総合戦略(素案)本文 [595KB pdfファイル]

目
次
1.総合戦略策定の趣旨 ………………………………………………………………… 1
(1)目的
(2)西和賀町総合戦略の位置づけ
(3)「西和賀町総合計画」との関係
(4)成果指標と効果検証
2.国の基本目標 ………………………………………………………………………… 2
(1)基本的な考え方
(2)政策の基本目標
3.町の基本目標 ………………………………………………………………………… 2
(1)基本的な考え方
(2)戦略の基本目標
4.具体的施策 …………………………………………………………………………… 5
基本目標Ⅰ
産業力強化による新たな雇用の創出 ……………………………… 5
基本目標Ⅱ
女性が住みやすいまちづくり
基本目標Ⅲ
U・I ターン者の受け入れ環境整備
基本目標Ⅳ
町とつながる人を増やす …………………………………………… 7
基本目標Ⅴ
広域連携による魅力ある圏域づくり ……………………………… 8
……………………………………… 6
……………………………… 6
5.基本目標別の具体的施策(総括表)………………………………………………… 9
1.総合戦略策定の趣旨
(1)目的
西和賀町の人口は、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、平成 22(2010)
年の人口 6,602 人が、平成 52(2040)年には 3,183 人となり、構成比では 65 歳以上の
人口割合が 54.7%と、今後さらに人口減少と超高齢化が進むと予測されています。
この状況に歯止めをかけ、定住人口と交流人口の拡大を図るため、恵まれた自然環境
の中で培われた「安全・安心な食の生産と提供」、錦秋湖や温泉といった「観光資源」
などの地域特性を活かしながら、6次産業化など新たな分野における雇用の創出、安心
して子どもを産み、育てられる生活環境の整備など、将来にわたって持続可能な地域の
創生に向けた一体的な取り組みとして、
「西和賀町まち・ひと・しごと創生総合戦略(以
下「西和賀町総合戦略」という。
)
」を策定するものです。
(2)西和賀町総合戦略の位置づけ
西和賀町総合戦略は、西和賀町人口ビジョンを踏まえ、かつ国及び県の総合戦略を勘
案したうえで、西和賀町におけるまち・ひと・しごと創生に関する基本目標及びその達
成に向けて取り組むべき施策の基本的方向、具体的施策など、将来にわたって活力ある
地域を維持するための計画として策定します。
西和賀町総合戦略の計画期間は、平成 27(2015)年度から平成 31(2019)年度まで
の5か年とします。
(3)「西和賀町総合計画」との関係
西和賀町総合戦略は、
「雇用確保」
「地方回帰」
「子育て支援」
「地域再生」など、人口
減少に歯止めをかけ活力ある地域を維持するため重点的に取り組む施策の基本的な方
向や具体的な施策を定めるものです。
策定にあたっては、平成 25 年 3 月に策定した西和賀町総合計画後期基本計画の事業
内容、すでに行っている事業の効果等の精査・検証を踏まえ、計画相互の整合性を図り
ます。
(4)成果指標と効果検証
西和賀町総合戦略では、戦略を推進するための分野別の基本目標を設定するとともに、
具体的な施策については、客観的な重要業績評価指標(KPI)を設定します。
また、計画・実行・評価・改善というPDCAサイクルを確立することが重要であり、
効果的な戦略を策定し着実に実施するとともに、実施した施策・事業の効果を検証し、
必要に応じて西和賀町総合戦略を見直します。
1
2.国の基本目標
(1)基本的な考え方
国における長期ビジョンにおける今後の目指すべき将来の方向は、将来にわたって
活力ある日本社会を維持することであり、総合戦略では、人口減少と地域経済縮小の
克服のため、
「東京一極集中の是正」
「若い世代の就労・結婚・子育ての希望実現」
「地
域の特性に即して地域課題の解決」の視点から、一体的に取り組むことが重要である
としています。
(2)政策の基本目標
国の総合戦略では、政策の基本目標を明確に設定し、それに基づき適切な施策を内
容とする「政策パッケージ」を提示するとともに、政策の進捗状況について重要業績
評価指標(KPI)で検証し、改善する仕組みを確立することとしています。そのため、
町においてもまち・ひと・しごと創生法の目的及び理念に基づき、国における次の4
つの基本目標を踏まえた西和賀町総合戦略を策定します。
基本目標(1)地域における安定した雇用を創出する。
基本目標(2)地域への新しい人の流れをつくる。
基本目標(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる。
基本目標(4)時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と
地域を連携する。
また、まち・ひと・しごと創生推進のための政策5原則である、自立性、将来性、
地域性、直接性、結果重視の趣旨を踏まえ、関連する施策を展開していきます。
3.町の基本目標
(1)基本的な考え方
西和賀町総合戦略の目的は、西和賀町が将来にわたって持続していくためのプラン
を策定することです。
このまま人口減少が進めば、自治体としての機能を維持することが困難な状況に陥
る“消滅可能性都市” といわれている西和賀町ですが、
“どこにもない四季”と形容
する豊かな自然や、この地で育まれてきた独特の伝統文化、そこに暮らす人々の生き
様は後世に伝えていかなければならないものです。
そのため、西和賀町総合戦略の策定にあたっては、一緒にこの町を守り伝えるとと
もに、町に変革をもたらしてくれる新たな“町民”を増やすことが重要であり、移住・
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定住人口の増加と、町と関わる交流人口の拡大に重点を置いた取り組みを進めていく
こととします。
また、移住・定住人口、交流人口を増やすためには、魅力ある地域づくりが必要で
すが、総合戦略で後期計画3年度目に入っている西和賀町総合計画を着実に実行する
ことにより総合的なまちづくりを推進します。
(2)戦略の基本目標
◎基本目標Ⅰ
産業力強化による新たな雇用の創出
-町の資源を活用し、仕事と雇用をつくる-
西和賀町は、第1次産業、第2次産業、第3次産業それぞれの分野で多様な
業種が存在する地域であり、それぞれに雇用チャンスはあるものの、全体とし
ての雇用状況は低迷傾向にあります。
この状況を改善させ、それぞれの産業を強化するためには、優先して取り組
むべき事業を明確にし、現在町が進めようとしている各産業の自立と連携によ
る6次産業化の展開をさらに強化させていかなければなりません。
また、西和賀らしさを活かすことのできる仕事の創出による安定した雇用の
確保を進め、定住人口、交流人口の拡大につなげていきます。
◎基本目標Ⅱ
女性が住みやすいまちづくり
-結婚・出産・子育て支援による安心感をつくる-
人口減少を食い止め、少子化を改善していくためには、町に住んでいる、または
これから町に住もうとする若い世代の人たちが安心して結婚し、子供を産み、子育
てができる、よりよい環境をつくっていく必要があります。
このため、若い世代の人たちの働く場の確保などによる経済的な安定と、妊娠か
ら出産・子育てまで切れ目の無い支援を整え、特に若い女性が住みやすいまちづく
りを意識した取り組みを進めていきます。
◎基本目標Ⅲ
U・I ターン者の受け入れ環境整備
-地域を支え、地域に支えられる人の流れをつくる-
西和賀町の人口移動の特徴としては、高校卒業に伴う進学・就職時と大学卒業就
職時に大きく減少しますが、その後の U ターン等での人口回復があまりみられて
いないことが挙げられ、社会的人口減少の大きな要因となっています。
このため、町出身者を中心に、町が持つ子育て環境や家族、地域との結びつきな
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どの優位性をアピールしながら、雇用、住環境など移住のための環境整備、相談窓
口の設置など U ターン・I ターン者受け入れのためのさまざまな施策を展開し、移
住人口、定住人口の拡大を目指します。
◎基本目標Ⅳ
町とつながる人を増やす
-拡大コミュニティの形成により“まち”を広げる-
町内各集落においては、人口減少や行事等への参加者の減少、役員の高齢化やな
り手がいないなどの課題が増えてきています。コミュニティの基本単位である集
落の自治や助け合いの機能が低下することは、町全体の活力が減退していくこと
にもつながります。
そのためには町出身者や町を訪れる観光客、町に関心を持ってくれるファンな
ど、町に居住するだけではない多様なコミュニティを拡大コミュニティとして位
置づけ、出身者がさまざまな形で出身集落や町と関わりを持てるような取り組み
をするとともに、集落や町とのつながりを深めることにより、町全体の活性化につ
なげていく仕組みをつくります
また、大学や専門家を積極的に受け入れ、インターンやボランティアが地域で活
動できる環境を整えることにより、新たな交流や連携による地域の活性化を図り
ます。
◎基本目標Ⅴ
広域連携による魅力ある圏域づくり
-他自治体との連携により“まち”を広げる-
国全体が人口減少時代に入った今、地域においてはインフラの老朽化や厳しい
財政状況などもあり、それぞれの自治体が単独で住民サービスを維持していくの
が困難になってきています。そのため、自治体相互がそれぞれの規模や資源、特色
などに応じて役割を分担し、連携・協力することにより、圏域全体で地域住民のい
のちと暮らしを守るため、広域圏としての魅力アップと住民サービスの維持、向上
を図る取り組みを進めます。
また、問題意識や志を同じくする自治体同士が連携し、学びあいながら、持てる
力を結集して住民の福祉向上や地域づくりにつなげる取り組みを進めていきます。
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4.具体的施策
基本目標Ⅰ
産業力強化による新たな雇用の創出
-町の資源を活用し、仕事と雇用をつくる-
【施策の方向】
農業分野では、米価の低迷や担い手の高齢化等により西和賀農業は衰退を続けていま
すが、町における生活の基本は農業にあり、地域を支える農業のあり方の検討と、そこ
で働く人を増やす取り組みを進めていきます。
林業分野では、町面積の8割以上を占める森林資源は産業として事業化できる可能性
を持っており、素材生産、木質バイオマスエネルギー活用、観光との連携など森林の持
つ可能性拡大に向けて計画的な取り組みを進め、雇用拡大を図ります。
商工業分野では、地域内消費の拡大を図るとともに、新たなビジネス展開のため個別
商談や商談会への参加などのマッチング事業に取り組みます。
観光業分野では、受け入れ、おもてなし環境の整備を進め、来訪者の満足度を高める
とともに、西和賀らしい旅行商品を創出するため、町内での旅行業者育成を進めます。
6次産業分野では、町が重点的に進めてきた各産業の連携による6次産業化を発展させ
るとともに、農業と観光、福祉と観光など新たな視点からのビジネスチャンスを創出す
る取り組みを進めます。
【具体的施策】
(1-1 )
各産業の受け入れ態勢・体力強化(農林業)
①集落営農組織の強化
②新規就業者の確保と支援体制の整備
③再生可能エネルギーの活用による農林業の活性化
④広葉樹資源活用の合理化・機械化支援
(1-2)
各産業の受け入れ態勢・体力強化(商工業)
①町への企業誘致
②ビジネスマッチングの支援
③地域内消費の拡大
(1-3 )
各産業の受け入れ態勢・体力強化(観光業)
①おもてなし環境の整備
②旅行業者の育成と旅行商品の創出
(1-4 )
各産業の受け入れ態勢・体力強化(6次産業)
①新たな特産品開発の支援
②産業間連携の支援
(2)
雇用の場の確保・起業支援
①起業・新分野への参入支援
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②広域的な就業支援
(3)
西和賀のブランド化
①ブランドデザインの推進
②食のブランド化の推進
基本目標Ⅱ
女性が住みやすいまちづくり
-結婚・出産・子育て支援による安心感をつくる-
【施策の方向】
子育ての不安や緊急時の対処などについて、電話相談も含めいつでも対応できる窓口の
設置など、子育て世代の不安や負担の軽減を図るとともに、勤務状況に応じた保育受け入れ
体制の整備、育児休暇取得の促進など、地域で子育てを支援する体制を構築します。
また、独身女性などのためのシェアハウスの整備など、住みやすさ、地域への親しみやす
さを意識した支援策に取り組むとともに、若い世代の交流の場所や機会を創出し、町内での
居場所づくり、仲間づくりを支援します。
結婚相談に関しては、各種団体や地域、グループなどで出会いの場づくりや結婚したい人
の相談に応じるなど、地域全体で結婚支援を行います。
【具体的施策】
(1)
出産・子育て支援
①出産・子育てサポート体制の整備
②保育環境の改善
③育児休業の取得推進
(2)
女性の暮らしやすさ向上
①交流・集いの場(カフェ等)の整備
②単身女性用住宅の整備
(3)
出会いの場づくり
①結婚相談窓口の設置
②婚活事業の実施、出会いの場づくり
基本目標Ⅲ
U・I ターン者の受け入れ環境整備
-地域を支え、地域に支えられる人の流れをつくる-
【施策の方向】
U・I ターンを促進するためには、移住者が町の状況を十分に把握し、仕事や住居など移
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住に向けた相談にしっかりとした対応をすることが重要です。そのため、相談窓口を一元化
するとともに、専任の定住支援員を配置し、移住に向けた相談から、受け入れ、移住後の相
談まで、できるだけきめ細やかな対応ができる体制を整備していきます。移住体験住宅の活
用による移住までの判断の機会提供にも取り組みます。
また、移住生活で重要な雇用の場の確保、居住の確保に向け、しっかりとした情報提供が
できるようデータ収集や情報ネットワークを構築するとともに、スムーズな移住に向けた
2世帯住宅の整備や空き家改修などに補助制度を導入するなど、U・I ターンの受け入れに
向けた積極的な施策を展開します。
【具体的施策】
(1)
各種情報提供の強化
①定住支援窓口の設置
②就職情報等の発信
(2)
住環境の整備
①空き家データバンクの整備
②移住体験住宅の整備
③住宅改修助成制度の導入
(3)
集落等の受け入れ態勢支援
①集落支援員の設置
②地域の受け入れ体制強化
基本目標Ⅳ
町とつながる人を増やす
-拡大コミュニティの形成により“まち”を広げる-
【施策の方向】
拡大コミュニティを形成していくためには、データ収集や情報発信などによる対象者の
把握と参加が必要ですが、西和賀とつながるコミュニティの一員としての存在感、参加する
ことの充実感や満足感を感じられるかどうかによって、その後の活動に大きな影響がある
と思われます。
そのため、湯田ふるさと会、沢内ふるさと会、西和賀ファンクラブなど、既存の団体と交
流・連携を図るとともに、各集落と出身者との交流など、出身者とのネットワークの構築に
ついて支援していきます。
また、町からの情報発信の一元化など、情報のわかりやすさと効率化を図るとともに、情
報発信機能の強化により、入り込み客の増加や町特産品の通信販売の売り上げ拡大などを
進めていきます。
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【具体的施策】
(1)
拡大コミュニティの構築
①町出身者・支援者とのネットワーク構築
②集落ごとの拡大コミュニティ支援
(2)
情報発信力の強化・充実
①町の情報発信機能の一元化
(3)
外部人材の受け入れ
①地域づくりインターンの受け入れ
②大学や専門家などによる地域支援
基本目標Ⅴ
広域連携による魅力ある圏域づくり
-他自治体との連携により“まち”を広げる-
【施策の方向】
新たな広域連携として、奥州市、花巻市、北上市、遠野市、金ヶ崎町と西和賀町の4市2
町により、人口減少時代の広域連携のあり方に関する勉強会が立ち上げられており、今後の
広域連携について協議を進め、できるところからの連携策を進めていきます。
また、真昼山地を囲む自治体の観光ネットワーク構築など。既存のエリアを越えた新たな
広域自治体連携を検討し、圏域全体で地域振興を図ります。
さらに、移住、定住、地域の魅力向上のために、新たな視点からの広域連携として首都圏
自治体や他県自治体との交流も積極的に進めていきます。
【具体的施策】
(1)
定住自立圏構想の推進
①日高見の国定住自立圏の推進
②広域連携の拡大と充実
(2)
圏域を越えた広域連携の推進
①真昼山地を囲む自治体ネットワーク(仮称)の推進
②自治体間の相互協力体制の構築
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5.基本目標別の具体的施策(総括表)
■基本目標Ⅰ 産業力強化による新たな雇用の創出
………………………………
11
1.方針 ……………………………………………………………………………
11
2.現状 ……………………………………………………………………………
11
3.目標実現のための基本的な方向 ……………………………………………
11
4.具体的施策 ……………………………………………………………………
12
(1-1)各産業の受け入れ態勢・体力強化(農林業) …………………
12
(1-2)各産業の受け入れ態勢・体力強化(商工業) …………………
13
(1-3)各産業の受け入れ態勢・体力強化(観光業) …………………
13
(1-4)各産業の受け入れ態勢・体力強化(6次産業)…………………
14
(2)雇用の場の確保・起業支援 ……………………………………………
14
(3)西和賀のブランド化 ……………………………………………………
15
■基本目標Ⅱ 女性が住みやすいまちづくり ………………………………………
16
1.方針 ……………………………………………………………………………
16
2.現状 ……………………………………………………………………………
16
3.目標実現のための基本的な方向 ……………………………………………
16
4.具体的施策 ……………………………………………………………………
17
(1)出産・子育て支援 ………………………………………………………
17
(2)女性の暮らしやすさ向上 ………………………………………………
17
(3)出会いの場づくり ………………………………………………………
18
■基本目標Ⅲ U・I ターン者の受け入れ環境整備
………………………………
19
1.方針 ……………………………………………………………………………
19
2.現状 ……………………………………………………………………………
19
3.目標実現のための基本的な方向 ……………………………………………
19
4.具体的施策 ……………………………………………………………………
20
(1)各種情報提供の強化 ……………………………………………………
20
(2)住環境の整備
……………………………………………………………
20
(3)集落等の受け入れ態勢支援 ……………………………………………
21
■基本目標Ⅳ 町とつながる人を増やす ……………………………………………
22
1.方針 ……………………………………………………………………………
22
2.現状 ……………………………………………………………………………
22
3.目標実現のための基本的な方向 ……………………………………………
22
4.具体的施策 ……………………………………………………………………
23
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(1)拡大コミュニティの構築 ………………………………………………
23
(2)情報発信力の強化・充実 ………………………………………………
23
(3)外部人材の受け入れ
24
……………………………………………………
■基本目標Ⅴ 広域連携による魅力ある圏域づくり
………………………………
25
1.方針 ……………………………………………………………………………
25
2.現状 ……………………………………………………………………………
25
3.目標実現のための基本的な方向 ……………………………………………
25
4.具体的施策 ……………………………………………………………………
26
(1)定住自立圏構想の推進 …………………………………………………
26
(2)圏域を越えた広域連携の推進 …………………………………………
26
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基本目標 Ⅰ
産業力強化による新たな雇用の創出
-町の資源を活用し、仕事と雇用をつくる-
1.方針
西和賀町は、第1次産業、第2次産業、第3次産業それぞれの分野で多様な業種が
存在する地域であり、それぞれに雇用チャンスはあるものの、全体としての雇用状況
は低迷傾向にあります。
この状況を改善させ、それぞれの産業を強化するためには、優先して取り組むべき
事業を明確にし、現在町が進めようとしている各産業の自立と連携による6次産業化
の展開をさらに強化させていかなければなりません。
また、西和賀らしさを活かすことのできる仕事の創出による安定した雇用の確保を
進め、定住人口、交流人口の拡大につなげていきます。
数値目標
基準値
目標値
社会増減の均衡
観光客入込数
2.現状
町では、平成 20 年に策定した「西和賀元気な産業再生プログラム」に基づき産業
再生に取り組んできましたが、昨年取りまとめた事業総括では、基幹産業としてとら
えている農業、観光業の落ち込みが目立っています。
農業については、米価の大幅下落が最大の要因と思われますが、後継者不在と高齢
化による担い手不足が顕著になっています。
観光業については、観光の国内市場が縮小する中で、インバウンドなど新たな需要
への対応が求められていますが、多くの事業者が取り組めていない現状にあります。
製造業については、出荷額も増加をしており、従業者数もほぼ横ばいの状況です。
しかし、従業員の確保に苦労をしている事業所も多く、安定した雇用の確保が大きな
課題になっています。
3.目標実現のための基本的な方向
農業分野では、米価の低迷や担い手の高齢化等により西和賀農業は衰退を続けてい
ますが、町における生活の基本は農業にあり、地域を支える農業のあり方の検討と、
そこで働く人を増やす取り組みを進めていきます。
林業分野では、町面積の8割以上を占める森林資源は産業として事業化できる可能
性を持っており、素材生産、木質バイオマスエネルギー活用、観光との連携など森林
の持つ可能性拡大に向けて計画的な取り組みを進め、雇用拡大を図ります。
商工業分野では、地域内消費の拡大を図るとともに、新たなビジネス展開のため個
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別商談や商談会への参加などのマッチング事業に取り組みます。
観光業分野では、受け入れ、おもてなし環境の整備を進め、来訪者の満足度を高め
るとともに、西和賀らしい旅行商品を創出するため、町内での旅行業者育成を進めま
す。
6次産業分野では、町が重点的に進めてきた各産業の連携による6次産業化を発展
させるとともに、農業と観光、福祉と観光など新たな視点からのビジネスチャンスを
創出する取り組みを進めます。
4.具体的施策
(1-1 )
各産業の受け入れ態勢・体力強化(農林業)
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
集落営農組織数
新規就業者数
①集落営農組織の強化
◎集落を維持していくための地域政策的な役割と、経営感覚を持った経営体
の両面から集落営農組織の組織化を図り、集落内での話し合いや地域づくり
の検討に積極的な支援を行います。
○集落営農の組織化・法人化
○農地の面的集積の拡大
②新規就業者の確保と支援体制の整備
◎農業や林業で働く新規就業者を受け入れ、育成するため、西和賀農業塾など
研修体制の拡充と、国等の事業も含めた青年就農給付金など、就業者受け入れ
のための助成制度の活用を進めます。
○新規就業者受け入れ態勢の整備
○新規就業者への助成制度の整備
③再生可能エネルギーの活用による農林業の活性化
◎農林業における新たなビジネスチャンスとして、地域に豊富に賦存する森
林バイオマスや地熱、雪などの再生可能エネルギーの農業施設への導入を図
り、新たな雇用の創出を進めます。
○再生可能エネルギー導入施設の整備
○森林バイオマスエネルギーを活用した起業支援
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④広葉樹資源活用の合理化・機械化支援
◎薪利用の拡大など町内広葉樹資源の活用を進めるため、機械化や低コスト
化による合理化と所得の向上を図ります。
○伐採搬出作業の機械化支援
○薪利用の拡大
(1-2) 各産業の受け入れ態勢・体力強化(商工業)
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
誘致企業数
ビジネスマッチング件数
①町への企業誘致
◎新たな雇用の場として町の特性を生かすことのできる企業誘致に向けた積
極的な取り組みを行うとともに、町外企業と町内事業所との商談交渉など、新
たな取引先の獲得を図ります。
○企業誘致活動の強化
○コーディネーターの配置
②ビジネスマッチングの支援
◎町内で生産・製造される商品の販路拡大や取引先の開拓に向け、積極的に商
談会や個別商談などのビジネスマッチングの取り組みを支援します。
○商談会の開催
○コーディネーターの配置
③地域内消費の拡大
◎地域商品券の発行、地産地消の取り組みなど、地域内での消費や地場産品の
購買運動などを通じ、地域内商店の活性化を図ります。
○地域商品券の取り組み
○地場産品購入運動の展開
(1-3 ) 各産業の受け入れ態勢・体力強化(観光業)
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
ツアー参加者の満足度
募集型企画旅行の参加者数
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KPI
①おもてなし環境の整備
◎旅館や飲食店のおもてなしを向上させるため、施設整備に対する助成を行
うとともに、接客力向上のための研修会の開催や町全体で観光客を受け入れ
るイメージアップのための取り組みを推進します。
○おもてなし環境整備事業
○おもてなし向上セミナーの開催
②旅行業者の育成と旅行商品の創出
◎町の魅力や特色を生かした旅行商品による誘客を図るため、町内において
第3種旅行業法の取得による旅行業者の育成を図ります。
○旅行業登録と業務支援
○募集型企画旅行の実施
(1-4 ) 各産業の受け入れ態勢・体力強化(6次産業)
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
新規特産品数
①新たな特産品開発の支援
◎町の新たな特産品として期待される山菜、地鶏などの事業化に向け、関係機
関との調整や事業計画の策定などについての支援を行います。
○新規事業の事業化支援
②産業間連携の支援
◎6次産業化における新たな各産業間の連携策を検討し、医療福祉分野と農
業あるいは観光との結びつきなど、産業間の連携による事業化に向けた取り
組みを支援します。
○ヘルスツーリズム等新たな観光スタイルの構築
○体験型観光の推進
(2)
雇用の場の確保・起業支援
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
新規雇用者数
起業事業所数
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KPI
①起業・新分野への参入支援
◎町で新たに起業する、あるいは業種の異なる新分野への進出を行おうとす
る事業所や個人に対して、事業計画等を勘案しながら必要な支援策を講じる
など、町内でのビジネスチャンスの拡大を進めます。
○ビジネスチャレンジ支援事業(仮称)の実施
○起業・新分野に向けた相談窓口の設置
②広域的な就業支援
◎移住者の多様な就業機会の確保のため、町外企業の求人情報の提供や、町か
ら町外企業への通勤等に対する通勤費用の助成制度を検討します。
○ハローワーク等との連携による就職あっせん
○町外通勤者への助成
(3)
西和賀のブランド化
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
パッケージ等改良商品数
西わらび販売量
①ブランドデザインの推進
◎町産品の商品価値を高めるため、パッケージの工夫や販売戦略の検討など、
専門家を交えた検討・改善を行うことにより、ブランド力を高める取り組みを
推進します。
○外部専門家との連携
○町外での販売戦略展開
②食のブランド化の推進
◎町の農林産物、食文化、風土など、地域の“食”を磨き上げ、ブランド化す
ることにより、地域の魅力を高め、入り込み客の増加や地域の活性化につなげ
ます。
○地産地消の取り組み推進
○山菜等農林産物の生産体制構築
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基本目標 Ⅱ
女性が住みやすいまちづくり
-結婚・出産・子育て支援による安心感をつくる-
1.方針
人口減少を食い止め、少子化を改善していくためには、町に住んでいる、またはこれか
ら町に住もうとする若い世代の人たちが安心して結婚し、子供を産み、子育てができる、
よりよい環境をつくっていく必要があります。
このため、若い世代の人たちの働く場の確保などによる経済的な安定と、妊娠から出
産・子育てまで切れ目の無い支援体制を整え、特に若い女性が住みやすいまちづくりを意
識した取り組みを進めていきます。
数値目標
基準値
目標値
合計特殊出生率
婚姻数
2.現状
町では、不妊治療への補助、保育料の軽減措置、18歳までの医療費無料化など、出産、
子育てに対する各種支援制度を拡充しています。また、婚活事業を行う団体に対しての開
催支援を行っています。
7月に実施した保育所と小学校の保護者に対するアンケート調査では、未就学児保育、
就学児保育に対して「満足している」と「やや満足」の回答が50%を超えていたのに対
し、医療環境は同18%、教育環境は同23%、出産環境は33%となっています。
また、アンケート結果で、
「出産数を向上させるために最も力を入れたほうがよいと思
う分野」についての質問で、最も多かったのは医療環境で38%、次いで教育環境20%、
出産環境17%となっています。
生活環境や仕事の状況に応じて多様なニーズがあり、移住・定住人口拡大に向けて具体
的な対策が求められています。
3.目標実現のための基本的な方向
子育ての不安や緊急時の対処などについて、電話相談も含めいつでも対応できる窓口
の設置など、子育て世代の不安や負担の軽減を図るとともに、勤務状況に応じた保育受け
入れ体制の整備、育児休暇取得の促進など、地域で子育てを支援する体制を構築します。
また、独身女性などのためのシェアハウスの整備など、住みやすさ、地域への親しみや
すさを意識した支援策に取り組むとともに、若い世代の交流の場所や機会を創出し、町内
での居場所づくり、仲間づくりを支援します。
結婚相談に関しては、各種団体や地域、グループなどで出会いの場づくりや結婚したい
人の相談に応じるなど、地域全体で結婚支援を行います。
16
4.具体的施策
(1) 出産・子育て支援
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
子育てサポートセンター相談件数
育児休業取得率
①出産・子育てサポート体制の整備
◎子育て世代の不安や緊急時の対処などについて、いつでも対応できる窓口の設
置など、地域で子育てを支援する体制を構築します。
○子育てサポートセンターの設置
○24時間体制での相談窓口の整備
②保育環境の改善
◎多様な勤務状況等に対応した保育受け入れ体制を拡充するとともに、0歳児保
育の導入や保育ママ制度など、新たな保育支援の導入について検討します。
○保育時間の延長や0歳児保育の導入
○保育ママ制度など、多様なニーズへの対応
②育児休業の取得推進
◎町内事業所における育児休業取得の実態等を把握し、育児休業の取得促進や取
得しやすい職場づくりを支援します。
○育児休業取得の取得増加に向けた PR
○育児休業取得促進のための事業所支援
(2) 女性の暮らしやすさ向上
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
女性サークルの組織数
①交流・集いの場(カフェ等)の整備
◎就職や結婚で町外から移住する女性が地域に溶け込みやすいように、集いの場
づくりや、交流事業などへの支援を行います。
○つどいの場の整備
○女性サークルなどの活動支援
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②単身女性用住宅の整備
◎単身女性が短期的に居住できるシェアハウスなど、町に溶け込みやすい住環境
の整備を図ります。
○女性用シェアハウス整備
(3) 出会いの場づくり
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
未婚率の減少
①結婚相談窓口の設置
◎結婚を望む人たちの相談窓口を設けるとともに、セミナーの開催や個別相談に
応じる相談員の設置など、結婚支援の取り組みを進めます。
○結婚相談所の開設
○結婚相談員の設置
②婚活事業の実施、出会いの場づくり
◎町内団体やグループなどによる出会いの場づくりや婚活に関連した事業を支援
し、地域での結婚支援の機運を醸成します。
○婚活事業の開催支援
○婚活支援団体等の組織化
18
基本目標 Ⅲ
U・I ターン者の受け入れ環境整備
-地域を支え、地域に支えられる人の流れをつくる-
1.方針
西和賀町の人口移動の特徴としては、高校卒業に伴う進学・就職時と大学卒業就職時に
大きく減少しますが、その後の U ターン等での人口回復があまりみられていないことが
挙げられ、社会的人口減少の大きな要因となっています。
このため、町出身者を中心に、町が持つ子育て環境や家族、地域との結びつきなどの優
位性をアピールしながら、雇用、住環境など移住のための環境整備、相談窓口の設置など
U ターン・I ターン者受け入れのためのさまざまな施策を展開し、移住人口、定住人口の
拡大を目指します。
数値目標
基準値
目標値
U・I ターン者数
2.現状
町への転入者は 100 人を割り込んでおり、社会増減数は毎年 50~60 人の減となって
います。
人口ビジョンの策定に向け、本年 7 月に実施した町出身者へのアンケートでは、移住
の意向について、いずれは戻りたいと回答した人が全体で 9%あり、30 代では 22%に上
っています。また、戻ろうとしたときの不安、問題となることへの回答として、一番多い
のは「年をとったときの生活環境」次は「病院など医療機関が少ないこと」でした。
戻るにあたっての必要なサポートでは、
「自分の技術や技能を生かせる場づくり」
「再就
職への支援」
「起業に必要な資金的支援」の回答が多くありました。
住宅情報などの問い合わせも増えてきている状況にあり、移住希望者の多様なニーズ
の分析、検討を行い、早急に受け入れ体制、環境整備を進めていく必要があります。
3.目標実現のための基本的な方向
U・I ターンを促進するためには、移住者が町の状況を十分に把握し、仕事や住居など
移住に向けた相談にしっかりとした対応をすることが重要です。そのため、相談窓口を一
元化するとともに、専任の定住支援員を設置し、移住に向けた相談から、受け入れ、移住
後の相談まで、できるだけきめ細やかな対応ができる体制を整備していきます。移住体験
住宅の活用による移住までの判断の機会提供にも取り組みます。
また、移住生活で重要な雇用の場の確保、住居の確保に向け、しっかりとした情報提供
ができるようデータ収集や情報ネットワークを構築するとともに、スムーズな移住に向
けた2世帯住宅の整備や空き家改修などに補助制度を導入するなど、U・I ターンの受け
入れに向けた積極的な施策を展開します。
19
4.具体的施策
(1) 各種情報提供の強化
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
移住に関する相談件数
①定住支援窓口の設置
◎移住相談、定住支援のための定住支援員の配置と固定的な相談窓口を設置し、
町出身者等への U・I ターン情報の提供や、移住した人たちの戸別相談などに対
応できる体制を構築します。
○移住促進・定住支援に向けた専門部署の設置
○定住支援員の設置
○移住相談会の開催
②就職情報等の発信
◎移住による新たな雇用の場の確保のため、通勤可能な町外も含めた就職情報に
ついて、関係機関と連携しながら必要な情報提供ができる体制をつくるとともに、
新規就業者への支援制度の整備に取り組みます。
○移住に向けた情報発信サイトの整備
(2) 住環境の整備
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
空き家の活用数
①空き家データバンクの整備
◎空き家の活用に向けたデータ整備と、アパートや公営住宅を含めた住宅情報の
一元化によるスムーズな情報提供を図ります。
○空き家情報のデータベース化
②移住体験住宅の整備
◎U・I ターン希望者のための体験住宅の整備や、体験メニューの整備などによ
り、まずは気軽に町への移住を検討できる環境をつくります。
○移住体験住宅の整備
20
③住宅改修助成制度の導入
◎U ターン者のための住宅新改築や空き家改修等にかかる費用の助成制度の整備
に取り組み、移住推進を図ります。
○住宅新改築助成制度の導入
○西和賀型モデル住宅の整備
(3) 集落等の受け入れ態勢支援
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
集落支援員設置数
①集落支援員の設置
◎集落活動の支援とともに、U ターン希望者の把握、移住者からの相談窓口、集
落での受け入れ態勢の改善などのため、地域の状況に応じ集落支援員を設置しま
す。
○集落支援員制度の導入
○集落点検等の実施
②地域の受け入れ体制強化
◎移住者が安心して暮らすためには地域の支援や好意的な受け入れが必要であ
り、地域での受け入れや地域と関係機関の連携等についての地域内での協議や取
り組みを支援し、地域での受け入れ態勢の強化を図ります。
○移住者受け入れに向けた地域への支援
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基本目標 Ⅳ
町とつながる人を増やす
-拡大コミュニティの形成により“まち”を広げる-
1.方針
町内各集落においては、人口減少や行事等への参加者の減少、役員の高齢化やなり手が
いないなどの課題が増えてきています。コミュニティの基本単位である集落の自治や助
け合いの機能が低下することは、町全体の活力が減退していくことにもつながります。
そのため、町出身者や町を訪れる観光客、町に関心を持ってくれるファンなど、町に居
住するだけではない構成員による多様なコミュニティを拡大コミュニティとして位置づ
け、出身者がさまざまな形で出身集落や町と関わりを持てるような取り組みをするとと
もに、集落や町とのつながりを深めることにより、町全体の活性化につなげていく仕組み
をつくります。
また、大学や専門家を積極的に受け入れ、インターンやボランティアが地域で活動でき
る環境を整えることにより、新たな交流や連携による地域の活性化を図ります。
数値目標
基準値
目標値
西和賀ファンクラブ会員数
2.現状
町では、町外に住む方々との情報交流の場として「西和賀ファンクラブ」を運営してお
り、その会員数は平成27年7月末で641名となっています。首都圏での旧町村の出身
者によるふるさと会がそれぞれあり、定期的に活動をしながら、町に対する支援も行って
いただいております。町出身者では、北上市や盛岡市など近隣の都市部に住んでいる方も
多く、農繁期や冬期には実家の手伝いをしに来ている姿が見受けられます。
また、小繋沢集落のように、地域出身者とのネットワークを構築し、定期的な情報誌の
発行や特産品発送などの関係づくりを積極的に取り入れている例もあります。
外部人材の受け入れについては、平成24年にスタートした銀河ホール学生演劇祭で
は、首都圏や関西方面から多くの学生が町に入り、創作活動や地域との交流を行っていま
す。また、岩手県立大学による臨時ボランティアセンターの設置、国際ボランティアグル
ープの受け入れなど、西和賀をフィールドとした学習活動なども増えてきています。
3.目標実現のための基本的な方向
拡大コミュニティを形成していくためには、データ収集や情報発信などによる対象
者の把握と参加が必要ですが、西和賀とつながるコミュニティの一員としての存在
感、参加することの充実感や満足感を感じられるかどうかによって、その後の活動に
大きな影響があると思われます。
22
そのため、湯田ふるさと会、沢内ふるさと会、西和賀ファンクラブなど、既存の団
体との交流・連携を図るとともに、各集落と出身者との交流など、出身者とのネット
ワークの構築について支援をしていきます。
また、町からの情報発信の一元化など、情報のわかりやすさと効率化を図るととも
に、情報発信機能の強化により、入り込み客の増加や町特産品の通信販売の売り上げ
拡大などを進めていきます。
4.具体的施策
(1) 拡大コミュニティの構築
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
合同同窓会参加者数
①町出身者・支援者とのネットワーク構築
◎既存の町出身者団体であるふるさと会との連携や西和賀ファンクラブの事業拡
大等により、町の出身者や町を応援してくれる方々とのネットワークの構築・拡
大を図ります。
○ふるさと会等町出身者との連携
②集落ごとの拡大コミュニティ支援
◎地域出身者に対する情報発信やイベントへの参加など、ふるさととの関係を密
にするきっかけづくりとするため、地域出身者との交流や旧小学校区単位で出身
者を招いての合同同窓会の開催を検討します。
○旧小学校区単位での合同同窓会開催
○出身者とのネットワーク構築
(2)
情報発信力の強化・充実
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
通信販売売上額
①町の情報発信機能の一元化
◎町の観光情報や物産情報を発信している「西和賀 FAN」
「西和賀ネット」など
の事業を整理統合し、町の情報発信ポータルサイトとしての一元化を図ります。
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○情報発信サイトの整理統合
○e コマースでの通信販売環境整備
(3) 外部人材の受け入れ
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
インターン受け入れ者数
①地域づくりインターンの受け入れ
◎学生やボランティアなどの外部人材を積極的に受け入れ、地域や町民が相互に
学びあいや交流を深めることにより、新たな交流づくりを進めます。
○インターン活動支援制度の導入
○地域とのマッチング支援
②大学や専門家などによる地域支援
◎地域の課題解決や地域づくりに外部の力を生かすため、大学や専門家などを受
け入れ、地域の計画づくりや話し合いに参画するなど、外部人材と地域とのマッ
チングを行います。
○外部人材受け入れに対する支援
○地域のワークショップ等の開催支援
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基本目標 Ⅴ
広域連携による魅力ある圏域づくり
-他自治体との連携により“まち”を広げる-
1.方針
国全体が人口減少時代に入った今、地域においてはインフラの老朽化や厳しい財政状
況などもあり、それぞれの自治体が単独で住民サービスを維持していくのが困難になっ
てきています。そのため、自治体相互がそれぞれの規模や資源、特色などに応じて役割を
分担し、連携・協力することにより、圏域全体で地域住民のいのちと暮らしを守るため、
広域圏としての魅力アップと住民サービスの維持、向上を図る取り組みを進めます。
また、問題意識や志を同じくする自治体同士が連携し、学びあいながら、持てる力を結
集して住民の福祉向上や地域づくりにつなげる取り組みを進めていきます。
数値目標
基準値
目標値
共生ビジョンの事業数
2.現状
町では、ごみ処理や消防などは近隣市町で構成する一部事務組合で共同処理しており、
後期高齢者医療制度は広域連合で運営されています。また、共通の目的達成のため共同で
連絡調整や管理執行を行うための協議会などもあります。
それぞれ目的達成のために必要な広域連携ではありますが、内容が限定されており、本
格的な連携にはつながりづらい面もあることから、近隣市町村による新たな広域連携の
あり方についての検討が行われています。
また、東京都特別区との交流や他県自治体からの連携提案の動きなどもあり、異なる立
場からの連携のあり方として注目しています。
3.目標実現のための基本的な方向
新たな広域連携として、奥州市、花巻市、北上市、遠野市、金ヶ崎町と西和賀町の4市
2町により、人口減少時代の広域連携のあり方に関する勉強会が立ち上げられており、今
後の広域連携について協議を進め、できるところからの連携策を進めていきます。
また、真昼山地を囲む自治体の観光ネットワーク構築など、既存のエリアを越えた新た
な広域自治体連携を検討し、圏域全体での地域振興を図ります。
さらに、移住・定住、地域の魅力向上のために、新たな視点からの広域連携として首都
圏自治体や他県自治体との交流も積極的に進めていきます。
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4.具体的施策
(1) 定住自立圏構想の推進
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
共生ビジョンの達成率
①日高見の国定住自立圏の推進
◎北上市、奥州市、金ヶ崎町との連携による定住自立圏構想を推進し、住民生活
を広域として支えるシステムを確立することにより、首都圏からの人の流れを受
け入れられるサービスの維持向上と効率化を図ります。
○共生ビジョンの実施
○連携による成果の公表
②広域連携の拡大と充実
◎花巻市、遠野市も含めた4市2町の連携強化を図り、定住自立圏としての機能
の強化、拡大を進めます。
○人口減少時代の広域連携のあり方に関する勉強会への参加
(2) 圏域を越えた広域連携の推進
重要業績評価指標(KPI)
項目
現状値(基準値)
KPI
町が参加する自治体ネットワーク数
①真昼山地を囲む自治体ネットワーク(仮称)の推進
◎西和賀町と境を接する横手市、美郷町、大仙市、仙北市との観光を中心とした
連携を図り、県内自治体も含めた真昼山地を囲む自治体ネットワークを構築して
観光振興を推進します。また、自治体連携による秀衛街道の活用も進めます。
○真昼山地を囲む自治体ネットワーク設立準備
○周遊モデルコースの整備
②自治体間の相互協力体制の構築
◎共通する地域課題の解決や災害時の支援など、志を同じくする全国の自治体と
の相互協力体制の構築と連携の強化を図ります。
○テーマに応じた自治体連携
○首都圏自治体との連携強化
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