「釜山門峴(ムンヒョン)金融団地/釜山国際金融センター(Busan

経済月報
No.474 掲載分
平成 26 年 10 月
●釜山支店℡010-82-51-462-3281 ●青島支店℡010-86-532-85766222 ●大連支店℡010-86-411-83705288
●香港駐在員事務所℡010-852-2521-7194
【釜山支店】
「釜山門峴(ムンヒョン)金融団地/釜山国際金融センター(Busan International Finance
Center, BIFC)」
2009 年に釜山がソウルと共に金融ハブとして指定されたことから、本格的な造成工事に
入っていた釜山門峴(ムンヒョン)金融団地(釜山広域市南区門峴洞)に、去る 8 月 22 日、
事業用の建物としては国内最大規模となる「釜山国際金融センター(BIFC)」が完工し、そ
の竣工式が行われました。
現在、釜山門峴金融団地には、技術信用保証基金の本社及び韓国銀行釜山本部が自社社
屋を建設し、入居しています。釜山門峴金融団地のランドマークである 63 階建の「釜山国
際金融センター」には、韓国資産管理公社・大韓住宅保証・預託決済院・韓国住宅金融公
社・韓国南部発電の 5 つの公共機関が入居する予定です。そして、韓国取引所・農協銀行
釜山本部・信用保証基金釜山慶南本部などの金融機関もここへ移転します。地元の釜山銀
行は 23 階建の本店新社屋を建設し、11 月頃に移転する予定です。今年の年末までには、4
万人余りの金融業に従事する人材が集まり、釜山門峴金融団地は、金融ハブとしての役割
を担う場所となります。
出所:釜山国際金融都市推進センターホームページ
釜山門峴金融団地が本格的に始動すれば、釜山における金融機能が一段と向上すると、
期待を集めています。
1
ソウルと比べ費用面で比較的有利なこの地に、銀行・証券会社・保険会社のバックオフィ
スを担う子会社やコールセンター、遠隔地にあるバックアップセンター等を誘致し、業務
を集中させる計画があります。また、韓国における資本市場の中枢をなす韓国取引所は、
場内外デリバティブ取引と第 1 金融圏【注 1】のデリバティブ取引を釜山門峴金融団地に集
中させる計画があります。国内外の金融機関にも、さまざまなインセンティブを提供し、
積極的に誘致する方針です。【注 2】
周辺地域における交流人口の増加や経済の活性化等、釜山門峴金融団地の開発による地
域への波及効果は大きいと考えられます。釜山門峴金融団地は、釜山の商業中心地である
西面(ソミョン)地域と金融関連オフィスが密集したポムネゴル地域に隣接しており、ま
た、釜山地下鉄 2 号線門田(ムンジョン)駅、1 号線ポムネゴル駅からも近いため、近隣商
圏からの期待も集めています。
このように、
「釜山国際金融センター」の竣工により、釜山門峴金融団地は、金融ハブと
してインフラ面は十分な整備がなされることとなりましたが、国際金融ビジネスの拠点と
なるには、依然として多くの問題点も残っています。
ここに移転する金融・公共機関の多くは、本社機能の一部をソウルに残すため、全ての
機能を釜山に集中させるという移転本来の意味を成さない金融・公共機関も多いのが現状
です。また、政府や釜山市の努力も虚しく、釜山門峴金融団地に移転したのは、地元金融
機関の釜山銀行を除いては公共機関のみであり、民間や海外の金融機関が一社も移転して
いないという事実は無視できません 。
インフラ面や条件は充分揃っているだけに、釜山門峴金融団地が金融ハブとしていち早
く定着するには、地域レベルで、移転した金融機関に対する税制面での優遇措置提供、教
育や住居など居住環境を支援するインセンティブ拡大など、様々な政策が必要であると考
えられます。釜山における市場機能を強化し、資本の集中度合いを高めていくことが、今
後益々重要になります。
注 1・・・地方銀行、外国銀行の支店や全国展開する市中銀行から構成される商業銀行、及び
政府系金融機関である特殊銀行からなる。
注 2・・・一般事業法人は対象外。
<釜山国際金融センター(BIFC)>
土地面積
:
24,856 ㎡
用途
: 業務施設、販売施設
建築規模 : 地上 63 階、地下 4 階(197,869 ㎡)
所要資金 : 5,522 億ウォン
2
<インセンティブ>
外国金融機関
詳細内容
区分
支援対象
本社/地域本部
の新設
支店の新設
(国外⇒釜山)
韓国内本社/地
域本部の移転
移転
(市外⇒釜山)
該当なし
の開始日から 3 年まで 100%免除
所得税 1)
投資金額が 20
億ウォン以上、
常時雇用人数
が 10 人以上の
取得税 1)3)
支店の
最初の所得が発生した課税年度
法人税 1)
財産税 1)2)
韓国内
金融機関
し、以後 2 年間は 50%減免
納税義務が最初に生じた日から
該当なし
3 年間 100%免除
事業経営のため取得した土地及
び、その土地を取得した金融機
関が事業経営のため新築した建
該当なし
築物に対し、2014 年 12 月 31 日
まで 50%減免
立地補助金 4)
用地・建物の購
用地・建物の購
3 ヶ国以上を
入費または、賃
入費または、賃
掌握する地域
借料の 50%減免
本部または、韓
(一金融機関当
国本社
たり 50 億ウォン
たり 50 億ウォン
以内)
以内)
該当なし
借料の 50%減免
該当な
(一金融機関当
し
最近 3 ヶ月間
における、常時
雇用補助金 4)
雇用人数が 10
人以上の金融
移転後の新規雇用 1 人当たり 60 万ウォン以下(最大 6 ヶ月、
一金融機関当たり 2 億ウォン以内)
機関
内国人 10 人以
上を雇用する
教育訓練補助
金 4)
ため、1 ヶ月以 移転後の新規雇用教育訓練 1 人当たり 60 万ウォン以下(最大
上教育訓練を
6 ヶ月、一金融機関当たり 2 億ウォン以内)
実施する金融
機関
事業用設備の
設置資金 4)
内国人 10 人以
上を常時雇用
事業用設備の設置などに要する資金の 10%以内(一金融機関
当たり 10 億ウォン以内)
する金融機関
3
※根拠法
1)租税特例制限法 第 121 条の 21
2)釜山広域市南区税減免条例 第 7 条(租税特例制限法第 121 条の 21 第 3 項根拠)
3)釜山広域市税減免条例 第 12 条(租税特例制限法第 121 条の 21 第 3 項根拠)
4)釜山広域市金融産業育成に関する条例
※ 換算レート:100 ウォン=10.38 円
4