三室戸小学校「校長室だより」 - 宇治市立小・中学校のページ

三 室 戸 小 学 校 「 校 長 室 だ よ り 」( 保 護 者 用 ) 9 月 号
三室戸小 校長発行
2学期始業式の校長講話より
2学期が始まりました。始業式で体育館に集まった児童達のやる気のある元気な顔を見
る と 、「 よ し 。 頑 張 ろ う 」 と い う 気 持 ち と パ ワ ー が 湧 い て き た の は 私 だ け で な く 、 本 校 の
全教職員も同じ気持ちであったと思います。児童達は夏休みにご家庭や地域において様々
な活動・体験やつながりの中から多くのことを学び、心身ともに大きく成長したことと思
います。
さて、始業式の校長講話において、次のような話をさせていただきました。
児 童 会 歌 「 青 空 に 向 か っ て は ば た こ う 」 を か け た 後 、「 私 は こ の 歌 が 大 好 き で す 。 そ の 中
で も こ の フ レ ー ズ が 好 き で す 。」 と 言 っ て 「 ぼ く た ち は み ん な 鳥 の つ ば さ だ 。 大 き な 鳥 の
は ね の 一 枚 ず つ が 手 を と り あ え ば と び た て る ぞ 。 さ ぁ 。」 と 下 手 く そ な が ら 歌 い ま し た 。
そ し て 、「 2 学 期 の 目 標 は こ の 歌 詞 に あ る よ う に 『 協 力 』・『 団 結 』 で す 。 一 人 ひ と り の
力を合わせて頑張りましょう。では、何のためにみんなで力を合わせることが必要でしょ
うか。一つは2学期に行われる運動会(9月19日)や三室戸小まつり(11月10日)
・ 遠 足 ・ マ ラ ソ ン 大 会( 1 2 月 4 日 )等 の 行 事 の 成 功 の た め で す 。楽 し い 思 い 出 を つ く り 、
達成感を味わいましょう。また、みんなで力を合わせるのは毎日生活する居心地のよいク
ラスづくり・学年づくりや学校をつくるためのものです。さらに、みんなで力を合わせる
のは戦争が終わり、今年は70年の節目ですが、戦争やその同じような構造のいじめやい
や が ら せ ・ い じ わ る を な く す た め で す 。」 と 象 の イ ラ ス ト を 見 せ た 後 、 戦 時 中 、 上 野 動 物
園 で 実 際 に あ っ た 話 を 絵 本 に し た 有 名 な 「 か わ い そ う な ぞ う 」( 土 屋 由 岐 雄 ) の あ ら す じ
と さ び の 部 分 の 読 み き か せ を 行 い ま し た 。「 戦 争 で 空 襲 が 激 し く な っ た 東 京 で 動 物 園 も 空
襲で檻が破られ猛獣が街に出て、人間に危害を加える可能性が出てきたので、猛獣を毒殺
したのでした。3匹の象も殺されることになったのですが、かしこい象は毒の入ったジャ
ガイモには見向きもしません。毒を注射しようとしても堅い象の皮で針が折れてしましま
す 。 し か た な く 食 べ 物 を や ら な い で お き ま し た 。」 と あ ら ず じ を 紹 介 し 、「 弱 っ て き た 象
は最後の体力を振り絞り、後ろ足で立ち上がりました。前足を折り曲げました。鼻を高く
あげてばんざいをしました。しなびきった体じゅうの力をふりしぼり、げいとうを見せる
の で し た 。 げ い と う を す れ ば 昔 の よ う に 、 え さ が も ら え る と 思 っ た の で す 。」 の く だ り を
読むと館内がシーンとしました。
この2学期、学校という集団の中で児童達のよさをさらに伸ばすための最大の支援と指
導を行うことといじめやいやがらせやいじわる等の人権上、許されないことに正面から立
ち向かう決意を新たにした始業式でした。
2学期も、ご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
( 引 用 :「 か わ い そ う な ぞ う 」( 土 屋 由 岐 雄 )〔 金 の 星 社 〕 よ り )
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〔校長コラム〕
各駅停車の旅
こ の 夏 に 「 青 春 キ ッ プ 」( J R 発 行 の 日 本 全 国 ど こ に で も 行 け る 安 価 で あ り ま す が 、 特
急や急行が使用できない季節限定のキップ)を使い、自宅のJR最寄り駅の高槻から東京
まで各駅停車の一人旅に出かけました。6時30分に高槻を出て、東京に着いたのが15
時 3 0 分 。7 回 乗 り 換 え の 計 9 時 間 の 旅 で し た 。次 の 日 の 帰 り は 中 央 本 線 を 利 用 し た た め 、
8回乗り換えの11時間ほどの旅となりました。
「車や特急ではわからないその土地の様子やにおいが自転車の旅とか各駅停車の旅では
わ か る 。」 と よ く 言 わ れ ま す が 、 ま さ に そ の と お り で し た 。 一 步 一 步 足 下 を 見 つ め な が ら
確実に進む充足感も各駅停車の旅ならではのものでしょう。いつも教育のことに結びつけ
申し訳ありませんが、小学校の発達段階では各駅停車の速度で進むのが適当ではないかと
考えます。目的地まで一本で早く、車内販売まであり便利で快適ですが、今どこを走って
いるのかがわからない他力本願の新幹線を利用しての旅より、ものの道理や成り立ちを自
分自身で一つひとつ確認していき、自分の手足で進んで行かなければならない自力本願の
各駅停車の旅のありかたこそが、今の小学校の発達段階では必要ではないでしょうか。
自分で考え、苦労して目的地に着いた喜びは何より大きく、自信につながるものと考えま
す。中学校や高校・大学での発達段階では進学や就職に向けて、それこそ快速電車や急行
・特急を利用しなければならない時もありましょうが、人間性育成や学力の基礎・基本を
築く今は、まず、自分自身の特性にあった自分のスピードで自分で様々なことを一つずつ
体験していくことが肝要と考えます。
乗り換える時は「次はどんな電車だろうか。次は座れるだろうか。何番線に行けばよい
の だ ろ う か 。」 等 先 が 見 え な い の で 、 少 し 緊 張 し ま す 。 児 童 が 学 年 や 校 種 が か わ る 時 に 感
じる感覚もこの比ではありませんが、同じようなものがあるのでしょう。宇治市ではこの
ような課題を解消するためにスムースな連携と次への見通しが持てるように小中一貫教育
を重点において教育を進めてきていますが、本校も東宇治中学校ブロック小中一貫教育校
としてさらにうまく学習面や生活面が接続できるとともに、児童の不安感の解消を進めて
まいります。
最後に、ベンチシートの電車も多いのですが、ボックスシートの場合は可能な限り進行
方向に座るようにしています。酔わないための対策でもありますが、何事も夢や目標に向
かって、進むべき道に向かっては常に前を向いておきたいと考えているからです。児童に
も失敗をおそれない前向きな姿勢を伝えていきたいと思います。
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