2.3 検索システムの実際 2.4 情報のプロセスと評価

2.3
検索システムの実際
実際の検索システムにおける操作方式としては次の3つがある。
①コマンド検索方式
画面上の1つの行(コマンドライン)に、コマンドを入力することによって検索を進める。
コマンドには、FIND(検索実行)、BASE(ファイルの選択)、
SCAN(索引語の参照)、SHOW(検索結果の画面出力)、STOP(検索の終了)などが
ある。(実際のコマンドは検索システムによって異なる。)
②メニュー検索方式
システム側から検索手順に関するメニューが提示され、利用者はそのオプションを選択
していくことにより検索を進めることができる。
③フォーム検索方式
GUI を活用した、視覚的・操作的に優れた検索画面を通じて検索を実行できる。
○現在の検索システムの大部分はフォーム検索方式を採用している。
2.4
情報のプロセスと評価
●情報検索の流れ
情報検索の出発点となるのは情報要求(information needs)である。
↓
情報要求が生じたときに、情報検索が必要になる。
↓
検索システムが受け付けることができるように、
検索質問から検索式を作成し、実際の検索を実行する。
↓
↓
満足のいく検索結果。
↓
そうでない場合。
↓
終了
再検索
情報要求・・・各利用者の心の中にあり、明示的には書き下せないものとして捉えるこ
とができる。
検索質問・・・情報要求を言葉で表現したもの。
利用者自身が検索を実行する場合には、情報要求から直接的に検索式が作成されることも
多いが、図書館員などに代行検索を依頼する場合には、情報要求を必ず話し言葉または書
き言葉で表すことが必要になる。
●検索結果の評価
検索結果の評価は、基本的には、適合文献が何件含まれているのかという観点からなさ
れる。
・検索結果に含まれる文献が、その情報要求や検索質問に主題的に合致している場合、
その文献は「適合している」。
・検索されなかった適合文献を「検索もれ」
。
・検索されてしまった文献を「検索ノイズ」。
精度・・・検索された文献のうち適合文献の占める割合。
再現率・・・すべての適合文献のうち検索されたものの割合に相当する。
精度=
再現率=
(A.検索ノイズの件数
B.検索された適合文献の件数
C.検索もれの件数)
精度は検索ノイズに関する指標であり、ノイズが低いほどその値は高くなる。
それに対して再現率は検索漏れに関する指標であり、もれが低いほどその値は高くなる。
再現率が向上すると精度が下がるため、検索を実行する際には精度重視と再現率重視のど
ちらの検索戦略を選択するのかを決めておく必要がある。
● 文献の入手
掲載雑誌を所蔵している図書館を探し、その図書館に足を運ぶ必要がある。
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WWW・・・リンクをクリックするだけで、当該ページを直ちに閲覧できる。
現在は、文献提供サービスや電子図書館などが発達していてWWW経由で文献を直接入手
することも一部可能になっている。
ex).NII−ELS
・・・国立情報学研究所(NII)が提供する電子図書館サービス。
ここからこの論文を直ちに入手できる。
インターネット
・・・インターネット上に当該論文のPDFファイルが置かれていて、
それを無料でダウンロードすることができることもある。