿
・ 当社の使命を達成し、企業理念に基づいて、「24時間・365日の
システムの安定的運用」と「情報セキュリティの確保」に努めること
はもとより、新規事業を実施し、収益の拡大による持続的成長を
実現し、企業価値の向上に努めます。
・ 当社は、1978年(昭和53年)から、官民の垣根を越えて、
輸出入及び港湾・空港手続とこれに関連する民間業務を処理する
基幹システムであるNACCSを運用しています。
これまでの経験と知識を最大限活かしながら、システム開発能力
の向上やグローバル化の推進を図り、国内はもとより海外の
物流関係システムとの連携を実施するなど、当社にしかできない
NACCSを中心としたイノベーションの実現をめざします。
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システムの
安定運用
とサービス
向上
総合物流
情報プラッ
トホームの
構築
株主還元
次期
NACCSの
開発
CSRの
取組み
持続的な成長の
実現
中長期的な
経営の
効率化
企業価値の向上
人材育成の
強化
新規事業の
開発
ガバナンスの
強化
リスク管理の
強化
コンプライ
アンスの
徹底
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Ⅱ.コア事業戦略
※当社におけるコア事業は、電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律(昭
和52年5月31日法律第54号)第9条第1項に基づいて、当社が行うこととされている税関手続等の輸出
入等関連業務を処理するNACCSの使用・管理等をいいます。
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1.システムの安定的運用とサービスの向上
(1)システムの安定的運用
・ 24時間365日、システムの安定的運用に努め、システム稼働率
100%(計画的な停止を除きます。)をめざします。
・ 想定しうるリスクへの対応策を事前に講じるなどプロアクティブ・
マネジメントを実施し、システムの障害発生を未然に防ぐよう努め
ます。
・ システム障害や大規模災害等によるシステム停止に対し、システム
の迅速な復旧を確保するため、システムベンダー、関係省庁等との
連携を強化し、システム障害対応訓練等を実施します。
・ 万一、システム障害やシステム停止が発生した時には、その状況や
対応策等について、速やかにお客様にお知らせするよう努めます。
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(2)お客様へのサービスの向上
・ お客様のニーズを十分把握し、お客様の視点に立った
サービスの提供に努めるため、各種セミナーの拡充や
お客様への情報提供の充実を図ります。
・ お客様からのお問い合わせに対しては、的確かつ迅速
な対応に努め、ヘルプデスクのお客様満足度について、
調査を実施し、お客様の満足度を90%以上とすることを
めざします。
※ヘルプデスクに対するお客様の満足度とは、外部機関が毎年実施する調査において、満足、ほぼ満足、普通、
やや不満、不満の5段階で、満足、ほぼ満足の合計をいいます。
・ 各種業界団体等との情報交換の実施や連携を密にし、
より使い易いNACCSの実現に努めます。
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(3)NACCSの利用促進
・ より多くの皆様がNACCSを利用することがシステム化の効果
を高め、国際物流の効率化と進展につながるとの観点から、
NACCSの利用促進を図るため、国際物流に携わる方々の
加入促進に努め、NACCSの完全普及をめざします。
・ 特に、港湾における国際物流業務の一層の効率化に寄与
することを目的とした「コンテナヤードにおける搬出入業務等
サービス」等について、積極的なプロモーション活動を行い、
利用拡大を図ります。
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NACCS利用者数【航空・海上全体】
(会社数)
(事業所数)
12000
16000
14000
10000
11860
12000
11027
8000
10167
10000
9621
8785
6000
8000
事業所数(航空・海上)
6255
4000
会社数(航空・海上)
6000
4747
6272
4499
2000
5101
6968
5551
2636
4000
2000
1849
0
0
平成20年平成21年平成22年平成23年平成24年平成25年平成26年平成27年平成28年平成29年
※1数値は各年3月末時点のものである。
※2海上・航空それぞれを利用している場合
の重複は除く。ただし、海上・航空共用の場
合は、両方に計上。
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2.より利便性の高い「総合物流情報プラット
フォーム」の構築
次期NACCSの開発・円滑な導入をはじめ、システムの
機能向上に継続的に取り組むとともに、新規事業の推進
による周辺サービスの拡充を図ることで、港湾・空港に
おけるより利便性の高い「総合物流情報プラットフォーム」
の構築に努めます。
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NACCSは、総合物流情報プラットフォームとして、進化してきました。
今後も、NACCSをより利便性の高い「総合物流情報プラットフォーム」に進化
させていきます。
次期NACCS
航空
システム
※1
1978
海上
システム
追加※2
関係省庁
システム
との連携
※3
JETRAS
との連携
※4
1991
1997
2002
輸入・港湾
関連手続
シングル
ウインドウ
業務開始
港湾EDI
との連携
2003
空港入出港
手続シングル
ウインドウ
業務開始
関係省庁
システム
の統合
より利便性の高い
総合物流情報
プラットフォーム
(海上・航空システ
ム統合)
2010
2013
※1 航空貨物通関情報処理システム
※2 海上貨物通関情報処理システム
※3 関係省庁システム:厚生省(厚生労働省)輸入食品監視支援システム(FAINS)、
農林水産省輸入植物検査手続電算処理システム(PQ-NETWORK)、動物検疫検査手続電算処理システム(ANIPAS)
※4 JETRAS:経済産業省貿易管理オープンネットワークシステム
2017
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3.次期NACCSの開発・円滑な導入
次期NACCS(第6次NACCS)は、2017年(平成29年)
10月の稼働を目途として、関係行政機関及びお客様と協議
を行い、港湾・空港における利便性・信頼性の高い、簡易で
効率的な「総合物流情報プラットフォーム」の構築をめざし、
次ページの開発コンセプトに基づき、システム開発に取り組む
とともに円滑な導入に努めます。
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次期NACCSの開発コンセプト
(1)官民共同利用のシステムとして安定性・信頼性の高いシステム
(2)公共的インフラとして、効率性・経済性の高いシステム
(3)総合物流情報プラットフォームとしての更なる機能の充実
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(1)民間業務の拡充
次期NACCSの開発にあたっては、更なる機能向上を念頭に
置くとともに以下の検討を進めます。
①Colins機能の反映による民間業務の拡充
「総合物流施策大綱(2013-2017)」(平成25年6月閣議決
定)で謳われている、NACCSへの国土交通省のコンテナ物流
情報サービス(Colins)機能の反映による民間業務の拡充
※コンテナ物流情報サービス(Colins)とは、輸入コンテナ搬出可否情報、フリータイム情報、船舶動静情報、
港頭地区渋滞情報、ゲートオープン時間情報などを、ターミナルオペレーター、荷主、海貨業者、運送事業者間
で共有化するためのウェブサイトであり、国土交通省港湾局が運営を行っています。
②損害保険業務とNACCSの連携
NACCSの利用者として、新たに損害保険会社に参加して
いただき、損害保険業務とNACCSの連携による民間業務の
拡充
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(2)システムの信頼性の向上
情報セキュリティの確保、バックアップ機能の向上等を図り、
自然災害やサイバー攻撃等に強いシステムを実現します。
(3)安定的な収益の確保
・ 次期NACCSの導入にあたっては、システムの安定的な
運用等の確保を考慮しつつ、経済性の高いシステムとなる
よう努め、それに応じた利用料金の見直しを行います。
・ 今後とも、システムの利用促進を図り、システム利用料金
収入の安定的な確保に努めます。
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Ⅲ.新規事業戦略
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1.基本方針
国際貿易と国際物流の発展、ひいては我が国の国際競争力
強化に寄与するため、新規事業に取り組みます。
また、可能な限り、新規事業は目的達成業務として実施し、
利益の拡大に取り組みます。
※目的達成業務とは、電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律(昭和52年5月31日法律第54号)
第9条第2項に基づき、財務大臣の認可を受けて、実施する業務のことであり、同条第1項に基づいて、当社が行うこととされ
ている税関手続等の輸出入等関連業務を処理するNACCSの使用・管理等以外の業務のことです。
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2.国内事業
(1) iNACCS(仮称)の導入等、情報提供業務の充実
NACCSで処理された情報を活用した情報提供等サービス
「iNACCS」(仮称)の提供について、検討し、実施可能な
ものから実施します。
【iNACCS(仮称)のコンセプト】
NACCSの保有する情報を活用した事業
情報
・必要な情報の蓄積
・情報の加工
等
・輸出入申告情報
・輸出入貨物蔵置情報
等
・輸出入者、各種業界団体、港湾管理者等への情報提供
・いわゆるビッグデータビジネスの実施
等
NACCSの運用に加え、NACCSの保有する情報を活用した事業を実施する
ことで、国際物流の発展に今まで以上に寄与していきます。
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【提供を検討中のサービスの例】
① トレードデジタルアーカイブサービス
・輸出入許可情報等を蓄積し、輸出入者等に提供
・輸出入関係書類とNACCSの輸出入許可情報等の一括電子保管
② アナリティックスサービス
輸出入情報を活用したビジネス・インテリジェンス(BI)の提供
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(2)法人番号導入に伴う関連サービスの提供
2017年(平成29年)10月に稼働予定の次期NACCSから輸出入申告
事項として法人番号(国税庁が企業等に割り当てる番号)の入力が義務化
される事が見込まれており、これを機に法人番号の入力を容易にする等の
サービスを提供することを検討します。
(3)通関手続きの電子化、民民間貿易取引の電子化の推進
「日本再興戦略」(平成25年6月閣議決定)で謳われている、通関手続き
の電子化、民民間貿易取引の電子化の推進の方向性を受け、新規事業の
可能性について検討します。
(4)お客様へのコンサルティング
お客様の自社システムとNACCSの連携について、個々のシステムに
合わせた接続試験を実施可能とするなど、お客様のご要望に沿えるような
コンサルティングを検討・実施します。
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(5)お客様のご要望に応じたNACCSのカスタマイズ
お客様のNACCSの機能等へのご要望について、汎用のNACCSの機能
とは別に、お客様のご要望に応じたカスタマイズの実現について、検討・
実施します。
(6)NACCSに関する研修事業の実施
従来からのNACCSの利用に関する説明会の実施に加え、お客様の
ご要望に応じて、個別にお客様にNACCSの操作に関する講習を実施する
など、NACCSの利用に関する研修事業について、検討・実施します。
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3.海外事業
(1) 諸外国へのNACCS型システムの導入
ベトナムにおける「VNACCS」導入の実績を生かし、
ミャンマーなどのアジア諸国におけるNACCS型貿易関連
システムの導入によるシステム化の支援について、検討・
実施します。
※ミャンマーにおけるNACCS型システム「MACCS」の導入支援業務
(平成28年度稼働予定)
ミャンマー関税局とソフトウェア開発業者及びハードウェア等の調達業者との契約
締結を支援し、平成28年度中の導入に向け、当該業者の業務実施にかかる進捗管理
等を行う予定
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(2)海外システムとの連携
PAA(Pan Asian e-Commerce Alliance)、原産地証明書
プロジェクト、出港前報告制度におけるサービスプロバイダー
との連携等を通じた国境を越えた電子情報交換を推進すると
ともに、海外システムとの連携について検討します。
※PAA(Pan Asian e-Commerce Alliance)とは、アジア各国・地域において、貿易・税関関連システムの運用を担う
事業体の集まりであり、 日本代表の当社を含め、アジア主要国・地域を代表する11社が加盟しています。
PAAでは、アジア域内の手続き電子化・ペーパーレス化を通じた貿易円滑化の推進を目的とした活動を進めています。
・国境を越えた電子情報交換の推進
・海外システムとの連携
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Ⅳ.経営基盤強化
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1.ガバナンスの強化
当社は監査役会設置会社であり、重要な経営判断
と業務執行の監督を行う取締役会と、取締役会から
独立した監査役会、さらには取締役会の諮問機関で
ある第三者委員会により経営の中立性が確保される
コーポレート・ガバナンスの実現に努めています。
今後、政府保有株式の売却が実施され、民間資本
が入ることを視野に入れ、会社法の改正を踏まえ
つつ、ガバナンスの強化策を検討・実施するなど、
引き続き実効性に優れたコーポレート・ガバナンス
体制の維持・強化に努めます。
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2.コンプライアンスの徹底
社員一人ひとりが、法令はもとより社内規程や企業倫理等
を遵守するため、社員研修の充実や内部通報体制の強化等
コンプライアンスの強化策を講じていますが、お客様に信頼して
いただける会社であり続けるため、今後とも、コンプライアンス
の徹底に努めます。
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3.リスク管理の強化
(1)指定公共機関としての対応
・ 当社は、災害時に優先復旧が必要なシステムを運営する
会社として、平成26年8月1日付けで災害対策基本法に
基づく指定公共機関に指定されました。
・ 指定公共機関に指定されたことを踏まえ、業務継続計画
(BCP)の必要に応じた見直しを実施するとともに、
大規模災害が発生した場合であっても、NACCSの早期
復旧を図れるよう、大規模災害対応訓練を実施するなど、
万全な対応に努めます。
(2)リスク管理の徹底
当社を取り巻くリスクを的確に把握した上で、それらを適切
に管理することで、リスク管理の徹底に努めます。
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4.人材の育成
システムの安定的な運用や新規事業を推進するためには、
社員の能力向上が不可欠なことから、以下のような人材の育成
等に努めます。
(1)システムの専門的知識を有する社員の育成
(2)グローバル人材の育成
(3)貿易・物流実務に精通した社員の育成
(4)女性社員の活躍推進
※政府の目標である「指導的地位に占める女性の割合を2020年までに少なくとも30%程度」を踏まえて、
女性の登用の推進に努めます。
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5.経営の効率化
引き続き業務運営の効率化、経費削減に努めるとともに、
社内システムの最適化による業務処理の効率化を図るなど
経営の効率化を図ることにより、安定的な経営の維持・向上
をめざします。
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Ⅴ.CSR
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CSR
当社は、CSRへの取組みとして、次の活動を通じ、社会に
貢献します。
(1)NACCSによる電子化等を通じて、ペーパーレス化を推進し、
CO2の削減に貢献します。
(2)災害対策基本法に基づく指定公共機関として、災害時における
国や地方自治体との綿密な連携体制の構築などを通じ、社会
に貢献します。
(3)ボランティア活動等を通じ、地域に貢献します。
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Ⅵ.経営目標
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1.業績目標
2014年度
(平成26年度)
決算見込み
2015年度
(平成27年度)
業績目標
2016年度
(平成28年度)
業績目標
2017年度
(平成29年度)
業績目標
売上高
96.0億円
98.5億円
99.0億円
100.0億円
営業利益
2.5億円
1.5億円
2.0億円
6.0億円
経常利益
1.3億円
0.8億円
1.5億円
5.5億円
当期純利益
0.2億円
0.5億円
1.0億円
5.0億円
(注)業績目標は、経済状況の変動による輸出入貿易動向の変化、新規事業の開発経費の増減等に
影響を受けるリスクがあります。
また、当期純利益は、税効果会計の適用状況等により影響を受けるリスクがあります。
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2.株式売却及び株主還元
当社の株式は、法律により、その過半数を国が保有することと
なっており、現在は株式の100%を国が保有しています。
過半数を下回る株式について、早期の売却に向けて取り組み
ます。
当社は、株主との建設的な対話を通じて、NACCSの安定的
運用とサービスの向上に努めるとともに、さらに、NACCSと親
和性の高い新規事業等を実施することで、株主を含むお客様企
業の成長を後押ししてまいります。
また、当社の持続的な成長を実現し、企業価値を高めること
で、将来的には、株主の負託(含む配当)にもお応えできる企業
をめざします。
※当社の収益構造
当社の主要業務である電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律第9条第1項に規定されてい
る税関手続等の輸出入等関連業務等については、同法第10条により、いわゆる「収支相償」とされており、多くの利益を見
込むことができません。そこで、同法第9条第2項に基づき、財務大臣の認可を受けて実施する「目的達成業務」によって利
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益確保を目指していく収益構造となります。
本資料に記載されている当社の経営目標等の将来に関する記述については、本資料の
作成時点において入手可能な情報、予測や本資料の作成時点における仮定に基づいた
当社の判断等によって記述されたものです。
このため、今後の経済情勢や景気動向、法令規制の変化その他の幅広いリスク等の影響
により、実際の業績等が本資料に記載された内容と異なる可能性があります。
本資料は、当社の株式その他の有価証券の勧誘を構成するものではありません。
また、本資料は、米国における証券の募集を構成するものではありません。米国1933年
証券法に基づいて証券の登録を行うか又は登録の免除を受ける場合を除き、米国内にお
いて証券の募集又は販売を行うことはできません。
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